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いすみ鉄道・・・房総で再会! キハ52 125 乗車記 [鉄道乗車記]

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2011.05.21 いすみ鉄道
房総で再会! キハ52 125
乗車

前回からの続き。先月運転を開始したキハ52を撮影しに、千葉のいすみ鉄道を訪れています。
大多喜~大原で運転されているキハ52の急行列車は、午前・午後一往復ずつの二往復。午前の一往復を上総中川で撮影後、続行の下り列車に乗って、朝スタートした大多喜へと戻ってきました。

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新緑が眩しい上総中川に入ってきた、いすみ200形。
いすみ鉄道 上総中川

上総中川1207-(いすみ17D)-大多喜1213

大多喜には午前の運用を終えたキハ52が休んでいるはず。うまい具合に撮れないかな~などと期待して、構内を見渡すと・・・キハ52発見! でも・・・

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午後の運転に備えて、側線に留置されているキハ52。
右の列車は私が乗ってきた下りの上総中野行き。
いすみ鉄道 デンタルサポート大多喜

これではちょっと撮りづらいですね。時刻はちょうどお昼時、キハ52も撮り鉄も一時休憩ってところでしょうか。そこでこの時間に私も昼食をとり、ついでに駅に併設されているいすみ鉄道の売店を覗いてみました。いすみ鉄道へ来たからには、ここでどうしても買いたかったものがあったのです。それは以前訪れたとき、いすみ鉄道支援のつもりで何気なく買って帰った「い鉄揚げ」という煎餅。単なる揚げせんだと思って食べたのですが、ちょっと変わった食感でオイシイ! これは「ぬれ煎餅」を独特の製法で揚げたものなのだとか。塩味、カレー味、かりんとうの三種類があり、甘党の私はかりんとうが好みです。

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売店で買った「い鉄揚げ」のかりんとう味「い鉄かりんとう」。
かりんとうというよりも黒糖味のスナック感覚で
堅くなく、手軽に食べられます。☆☆☆☆・
ついでにキハ52のストラップも買っちゃいました。

ところで、撮影地の上総中川から大多喜まで戻ってきたのは、何もこのい鉄揚げを買うためだけではありません。せっかくなので、午後のキハ52は「撮り」ではなく「乗り」を楽しもうと思い、大多喜で発売される「急行3号」の急行券を求めに来たのです。キハ52の運転開始後、初めて訪れたいすみ鉄道。むしろ今回は乗るだけでもいいとさえ考えていました。ここではもう以前お話したような「ローカル私鉄は乗ってこそ支援に・・・」云々のようなおカタいことを言うつもりはなく、純粋に「いすみのキハ52 125」に乗ってみたかったのです。だって、外から撮影しているだけでは見えてこない魅力が、いっぱい詰まっていそうじゃないですか!

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改札から見える国鉄標準色のキハ52・・・
ここが本当に千葉の大多喜かと目を疑いたくなる光景です。
いすみ鉄道 デンタルサポート大多喜

キハ52に乗ることができる急行券は予約前売り制ではなく、各列車ごとに始発駅で発車の一時間前から売り出されます。券種は300円の自由席と600円の指定席(16席)の二種類(詳しくはいすみ鉄道HPを参照)。運転開始からひと月、まだまだ人気が高くて発売直前には数少ない指定券を求めて列ができるのかな・・・と思っていたのですが、そんなことはなく、窓口氏が「急行券の発売を開始しまーす」と言ってから、ポツリポツリと集まってくる程度。これなら自由席でもじゅうぶん座ることができそうですが、ちょっと寂しい気もしますね。

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急行券(自由席)は昔懐かしい硬券。
地紋には「こくてつ・JNR」の文字が・・・。

急行券を購入してホームで待っていると、留置されていたキハ52のエンジンが始動しました。これから入替作業を行うとのことなので、ホームよりも撮りやすそうな公道から眺めることに。

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旗振りに誘導されて、ゆっくりと留置線から出てきたキハ52。
いすみ鉄道 デンタルサポート大多喜(敷地外の公道脇から撮影)

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うまい具合に目の前で停止。じっくりと眺めることができました。
大糸線時代に装備されていた幕式行先器やワンマン表示は
取り外され、さらに窓枠のHゴムのグレー化など、
随所にこだわりが見られ、より原形に近い姿に復元されました。
また、めったに雪の降らない房総ですが、
スノープラウや運転士窓のデフロスタはそのまま残されています。

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転線して上りホームへ入線。
皆さん思い思いのアングルで撮影を楽しみます。
いすみ鉄道 デンタルサポート大多喜

発車30分前にホームへと横付けされたキハ52。大多喜は構内踏切からきれいに車両を撮ることが出来るので、絶好の撮影タイムです。しかも上りホームにある木製の屋根付きベンチがいい味を出しているんですよね・・・まさにキハ52にぴったり。そこでちょっとこんな加工をしてみました。

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大多喜で静かに発車の刻を待つ、キハ52の急行「夷隅」。
旧・国鉄木原線 大多喜(RAW現像時モノクロ設定)

どーですか、コレ! まるで30~40年前にタイムスリップしたような雰囲気じゃないですか。2011年にこんな情景が撮影できるなんて・・・ホント感涙モノです (T-T) ウルウル。こういう静態カットはシノゴ(4×5)やバイテン(8×10)などの大判カメラで撮ってみたくなりますね(そんなカメラ持っていないけど・・・)。

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構内踏切ならではのお決まりカット!?
幌の無い上り方のお顔を真っ正面から撮ってみました。
いすみ鉄道 デンタルサポート大多喜

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順光の幌側は線路に降りられないので、ホームから撮影。
下り方の①位側テールのみ、内バメ式です。

じっくりとキハ52を眺めていると、扉が開いて乗車準備が整いました。さあ、お待ちかねのキハ52へと乗り込みましょう! 乗車口でアテンダントさんに急行券へハサミを入れてもらい(コレも懐かしいっっ)車内へ・・・。

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ハサミを入れてくれたのは、おダンゴ頭のアテンダントさん。

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茶色いモケットのボックスシートが並ぶキハ52 125の車内。

車内の写真を見て、「あれ?シートモケットは国鉄時代のブルーじゃないんだ・・・」と思われた方も多いでしょう。私もそう思いました。実は外観は出来る限り国鉄時代に近い形に復元されたのですが、車内はほぼ大糸線時代のまま。これはファンの中には国鉄時代だけでなく、大糸線での活躍に思い入れのある方も多いのではないかという配慮なのだそうです。

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大糸線時代そのままの内装に残されていた
整理券方式の運賃表示機。もちろん点灯はしませんが、
駅名を見ているだけでも顔がニヤけてしまいます。

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シート裏の注意書きもJR西日本表示。
大糸線に乗って、この張り紙を見た方も多いですよね。

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以前に私が大糸線時代の125に乗ったとき、
このブログで紹介した窓枠下の「センヌキ」も、もちろん健在。
いすみ鉄道ではこのセンヌキを活用してもらおうと、
売店でビンのコーラやジュースを販売しています。

車内のあちらこちらに見られる大糸線時代の面影。それでも元々レトロなキハ52には変わりありませんから、国鉄時代を回想するにもじゅうぶんの内装です。さらにここで注目したいのが、中吊り広告。この列車に掲示してあるのは、なんと国鉄時代の広告です。

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車内に掲示してある中吊り広告は国鉄時代のもの。
183系「白根」の臨時運転やEF58の荷物列車広告など、
まさにお宝級の一品。

この貴重な広告は、いすみ鉄道の社長さんが所有しているコレクション。自らのコレクションでキハ52の運転を盛り上げるなんて、なかなかニクいですよね・・・そんなニクいお方がこちら。

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いすみ鉄道の社長さんです!
午前中の列車(前回)では外からお見かけしましたが、
私の乗った午後便にもちゃんと乗務されていました。

ブログ等でお顔を拝見していたので、すぐに解りました。記念に一枚撮らせていただいてから「社長さんのブログを見て、いてもたってもいられずにキハ52に会いに来ちゃいました!」と話しかけると、「いいでしょう、このクルマ。いすみの風景にぴったりと合う、カワイイヤツなんです。存分に旅を楽しんでくださいね。」と目を細めるその姿に、キハ52への愛着と思い入れの深さを感じることができました。キハ52に会えて、ちょっとだけ社長さんとも話せた。これだけでもいすみまで来た甲斐があったなぁ・・・。
あまりに濃い発車前のひとときを過ごし、列車は定刻通り大多喜を出発。大糸線時代と変わらない、力強いダブルエンジンが唸りをあげます。

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新緑のいすみ鉄道を快走するキハ52 125。
開けた窓から入ってくるのは
初夏の風と微かに香るキハの油のニオイ・・・
う~ん、鉄ならではの心地よさ。
いすみ鉄道 城見ヶ丘-上総中川(車内から)

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歳の差40年近い車両からみた風景は、
少年の目にどう映っているのでしょうか・・・?

キハ52の急行列車、急行とはいえ速度はレールバスで運転される普通列車並み・・・いや、むしろそれよりも遅いくらい。しかし大多喜~大原はわずか15.8キロ、所用一時間弱の短い距離ですから、少しでもキハ52に揺られていたいと思う者にとって、この速度はありがたいのです。列車は各駅で運転停車しながら進みますが、扉が開くのは国吉と上総東のみ。

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列車交換する国吉では6分停車。
大多喜に続き、ここでもホームはキハ52のプチ撮影会です。
いすみ鉄道 国吉

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ホームには、列車を待つムーミンさんの姿が・・・。
国吉にはムーミングッズの売店が併設されています。
いすみ鉄道 国吉

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次の停車駅・上総東を過ぎると、車窓左手に小さな池があり、
その周りでミーやスナフキン、ニョロニョロなど、
おなじみのムーミンキャラが列車を見送ってくれます(^^)。
いすみ鉄道 上総東-西大原(車内から)

キハ52のエンジン・サウンドに酔いしれながら、揺られること40分。左の車窓に外房線の線路が近づいてくると、間もなく終点の大原です。ちょっと物足りない、もっと乗っていたいって気持ちが正直強いのですが、観光列車としては適度な乗車距離・時間なのかも知れません。乗り足りない人は折り返しの急行にも乗ればいいのですし・・・って、それを見越して、折り返し列車の急行券を社長自ら車内で販売に回るあたりはさすがですね (^^;)。私は折り返して大多喜へ戻ることはせず、大原でキハ52とお別れです。

大多喜1345-(急行3号)-大原1423

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大原に到着したキハ52の急行。
7分停車の後、折り返し「急行4号」として大多喜へ向かいます。
アテンダントさんがお客様をお出迎えしていますが、
今日はちょっと少ないのかな・・・。
いすみ鉄道 大原

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前回の上総中川でのいすみ200形に続き、
大原駅前にはキハ52バージョンの自販機を発見!
取り出し口下には形式も入っています。

午前は「撮り鉄」、午後は「乗り鉄」と、キハ52の魅力を存分に満喫できた、初夏のいすみ鉄道旅。もちろん撮りの方も天気に恵まれて良かったのですが、やはり実際に乗ってみて、随所にいすみ鉄道(の社長さん)のキハ52に対するこだわりを身近に感じられたのが、いちばん嬉しかったかな。

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上は車内で配られた急行列車のご案内と記念ポストカード。
下は今回使用したキハ52デザインの一日フリー乗車券(1000円)、
そして硬券の急行券。

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大多喜駅にあった「キハ52運行支援募金箱」。
微力ながら、私もちょっとだけ入れさせていただきました。

ちなみにキハ52のヘッドマークには数種類あり、土曜日の今回は「夷隅」でしたが、日曜日の運転では「そと房」が掲げられています(さらに雨の日などは、サプライズ・マークが出ることも)。実は本音を言うと、撮りたかったのは「夷隅」よりも60~70年代に実際に房総東線(現・外房線)で運転されていたDC急行「そと房」の方。でも土曜の方が天気が良さそうだったので、今回は「夷隅」の撮影となりました。「そと房」は次に訪れる時のお楽しみ・・・ってことですね (^^)。

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大原からの帰路に乗った外房線は、今や貴重な113系の8連。
図らずも52から113への、国鉄形リレーとなりました。
外房線 大原

大原1440-(外房270M)-千葉1548~1558-(総武快速1550F)-東京1636



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