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秋の北東北02・・・奥羽本線 ブルトレ撮影記 [鉄道旅行記]

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2011.11.03~05
秋の北東北02
奥羽本線 晩秋のお立ち台 ブルトレ撮影
  

北東北を訪れている、秋の鉄道旅。前回からの続きです。
紅葉真っ盛りを期待していた田沢湖線(秋田新幹線)の仙岩峠は、もうほとんどが落葉してしまい、思うような画が撮れませんでした。ちょっと残念な出だしとなってしまいましたが、旅はまだ始まったばかり。気を取り直して、次なる目的地・大館へと向かうことにします。
はじめは大館へ行くのに、角館から鷹巣まで秋田内陸縦貫鉄道を「乗り鉄」しようかと考えたのですが、この内陸線を全線乗り通すとすると、鷹巣行きの最終列車がなんと角館発17時23分。黒湯温泉にのんびり浸かり、田沢湖で夕陽を眺めていた私には到底間に合わない。できれば内陸線のような経営の苦しい路線には乗ってあげたいところなのですが、今回はやむを得ません。内陸線には二年前にも全線乗っているし・・・と割り切って、今回の移動手段は田沢湖で借りたレンタカーをそのまま使うことにしました。

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二年前の09年に乗った秋田内陸縦貫鉄道。
阿仁合など、マタギの里を走る素朴なローカル線ですが、
沿線人口が少なく、存廃問題が取りざたされています。
09.6.7 秋田内陸縦貫鉄道 鷹巣(上)/合川(車窓から・下)

地図上でパッと見ると、田沢湖からまっすぐ北上すれば大館市なので、だいたい一時間くらいかな・・・と思っていたのですが、実際は森吉山を迂回するように引かれた国道を通る約110キロの道のりで、二時間半ほどかかりました。ほぼ並行して走る内陸線の急行列車が角館~鷹巣を約二時間で結んでいるので、同じくらいの所要時間だったことになります。ようやく大館に着いた頃にはもう真っ暗。

田沢湖-(クルマ移動)-大館

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大館で夜のお楽しみと言えば、ブルトレ・バルブ。
上りの「あけぼの」を停車中に長時間露光撮影です。
昨年12月の改正以降、手前のホームには大館止まりの3681Mが
入るようになってしまいましたが、決して悪い構図ではありません。
11.11.3 奥羽本線 大館

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上り本線の信号が青に変わり、「あけぼの」出発進行!
オレンジ色のナトリウム光が夜行列車の雰囲気を醸し出してくれます。
11.11.3 奥羽本線 大館

大館駅で「あけぼの」を撮影してから、ホテルへチェックイン。ここで一泊します。大館ではもう一本のブルトレ、「日本海」も撮影できるのですが、一度部屋へ入ってしまうと再び出撃する気力が薄れてしまい、この日は「あけぼの」で打ち止め。翌日の撮影に備えて早めに就寝しました。

11月4日(金)
このブログを訪問してくださる方々なら、宿泊地に大館を選んだ時点で私の目的はすぐにお解りだと思います。早朝5時半にチェックアウトしてクルマで向かったのは、大館の隣駅・白沢と陣場の間にある奥羽本線の有名撮影地。山のトンネルを抜け、カーブした橋梁を行く列車をアウトカーブから狙う、お立ち台的な定番ポイントです。定番で人と同じような写真を撮ってもつまらないかも知れませんが、鉄道写真は自然が相手。訪れた時期、天候、環境の変化、さらに個々のこだわりポイントなどによって大きく見方が変わり、定番場所でも全く同じにはならないと私は思っています(ちょっと理屈っぽい? ^^;)。それに「お立ち台」と称されるだけあって、その景色はいつ来てもすばらしいものがあります。今回の狙いはもちろん、紅葉の陣場を行くブルトレ「日本海」と「あけぼの」。そこで気になる紅葉具合ですが、見頃は過ぎてしまったものの、田沢湖よりはずっとマシで、何とか秋景色を保っていてくれました。しかし最近、その手軽に撮れるお立ち台に大きな問題が・・・。

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有名撮影地、白沢~陣場の「お立ち台」。
まずは701系二連の普通列車で試し撮りです。
11.11.4 奥羽本線 白沢-陣場

ヨコ位置で奥にコンクリート橋を配し、手前の築堤部分まで列車を引き付けるのが定番スタイル。ところが、築堤付近の木々がかなり成長していて、先頭から二~三両目まで足回りをスッキリと抜くことができなくなっています。実は前述の内陸線に乗った二年前の初夏にも、このお立ち台で「あけぼの」を撮影しているのですが、その時はこんな感じで撮れていました。

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二年前の同ポイントで撮った「あけぼの」。
夏場でうっそうと木が生い茂っているにも関わらず、
定番位置では今よりもスッキリと撮影することができました。
09.6.8 奥羽本線 白沢-陣場(再掲)

定番アングルにこだわる必要は無いけれど、ちょっと撮りにくくなっちゃったなぁ・・・。限られたアングルで試行錯誤したあげく、けっきょく築堤部分をカットしたタテ位置で落ち着きました。同業者は飛び石連休の狭間の平日にも関わらず5~6人ほどが集まり、まずは「日本海」を迎えます。

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早朝、朝靄がたなびく晩秋の陣場。
墨絵のような幽玄な景色のなかを「日本海」が駆け抜けます。
11.11.4 奥羽本線 白沢-陣場

ぬはっ、またも「トワガマ」 (´・ω・`)・・・って、実は隣にいらっしゃった同業者さんの情報で事前にトワガマだと言うことは知っていました。どうやらローズピンクの一機が入場している関係で、最近の「日本海」はトワガマ率が高いらしい。これで私は先々月の湖西線に続き、連続の「トワガマ日本海」。やっぱり「日本海」はローピンで撮りたいな・・・。でも、朝靄と紅葉はとてもいい雰囲気で満足。列車を画の中心に置かずに左をちょっと開けたことで、定番でも少しは変化が付いたかな?

続いてのターゲット「あけぼの」の通過にはまだ一時間以上もあるので、場所を少し変えてみることにしました。お立ち台近くにある展示施設「風穴館」の裏山を登ると、先ほどよりもさらに高いところからコンクリート橋を見下ろすことができるのです。しかし、その風穴館の入り口にはこんな注意書きが張ってありました。

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第二の撮影地となる裏山。
その行く手には「クマに注意!!」の立て看板が・・・。

冬眠前で秋のクマは特に凶暴らしく、もし出くわしたらと考えると身が縮む思いです。おそるおそる撮影ポイントまで登って行くと、そこにいたのは・・・先客の同業者。ここにも5人くらいの方が待機されていました。ひとりで待っているのは心細いけど、お仲間がいれば大丈夫。安心して「あけぼの」を撮ることができそうです。
今度の撮影地点は先ほどの場所よりも線路からかなり離れているので、靄が濃いと列車がクリアに見えず、着いたときには画面に白いレースのカーテンがかかったような状態でしたが、「あけぼの」の通過時刻が近づくにつれて靄は晴れ、やがて日も差すようになりました。いい光線状態のまま、トンネルから赤いEF81が飛び出します。

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山あいに差し込んだ朝日が、
PC橋梁に躍り出た「あけぼの」を照らしてくれました。
11.11.4 奥羽本線 白沢-陣場

きれいに日が当たってくれました~\(^^)/  ただし明るくなった分、落葉してしまった枯れ木も目立つようになってしまいましたが・・・。個人的には「日本海」の写真の方が、寝台列車らしい雰囲気が出ていて好きかも。
「あけぼの」にはカマによる当たり外れなどはなく、しいてこだわりを上げるなら客車の帯がきれいに揃っているかどうか。その点で「あけぼの」に関しては引きがいいらしく、二年前もそして今回も、見える範囲の客車はすべて金帯車で統一されていました。この運を「日本海」のカマにも欲しいところですね・・・(^^;)
これで朝のブルトレ撮影は終了です。

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お立ち台近くにあり、第二の撮影地となった、
国指定天然記念物の「長走風穴」。
長走風穴は国見山から崩落した岩石が堆積してできた累石型風穴で、
石の間から吹き出した冷気は、この風穴倉庫へと生かされます。

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隣接する「風穴館」では、そんな風穴のしくみや高山植物などを
わかりやすく展示しています。開館時間は9時半からなので、
「あけぼの」撮影の後にちょっと寄られてみてはいかがでしょうか。

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今回はレンタカーを使いましたが、
風穴館の前には秋北バスの「風穴前」停留所があります。
二年前に訪れた時はこのバスで大館駅へと戻りました。

前日の10時に田沢湖で借りたレンタカーを、翌日10時前に大館で返却。これで時間制の一日分ピッタリ。同じ秋田県内なので乗り捨て料金もかかりませんでした。事故無く無事にクルマを返すことができると、普段運転しない者にとっては肩の荷がおりたような気分になります。徒歩で市内をちょっと散策し、2009年に廃線となった小坂精錬の線路などを眺めてから、大館駅へ。

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大館駅近くに残る小坂精錬・小坂線の廃線跡。
小坂精錬(小坂鉄道)は小坂鉱山の鉱石輸送や濃硫酸輸送のために
敷かれた貨物主体のローカル私鉄。
94年までは日に数本程度の旅客列車も走っていましたが、
私は一度も乗ることができませんでした・・・。

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奥羽本線大館駅。当駅からは奥羽本線の他に
十和田南、鹿角花輪を経て好摩(盛岡)へと至る、
花輪線も発着しています。
11.11.4 奥羽本線 大館


さて、次の行程は・・・?


・・・続きます



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