SSブログ

小湊鐵道・・・春のローカルキハ 撮影記 [鉄道写真撮影記]

1000.jpg

2011.04.16 小湊鐵道
ローカルキハ 撮影

うららかな春の陽気に誘われて、週末は千葉のローカル私鉄・小湊鐵道へ行ってみることにしました。本当は満開の桜を期待していたのですが、どうやら時すでに遅し。小湊沿線の桜は、東京が満開だった一週前の週末ではまだ五分咲き程度と伝えられていたものの、先週の中ほどに暖かい晴天日が続いたことで一気に開花し、水・木あたりに満開を迎えてしまったらしい。週末まで満開状態が保たれているといいのですが、望みは薄いかな・・・。この前も書きましたが、撮りたい桜の満開と自分の休みが重なるタイミングって本当に難しいですね・・・(´・ω・`) 。それでもあえて小湊鐵道を訪れるのは、桜以外にも撮ってみたい春の風物詩がそこにあったからでした。

4月16日(土)
新宿0737-(中央652T)-御茶ノ水0746~0750-(総武726B)-錦糸町0758~801-(総武快速709F)-千葉0836~0847-(内房149M)-五井0904

都内から房総方面へ入るには総武本線で千葉か、京葉線で蘇我からの二通りありますが、今回は総武線経由を選択。というのも、地震で休業していたTDLが前日から営業を再開していたので、おそらく朝の京葉線は混雑するのではないかと思ったのです。電車はもとより、あの長い東京駅の連絡通路が混んでいると、ウンザリしますよね・・・。一方、総武快速線はガラガラ。千葉で内房線に乗り継いで、小湊鐵道の起点・五井へ。

1001.jpg

内房線の209系。
写真は続行の151Mを撮ったものですが、私が乗った149Mも209系でした。
やっぱり、113系はずいぶん減ってしまったんだなぁ・・・。
内房線 五井

1002.jpg

こちらはこれから乗る小湊鐵道のキハ200。
まさにローカル線の雰囲気満点です。
小湊鐵道 五井

久しぶりの小湊鐵道、紅葉狙いで訪れた一昨年の秋以来になります。ホームに待機していたのは、おなじみのツートンカラーの気動車・キハ200。小湊鐵道はすべてこのキハ200で運転されているので、車両的な当たり外れがありません。つまりどの時間の列車でも、この懐かしい車両に乗ることができるのです。ひなびた沿線風景もさることながら、キハ200の存在こそが小湊鐵道いちばんの魅力と言ってもいいでしょう。

1024.jpg

五井の側線に留置されていた無蓋車(トム)。
小湊鐵道には機関車類の配置はありませんから、
動くときはキハ200に牽引されるのでしょうか?
ちょっと見てみたいですね・・・。

1003.jpg

今回使用する一日乗車券・1700円。
五井~上総中野は普通乗車券で片道1370円なので、
単純に往復するだけでも元が取れてしまいます・・・。
左は五井まで使用したJRのホリパス。

1004.jpg

今回の列車旅のお供にと、千葉駅のNewDAYSで見つけたのがコレ。
なんと、懐かしの「アーモンドポッキー」じゃありませんか!
昔はチョコレート(普通のヤツ)と並んで定番だったはずなのに
いつの間にか消えてしまって、アーモンドポッキーと言うと
「アーモンドクラッシュ」の方を指すようになっていました。
私はこのアーモンドポッキーが大好きだったんですよね・・・。
復刻と書いてありましたが、一時的なものなのでしょうか・・・?
いずれにせよ、小湊を旅するにはサイコーのお供が手に入りました(笑)。

座席の7割が埋まっている程度の客を乗せて、上総中野行きの列車は五井を発車。すぐに大きくカーブして内房線と分かれると、しばらくは市原の市街地を走り、二つ目の海士有木(あまありき)を過ぎたあたりから車窓に田園風景が広がります。田んぼにはちょうど田植えに備えた水が張られていて、水鏡などを狙ってみるのも面白い撮り方かもしれません。でもここで途中下車してしまうと、次の上総中野行きの列車は一時間半後。撮影する列車のことも考えるとあまり余裕は無く、ここは車窓を眺めながら慎重に撮影地を見極めなくてはなりません。いつものことですが、ここがクルマではなく列車移動の辛いところ。水鏡アングルは見送って、とりあえず桜の咲く駅として有名な飯給(いたぶ)か月崎を目指してみようと思います。

1005.jpg

ちょっと変わった駅名の海士有木。
小湊鐵道の駅名板は手書きのものが多いです。コレも味?

1006.jpg

途中の上総牛久では上り列車と交換。
列車の約半数はこの上総牛久止まりです。
小湊鐵道の有名撮影地はここよりも先に多いので、
列車利用の際にはご注意を。
小湊鐵道 上総牛久(車内から)

1007.jpg

後方の窓から桜で有名な各駅の様子を眺めてゆきます。
まずは上総鶴舞。やはりほとんど散っちゃっていますね・・・。

1008.jpg

里見。
花びらの白っぽさはあるものの、残っているのは半分くらいか。

1009.jpg

そして飯給。
咲き具合がまばら・・・というか、
今年は左の桜の上半分は咲かなかったみたい。
昨年の猛暑の影響か、それとも老化による病気のせいなのか・・・。
しかし、下半分はまだ満開状態をキープしているようにも見えます。

小湊鐵道でいちばん有名な桜の駅・飯給。桜の様子を車内から眺めてみましたが上半分のまばら状態が気になって、降りるのを見送ってしまいました。でも上写真を見ると、長玉で下半分を切り取れば案外きれいにまとまったかも知れませんね。でも、もう後戻りは出来ません。次は月崎。ここも駅に大きな桜の木があるのですが・・・。

1010.jpg

月崎。
うーん・・・ここの桜も、もう寂しいなぁ。

1011.jpg

続いて、上総大久保。
お!ここの桜はまだ残っている方・・・か?

やはり桜はもう遅いみたい。結局、月崎や上総大久保でも降りず・・・。では一体どこへ向かうのか? 列車はまもなく養老渓谷に到着しようと言うところで、車窓がパッと明るい色に包まれます。

1012.jpg

車窓に広がるのは一面の菜の花畑。
切れてしまいましたが、右半分も同様に菜の花畑があります。
小湊鐵道 上総大久保-養老渓谷(車内から)

そう、桜がダメなら・・・と、考えていたのは菜の花。なかでもこの養老渓谷の菜の花畑は、最近注目度が上がっている撮影地。ここで撮られたキハ200の写真を某サイトで見かけ、桜がダメで萎えかけていた私の気持ちは再び小湊へと引き寄せられたのでした。桜だけじゃない、菜の花だって立派な春の風物詩。ツートンの古豪キハを黄色いじゅうたんの中で撮ろうじゃないか!・・・と、言うわけで、菜の花畑の最寄り駅・養老渓谷で下車。

五井0922-(小湊7A)-養老渓谷1024

1013.jpg

五井からちょうど一時間。
小湊鐵道屈指の観光地、養老渓谷に到着。
養老渓谷には小学生の頃、遠足で来たことがあります。
小湊鐵道 養老渓谷

駅から県道を15分ほど歩くと、すぐに先ほどの菜の花畑に出ました。車窓からの眺めもきれいでしたが、あらためてその場に立って見渡すと、眩しいくらいの黄色に圧倒されます。線路沿いに菜の花が咲く撮影地はよくあるけれど、ここまで一面に広がっているところはそうそう無いんじゃないでしょうか。その畑の真ん中を単線のレールがカーブを描いている・・・とてもいい鉄道撮影地です。ここで狙うのは先ほど乗ってきた列車の折り返し。本数の少ない小湊鐵道の末端部ですが、養老渓谷の次は終点の上総中野なので、お目当ての列車はすぐにやってきました。

1014.jpg

一面に咲き誇る菜の花。
暖かい春の日差しを浴びて、小湊のローカルキハが走り抜けます。
小湊鐵道 上総大久保-養老渓谷(後追い)

陽が回らないので晴れると手前のサイドは陰ってしまいます。それでもこの撮影地は晴れてくれた方が嬉しい。順光のアウトカーブ側から撮ることも考えたのですが、高台から眺められるイン側からの方が菜の花畑に広がりがあって好みのアングルでした。
わずか列車一本、一カットの撮影ではちょっと名残惜しいけど、列車の本数が少ない中でなるべくいろんな撮影をしたいので、別のポイントへ移動することにしました。しかし移動すると言っても、次の列車まではまだ一時間以上もあります。行きたい撮影地は隣の上総大久保・・・ならば、一駅くらい歩いちゃいましょう。天気がいいので、絶好のハイキング日和です (^^)。

1015.jpg

線路沿いを歩いていると、所々で撮影ポイントが気になります。
いい雰囲気のガーダー橋、これからの時期は新緑がきれいかも知れません。
小湊鐵道 上総大久保-養老渓谷

先ほど行きの列車から眺めていた中で、桜の状態が比較的良かったように見えたのが上総大久保でした。やはりせっかく春の小湊へ来たのなら、一枚くらい桜とキハ200を撮りたい。そりゃ満開期に比べればボリュームは乏しく、もはや悪あがきにすら思えますが、試しにシャッターを切ってみると意外と悪くない。さっそく駅近くの踏切付近から桜の木と小さな駅を入れたアングルでカメラを構え、列車の到着を待ちます。風が強かったこの日、待っている間にもどんどん散ってゆく桜の花びら。花吹雪はきれいだけれど、もったいないと思わずにはいられません。ホント、花の命は儚いですねぇ・・・。やがてその桜吹雪の向こうに列車の姿が見えてきました。

1016.jpg

見頃は過ぎてしまったものの、美しい桜に迎えられたキハ。
風に煽られて、列車の周りを花びらが舞っています

(写真をクリックすると、多少は桜吹雪がみえるかと・・・^^;

小湊鐵道 上総大久保

列車には大きな緑色のヘッドマークが掲げられていました。この列車は車内で懐石料理を楽しむことが出来るという、事前予約制の「懐石料理列車」。列車に揺られながら懐石料理だなんて、なかなかオツな企画ですね~。それにしても、小湊のキハにマークが付くとは全く予想していなかったので、ちょっとしたサプライズでしたが、果たしてこの画にヘッドマークはあった方がよかったのかな・・・(^^;)。
かろうじてピンクの花をつける桜の木。桜吹雪がもう少し目立つと良かったのですが、晩春らしいいい雰囲気になったかも。悪あがきの一枚としては良しとすべきでしょう。でも来年こそは、しっかりと満開の時期に訪れたいものです。

1017.jpg

同列車の後追い。こちらにはヘッドマークがありません。
「懐石料理列車」は前一両で、後ろは定期の普通列車。
小湊鐵道 養老渓谷-上総大久保(後追い)

1018.jpg

撮影後は上総大久保駅のベンチでランチタイム。
千葉駅で買っておいた「万葉軒のやき肉弁当」。
このボリュームで580円とはなかなか良心的なお値段です。
☆☆☆・・
桜吹雪を見ながら贅沢なひととき。ビールが飲みたくなりますが、
さすがに周辺には酒屋やコンビニなどは見当たりませんでした(笑)。

1019.jpg

先ほどの折り返し、上り列車が入ってきました。
コレに乗って戻るとしましょう。
小湊鐵道 上総大久保

1020.jpg

この日の気温は20度越え。
窓を開けると心地よい春風が入ってきます。
今年の夏は電力不足で空調が使えず、
各地で窓を開けることになるのかも知れません。

1022.jpg

振り返ると、後ろのガキンチョも窓全開!
あまり乗り出すと危ないけれど、コレって気持ちいいんだよね~♪

1021.jpg

乗り出した視線の先には、菜の花ロード!

上総大久保1217-(小湊18A)-五井1316

時間的には早いのですが、これで小湊鐵道を後にします。実は五井まで来るのにJRのホリデーパスを買っていたので、ついでに久留里線にも行きたいなどと欲が出てしまったのです(ホリパスの使える範囲は木更津までで、久留里線は範囲外ですが)。前回訪れたときのリベンジ、今度こそキハ30が一台くらいは動いているだろうなんて期待しながら、木更津に行ってみると・・・。

1023.jpg

またもや、キハ30は三台ともお休み中・・・orz
久留里線 木更津

本当にこのキハ30とは相性が悪いなあ・・・。こんなことなら小湊でもう一本くらい、飯給あたりで撮影してくればよかった・・・。

五井1326-(内房4175F)-木更津1347
木更津1357-(総武快速4384F)-東京1522

と、まあ最後は相変わらず冴えない結果になってしまいましたが、メインだった小湊鐵道の撮影はじゅうぶんに楽しむことができました。房総のディーゼルカーと言えば、小湊鐵道のお隣のいすみ鉄道(大原~上総中野)では、ついにキハ52が試運転を開始し、GWには営業運転が始まるとのこと。またひとつ、房総の非電化路線に楽しみが増えることになりましたね。



共通テーマ:趣味・カルチャー