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羽越本線・・・EF81「銀ガマ」 撮影記 [鉄道写真撮影記]

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2011.10.08~09
新潟02
羽越本線 EF81「銀ガマ」 撮影
  

先日の連休に行った新潟遠征。前回からの続きです。
東光寺で183系の「上越線開通80周年号」を撮影後、程なくして日が西の彼方へと沈みました。薄暗くなった田園地帯。本来ならもう列車の走行写真など撮れる状態ではないのですが、実はもう一本だけこの東光寺で撮りたい・・・というよりも、見てみたい列車がありました。「北越」や「80周年号」を撮影した上り列車の撮影ポイントから踏切を渡り、反対側の下りポイントで待つことしばし。ファインダー越しの肉眼ではヘッドライトの明かりしか見えませんでしたが、何とか無理矢理にシャッターを切って撮影した列車がコレ。

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日没後の薄明かりの中、走ってきたのは貨物列車。
その先頭に立つカマは・・・EF81 302!
11.10.8 信越本線 帯織-東光寺

感度をISO5000まで引き上げて撮影したために、ザラッザラの画質でお見苦しいのですが、かろうじてナンバープレートの文字が読み取れるかと思います。この貨物列車を牽引してきたのは、なんとEF81の302号機。まさかこのカマを信越線で見ることができようとは・・・。

非鉄の人には解りづらい、ちょっとマニアックな話になりますが(いつものことか・・・^^;)、数あるEF81形電気機関車の中でも、300番台はわずか4機しか製造されなかった希少車種。関門トンネル通過用の塩害対策として、車体がステンレス製となっているのが最大の特徴で(通常のEF81は普通鋼製)、本来は門司(北九州)に所属して九州地区を中心に運転されている機関車なのです。

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今回撮った写真では暗くて特徴が解りづらいと思うので、
以前に門司で撮った301号機の写真も載せてみました。
車体に補強用のコルゲート板、つまりギザギザが
つけられているのが、ステンレス機の証。
06.5.1 鹿児島本線 門司

そんな九州でしか見られないはずの300番台・302号機が、なぜ信越線に現れたのか?・・・貨物オンチの私に詳しいことは解らないのですが、毎年秋に北海道で収穫されるジャガイモを首都圏へと輸送する臨時貨物列車・通称「ジャガイモ臨」。その臨時貨物の応援になぜか門司区の300番台が抜擢され、「ジャガイモ臨」の日本海縦貫線区間(青森~長岡)を担う富山区へと貸し出されたとのこと。わざわざ門司から富山へカマを貸し出さなくては臨貨のやりくりできなかったのか? なんて疑問はこの際置いておいて、とにかくこの「ジャガイモ臨」のおかげで、希少な300番台を新潟で見ることができたのは素直に嬉しい。前回の冒頭で書いた「ホットな話題を提供している、気になる列車」というのは、この「ジャガイモ臨」貨物のことでした。

ところで、このEF81形300番台という機関車。幣ブログでは以前に一度「憧れの銀ガマ」というタイトルで紹介したことがあります。しかし、そのときに紹介した300番台は無塗装のステンレス地、いわゆる「銀色」をした機関車でした。実は4機の300番台のうち、上の写真で紹介した301・302号機はローズピンク色に塗装されていますが、303・304号機は原形のステンレス無塗装。希少な300番台の中でもさらに人気が高いのは、当然「銀ガマ」と呼ばれる無塗装の二機で、以前にも書いたように、私にとっても憧れの機関車なのです。実は今回の「ジャガイモ臨」応援には先述の302号機の他に、なんと「銀ガマ」の303号機も貸し出されています。じゃあ、東光寺で撮ったのはピンクの302だったからハズレだ・・・って? いいえ、この条件の悪い夕方の下り(9077レ)に302が入ったということは、条件の良い翌日朝の上りには303(9078レ)が入っているということ(それぞれが隔日で交互に限定運用されているため)。これは翌朝が楽しみです。

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302号機を撮影してから東光寺駅へ戻ると、
とっぷりと日が暮れていました。
11.10.8 信越本線 東光寺

それにしても、このブログでしつこいほど言い続けているように、貨物に疎い「貨物オンチ」の私。当然はじめはこの「ジャガイモ臨」の運転区間や運転日、時刻などまったく解るはずもなく、「銀ガマ」が富山に貸し出されたのは知っていても、それを撮影することは難しいと思っていました。しかしそんな私に「助け舟」を出してくれたひとつのブログがありました。それは同じソネブロ仲間、twingo583さんの「青空鉄道日記」。情報通のtwingo583さんは、いち早く「銀ガマ」牽引の「ジャガイモ臨」を撮影されていたのです。その記事を参考にすると、上りの「ジャガイモ臨」9078レは、朝7時頃に羽越本線の月岡付近を通過するということがわかりました(twingo583さん、本当に助かりましたm(_ _)m )。鉄道利用の「徒歩鉄」が朝7時前に羽越線沿線へ行くのは決して容易なことではないけれど、前泊すれば何とかなりそう。そこでこの日は羽越線の新発田で一泊して、翌朝に備えることとしました。

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新津から乗った羽越線普通列車は旧・新潟色のキハ40+47。
電化している羽越線ですが、DCで運転されている列車も多い。
11.10.8 信越本線 新津

東光寺1757-(信越449M)-新津1832~1853-(羽越133D)-新発田1928


10月9日(日)

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早朝6時。この日の「撮り鉄旅」は新発田からスタート。
11.10.9 羽越本線 新発田

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羽越線の初発列車。今度は新・新潟色のキハ47。
11.10.9 羽越本線 新発田

新発田始発の羽越線上り120Dは月岡に6時13分着。徒歩鉄が月岡付近で9078レを撮ろうとするならば、この列車か逆の新津始発下り823D(月岡6時40分着)でないと、間に合いません。宿泊地を新津か新発田かで悩んだのですが、少しでも早く月岡へ着く120Dの方に乗れる新発田を選びました。きっと同じような考えの同業者が多いんだろうな・・・と思いながら120Dへ乗り込むと、一見して鉄と判断できるのは2、3人程度 (この初発列車の乗客全体でも10人弱だったのですが)。さすがに「臨時貨物」なんてネタ、撮影する人は少ないのか・・・と思いきや、月岡へ着くとその認識が甘かったことを知らしめられる光景が、そこにありました。

新発田0606-(120D)-月岡0617

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撮影地へと向かうと、
朝もやの向こうに見えてきたのはクルマの列・・・。

線路に向かって並ぶ車列、決して踏切待ちで渋滞しているわけではありません。これ、みーんな9078レ狙いの同業者。このクルマで来た先客たちが既に30人ほど撮影地で待機しています。早朝に通過する列車の撮影なのでクルマ利用が多いだろうとは思っていましたが、ここまでとはスゴいなぁ・・・って、感心している場合ではありません。まだ撮影できる場所があるのか不安になります。幸い、大型脚立に乗った方の前へ低めに入れてもらって場所を確保。大勢の皆さんとともに銀ガマの登場を待ちます。

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待機中に唯一通過していったのは、前述の下り初発823D。
キハ110の二連でした。
11.10.9 羽越本線 中浦-月岡

これだけの同業者が集結しているのだから「銀ガマ」が来るのは間違いないはず。それでもまだ心の中では半信半疑。本当にあの「銀ガマ」がここに来るのか? 撮影できるのか? それほど私にとって「憧れの銀ガマ」を羽越線で撮れるのは信じがたいことなのです。しかし、その疑念を払拭するかのように、時刻表には無い時間に鳴りだす踏切・・・直線上に見えてきたのは、紛れも無くなく銀色の機体!

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コンテナ満載の臨時貨物を、朝日を浴びた「銀ガマ」が牽引!
これぞ、夢にまで見た光景です・・・゚+。*・感。゚(゚ノД`゚)゚。激・*。+゚

今まさに目の前を「銀ガマ」が通過してゆく・・・嬉しいというよりも、感動すら覚えます。顔に光が当たらなかったのは残念ですが、この9078レは、日の出地点から機関車を交換する南長岡までの区間に、順光となる場所はほぼ皆無。機体をハッキリ見せるには曇り空がベストなのかも知れません。でも、朝日に照らされたサイドのコルゲートは美しかった・・・じゅうぶんに大満足です。
撮影後もしばし感動の余韻に浸っていると、いつのまにか撮影地に残されたのは私一人だけに。実はこの9078レ、次の月岡で20分もの停車時間があります。クルマ組はその間に先回りしてもう一発狙おうと考え、早々に撤収していったのです。徒歩鉄の私は先回りすることなどできませんが、撮影地から月岡駅までは10分ほど。もう一度、停車している姿くらいは拝むことができそうです。

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月岡に停車中の9078レ。
きれいな走行写真ではありませんが、案外スッキリと撮影できました。
11.10.9 羽越本線 月岡

畑仕事をしている地主のおばさんに許可をいただいて駅横の畑で停車中の「銀ガマ」を撮影していると、「これのどこが珍しいんだい?」と尋ねられます。ここで「銀ガマ」云々を説明したって解るはずも無いので、「北海道で採れたジャガイモを輸送する、秋だけの限定列車なんですよ~(^^) 」とだけ、お答えしておきました。

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雲ひとつない青空の下、機体を光らせて「銀ガマ」が行く・・・。
11.10.9 羽越本線 月岡付近

ラストに、月岡出発をローアングルでもう一発撮影。オマケ的なカットとして狙ってみたのですが、ローアンから広角で撮ったことによって朝日を浴びた機体がギラリと光り、案外コレがいちばん「銀ガマ」らしいカットになったのかも知れません。これで早朝の「銀ガマ」撮影は終了です。

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「憧れの銀ガマ」EF81 303・・・。
再び出会える日が来ることを願って、見送りました。


・・・続きます



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