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御殿場線・小田急・・・リベンジ!「あさぎり」撮影記 [鉄道写真撮影記]

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2012.02.04
御殿場線・小田急
リベンジ!(`・ω・´)
富士山バック「あさぎり」 撮影
  

気がつけば、早くも二月。数多くの列車や車両が引退してしまうダイヤ改正(3/17)が刻一刻と迫ってきています。そんな引退が近づいている車両のひとつが、小田急線と御殿場線を直通する特急「あさぎり」に使用されているJR371系と小田急20000形「RSE」。「あさぎり」という列車自体が消えるわけではありませんが、ダイヤ改正を期に新型車両(小田急60000形「MSE」)への置き換えが決定しています。私はこの引退間近の現行「あさぎり」撮影を先月にトライ。せっかくならば富士山の裾野を走る「あさぎり」らしい写真を残したいと思い、御殿場まで出かけたものの、富士山は雲に覆われてほとんど見えず、しかも列車まで流れてきた雲に陰られるという大撃沈に終わりました・・・ (´;ω;`)。前回も書いているように、天気予報ではなかなか富士山にまとわりつく薄い雲までは把握できず、たとえ「晴れ」予報でも山頂までスッキリ見えるかどうかは運次第といっても過言ではないのです。見えるかどうか解らない富士山を求めて、御殿場までもう一度行くのはリスクが大きい。一度失敗したことで弱腰にもなっていました。でも、このまま撮れずに終わってしまうのは、やっぱり悔しい。もう一度、もう一度だけ晴天予報の日にトライしてみるか・・・。そんなことを考えていた先週一週間ですが、日本列島はすっぽりと強い寒気に覆われて、東北、北陸の大雪はもとより、名古屋や静岡でも雪になるという大荒れの天気となりました。しかし週末には寒気が弱まり、久しぶりに高気圧が張り出す予報。大荒れの直後はたいてい穏やかな晴天になるものです。前日よりも気温が高めというところがちょっと気がかりですが、この晴れ予報に賭けて、もういちど富士山バックの「あさぎり」にトライすべく御殿場へと向かうことにしました。

2月4日(土)
前回に訪れた時は「青春18きっぷ」を使ったため、東京駅から東海道線でスタートし、国府津で御殿場線へと入りましたが、今回は小田急線で御殿場線との乗換駅・新松田へと向かいます。実はウチから御殿場へ行くには、この小田急経由の方が早くて料金も安いのです(ちなみに新宿~御殿場で料金を比べてみると、JRのみ利用(新宿-(中央)-東京-(東海道)-国府津-(御殿場)-御殿場)で片道1890円。小田急経由(新宿-(小田急)-新松田…松田-(御殿場)-御殿場)だと片道1230円(小田急750円+JR480円)。「青春18」一回分は2300円計算なので、往復を考えると「青春18」利用がちょっとだけ安くなります。 *2/8追記・・・コメント蘭に小田急が発売している「御殿場往復割引きっぷ」を使うと、新宿~御殿場1970円で往復できるというおトク情報を寄せていただきました
コメントしていただいたgardenwalkerさん、ありがとうございます m(_ _)m。恥ずかしながら、私はこのおトクきっぷの存在を知りませんでした・・・(汗))。

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日中は賑やかな小田急・新宿駅も、早朝は人影まばら。
3000形の急行が特急用の②番ホームで発車を待っています。
小田急小田原線 新宿

朝イチの急行・小田原行きに乗車。土曜早朝の下り列車なので空いているかと思いきや、車内にはオール明けと見られるサラリーマンの他、ハイキング客や釣り人など様々な人種で結構な混雑ぶり。とくに最近流行の「山ガール」の姿が多く目立ちます。丹沢や大山、箱根など沿線に手軽な山歩きを楽しめるスポットが多い小田急線。かつてはハイキング・登山客向けの臨時急行を通勤型車両で走らせていましたが、いまこそ汎用性のある「EXE」や「MSE」を使って週末の早朝に「ホリデー特急」などを設定したら、案外利用客が多そうなのに・・・などと、思ってしまいます。

列車が新宿を出てちょうど一時間がたったころ、車窓にはそんな丹沢の山々がきれいに見えてきました。空は雲ひとつない快晴。しかしまだ安心はできません。

新宿0531-(小田急・急行)-新松田0650

急行電車は定刻どおりに新松田着。と、同時に何人かの客が小走りに改札へ向かい、私も急いでその後に続きます。実はこの新松田での乗り換え時間がわずか3分しかないのです。ふつうの駅ならば3分もあればじゅうぶんに乗り換え可能なのですが、この小田急・新松田と御殿場線・松田は少し離れていて、一旦小田急の改札を出て駅前の通りを横断し、JRの改札へ入らなくてはなりません。その間は歩いてちょうど3分といったところ。なので少し早歩きすれば間に合うのですが、やはり気が逸ります。

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御殿場線ホームへ上がったとき、ちょうど列車が入ってきました。
前回に国府津から乗ったのと同じ、211系+313系の2529M。
そして松田のホームからはきれいな富士山の姿が・・・!
御殿場線 松田

無事に乗り換えを済ませてホッと一息。313系のクロスシートに腰を下ろして車窓に目をやると、そこには朝日を浴びた富士山がくっきりと映し出されています(タイトル写真:東山北付近の車窓)。これなら大丈夫? いや、前回も御殿場線の車窓から駿河小山まではきれいに富士山が見えていたのです。なのにあの結果・・・撮影地に着いて「あさぎり」が通過するまでは安心できない。すっかり疑心暗鬼です (^^;)。カーブの多い御殿場線。列車は左に右に富士山を望みながら、御殿場に到着。

松田0653-(御殿場2529M)-御殿場0723

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ひと月前にも来た御殿場駅。
今回は前回とは反対側の箱根乙女口から歩くことに。
ちなみに前回紹介したD52は富士登山口側に保存されています。
御殿場線 御殿場

前回来たときは、この御殿場駅を出た時点で雲行きが怪しくなってきたのですが、今回は不安視するような雲はまったく見当たらず、真っ青な空をキープしています。もうここまでくれば富士山が隠れてしまう事は無いでしょう。しかし私にはもうひとつの不安がありました。それは撮影場所の問題。晴天の富士山を待ちわびていたのは当然の事ながら私だけではありません。前回の曇天でさえ20人の同業者が集まったお立ち台ポイント。果たして今回はと言えば・・・その倍の40人、いや50人は集まっています。撮影地はまさに三脚・脚立の林状態。もうフツーに三脚を立てて撮れるようなところは残っておらず、大きな三脚と三脚の隙間から狙う形になります。それでも固定したアングルが見つけられただけありがたく、中には通過直前になってもアングルが定まらずに右往左往する輩も見受けられました。そして迎えた371系「あさぎり2号」の通過時刻・・・。

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雲ひとつない青空のもと、雄大な富士山を背に走る371系。
これぞ、特急「あさぎり」を象徴とするシーンです。
御殿場線 御殿場-足柄

富士山バックの371系が撮れた~ヾ(≧∇≦*)〃ヾ(*≧∇≦)〃 もう感無量です。そして、続く「RSE」の「あさぎり1号」も・・・。

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富士山をバックに走る「RSE」。
この「RSE」には小田急から富士急への譲渡話が
持ち上がっているそうで、実現すると面白いですね。
今度は別の角度から富士山が見られるようになるかも?
御殿場線 御殿場-足柄(後追い)

「RSE・あさぎり」も無事に富士山バックで撮ることができました~ヽ(^◇^*)/ 。前回撮ったべストポジションよりも正面気味だとか、側溝工事のトラックが入っちゃったとか、富士山の雪がかなり多めとか・・・もう、そんな贅沢は言えません。引退間際の土壇場にこの好条件で撮れた事に大満足。なんとか前回のリベンジを果たす事ができました。せっかくならもう少しここで撮影を続けようかと考えたのですが、この富士山が見えている好条件で、私には別に行ってみたかった撮影地がもう一カ所ありました。まだ多くの同業者が残り「あさぎり」通過の余韻が冷めやらぬ撮影地をあとにして、再び御殿場駅へ。

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御殿場駅に戻ると、こんな車両が入ってきました。
117系の快速「富士山トレイン117」。
御殿場線で117系が見られるとは、ちょっとビックリ。
117系の入線実績ではこれが最東になるのかな・・・?
できれば富士山バックで撮ってみたかったところです。
御殿場線 御殿場

御殿場1027-(2542G)-松田1101

御殿場線の上り列車で、朝に乗り換えた松田まで戻ってきました。しかしすぐに小田急線へ乗り換えるのではなく、JRの改札を出てから、しばらく小田急線の線路沿いを小田原方面へと歩みを進めます。やってきたのは小田急線・新松田~開成の間に架かる酒匂川橋梁。今度はここで小田急線の列車を狙ってみることにしました。今春のダイヤ改正ではJRだけでなく、この小田急からもいくつかの車両が引退する事になっており、それらが撮れればいいな・・・と思いながらカメラを構えると、さっそく現れたのは先ほど御殿場線でも撮った20000形「RSE」。

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「RSE」は御殿場線直通「あさぎり」の他、
小田急線内の「はこね」などにも運用されています。
この列車は箱根湯本行きの「はこね15号」。
小田急小田原線 開成-新松田(後追い)

「あさぎり」からの撤退だけでなく、車両自体が引退してしまう「RSE」。そのいちばんの特徴である中間のダブルデッカーが解りやすいアングルで撮る事ができました。この酒匂川橋梁は小田急線と富士山を絡める事ができる有名撮影地。御殿場のように富士山がドーンと入るような場所ではありませんが、ちょこっと頭だけ覗かせている富士山のおくゆかしさがいかにも小田急沿線ぽくって、私的にけっこう好みのポジションだったりします。

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土手に腰掛けて列車を見つめる親子。
走ってゆくのは青いロマンスカーこと60000形「MSE」です。

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「RSE・はこね」通過の15分後、次にやってきたのは
リバイバル・カラーの7000形「LSE」!
やっぱり小田急ロマンスカーと言えばこの色です!

「RSE」に「MSE」、そして「LSE」と、次々にいろんなロマンスカーが来る小田急線での撮影は楽しい。とくに旧塗装の「リバイバル・LSE」が撮れたときには、まさに キタ━(゚∀゚)━!! って喜んだのですが、帰ってから小田急のHPを見てみると、なんと今後「LSE」は、すべてこの旧塗装に塗り戻されることになったらしい(現在三本ある「LSE」のうち一本が旧塗装となり、一本は廃車に。つまり現・旧塗装編成と合わせて、旧塗装の二本体制になるとのこと)。今改正では動きが無いと思われていた「LSE」、ここにきてまさかの現行塗装が見納めとなる事態になりました。

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・・・と、いうわけで、
一気に注目度が上がった現行色ワインレッドの「LSE」。
この色もキライじゃないけれど、ちょっと軽い気がします。

撮影時にはこの塗装変更のニュースをまだ知らなかった私。たまたまこの日の「はこね19号」にはワインレッドの「LSE」が入っていたので、ウマい具合に記録する事ができました。しかしこの頃から次第に富士山の山頂付近に雲がかかり始めてきて、まるで富士山に毛が生えたような状態に。なので河原まで下りて、富士山よりも川の流れを目立たせたアングルにしてみました。

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「はこね21号」は10000形「HiSE」。
その名の通りハイデッカーが特徴の「HiSE」ですが、
逆にその構造がアダとなり、バリアフリーに対応できず、
こちらも引退する事に・・・。

似たようなワインレッドの「LSE」と「HiSE」を同じアングルで撮ってしまった事に反省・・・。そして気がつけば、背景の富士山にはさらに雲がまとわりついています。青空が広がる快晴でもこんなことがある・・・あらためて富士山撮影の難しさを感じました。でも、とりあえず撮りたかった車両は一通りおさえる事ができたので、満足して撤収。「HiSE」や「RSE」の引退でバリエーションが減ってしまうのは残念ですが、今後は「LSE」の旧塗装を撮るチャンスが増えるなど、まだまだ目が離せない小田急ロマンスカー。今回は巡り会えなかったフラッグシップの50000形「VSE」などを撮りに、また訪れたいものです。

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帰りがけに新松田で見かけたのは箱根登山カラーの1000形。
初めて見る赤い1000形ですが、案外似合っていますね。
小田急小田原線 新松田

新松田1335-(小田急・急行)-新宿1457
 


引退してしまう列車を全部、何が何でも記録しておかなきゃ・・・ってほど焦ってはいないけれど、期限のある列車を追うという行為はやはり燃える(萌える・・・ぢゃないですよ^^;)ものがあって楽しいもの。「葬式鉄」揶揄されながらも、こればっかりは鉄の性とも言うべき、仕方のないものだと思っています。ダイヤ改正までひと月余り。撮り鉄や乗り鉄のみなさん、悔いのないように撮影・乗車の記録を残しましょう! あ、もちろん安全第一で・・・。

 

☆おまけ☆
今撮影記の主役のひとつである小田急20000形「RSE」。91年3月に連絡急行から特急へと格上げされた「あさぎり」でデビューした同車ですが、そのデビュー前に行われた甲種輸送シーンを私は撮影していました。せっかくなのでこの機会にその当時の写真もご紹介したいと思います。

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90年12月19日、輸送日当日。
小田原の側線で待機する小田急の電気機関車ED1031+ED1041。
当時、小田急の受取駅は現在の新松田ではなく小田原で、
牽引もデキが使われていました。
90.12.19 小田急小田原線 小田原

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東海道線ホームからED1041側を。
四丁のパンタを上げた古豪電機の姿は、なかなかカッコよかった。
残念ながらこのデキは97年に廃車となってしまいました。

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やがて、更新色のEF65 28に牽引された20000形の第一編成が到着。
たしか午後6時頃だったと記憶しています。
12月なので、すでに日没後。
この頃はまだ国鉄色よりも更新色の方が少なかったはずなのに
更新色の28号機が充当されました。。。
90.12.19 東海道本線 小田原

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EF65が切り離され、顔を現した新製直後の20000形
当時は小田急ロマンスカー=赤のイメージが強かったので、
この塗色には驚かされました。

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そして先ほど待機していた重連のデキが連結。
すぐに入換えを行って小田急の側線で待機し、
終電後に相模大野の車両基地へと搬入されたのです。

生まれたばかりでピカピカの「RSE」を見てから21年の時が経ち、その車両が第一線から退く日が迫っている・・・。本当に時の経つのは早いものだと痛感しています。上にも書きましたが、「RSE」には富士急への譲渡話がうまくまとまって、もう一花咲かせて欲しいと願っています。



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