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スイスⅢ 02・・・ちょっとパリまで...「TGV」乗車記 [あおたけ的 SWISS紀行]

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2011.06.29~07.09 スイスⅢ 02
ちょっとパリまで...「TGV」乗車記

出張で訪れたスイス編。前回からの続きです。
今回の出張は10日間の日程。これは珍しく長い方で、大抵は一週間程度。というのも、日本以上に休日意識の高い欧州で、土日はまず仕事になりません。なるべくなら週末を挟まないで予定を組むものなのですが、今回の仕事はどうしても一週間では足りなかったのです。そんなワケで空き時間となる週末の休日、ジュネーヴでの過ごしかたを日本出発前からいろいろ考えていたところ、突如「ジュネーヴでヒマしているのなら、ちょっとパリへ行ってきてよ」という、サプライズ・ミッションが舞い込んできました。今回の出張には全く関係のない部署からの依頼なのですが、「ジュネーヴ~パリの交通費はウチで持つから」の言葉に、即二つ返事。ああ、花の都・パリ・・・実は私、一度もパリへ行った事が無かったのです。今まで仕事でいろんな都市に行かせてもらいましたが、なぜかパリには縁がない。フランス国内には何度も入っているし、パリ最寄りのシャルル・ド・ゴール空港でのトランジットだって数多くあったのに、パリの市内へ出る事は無かった。そんな私が、ついに憧れのパリへ・・・.。.:*・゚゚・(´▽`).。*・゚゚・*:.。.
「じゃあチケットの手配は、ジュネーヴからのエアフラ(エールフランス航空)でイイね」ヽ(゚∀゚) と担当者。「おいちょっと待て、「えあふら」だとぉ? ジュネーヴ~パリと言ったら「て・じぇ・うぇ」に決まっとろーがー!!」(#`Д´)/
・・・ということで、ジュネーヴでの週末は、フランスの高速列車「TGV」に乗ってパリへと行く事になりました。

7月1日(金)
TGVで行く事を決めた以上は、自分でチケットを手配しなくてはなりません。はじめは日本の新幹線みたいにジュネーヴ・コルナヴァン駅の窓口でテキトーに「パリまで一枚!」って感じで買えばいいんだろうと軽く考えていました。しかし、前日に仕事でお世話になった現地の方に「スイス国鉄の窓口で買うと面倒くさいし、高いよ」と言われ、「ネット予約して、ジュネーブ市内にあるフランス国鉄の代理店に受け取りに行った方がいい」とのアドバイス。・・・というよりも、その方にネット予約までしてもらっちゃいました(仏語のサイトだったので・・・^^;)。私は受付番号を持って、指定された代理店へ行くだけ。それにしても、週末のせいかチケットの窓口は混んでいて、30分以上もの順番待ち。乗車当日に駅でポンと簡単に座席まで選べる日本の券売機は、あらためてスゴいんだなぁ・・・と感じてしまいます。

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コルナヴァン駅のすぐ近くにある「RAIL EUROPE」。
ここで予約したチケットを購入します。
この「RAIL EUROPE」は
日本版のHPもあり、
出発前に乗車列車が決まっている場合にはこちらで
予約購入しておくのが便利かも。

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無事に買う事ができたTGVのチケット、往復分。
行きは変更不可の格安チケット(PICCOLO)で113ユーロ、
帰りは変更可能な通常チケットで142ユーロでした。

ところで、パリへ行くのは初めての私ですが、TGVにはマルセイユ~チューリッヒやスイス国内のバーゼル~チューリッヒなどで何度か乗った事があります。でも、やっぱりTGVに乗るなら、TGVネットワークの中心地・パリへ行ってなんぼのもの。これでようやくブログのプロフィール・アイコン(TGV POS)にも重みが増すかな・・・なんて。

7月2日(土)
パリ・リヨン駅(Paris Gare de Lyon)行きのTGVは、ジュネーヴ・コルナヴァン駅の8番線から発車します。以前にも紹介しましたが、コルナヴァン駅は1~6番線がスイス国鉄ホーム、7・8番線がフランス国鉄専用ホームに分けられ、スイスホームへは改札も無く直接ホームへ上がる事ができますが、フランスホームへ入るにはイミグレ(出入国審査所)を通らなくてはなりません。

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二重の扉の先にイミグレがある、
コルナヴァン駅の7・8番線フランス国鉄ホーム。
ジュネーヴながら、この扉の向こうはフランスとなります。

しかし実際には係員はいるものの審査らしき事は行われず、パスポートの出番は無し。ちょっと拍子抜けしながら、続いてホームにある改札機でチケットに乗車証明を刻印。TGVのチケットには乗車駅などの詳細は書かれているので、とくに刻印しなくてもいいらしいのですが、時間があるので押しておきましょう。本来はやっておいた方がいいようですし。

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ホームやコンコースに備え付けられている改札機。
下の口にチケットを差し込んで刻印を押します。
近郊電車などに乗る場合、この刻印がないと
罰金が科せられる事もあります。

さて、長らくお待たせしました。ようやく今回乗車する「TGV LYLIA(リリア)」との対面です。フランスとスイスを結ぶこのTGVには両国共同出資の運営会社である「LYLIA」の名称がつけられています。

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ジュネーヴで発車を待つ、パリ行きのTGV。
7時41分発の6564列車は、二階建ての
「Duplex(デュープレックス)」編成でした。
11.07.02 スイス国鉄 ジュネーヴ・コルナヴァン(SNCFホーム)

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停車駅などが書かれた液晶式の行き先表示。
途中停車駅は「BELLEGARDE」「NURIEUX」
そして「BOURG-EN-BRESSE」か・・・。

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私の指定席は2号車だったので、前か後の方だと思っていたら、
なんと真ん中のセクターC付近。(右下の停車位置表示参照)。
この列車は8号車が先頭で18号車が最後部。
TGVには「常に1号車が先頭(最後部)」という括りは無いようです。
編成内容は緑が2ndで黄色が1st。赤はビュッフェ車。

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編成は、動力車2・客車8の10連が二本繋がった20両編成!
途中で分割などは行われません。

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1stクラスの車内。
座席配列は1+2。電動リクライニングの立派な座席ですが、
回転機能は無く、集団お見合い式。運が悪いと後ろへ進んで行きます。

今回乗車するのは1stクラス、一等車! ちょっと贅沢ですけれど、週末の午前中にパリへ向かう便は2ndクラスが満席だったのです。。。(マヂですよ・・・ヾ(´▽`;) )。二階建ての「Duplex」ですが、私の席は残念ながら一階席でした。予約時に座席のリクエストって応えてくれるのかな? でもまあ、進行方向に向いた一人席なので、ヨシとしますか。

7時41分、6564列車はジュネーヴを定刻に出発。すぐにトンネルへと入り、市街地を抜けます。TGVというと日本の新幹線と競う高速列車のイメージが強いのですが、実際に高速運転されるのはフランス国内の高規格路線に入ってからで、スイス・フランス国境の山越えは在来線並みにゆっくりと走ります。線路も単線。

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ジュネーヴ近郊の市街地を抜けると、
列車はしばらくレマン湖から流れるローヌ川に沿って走ります。
天気も良くて気持ちのよい列車旅。

最初の停車駅はベルガルド(BELLEGARDE)で、ここは既にフランス。ジュネーヴを出た列車は国境を越えてフランス領域まで停車しないので、ジュネーヴの駅構内にイミグレがあるのです。景色ががらりと変わるワケではないので、あまりスイスからフランスになった実感はありませんが・・・。

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ベルガルド(ベルガルド=シュル=ヴァルスリーヌ)に停車。
このホームは昨年の路線改良工事で完成したオー=ビュジェ線の新ホーム。
11.07.02 フランス国鉄 ベルガルド(BELLEGARDE)

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自然豊かなジュラ山脈越えの山道をゆくTGV。
どことなく奥羽本線を走っているときの「つばさ」っぽい
イメージです。

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ベルガルドでローヌ川と別れると、
今度はシラン湖やナンチュア湖などの湖が車窓に広がります。

ベルガルドからはヌーリュー(NURIEUX)を経由するオー=ビュジェ線でジュラ山脈を越え、ジュネーヴから一時間余りがたった頃、ブール・ガン・ブレス(BOURG-EN-BRESSE)という比較的大きな街へと入ってきました。このジュネーヴ~パリを結ぶTGVが通る駅としてはかなりの主要駅っぽいのですが、列車は減速しつつも通過・・・。あれ?先に紹介した行き先表示には「BOURG-EN-BRESSE」は停車駅として表示されていたぞ・・・?? どうやら、昨年末に行われたオー=ビュジェ線の路線改良工事完成に伴い、TGVの停車駅にも変更があったみたい。でも表示されていた駅を通過したら困らないのかな? 全席指定だから別にいいのか・・・。

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ブール・ガン・ブレスを通過。停車するものだとばかり
思っていたので、写真のタイミングを逸してしまいました(汗)
右奥に去って行くのが駅舎の母屋です。。。
11.07.02 フランス国鉄 ブール・ガン・ブレス(BOURG-EN-BRESSE)
(車内から)

そのブール・ガン・ブレスからは複線となり、一気に速度が上がります。ここへ来てようやくTGVらしい高速運転。やっぱりこの感じは、在来線から東北新幹線内に入った「つばさ」や「こまち」のような印象だなぁ・・・(笑)。高速時の乗り心地はと言うと、この二階建ての「Duplex」は新幹線と比べても遜色無い安定した走りで、揺れも少ない。まあ周りは広大な農村地帯ばかりで、ずーっと直線が続いているってこともあるけれど。

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高規格路線に入り、高速運転になったTGV。
景色が飛ぶように流れて行きます。

ところで・・・朝から何も食べておらず、オナカがすきました。前日にチケットを予約してくれた方によると「1stには、軽い食事が付くよ」と言っていたので、何も買わずに乗り込んだのですが、そんな気配はないし、ベルガルドから乗ってきた隣の親子連れは持参の弁当を広げている・・・。ひょっとしたら「食事付き」は勘違いなのかもしれない、ここはビュッフェ車に行ってパンでも買ってきたほうがいいのでは・・・などと考えていたところ、前の方から大きな紙袋を抱えたオネーサンが現れて「あなたはどこから乗ったの?」と聞かれます。チケットを見せながら「じゅねーぶ」と答えると、「じゃあ、パンをあげるわ」と言って、紙袋からむき出しのクロワッサンをポンと目の前のテーブルに置き、さらにコップ一杯のオレンジジュースを注ぐと、「ぼなぺちぃ~♪」と言って去って行きました。あ・・・なるほど、これが「軽い食事」ってワケね。

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1stクラス車内で配られた、クロワッサンとオレンジジュース。
奥の雑誌は、持ち帰り自由の車内誌「TGVmagazine」。

ちなみにこの食事・・・っていうか、パンは、ジュネーヴから乗車した客のみのサービスらしく、フランス国内のベルガルドから乗った親子には配られませんでした。これは飛行機の短距離国際線に対抗したサービスなのでしょうか。でもパン一ヶとは、思ったよりもショボイなぁ・・・格安チケットだったからかな? (・ω・`) (注:供給される食事は列車の区間、時間帯によって異なります。これはいちばん軽いブランチ・メニューと言ったところか)

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車内誌にはちょっと嬉しいオマケが付いていました。
「TGV30周年特別号」のミニブック。
仏語は読めませんが、絵や写真を見ているだけでも面白い。

しばらく農村地帯を高速で走っていたTGVですが、やがて車窓には家々やビル群の街並みが見えてきました。ジュネーヴを発車してから3時間。時間的にもそろそろパリの市内へと入ってきた様子。スイス国境近くの小さな町・ヌーリュー以来停車駅の無かったTGV。パリ近郊の都市部ではこまめに停車するものなのかな(新幹線の新横浜・品川・東京みたいに)・・・と思っていたら、そのままダイレクトに終点のパリ・リヨン駅へ。

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パリに近づくと、車窓にTGVの車庫が見えてきました。
黄色いTGVは「ドクターイエロー」・・・ではなく、
郵便輸送用の「La Poste」編成。

頭端式ホームのパリ・リヨン駅、ジュネーヴからの列車は屋外にある通称・「黄 (jaune)ホーム」の18番線に到着。ちなみに大屋根がある、メインの駅舎側は「青 (bleu)」ホームと呼ばれています。

ジュネーヴ(Geneve)0741-(TGV6564)-パリ・リヨン駅(Paris Gare de Lyon)1049

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パリ・リヨン駅に到着。
頭端式ホームにずらりと並んだTGVは圧巻の一言!
停まっているのはいずれも「Duplex」編成。
11.07.02 フランス国鉄 パリ・リヨン駅(Paris Gare de Lyon)

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こちらは平屋建て、旧型の「Sud-Est」編成。

初めて降り立ったパリ。早くもずらりと並んだTGVに大興奮です。できることならしばらく駅で撮影したいところですが、残念ながらあまり時間がありません。まあ与えられたミッションをちゃっちゃと終わらせて、駅は後でのんびりと見学する事にしましょう。


・・・続きま
す。



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