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御殿場線・・・「あさぎり」撮影記 [鉄道写真撮影記]

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2012.01.08
御殿場線
撮り初めは大撃沈・・・(´;ω;`)
特急「あさぎり」 撮影
  

長野への往復で三回目、四回目を使った、冬の「青春18きっぷ」。一枚で五回使用できるので、残りはあと一回。年が明けて一週間が経ち、そろそろ使用期限(1/10まで)も近づいてきました。はじめはこの一回を、毎年恒例の成田線で運転される初詣臨時列車(通称「成田臨」)の撮影に充てようと考えていたのですが、私には他にもうひとつ、この「18きっぷ」を使って撮りに行きたいと考えていた列車がありました。国鉄色183系の「成田臨」はもちろん魅力的なのですが、一昨年昨年と二年連続で撮影に行っていることもあり、今回はもうひとつの選択肢の方へと向かうことにしました。果たしてこの選択は吉と出るのか凶と出るのか・・・。

1月8日(日)

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今回の目的地へは、まず東海道線で西に向かいます。
乗ったのはおなじみの静岡行き321M。
この373系特急形車両を使う「オトクな普通列車」も、
今春の改正でE231(233)系の沼津行きに変更されてしまいます。
「18キッパー」としては、とても残念なことですね・・・。
11.12.10 東海道本線 東京(この写真は伊豆遠征時の再掲です)

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東京から一時間強の国府津で御殿場線に乗り換え。
停車していた御殿場経由の沼津行きは、
ロングシートの211系とセミクロスの313系が併結された編成でした。
もちろんこれは313系の方へ乗車します。
東海道本線 国府津

東京から朝イチの東海道線で国府津へと向かい、そこで乗り換えたのは御殿場線。そう、今回の目的はこの御殿場線を走る、特急「あさぎり」の撮影です。「あさぎり」は都心の新宿と静岡県東部の沼津を、小田急小田原線・JR御殿場線経由で結ぶ特急列車。JRの新宿発着ではなく小田急とJR東海の直通運転とは面白い形態ですが、その歴史は古く、1959年には当時まだ非電化だった御殿場線へ、小田急のディーゼルカーが特別準急「朝霧」として直通運転(片乗り入れ)を開始しています。その後、御殿場線の電化により小田急ロマンスカー3000形「SSE」を使用した連絡急行「あさぎり」となり、さらに特急への格上げで小田急20000形「RSE」とJR東海371系を使用した現在の相互直通運転スタイルへ。しかし、その「RSE」と371系の体制も20年を越え、今春のダイヤ改正では新たに後継車となる小田急60000形「MSE」への置き換えが発表されました(直通形態は以前の片乗り入れに逆戻り)。そこで今回は置き換えにより引退となる「RSE」と371系、二種の「あさぎり」をしっかりと撮影したかったのです。まあ言ってしまえば、典型的な「葬式鉄」ですね(苦笑)。「あさぎり」自体の撮影ならば前述したように小田急線内でも手軽にできるのに、わざわざ御殿場線まで来たのは、富士山をバックにした「あさぎり」らしい写真を残したいと思ったからでした。しかし・・・。

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国府津発車直後の車窓。
天気は悪くないものの、空には雲が広がっています・・・
並走しながら離れていくのは、乗ってきた東海道線の373系。
御殿場線 国府津-下曽我(車窓から)

この日、御殿場の天気は晴れのち曇りで、午後から雲が広がるとの予報。これならば午前中順光になる定番の富士山ポイントは大丈夫だと思っていたのですが、すでに早朝の国府津発車時点で空にはイヤ~な雲が湧いています。先日のしなの鉄道「浅間山バック」を撮影した際にも書いたように、たとえ晴れていても山頂だけに雲がかかるなど、山の撮影は簡単なものではありません。しかも日本一高い富士山ともなれば、なおのこと・・・。それでも御殿場線が先へ進むにつれ、車窓には山頂までハッキリとした美しい富士山が映し出されるようになりました。

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車窓からは、朝日に照らされた富士山の姿が!
御殿場線 駿河小山付近(車窓から)

うん、このぶんなら大丈夫。多少雲がかかっていても、きっと「浅間山」のときみたいに本番前にはスーっと消えてしまうさ・・・などと、何の根拠も無い自信を持って、予定通り撮影地の最寄り駅である御殿場で下車。

東京0520-(東海道321M)-国府津0635~0638-(御殿場2529M)-御殿場0723

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御殿場線の主要駅・御殿場。
駅前には御殿場線で活躍した蒸気機関車「D52 72」が
保存されています。(タイトル写真)
御殿場線 御殿場

富士山を背景に「あさぎり」をきれいに撮ることができる、御殿場の有名撮影ポイント。私がここを訪れるのは実に21年ぶり。まさに前回は3000形「あさぎり」の葬式鉄でした(その頃はそんな言葉なかったケド・・・)。

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雄大な富士山と、赤い3000形「SSE」時代の「あさぎり」。
91.2 御殿場線 御殿場-足柄(後追い)

あれからもうそんなに時が経つのか・・・という懐かしい思いと同時に、これだけ素晴らしい撮影地なのだから引退間際ばかりでなく、もっとコンスタントに余裕を持って撮影に来るべきだなと、反省の気持ちも沸いてきました。そんな久しぶりに訪れた撮影地ですが道に迷うこともなく、すんなりと到着。さあ、ここからは以前と変わらぬ富士山の雄大な姿が・・・

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見えなかった・・・orz

駿河小山付近ではきれいに見えていた富士山。しかし撮影地に着いてみると大きな雲が広がっており、その姿を隠してしまっています。しかも雲は次から次へと流れてきて、ほとんど全容を拝むことができません。それでも上空には青空が見えているので、天気予報的には「晴れ」で間違いじゃないのです。ホント、この辺が難しいところ・・・。

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313系の普通列車が通過。
このポイントは午前順光で、晴れればいい感じになります。
御殿場線 御殿場-足柄

残念ながら富士山には雲がかかっているけれど、この順光ポイントで引退間際の現行「あさぎり」を撮影できるならいいか・・・と自分に言い聞かせるようにして、まずは371系「あさぎり2号」の通過を待ちます。ところが撮影条件はますます悪くなり、迎えた本番・・・。

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富士の裾野(?)をゆく371系の「あさぎり2号」。
東海道新幹線のようなカラーリングと独特な卵形の先頭部は、
今みても斬新なスタイルだと思いますが、もう引退なんですね・・・。

撮影地付近も雲に覆われて、完全に陰ってしまった・・・(´;ω;`)。こうなると背景の富士山と手前の列車では露出に差がありすぎて、列車が露出アンダーで潰れるか、背景が露出オーバーでぶっ飛ぶかのどちらかになってしまいます。私の狙いはあくまでも「あさぎり」なので、仕方なく後者を選びました(前者を選ぶと二枚上の写真みたいになります)。でもこれじゃ上スカ、後スカのバランスが悪い、ただの編成写真に過ぎませんね・・・(;´д`)トホホ。もうなんだかすっかりやる気を失うも、30分後に逆方向からやってくる「RSE」使用の「あさぎり1号」をそのまま待ちます。

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「あさぎり1号」の待ち時間に撮影した普通列車は
私が乗ったのと同じ、211系と313系の異形式併結編成でした。
御殿場線 御殿場-足柄(後追い)

「あさぎり1号」の10分前に通過した普通列車(2535M)は、再び晴れてきれいな光が当たりました。「あさぎり」にもせめてこのくらいの光があたって欲しいところ・・・しかし、悪夢再び。

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こちらは小田急20000形「RSE」で運転されている「あさぎり1号」。
「RSE=Resort Super Express」は、小田急ロマンスカーの特徴だった
連接構造ではなく、371系と基本仕様を統一した造りとなっています。

またしても陰られて大撃沈 (T□T)。試し撮りの普通列車は晴れて、本番の「あさぎり」で曇る・・・ここまでツイていないと、逆におかしくて笑っちゃうほど・・・アヒャヒャヒャ(。A 。*) 。これが今年の撮り初めだったのに、なんともショッパイ結果となってしまいました (´;ω;`)。それにしても、こんな条件にも関わらずこのポイントには20人もの同業者が集まり、なかには大阪や滋賀ナンバーのクルマなども見られます。はるばる関西から夜通し走ってきたのにこの結果では、さぞかしガッカリしたことでしょう・・・。皆さん溜息まじりに撤収してゆきます。私も本当なら一日中御殿場線で「あさぎり」や富士山の撮影を楽しむつもりでいたのですが、残念ながらこの天気ではもう富士山を望むのは難しいと諦め、別路線の撮影へ転戦することにしました。御殿場線で国府津に戻り、東海道線へ乗り換えて、次にやってきたのは小田原のひとつ先にある早川。

御殿場0926-(2538G)-国府津1013~1038-(523M)-早川1048

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早川まで乗った東海道線は、
最近急速に数を減らしつつある211系でした。
東海道本線 早川

早川と言えば、撮り鉄には相模湾を背景に走る東海道本線の有名な俯瞰撮影地(石橋集落)があることで知られていますが、今回は東海道の在来線ではなく、新幹線のほう。早川駅から歩いて15分ほどのところにある東海道新幹線の撮影地へ向かいます。ここでの狙いは、引退を目前に控えて運転本数の少なくなった、元祖「のぞみ」形新幹線・300系。さきほどの371系「あさぎり」だけでなく、300系も今春のダイヤ改正を前に姿を消すことが決定しています。しかも改正前日に一気に置き換える形ではなく、徐々に運用が減らされており、今となってはもう無計画で300系を捕まえるのは困難な状況。実はこれから撮影する「ひかり509号」も300系で運転されるのはこの撮影日の8日が最終日で、さらに一時間後の「ひかり511号」の方も翌日の9日までとなっています(以降は700系)。つまりこの日は日中の短時間で二本もの300系が撮れる貴重な機会なのです。

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高い防音壁が障害となる新幹線撮影ですが、
ここは小高い山の斜面を上がると、防音壁をクリアできます。
まずはN700系で試し撮り。
東海道新幹線 小田原-熱海

さすがにそんな日なので同業者も多く、本来はもう少し高い位置の「お立ち台」から俯瞰撮影するのがここの定番アングルなのですが、そこはすでにいっぱい(・・・といっても、4~5人程度が限界)。やむなくお立ち台脇の通路から狙うことにしました。三脚を立てるスペースはなく、手持ちで一発勝負。本命「ひかり509号」の前走りとなる「のぞみ27号(N700系)」が通過すると、一気に緊張感が高まります。新横浜発車時点で「ひかり509号」は「のぞみ27号」の三分続行。でもN700系と300系の性能を考えると、ここは四分後くらいかな・・・などと考えていたそのとき、遠くに300系のライトが見えてきた! と、同時に手前の上り線を700系が通過!! ああ、カブった・・・いや、抜けた!!!

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300系(J54)の「のぞみ509号」が700系の「こだま638号」と離合。
エアロストリーム形の700系に比べると、
300系は緩やかな曲線を描くシンプルなデザインです。

カブりかけ・・・? いや、これはウマく離合シーンが撮れたと喜ぶべきでしょう 。でも実際の心境はハラハラドキドキ、もう心臓はバクバクでした。写真では余裕があるように見えても、200キロ近いスピードでの離合はホントに一瞬の出来事なのです。ふう、なんとか撮れてヨカッタ・・・(^▽^;)。ちなみにデジカメの撮影記録を見てみると「のぞみ27号」と「ひかり509号」の差は3分15秒。さすがに新横浜からここまででは、それほど差は広がらないものですね。

引き続き同ポイントで一時間後の「ひかり511号」を待ちます。ところが今の「509号」撮影後、上のお立ち台にいた方々はみんな撤収してしまいました。あれ?「511号」は撮らないの? ひょっとしてもうすでに「511号」は300系が入らない・・・とか? ちょっと不安を感じつつも、せっかくなので空いたお立ち台へ移動して「511号」を待つことに。

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最近はめっきり地味な存在となってしまった感のある700系を
山の中腹付近にあるお立ち台から撮影。
ここは見晴らしが良く、右奥には小田原城の姿も望めます。
東海道新幹線 小田原-熱海

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かたや東海道新幹線の顔となったN700系。
たしかに700系よりも乗り心地がいいので、
私も出張などの際にはこのN700系を選びます。
デザイン的にも700系よりN700系の方が好み。

それにしても上空には相変わらずひっきりなしに雲が流れていて、露出が安定しません。上の700系とN700系の写真もわずか10分の間に撮ったものとは思えない日の当たり具合です。ここは晴れると顔にしか日が当たらないので、曇ってくれた方が車体側面はきれいに見えるのですが、曇って露出が落ちればシャッタースピード(SS)も遅くなる。高速で走る新幹線の撮影ですから、あまりSSは落としたくないところ。なのでシャッタースピードは固定(1/1600sec)してISO感度で明るさを調整しています(絞りは開放から一段絞りのf4.0で固定)。撮影毎に一枚づつISO感度を変えられるなんて、デジカメならではの技ですよね。そんな感じで慌ただしくISO感度を変えながら迎えた、「ひかり511号」の通過時刻。

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小田原市内を後に緩やかなカーブを駆け抜ける
300系(J55)の「ひかり511号」。
元祖「のぞみ」として92年に華々しくデビューした300系も
いよいよお別れの時が近づいてきました。

不安視していた車両変更も無く、今度は無事にカブ・・・いや、離合することなく、300系の流れるような編成写真を撮影することができました。結局、日が出たことによりサイドは暗めですが、若干薄雲がかかっているおかげで700系の写真よりはコントラストが弱くなり、この状況下ではベストに近い明るさかと思われます。何より引退間際の300系を短時間で二本も、結果的に違うアングルから撮れたことに満足できました。この後は天気が良ければ石橋集落まで歩いて211系や185系を撮ろうかとも考えたのですが、午後になりますます雲が多くなってきたので、これにて撮影は終了。コッチ方面へ来たついでに藤沢で下車して、小田急線の大和にある親戚宅へと新年の挨拶に向かいました。

早川1248-(844M)-藤沢1324

  

新年一発目の本格的な撮影にしては、何とも冴えない結果となってしまった今回の「あさぎり」撮影。371系・「RSE」の引退前にもう一度リベンジを果たしに行きたいところですが、残された日数を考えるとちょっと難しいかもしれません。まあ今回のことを教訓に、日頃から余裕を持っての撮影を心がけておくべきですね・・・。ダイヤ改正後に「あさぎり」デビューを果たす「MSE」も決してキライな車両ではないので、落ち着いた頃にのんびりと富士の裾野を走る「青いロマンスカー」でも撮りに来ようかと思っています。一方の300系新幹線は2月17日より引退を記念した特別装飾が施されるそうで、こちらもしっかり記録しておきたいところ。でも今回訪れた「お立ち台」などは、きっと入り込む余地がないほど混み合うのでしょうね・・・(^^;)。

 



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