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総武本線・・・「ありがとう」マーク付き113系 撮影&乗車記 [鉄道写真撮影記]

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2011.08.05
総武本線
「ありがとう」マーク付き113系 撮影&乗車記
  

長いこと房総ローカル(普通列車)の顔として親しまれてきたスカ色の113系も、ついに今月末で引退・・・。残った一編成(マリ116+217・8連)には「惜別ヘッドマーク」が掲げられています。私もその最後の勇姿を記録するべく、8月の第一週に千葉へと向かいました。

8月5日(金)
新宿-(中央快速)-御茶ノ水-(総武緩行)-錦糸町0700-(565F)-千葉0734

それにしても、一本しかないマーク付きの113系を捕らえるのは容易ではありません。京葉線201系や常磐線203系のように、基本走行路線が決まっているのならば捕まえやすいのですが、113系の運用範囲は房総各線と広く、安房鴨川や銚子まで足を伸ばすこともあります。やはりこういうとき頼りになるのが、ネットの掲示板などに寄せられる目撃情報。この日のマーク付き113系は銚子発の成田線430Mから運用に入っていて、現在は千葉を目指して上っているとのこと。情報提供者には本当に感謝です。まずはこの列車を千葉で待ってみることにしました。

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千葉に入ってきたマークつきの113系(右)。
新旧交代を表すような209系との並びが撮れました。
総武本線 千葉

情報どおり430Mで千葉へと現れた113系。列車は引き続き、総武本線の成東行き(1331M)として折り返します。成東へ行った列車は再び千葉行き(1340M)となって戻ってくる、そしてさらに成東へ・・・。つまりこの日の運用は千葉と成東の間を何度も往復する、通称・「成東シャトル」。これは時間が読みやすい、ラッキーな運用に当たりました。さっそく、今停車中の1331Mを沿線で撮影するために、先行する快速に乗って移動します。向かったのは物井。

千葉0755-(快速エアポート成田)-物井0811

113系が「成東シャトル」運用に入って、ラッキーなことがもうひとつ。それはこの物井と佐倉の間にある撮影地・「モノサク」を通ってくれること。正直、外房線運用だったら、すぐには撮影地が思い浮かびませんでした・・・。モノサクなら駅から近く、キャパも広いので、徒歩鉄にはありがたい。しかも個人的に、何度か訪れているこの辺りは土地勘があり、何となく安心できるのです。次の狙いとなる1331Mは、私が乗ってきた快速のわずか9分続行。本来は無理をせずにホームの先端で撮ってしまうところですが、この物井なら駅から徒歩3分程度の場所でも沿線撮りができるのを知っていたので、慌てることなく撮影ポイントへ辿り着くことができました。もちろん練習電はなく、一発本番。

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通いなれた総武本線で、マークを掲げて最後の力走を見せる113系。
総武本線 物井-佐倉

後退角が付いた113系のお顔、ここでは完全順光とはなりませんでした。でもこのくらいの陰影があった方が、113系らしい表情なのかもしれません。お手軽な駅近撮影地からのカットとしては上出来かな・・・なんて思いながら、長玉を外して撤収しかけると、再び踏切が鳴り出しました。1331Mのさらに続行で姿を見せたのは・・・お、PFじゃないか。

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青い空、白い雲・・・夏空の下を行くEF65PFのカモレ。
総武本線 物井-佐倉

とっさに標準形ズームを装着して、一枚パシャリ。ところが、案外こういうカットがイイ具合に撮れたりするものなんですよね。。。意識して入れたわけではないけれど、モノサクへと続く線路沿いの道もいい雰囲気。う~ん、113系もこんな感じで撮れば良かったかな・・・? どうも私は、本命の列車を狙うときに力が入りすぎるところがあり、アングルの視野が狭くなってしまうようです・・・。ならば、折り返して成東から来る1340Mの方は、広めのレンズで撮ってみるか。

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色づき始めた稲穂と255系「しおさい」。晩夏のモノサクにて・・・。
総武本線 佐倉-物井

これぞモノサクって感じの広々としたアングル。列車が小さくて目立たないかとも思いましたが、白いボディと黄色い扉がいいアクセントになって、じゅうぶんに存在を主張してくれました。よし、113系もこのアングルで撮ろう。・・・ところが、なんと空が急変。一気に暗雲が立ち込めてきました。この広角系アングルは青空や白い雲だからこそ絵になるのに、空はどんより暗く、稲穂の色は沈み、遠景の列車も目立たなくなってしまった・・・(´・ω・`)。これではせっかくの113系がもったいない。広角系の情景写真は諦めて、またも長玉での編成重視にシフト。

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モノサクへと戻ってきた113系。今度は幌無し側のマリ116が先頭です。
スッキリした顔に、惜別マークが映えます・・・。
総武本線 佐倉-物井

この定番の亀崎踏切、午前中に撮影すると手前サイドには光が回りません。皮肉なことに曇ってくれたおかげで、きれいな編成写真を撮ることができました・・・。まあ、ヘッドマーク付きの記録という意味では、これでいいのかも知れませんが、なんとも煮え切らない気がします。。。(´ヘ`;)。
それでも、上下一本ずつのマーク付き113系が撮れたことには満足したので、沿線での撮影は終了。しかし、このまま113系と別れてしまうのは何だか名残惜しい・・・そこで、ここからは少し113系に乗ってみることにしました。東日本の113系に乗るのはこれが最後になるかもしれない、まさに惜別乗車です。乗るのは再び千葉から折り返してくる、成東行き1343M。

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物井に入ってきた、総武線・成東行きの113系。
これがスカ色113系、最後の乗車になるのかな・・・。
総武本線 物井

お盆前、平日午前中の下り・成東行きの車内はガラガラ。一般客はまだしも、同じように惜別乗車している同業者がいるかと思ったのですが、それすらほとんど見かけませんでした。さらに私の乗っていた車両の乗客は佐倉でみんな降りてしまい、私ひとりの貸切状態に。

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誰もいない静かな車内
113系のモーター音だけが響きます。
節電のために室内灯は消され

車窓に流れる緑がいっそう眩しく見える・・・
房総を駆け抜けたオールドタイマー、最後の夏。
総武本線 1343M 車内

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幕張区の113系へ対する労いの気持ちがこめられたヘッドマーク。
房総らしい、海と花、そしてレールがモチーフに描かれています。
総武本線 日向

結局、佐倉から終点の成東まで途中駅からの乗客はなく、113系との最後の時間をとても贅沢に過ごすことができました。ぷしゅーっと、聞きなれたエアを抜く音が聞こえ、冷房の効いた車内から灼熱のホームへ降りると、私の惜別乗車も終わりです。

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終点の成東に到着。
いつのまにか青空が復活していました。
総武本線 成東

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ラストカットは木造の跨線橋から顔を出して・・・バイバイ!

物井1055-(総武1343M)-成東1136

「成東シャトル」はまた総武線を通って千葉へと戻りますが、私はここ成東で113系とお別れです。折り返しの113系に乗ると新たに切符を買いなおさなくてはなりませんが、このまま東金線・外房線まわりで東京へ戻れば、物井からの片道運賃で済みます(いわゆる大回り)。理由はちょっとセコイけど、113系とは片道だけの惜別乗車でお別れしたほうが潔いとも思ったのです。それに例え113系に揺られるのだとしても、同じ路線を往復するのは面白くないしね。

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成東駅の0番線に停車している東金・外房線まわりの千葉行き。
0番線って響き、好きです

総武本線
成東

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九十九里浜に近いところを走っている東金線ですが、
車窓から海はほとんど・・・というか、まったく見えません。
東金線 求名-東金(車窓から)

成東1149-(東金・外房1642M)-千葉1234~1340-(総武快速1290F)-東京1422

この撮影&乗車は今月のアタマに行ってきたものですが、今はもう8月も後半。定期運用に就くスカ色113系の活躍も、残すところ10日を切りました。9月には房総各線や横須賀線などで団臨の「さよなら興行」が行われるようなので、時間が合えばそちらの撮影にも行きたいと考えていますが、乗車する機会はもうないでしょう。でも、私にとって最後の乗車が貸切状態だったなんて、ちょっと特別な想い出を作ることができました。ガラガラの車内から見た、あの緑の眩しさは忘れないよ・・・。さよなら、スカ色113系。


☆おまけ☆
先日、夏休み編で紹介した国鉄時代の103系1000番台を探していたところ、ついでにこんなカットも発掘できました。西日本の阪和色と東日本のスカ色、113系同士の並び。ここはいったいドコ?

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87.3.31 総武本線 千葉

実は国鉄時代の千葉です。今では考えにくい事ですが、国鉄時代には広範囲での転配が頻繁に行われ、塗り替えられずにそのまま使われていたんですね。ちなみにこの阪和色は両端の先頭車だけで、中間車はスカ色。そんなおもしろい混結をなぜ編成撮りしなかったのだろう・・・と今になって悔やんでいます。(^^;)



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