SSブログ

羽越本線・・・絶景!「笹川流れ」俯瞰 撮影記 [鉄道写真撮影記]

3000.jpg
2011.10.08~09
新潟03
羽越本線 絶景!笹川流れ」俯瞰 撮影
  

先日の連休に行った新潟遠征。前回からの続きです。
早朝から「銀ガマ」臨貨を撮影できたことで、もうオナカいっぱい、胸いっぱい。今旅の目的はほぼ達成したようなものなのですが、時刻はまだ午前8時前。もちろんこのまま東京へ帰るのはもったいない。なんと言ってもこの日は「降水確率0パーセント、県内は気持ちのよい秋晴れが広がり、絶好の行楽日和!」と、NST(新潟総合テレビ)のお天気おねーさんが太鼓判を押すほどの快晴。予報どおり朝の「銀ガマ」にも、眩しいくらいの朝日が当たってくれました(おかげで面つぶれの半逆光だったけど・・・^^;)。晴天の新潟ということならば、私にはかねてから一度行ってみたいと思っていた鉄道撮影地がありました。「銀ガマ」を月岡で見送った後、これからその場所を目指してみたいと思います。

3001.jpg

新発田で羽越線を乗り継ぎ。
今度はディーゼルではなく、115系電車でした。
11.10.9 羽越本線 新発田

月岡0809-(羽越123M)-新発田0818~0823-(1925M)-村上0859

月岡から新発田へ戻り、村上行きに乗り継いで羽越線を北上。稲刈り真っ只中の越後平野を115系の普通列車は快調に飛ばし、新発田から40分ほどで終点の村上に到着。この村上が目的地ではありませんが、羽越線普通列車の大半はここ村上で運転系統が分けられるので、さらに先へ進むには乗り換えねばなりません。しかし、次の列車まではまだ一時間半もの待ち時間があります。

3002.jpg

一時間に一本程度だった羽越線の普通列車ですが、
村上以北は交直転換のデッドセクションがあるために本数が激減。
日中は三時間も間が空くことも・・・。
次の普通列車は10時34分酒田行き。
ちなみに私の行きたい目的地に特急は停まりません。
11.10.9 羽越本線 村上

3003.jpg

ロータリーに櫓が立つ村上駅。
村上駅ではレンタサイクルの貸し出しも行われているとの事。
今回は借りませんが、「レンタサイクル鉄」としては要チェックです。
11.10.9 羽越本線 村上

駅でぼーっとしていたってつまらない・・・。そこでこの待ち時間を利用して、少し村上の街を散策してみたいと思います。新潟県北部の中心地として栄えてきた村上。かつては越後国村上藩の城(村上城)が築かれ、現在でも城跡・武家町・町人町・寺町が残る古い城下町です。伝統的な造りの家屋を一般に公開しているところも多く、そのあたりが村上散策の見所となっています。駅から古い町家などが残る観光地区へは徒歩で20分ほど。往復で40分なら、いい時間潰しになりそう。

3004.jpg

古い町家が見られる村上の市街地。酒屋さんもいい雰囲気~。

3005.jpg

観光スポットのひとつ、重要文化財の若林家住宅へ寄ってみました。
「村上城三の丸の現在地に二百数十年前に建築された若林家住宅(復元)は、
曲屋(まがりや)造りの茅葺平屋建で内部の部屋割りも細かく、典型的な
中級武家住宅」(案内パンフより抜粋)

3006.jpg

私は建築にそれほど興味があるわけではないので、
若林家の造りや部屋割りなどの特徴に対して特に感想はないのですが、
村上の古民家らしいと思ったのが、この「塩引き鮭」。
ここでは展示物のひとつに過ぎませんが、今でも11月下旬になると
民家の軒先には、こうやって鮭が吊るされるのだそうな。

若林家住宅や町家などを眺めながら散策していると、案外あっというまに時間が過ぎてゆきました。残念だったのは時間帯が早かったので、名物の鮭料理や村上牛を味わえなかったこと。せめて名物の駅弁でもあるかなと駅の売店(というかコンビニ)を覗くも、駅弁は無し。村上は特急「いなほ」や観光列車「きらきらうえつ」(後出)の停車駅なのだから、名物駅弁のひとつくらい欲しいところです。仕方なくオニギリとお茶を買って、酒田行きに乗車。

3007.jpg

村上で待機していた酒田行き825Dはキハ47の四連。
先頭はタラコ色の復刻車でした。もちろんこの車両に乗ります。
11.10.9 羽越本線 村上

3008.jpg

タラコ色キハから眺める、日本海の青い海~。
今回は「撮り鉄」メインの旅ですが、「乗り鉄」も満喫!
11.10.9 羽越本線 間島-越後早川(車窓から)

羽越線は村上を発車してしばらくすると、車窓に日本海の雄大な景色が広がります。この付近は「笹川流れ」と呼ばれる、名勝天然記念物にも指定された景勝地で、透明度の高い美しい海と海岸にそびえ立つ奇岩の数々は、日本海沿いを走る羽越線のなかでも屈指の車窓風景。ちなみに笹川流れという名の由来は「岩の間を盛り上がるように流れる美しい潮流を、当時の集落名・笹川村(現在は村上市)にちなんで付けられた」とのこと。そして今回私が目指していた最終目的地こそ、この笹川流れと羽越線を望む撮影地なのでした。南北11キロにわたる笹川流れのほぼ真ん中にある小駅・今川で下車。

村上1034-(825D)-今川1101

3009.jpg

今川は、海と山に囲まれた小さな無人駅。
こういう素朴な情景にはタラコ色のキハがよく似合います
(タイトル写真も同駅)。
11.10.9 羽越本線 今川

3010.jpg

駅前の国道を渡ると、すぐに笹川流れの海岸へ出られます。
♪今は~もう秋~ 誰も~いない海~♪

この笹川流れは昔からの鉄道撮影名所で、所々に好撮影地が点在。いろいろな角度から日本海と列車の組み合わせを撮ることができます。そのなかでもいちばん雄大で美しいとされているのが、笹川流れのハイライト「蓬莱山」を望む俯瞰ポイント。切り立った岩山のてっぺんから見る絶景を、私も一度は撮影してみたいと思い続けてきました。しかし海バックの俯瞰写真をきれいに撮るのなら、晴天が必須条件。天候の読みづらい日本海側では、なかなか撮影に踏み切ることができませんでした。でも今日の天気なら大丈夫。まさに絶好の俯瞰撮影日和です。事前情報では、撮影地となる岩山の麓まで駅から徒歩20分。さらに急な傾斜が続く登山道・・・というか、獣道を分け入って登らなくてはならず、てっぺんまで上るにはかなり大変らしい。ここは焦らずにマイペースで進みたいところ・・・なのですが、実はあまり時間がありません。私が乗ってきた825Dの30分続行で、最初のターゲットがやってくるのです。慌てて登って怪我でもしたら元も子もないので無理はしませんが、できることなら間に合いたい。幸い、道に迷うことなく順調に進み、あと一歩でてっぺん・・・というとき、列車の警笛音が聞こえました。遠景から線路の先を眺めると・・・あ!来てる!!

3011.jpg

景勝地・笹川流れの青い海を見ながら走るのは、
色鮮やかなパッチワーク柄が特徴の観光列車「きらきらうえつ」。
11.10.9 羽越本線 越後寒川-今川(後追い)

てっぺんからではありませんが、抜けの良い場所でなんとか撮ることができました。この撮影地で最初のターゲットは観光列車の快速「きらきらうえつ」(新潟~酒田)。パッチワーク柄の車体はあまり好きではなかったのですが、こうやって見ると景色に映えて、案外悪くないかも。今回は撮影する方でしたが、いつかは乗車して大きな窓から笹川流れの景色をビール片手に楽しみたいものです。しかし、駅から30分でここまで来るのはキツかった~。撮影後にドッと汗が噴き出してきました。さらにもう少し頑張って、てっぺんへ。

3013.jpg

こちらがてっぺんから撮影した、特急「いなほ8号」。
ホワイトとブルーのカラーリングですが、
国鉄特急型の485系をこの絶景ポイントで撮れるのは嬉しい(^▽^)
11.10.9 羽越本線 越後寒川-今川

この高さまで上がると、もはや先ほどの「きらきらうえつ」を撮った場所とあまり大差ないけれど、とにかくてっぺん到達は気分がイイ! 青い空、青い海、丸い蓬莱山、そして羽越線を走る485系「いなほ」がきれいに見渡せます。まさに息を呑むような絶景に、ここまでの苦労がすべて吹き飛んだ思いでした。

3012.jpg

「いなほ3号」は、海を大きく入れたヨコ位置で。
奇岩の蓬莱山に目が行きがちですが、ここは海の透明度も特筆モノです。

午前の遅い時間からお昼にかけて順光となるこの場所は、「きらきら」から「いなほ3・8号」がベスト。ラッキーなことに、この日の「いなほ」は両列車とも485系原形スタイルのT編成でした(「いなほ」には大幅リニューアルの485系3000番台・R編成も使われています)。これが国鉄色485系だったら・・・などというのは贅沢な願いか。でも、なんとこの日はそれが実現するのです。私がこの場所で撮りたかった本当の狙いはこの列車でした。

3014.jpg

ちょっと望遠系で先の方を眺めていると、
トンネルを抜けて現れたのは・・・国鉄色の485系!!

笹川流れを行く国鉄色485系、これは「いなほ」ではありません。この列車は団体列車の「つなげよう・日本」号。あれ?この列車名、たしか前々回に撮影を見送ったと言っていた583系では・・・と思われる方も多いでしょう。実は「つなげよう・日本」号の運転区間は首都圏(横浜)から東北本線経由で青森、さらに奥羽・羽越本線へ入って酒田までが秋田の583系、そして酒田から新潟までの羽越本線は新潟の国鉄色485系で運転される豪華スケジュールだったのです。前々回の「上越線開通80周年号」と583系の掛け持ちは無理だと判断しましたが、この485系のほうは新潟で捕まえられると踏んでいたのです。当初は白新線の直線区間などでオーソドックスに撮るつもりでしたが、願ってもいない快晴に恵まれたので、思い切ってこの笹川流れ俯瞰まで来ちゃいました。しかもこの485系はT18編成。遠景では解りづらいけど、先頭車は四つ目の1500番台です。

3015.jpg

引き付けて、タテ位置でもう一枚。
快晴の笹川流れを行く国鉄色485系・・・。
最高の舞台に最高の役者が踊り出ました!

狙い通り・・・いや、それ以上の結果に大・大満足~ヾ(≧∇≦*)〃 この好条件で唯一不安だったのは、国道を走るクルマとのカブりでした(「いなほ8号」のときは、ベスト位置で軽トラが先頭車とカブった)。しかしそれも無くて一安心。この眼福の光景を味わえたのは私を含めて三人。お二方とも撮影後は満面の笑みで下山してゆかれました。

ところで、この「つなげよう・日本」号。583系の方は「みちのく」のヘッドマークを掲出して運転されたとのこと。では485系は何のヘッドマークだったかというと・・・

3016.jpg

上写真をクローズアップ。
ヘッドマークは・・・快速「ムーンライトえちご」!?
(超トリミング済み ^^)

なぜか「ムーンライトえちご」幕。たしかにT18の「ムーンライトえちご」は今では運転されていなくて貴重だけれど(現在の「ムーンライトえちご」は幕張・大宮の183系で運転)、日中の羽越線で「ムーンライト」っていうのも何だかなぁ・・・(^^;)。まあ、遠景で撮影している時点でマークは度外視していたから何でもいいのだけれど (ちなみに、この485系で運転された「つなげよう・日本」号は、所々でマークチェンジして、「ムーンライト」の他に「みのり」や「いなほ」、「はくたか(赤)」なども掲出されたらしい)。

以上で撮影を終了。私もホクホク顔で岩山を下山して、今川駅へと戻ってきました。これから東京へと帰るのに、まずは今川から羽越線の上り普通列車へと乗るわけですが、時刻は午後二時前。次の上り・村上行き(826D)は14時51分発で、まだ一時間ほど時間があります。一方、下りの普通列車・酒田行き(827D)は14時09分発。この上りと下りは途中、府屋と鼠ヶ関の間ですれ違うので、府屋まで下り列車に乗って、もう少し車窓から笹川流れの景色を楽しむことにしました。

3017.jpg

今川に入ってきた下りの827D。
この列車は、私が今川まで乗ってきた11時着825Dの次の普通列車。
実に三時間ぶりに今川へ停車する列車です。
11.10.9 羽越本線 今川

3018.jpg

乗ったキハ40はロングシート車でした。
キハ40はラッシュ時の新潟へ乗り入れる運用もあるので、
一部の車両はロングシート化されていますが、
羽越線の車窓はクロスシートで楽しみたいところです・・・。
でも、こんな感じに撮れば、少しは旅情感が出るかしら?
11.10.9 羽越本線 越後寒川-勝木(車窓から)

今川1409-(827D)-府屋1432

3019.jpg

日本海に面した駅、府屋で下車して折り返し。
こちらの列車はクロス車とロング車が混在していました。
11.10.9 羽越本線 府屋

府屋は新潟県最北の駅で、隣駅の鼠ヶ関からは山形県となります。前日に越後湯沢で上越新幹線を降り、上越国際スキー場前、長岡、長鳥、東光寺、新津、月岡、新発田、村上、今川を経て府屋まで、二日かけて鈍行列車で新潟県を縦断してしまいました。最後に新潟県の県庁所在地・新潟にちょこっと顔を出して、今旅は終了です。二日間とも晴天に恵まれて、「上越線開通80周年号」、「北越」、「銀ガマ」、そして笹川流れでの「T18」と貴重な列車の数々を撮影。存分に満喫することができた秋の新潟遠征となりました。

府屋1434-(826D)-村上1517~1544-(いなほ10号)-新潟1633

3021.jpg

村上から乗った特急「いなほ10号」(右)は3000番台の「R編成」。
撮りが原形の「T編成」で、乗りがリニューアルの「R編成」とは・・・
最後まで理想的な旅でした(^^)
11.10.9 羽越本線 村上

3022.jpg

今旅、最初で最後の駅弁は、新潟の「焼漬 鮭ほぐし弁当」。
村上で吊るされていた「塩引き鮭」が忘れられずに
この弁当を選びましたが
焼いてから特製ダレに漬け込んだ鮭は、
ちょっとしょっぱさが強かったかな・・・。
☆☆・・・

新潟1813-(Maxとき 344号)-東京2012



共通テーマ:趣味・カルチャー