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京阪・・・大津線 夜の併用軌道撮影記 [鉄道写真撮影記]

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2011.09.29~30
出張ついでに...01
京阪大津線 夜の併用軌道撮影
  

木・金曜の一泊二日、仕事の出張で滋賀・京都へと行ってきました。はじめに大津へと入って、初日は琵琶湖に程近い郊外の工場を見学し、翌二日目は京都の本社へ顔を出すスケジュール。そうすると宿泊地は京都の市内が何かと便が良さそうなのですが、今回はあえて滋賀・大津を選んでみました。その理由というのが、宿に選んだビジネスホテル前の道を横切る「この電車」が気になったから。

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道路上を走ってくるのは・・・長~いフツーの電車。
背景に写っているのが今回お世話になったビジネスホテルです。
京阪京津線 上栄町-浜大津

道路上、いわゆる併用軌道を電車が走る姿は、「路面電車」という言葉があるようにそれほど珍しいものではありません。しかし一般的な路面電車は一両の単行か二両編成程度。なかには広島電鉄の「グリーンムーバー」のように5車体の関節式連節車なんていうのもあるけれど、トータルの編成長は一般的な電車の二両分で、いずれにせよトラムの域を出ません。ところがこの大津市内を走る京阪・京津線(御陵~浜大津)には、17メートル級車体が四両編成を組み、地下鉄にも直通する「普通サイズ」の電車が堂々と併用軌道を走っているのです。これは全国的に見ても珍しくて、なかなか面白い光景。
元々京津線は、京都・三条(京津三条)と大津(浜大津)の間を専用・併用軌道を交えて結ぶ、路面電車に毛が生えたような路線でした。しかし京都市内の道路混雑を理由に併用軌道区間の京津三条~御陵を廃止し、同区間を市営地下鉄化。京津線は残された御陵~浜大津の呼称となり、一気に地下鉄直通車両が走る線へと変貌を遂げたのです。しかし地下化されたのは京都市内だけで、大津市内の既存区間は路面電車が走っていた時代のまま。併用軌道区間も残され、結果的に地下鉄直通電車が道路上を走るこの状況になったというワケ。


さて、工場の見学を終えて大津のビジネスホテルに一旦チェックインしたのが、午後3時頃。夜に京都市内で行われる懇親会まで少し時間が空きました。出張先が京都だけだったらあまり気に留めなかったこの京津線ですが、今回はせっかく大津まで来たことだし、同じ大津市内の併用軌道を走る、京阪・石山坂本線(石山寺~坂本)とともに、ちょこっと撮影に繰り出してみましょう。ちなみに京津線・石山坂本線を総称して、京阪・大津線とも呼ぶようです。

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浜大津駅前の交差点で大きくカーブする京津線。
地下鉄や併用軌道などと、特殊な区間が多いこの線には、
専用の800系が使用されています。
京阪京津線 浜大津付近

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奥でカーブする水色の京津線に対して、
手前にまっすぐ走る緑色の電車は石山坂本線。
こちらは二両編成です。
京阪石山坂本線 浜大津付近

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交差点上で離合する石山坂本線の600形。
京津線の800系に比べるとインパクトの薄い600形ですが、
こちらの電車も併用軌道を走る車両としては大きい方です。

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京阪・浜大津駅前のペデストリアンデッキからは琵琶湖が一望。

京津線、石山坂本線の両線を見ることができる浜大津駅前の交差点でしばし撮影。長い編成の京津線800系はもちろん面白いのですが、短い石山坂本線の600・700形もなかなか味のある、いい電車です。ただ、撮りたいポイントがモロに逆光。晴れたり曇ったりの猫の目天気ですが、晴れると車両が暗く沈んでしまいます。今いる場所が逆光なら、交差点の反対側にまわれば順光なのでは? と、お考えの方、それはもちろん正解。しかし午後3時では建物の影が伸びてきて、順光側もマンダーラ状態。唯一バリ順で撮れたのが・・・コレ。

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雲が抜け、影落ちも無くきれいな光で撮れたのは
このド派手な色をした、アニメ「けいおん」のラッピング電車。
一部のマニアな方には人気が高いらしい「けいおん」電車ですが、
鉄的には一般塗装車をバリ順で撮りたかった・・・。
京阪石山坂本線 浜大津付近(後追い)

上の「けいおん」電車は、後追いでかろうじて影落ちを回避していますが、手前の線路は既にマンダーラ。やはり周囲に建物が立ち並ぶ併用軌道区間で晴天の午後3時過ぎは、ちょっと条件が厳しかったか・・・。その後は日が雲に隠れたタイミングで何枚か撮影。

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浜大津駅を出るのは、のっぺりした顔立ちの700形。
個人的には下ぶくれ顔の600形のほうが好きかな。
京阪石山坂本線 浜大津付近

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こちらの611+612編成は「坂本ケーブル80周年記念」ラッピング。
石山坂本線には、いろんなラッピング電車が走っているんですね・・・。

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先ほどの写真とは別アングルで交差点に進入する800系を。
最近見かけなくなった、ゼブラ模様の信号機がここでは健在。
京阪京津線 浜大津付近

一時間ほど撮影してタイムリミット。もう少し時間があれば、この交差点以外の場所でも撮ってみたかったところですが、懇親会のため5時に京都・河原町へと行かなくてはならなかったので、これで撤収。カメラをホテルに置いて、地下鉄に直通する京津線で京都市内中心部へ向かいます。

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懇親会でご馳走になった懐石料理も美味しかったけど、
私的には、飲んだ後に寄る「みよし」のとんこつラーメンが堪らない・・・。
京都でとんこつラーメン? とお思いでしょうが、
独特な甘さのある白濁スープに高菜のトッピングは
思わずクセになります。
☆☆☆☆・ (ケータイで撮影)



懇親会を終えて大津のホテルへと戻ってきました。既に日は暮れて真っ暗なので、もう撮影はできない(と思った)けれど、ちょっと酔い冷ましに併用軌道沿いの道を散歩に出てみることに。すると目に映ったのは、街灯やクルマのライトに照らされた道路上のレールとそれをゆっくり進む長い電車の姿・・・。夜の併用軌道、これは案外面白い写真が撮れるかもしれない。急いでホテルへ戻ってカメラを手に、再び夜の街へ・・・。

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併用軌道上では電車も信号を守ります。青に変わってから出発進行!
京阪京津線 上栄町-浜大津

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クルマのライトが車体を怪しく照らす・・・
昼間では絵にならないこんな撮り方も、夜では全く違った雰囲気に。

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眩しいくらいのヘッドライトを輝かせる800系。
腰部の標識灯もイイ感じです。

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浜大津駅前のカーブから顔を出した姿をクルマと絡めて・・・。

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併用軌道を爆走する長い電車。やはりこの光景はインパクトありますね!

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テールランプに照らされた、道路上のレール・・・。

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ついでに石山坂本線の電車も撮ってみました。
赤信号で停車するタイミングをずっと狙っていたところ、
ようやく信号に引っかかったのは・・・またも「けいおん」電車。
この電車とは相性がいいのかな? (^^;)
京阪石山坂本線 浜大津付近

解ってはいたけど、夜間の鉄道走行撮影って難しいものですね。何枚も何枚も撮ったのに、ほとんどがブレブレやハイビームに惑わされたピンボケばかり。ここに紹介した数枚だけが、かろうじて見られる絵になってくれたかな・・・。それでも、私が感じた夜の併用軌道の魅力が少しでも伝わればと思います。
結局、懇親会の後に二時間も夜間撮影。すっかり酔いも冷めてしまいました(^^;)

 

・・・続きます。



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