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信州02・・・しなの鉄道 湘南色169系 撮影記 [鉄道旅行記]

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2011.12.28・29
信州02
しなの鉄道 湘南色169系 撮影記
  

「青春18きっぷ」を使っての信州鉄道旅。前回からの続きです。
「碓氷峠鉄道文化むら」や信越線の廃線跡を堪能し、続いて向かうのは軽井沢。信越線の廃止以降、この横川~軽井沢は路線バスで結ばれています。運転しているのはJR系列のバス(ジェイアールバス関東)ですが「青春18きっぷ」は使えず、ここからは別料金。さらに軽井沢から乗る予定のしなの鉄道も当然「18」では乗れません。今さら昔のことを言っていても仕方ないけれど、信越線が一本に繋がっていた頃だったら、そのまま「18」だけで乗り続けられたのにな・・・などと思うと、ちょっとソンした気分。まあ、ウチの最寄り駅から横川までだけでも普通乗車券だと2520円かかるので、ギリギリ元は取れているのだけれど。

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横川と軽井沢を結ぶ路線バス。
この便には高速バス用のハイデッカー車が使われていました。
ちなみに手前を横切るのは、かつての信越線の線路。
現在は横川駅と鉄道文化むらを結び、車両の搬入などに使用されます。
11.12.28 ジェイアールバス関東 碓氷線 横川駅

横川駅前の停留所にいたバスへ、軽井沢駅までの運賃500円を先に払って乗り込みます。発車時の乗車率は窓側席がすべて埋まるくらいで、混雑ってほどではないけれど、案外利用客は多い様子。普段はクルマを運転しないので道路に疎い私は、ひょっとしてこのバスは信越線・アプト時代の遺構である「めがね橋(碓氷第三橋梁)」の脇を通るのかな・・・と思い、進行方向右の窓側席に座ったのですが、めがね橋があるのは旧道沿い。バスはカーブが多い峠道の旧道ではなく、新道のバイパス線へと入り、残念ながら旧・信越線跡の見えないルートを進みます。それでも高いところを走るバイパス線からの眺望はなかなか雄大で、おそらく車窓風景は信越線の横軽区間よりも良いのではないかと思いました(横軽はけっこうトンネルが多かったしね・・・)。

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軽井沢行きのバスが走る碓氷バイパスからの眺め。
妙義山をはじめとした山々が一望できます。

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碓氷峠を越え、車窓に浅間山が見えてきたら、
まもなく軽井沢。

空いている道路をバスは順調に進み、定刻通りに軽井沢駅へと到着。バスによる所要時間は34分で、これは横軽を通っていた信越線よりも若干遅いタイム。当時の信越線は下り列車(横川→軽井沢)が18分、上り列車が25分で結んでいました。

横川駅1200-(JRバス碓氷線)-軽井沢駅1234

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避暑地、高級別荘地として名高い、軽井沢。
その玄関口となる軽井沢駅は三角屋根の駅舎。
11.12.28 長野新幹線 軽井沢

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軽井沢駅に隣接した旧・軽井沢駅舎記念館にも、
ロクサン(EF63 2)が保存されています。
同様に保存されているEC40(10000形)アプト式電機など
中に入ってじっくり見たかったけど、
年末のせいか記念館はお休みでした。
なんとか柵からコンデジを突き出してロクサンを撮影(苦笑)。

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その記念館の前には、
草軽電鉄の電気機関車、デキ12も展示されています。
案内板によると、
「この独特な形は鉱山のトロッコ用を改造したもので、
昭和37年に廃線となるまで、地元民の足として、
また旅行者の良き案内人として活躍した」
とのこと(一部を抜粋)。

軽井沢から乗るのは「しなの鉄道」。ご存知、長野新幹線の開業によりJR東日本から経営分離された旧・信越本線の軽井沢~篠ノ井を引き継いだ第三セクター方式の鉄道です。長距離利用客が長野新幹線に転移したことなどにより、経営状態の厳しさがたびたび取りざたされている同鉄道ですが、いろいろと工夫を凝らした方法で経営難を乗り切ろうと努力しています。そのひとつが169系の国鉄色復刻。信越線を引き継いだ際にJRから譲渡された169系は、現在では数少ない「国鉄急行形」の残党。譲渡された際に赤とグレーのしなの鉄道色に塗られましたが、その希少性に目がとまり、国鉄時代を彷彿とさせる湘南色へと戻されたのです(細かいことを言うと、最初はイベントのため08年から一時的に湘南色となりましたが、09年にしなの色へ戻され、さらに10年に再び湘南色となって現在に至る)。これにより、しなの鉄道へのファンの注目度は一気にアップ。イベントなども行われて増収入に繋がった・・・のかどうかは定かではありませんが、とにかくファンのために復刻色を走らせてくれるのは嬉しいこと。私が今回の旅先に信州を選んだ理由のひとつが、このしなの鉄道を走る湘南色169系を撮ることでした。

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軽井沢に停車中のしなの鉄道115系。
この赤&グレーがしなの鉄道オリジナルカラーです。
11.12.28 しなの鉄道 軽井沢

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軽井沢から20分の平原で下車。
平原の待合室は車掌車のヨ6000を改造した
いわゆる「貨車駅」。
北海道などではよく見かける貨車駅ですが、
関東甲信越では珍しいと思われます。
11.12.28 しなの鉄道 平原

軽井沢1305-(しなの鉄道767M)-平原1324

この日は朝から快晴。先ほどの軽井沢行きバスの車窓からも浅間山がきれいに見えていました。そこで、信越線・・・もとい、しなの鉄道らしい、浅間山などの山々が背景に入る撮影地で169系を撮りたいと思い、やってきたのは小諸のひとつ手前にある小駅、平原。昔から浅間山バックの有名撮影地というと信濃追分~御代田のあたりが有名なのですが、今回は駅から程近いところで俯瞰からの雄大な景色が拝める、この平原のポイントを選んでみました。

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まずは115系で試し撮り。
眺望が開けて、光線状態も良好なのですが、
雲が・・・Σ( ̄ロ ̄lll)
11.12.28 しなの鉄道 御代田-平原

ところが撮影地に着いてみると、いつのまにか山は雲に覆われています。たとえ周囲が晴れていても山頂にだけ雲が湧いてしまうのはよくあることで、山の撮影とはなかなか難しいもの。富士山や磐梯山など、過去に何度も泣かされてきました・・・。しかし、突如雲が現れる場合もあれば、その逆になることもありえます。この日は風が強かったこともあり、山頂にまとわりついていた雲はみるみるうちに流れてゆき、そして迎えた本命169系の通過時刻・・・。

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全容を現した美しい信州の山々。
その裾野を湘南色の急行形電車が駆け抜けてゆきます。
11.12.28 しなの鉄道 御代田-平原(後追い)

雲がとれ、山がクッキリの状態で169系を撮れました~\(^O^)/  旧・信越線を行く湘南色169系、かつてここを走っていた急行「信州」というには三両の編成は短すぎるけれど、山バックで走る短編成169系の姿は、まるで長野電鉄に乗り入れた急行「志賀」を彷彿とさせて、これはこれでいい感じです。この撮影地だと浅間山は手前の石尊山(せきそんさん)に半分くらい隠されちゃうのですが、それでもここは美しい信州の山なみが存分に堪能できる撮影地です。ただし、どうにも気になるのは手前に続く白いガードレール。これさえなければもっと良いんだけどなぁ・・・と、いうことで、今の169系が折り返してくるまでの時間に、このガードレールがクリアできる撮影場所は無いか探してみることにしました。

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ガードレールが途切れたあたりから115系を狙ってみましたが、
背景の家々が列車と重なるようになってしまい、
ちょっとうるさくなってしまったかも。。。
左下にガードレールの端が写っていて、
ここから左手には、ずーっとガードレールが続いています。
11.12.28 しなの鉄道 御代田-平原

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いっそのこと俯瞰ではなく線路端へ。
ありゃ、山が見えなくなってしまいました・・・(^_^;)
11.12.28 しなの鉄道 御代田-平原

いろいろ試行錯誤してみたものの、徒歩で周囲を探すには限界があり、やはりそう簡単に良い撮影地など見つけられるものではありません。いっそのこと山を入れず編成写真にしようかとも思ったのですが、先述したように山がキレイに見えている好条件はなかなか狙っても撮れるものではなく、それを捨ててしまうのはもったいない・・・。結局、169系通過の10分前に最初の俯瞰ポイントへと戻ってきました。

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再び姿を現れた湘南色は、西日に照らされて赤みがかっていました。
11.12.28 しなの鉄道 御代田-平原

同じポイントからの撮影ですが、今度はなだらかな浅間山の裾野を広く入れたアングルにしてみました。このくらいの方が、どっしりとした浅間山っぽいかもしれません。

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振り返って、去り行く169系を。
半逆光に浮かび上がった湘南色もまた美しい・・・。
冬の冷たい空気の中、去り行く169系のモーター音は
いつまでもこだましていました。
11.12.28 しなの鉄道 小諸-平原(後追い)

逆向きのこちらも良い俯瞰アングルなのですが、大胆に横切る高圧線がちょっと気になります。空に電線だけ残すのは気持ちが悪いので、あえて左の鉄塔も入れちゃいました。ガードレールや電線には悩まされたけど、晴天できれいな山バックの169系が撮れたのだから、良しとしましょう。これで俯瞰の撮影地をあとにして、平原駅へと戻ります。次に乗る予定の下り列車を待つ間にもう一発、さらに折り返してきた上りの169系を駅先端で撮影。

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平原駅へ入ってくる169系をローアングルから狙います。
湘南色のサイドにきれいな西日が当たった!
と、思ったら、信号機の影が車体に落ちていました・・・。
詰めが甘いなぁ・・・(´・ω・`)
11.12.28 しなの鉄道 平原

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平原に停車中の169系をしっかり編成撮り。
やはり急行形らしいこの引き締まった塗り分けはカッコイイ!
とくに幕板部の斜めラインが秀逸だと思います。
11.12.28 しなの鉄道 平原(開いた構内踏切から撮影)

昨年(11年)夏ごろから、保安設備上の理由でJRの篠ノ井~長野間への入線が不可能となり、最近は一時に比べると動きの少なくなってしまった感のある、しなの鉄道169系。置き換えのウワサもチラホラと流れているなか、少しでも長く「最後の国鉄急行色」が見られることを願い、発車してゆく169系を見送りました。

  

・・・続きます。



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