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上信電鉄・・・復活!凸デキ 撮影記 前編 [鉄道写真撮影記]

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2011.04.29 上信電鉄
復活!凸デキ 撮影記 前編

GWです。連休とあらばどこか遠くへ行きたいところですが、体調を崩していた父親の様子がちょっと心配だったので、今年は遠征を控えて近場で過ごすことにしました。近場とはいえ、最近の関東近郊は案外鉄ネタ満載。楽しむ方法はいくらでもあります。上・信越線の機関車重連「レトロ号」、183系「足利藤まつり」や185系湘南色の臨時「草津」、いすみ鉄道のキハ52。久しぶりに烏山線の国鉄色キハを追ってみるのもいいなぁ・・・。そんななか、GW初日の29日に私が向かったのは群馬。やはりGWイベントの筆頭に挙げられるネタガマの「レトロ号」狙いか? いいえ、私が撮りたかったのはカマはカマでも「デキ」の方。高崎を起点とするローカル私鉄、上信電鉄の機関車です。
「上州のシーラカンス」の愛称で知られる (って実はこの愛称、私は今回上信のHPで初めて知ったのですが・・・^^;)上信電鉄の凸形電気機関車・デキ1形。1924年(大正13年)にドイツのシーメンスシュッケルト社から三両が購入された日本で最も古い電気機関車で、94年まで同線のセメント・石灰石輸送に活躍。貨物廃止後は工事列車、イベント列車として運行し続けてきましたが07年3月に起きた脱線事故で損傷し、以来運転を休止することに。しかし復活を望む声は多く、今年の「群馬デスティネーションキャンペーン」に向け、費用を沿線自治体が出し合うことで修復・整備が行われることとなりました。まさに奇跡の復活。そして、ようやく今年4月に修復が完了。晴れて29日に4年ぶりの運転再開となったのです。一鉄道ファンとして、復活に携わられた方々には本当に感謝の気持ちで一杯です。m(_ _)m
そんな復活したデキの勇姿を拝むべく、一路高崎へ。

4月29日(金)
新宿0628-(埼京607K)-赤羽0645~0650-(高崎831M)-高崎0829

前述のようにこの日は信越線でもEF6019とEF641001のPPで行われる「ELレトロ横川号」の運転があり、高崎線の車内には同業者と思われる方々が多数。「レトロ」とデキは往路の掛け持ちが難しいので、高崎駅で目的別に分散されるのが面白い。「レトロ」狙いは信越線ホームへ、デキ狙いはJRの改札を抜けて上信電鉄改札へ向かいます。もちろん私は上信へ。若い頃なら迷わずJRのイベント列車を撮りに行っていたでしょうが、最近は趣向が変わってきたのかな・・・?

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JR高崎駅に隣接する上信電鉄の改札口。

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高崎駅0番線が上信ホーム。
0番線って響き、ちょっと特別な感じがして好きです。
左はJRですが、停車しているのは田町の185系ですね。
「あかぎ」の回送かな・・・?
上信電鉄 高崎

改札を抜けると、停車していたのは250形(252+1301)。最近は西武からの中古車が幅を利かせている上信で、このオリジナルの250形に乗れるのはちょっと嬉しい・・・と、乗り込もうとすると、ホームの先端付近で係の方が「デキの出発式はコチラです」と誘導しているのが見えます。デキの出発式? そんなものが行われるのか!? その係の方に「見学できますか?」と尋ねると、どうぞと車庫へ続く門扉を開けていただけました。一足早くデキが見られる・・・これは予想していなかったラッキーです。撮影地の下調べをしようと、早めに来て良かった~(⌒▽⌒)。

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車庫へと続く職員通路からはこんな車両の並びが見られます。
左から250形、ED316、200形。両端の電車は「人形処・かんとう」の広告車。
(「かんとう」の文字が「かりんとう」に見えて、上州はかりんとうが名物なのか
と勘違いしたのは私だけ・・・? ^_^;)
上信電鉄 高崎

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国鉄から譲渡されたED316(車体は大幅に更新)。
デキの影に隠れていますが、コチラも貴重な古豪機関車です。
車籍はあるものの、本線走行はキビシイらしい・・・。

各種の個性的な車両が並ぶなか、デキはいったいどこにいるのだろう・・・。注意深く見回しながら通路を抜けると、一番奥にある研修庫内に黒い重厚な機体がたたずんでいるのが見えました。いた!デキ発見!!

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出発前、倉の中で鎮座していたデキ1。感動の対面です!
すでにパンタは上がり、準備万端。
上信電鉄 高崎

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まさに撮影会状態だったので、今度はタテ位置で圧縮気味に。
凸形の特徴は出ませんが、倉に待機中の雰囲気が出したかったんです。
助手席側には「デキ復活!」の襷がかけられています。

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反対側は倉の中のデキ3。
こちらも良い雰囲気ですが、外との露出差がありすぎて難しいっっ(>_<)。
下り方の先頭には記念のヘッドマークが掲げられています。

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上信には客車の配置が無いので、デキのお供となるのは200形。
このシブい電車も最近、旧塗装に戻されたのだそうな。

今回の復活運転は関係者や事前申し込みの団体臨時列車。出発式が行われる倉のなかに続々と参加者が集まってきました。一通り式典が行われた後、デキが動き出して200形と連結されるのでしょうが、撮影地へ向かわなければならない私はそろそろタイムリミット。デキ+200形の編成は沿線で眺めるのを楽しみにして、再び通路を通り0番線ホームへ戻ります。

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今度の電車は元・西武801系の150形。
見かけは(西武)旧・101系と変わりませんが、旧型特有の
コンプレッサー音などがちょっと懐かしい。
上信の地元を代表する企業「マンナンライフ」の広告車。
上信電鉄 高崎

予定よりも一本遅い電車で高崎を出発。それでもデキの40分前を先行する電車ですから、まだ余裕があります。久しぶりに乗った上信電鉄。定かではありませんが、10年ぶりくらいかな・・・。ちなみに上信電鉄、略して「上電」とは呼びません。同じ群馬県には上毛電鉄(中央前橋~西桐生)という路線もあり、こちらを「上電」、上信電鉄は「上信」として区別されています。開業は上信のほうが早いのですが、略称を上毛に取られてしまったのはナゼなんでしょうね・・・。

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高崎の市街地を抜けると、烏川を渡ります。
平行して架かるのは、有名な木橋の佐野橋(橋桁は鉄製)。
青空が広がる良いお天気です。
上信電鉄 南高崎-根小屋(車内から)

さて、恒例の(?)車中から撮影地探し。上信をまともに撮るのは今回が初めての私には撮影地などまったく解りません。でも事前に地図で調べたところ、沿線には田畑が広がり、鉄橋も多い。東西に走る路線なので順光側も読みやすく、撮影地探しにはそれほど苦労はしませんでした。高崎から30分の上州福島で下車。

高崎0918-(上信15)-上州福島0952

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どこか懐かしい雰囲気の上州福島駅。
上信電鉄 上州福島

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併設されているのは大正時代に建られた上信の福島変電所。
こちらも味があります。

駅から歩いて10分ほどの田園地帯が撮影地。単なる田園地帯なら他にいくらでもあるのですが、ココの決め手になったのは車窓から菜の花畑が見えたからでした。デキと菜の花のコラボ、いいかもしれない・・・と。

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菜の花畑を走る250形。春らしい良い感じです♪
上信電鉄 上州新屋-上州福島(後追い)

確かに順光で菜の花とうまく絡められる良いポイントです。でも、気になるのがコンクリート製の架線柱と太い通信ケーブル。情景写真的に撮れば、菜の花のボリュームが勝るのであまり気になりませんが、やっぱりデキにケーブルは引っ掛けたくないなぁ・・・。それに今回の目的はあくまでもデキ。情景的によりも、まずはしっかりとデキに主体を置いた方がいいのではないだろうか・・・。悩んだ挙句、菜の花畑から少し離れたもうひとつの気になるポイントへ行ってみました(実際の撮影順とは前後していますが、気にしないでください)

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少し高い位置から狙ってみたのは、元・西武新101系の500形。
501+502は「銀河鉄道999」ラッピングの人気車両です。
上信電鉄 上州新屋-上州福島

跨線橋の踊り場から狙うことで足回りまでスッキリ撮れるこの場所。しかもここはケーブルが掛からず、いちばん手前の架線柱も昔ながらの廃レールを組み合わせたタイプです。右端にちょろっと菜の花畑が入っているので解るように、上写真との位置関係はほんのわずか。手前の畑に菜の花が咲いていたらベストだったのですが、そうウマくはいかないものですね(^_^;)。他の同業者は菜の花畑アングルに集中していて、この場所は私ひとり。やはり迷いを感じてしまいます。編成重視か、きれいな情景か・・・。やがて遠くにデキの姿が見えてきました。

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菜の花畑を横目にゆっくり走る、デキ×2+200形の御一行。

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デキの凸型が美しく見えるように手前まで引き付けて、一枚。

結局、編成重視で撮影。後ろをスカらせてでも菜の花畑をちょっと入れてしまったところに未練を感じますが、これくらいはいいでしょう(笑)。デキ+200形、カマが電車を牽引って配給輸送か救援列車みたいで、どうなの? と思っていましたが、パンタが3丁も連なる姿はなかなか迫力があっていいじゃないですか。自分的には、大いに満足した結果になりました。

 

・・・後編へ続きます。



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