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常磐線・・・特急「スーパーひたち」 偕楽園撮影記 [鉄道写真撮影記]

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2012.03.25
常磐線
偕楽園の梅まつり
特急「スーパー&フレッシュひたち」撮影記
  

先日のダイヤ改正では引退列車ばかりをクローズアップしてきましたが、逆に改正を機に新型車両が投入された列車もあります。そのひとつが常磐線を走る特急「スーパーひたち」と「フレッシュひたち」。改正前までは速達タイプの「スーパー」に651系、停車駅の多い「フレッシュ」には主にE653系が使われていた両列車に、改正後からは新型のE657系が加わることとなりました。こうなると、いち早く新型が撮りたいっ!・・・というよりも、置き換えられる既存車両の方が気になるのは、もはや撮り鉄の悲しい性といったところか (^^;)。今年度中にはE657系化が完了する見込みで、651・E653系の活躍もあと一年・・・いや、順次置き換えが進めば、徐々に姿を消してゆく運命にあります。そこで、この両形式を沿線随一の見どころともいえる梅の名所・水戸の偕楽園で撮りたいと思い、ずっとそのタイミングを図っていました。ここで言うタイミングとは車両運用もさることながら、いちばん重要なのはお天気と梅の花の咲き具合。例年なら偕楽園の梅は3月上旬から中旬にかけて見頃を迎えるはず。なんとかギリギリ17日の改正前に間に合うかな・・・などと考えていました。ところが、今年はなかなか気温が上がらずに寒い日が続いたせいで梅の開花が遅れ、ようやく先週の春分の日あたりになって見頃を迎えたとの事。すでに改正後で約半数が新型に置き換えられてしまいましたが、かろうじて残った既存車両と満開の梅を求め、好天が期待できる日曜日に常磐線で水戸へと向かうことにしました。

 

3月25日(日)

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早朝の上野駅。
常磐線の普通列車、E531系でスタートです。
東北本線 上野

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三河島を出た頃、車窓右手に映るのは東京スカイツリー。
荒川区を抜ける常磐線からもキレイにその姿が見えます。
私はけっこう常磐線から見えるシルエット気味の角度がスキかも(^^)。
常磐線 三河島-南千住(車窓から)

上野発6時半の普通列車で常磐線を下ります。こんなに朝早い時間の電車を選んだのは、偕楽園へ行く前に一カ所寄りたいところがあったから。実は今改正で思った以上に大きく新型へ置き変わってしまったのが「スーパーひたち」。15往復中の10往復、つまり三分の二が651系からE657系の運用へシフトされ、651系で残されたのはたったの5往復。しかもそのうちの一往復は夜間帯なので、日中に走行写真が撮影できるのは4往復のみとなってしまいました(それ以外に、夜間の「フレッシュひたち」一往復が651系運用)。こうなると一本でも無駄にはできず、撮れる機会があればなるべく撮っておきたいところ。そこでまずは7時上野発の「スーパーひたち3号」を偕楽園へ行く前に撮るべく、下車したのは天王台。この駅の先端から望遠レンズを使うと、正面気味に列車の顔を捕らえる事ができます。しかも午前順光。

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朝の光を浴びて常磐線を駆け抜ける、651系「スーパーひたち」。
常磐線 天王台

むしろ光線状態が良すぎて、651系の特徴であるLEDヘッドサインが少々見づらくなってしまったものの、なかなか迫力のある一枚を撮ることができました。このあとの651系運用は、11時上野発の「スーパーひたち19号」まで4時間も間が空きます。改正前ならば一時間に一本運用があったのになぁ・・・本当に貴重な存在となりました。その4時間後の「19号」が偕楽園でのメインターゲットとなる予定。天王台から再び普通列車に乗りこみ、今度こそ目指すは偕楽園

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久しぶりに撮影日和の晴天に恵まれた日曜日。
車窓からは筑波山もクッキリ見えました。(^^)
常磐線 神立-高浜(車窓から)

日本三大庭園のひとつである偕楽園へ行くには、通常なら水戸駅からバスで15分ほどかかりますが、春の梅まつり時期は土休日に限り、偕楽園の傍らを走る常磐線に期間限定の臨時駅、「偕楽園駅」が開設されます。本来の開設期間は2/18~3/20までの予定だったところ、今年は梅の満開期が遅れたために延長され、この25日も偕楽園駅の開設日となりました。しかし私が乗った天王台7時39分発の普通列車1331Mでは時間帯が早くて、まだ偕楽園には停車しません(偕楽園に停車するのは開設日の9時10分から15時半まで)。どこかであと30分ほど時間を潰す必要があるのですが、何となく途中で降りそびれて、結局偕楽園のひとつ手前の駅である赤塚まで来てしまいました。でも幸い、次に赤塚を通過する上りの「スーパーひたち18号」は貴重な651系運用。これを撮って時間を潰す事にします。赤塚の上り線はあまり撮影に適していないけれど、撮らないよりはマシかとカメラを構えると、遠くから見えてきたのは・・・あれ? し、新型!? Σ(゚Д゚;)

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高らかに電子ホーンを鳴らし、高速で通過していったE657系。
常磐線 赤塚

見間違えたのかと時刻表を確認するも、水戸9時15分発の「スーパーひたち18号」には「新型車両で運転」の文字はなく、既存の651系で運転されるはず。じゃあ今の列車は「18号」ではなかったのか? いや、赤塚9時19分通過は間違いなく「18号」のスジ。ということは、車両変更? それともすでに「18号」の運用はE657系に置き換えられてしまったのか・・・? 時間潰しのついで程度に撮ったはずの「18号」ですが、この予期せぬ車両変更はとても重要な事態。なぜなら私が偕楽園で撮ろうとしている本命の「スーパーひたち19号」は、今の「18号」が折り返してくる運用だからです。「19号」に651系が入らないとなると、次は上野発13時の「スーパーひたち27号」まで下りの651系はありません。今はまだ9時過ぎ・・・(´Д`;)。しかし今さらどうする事もできず、予定通りそのまま偕楽園へ向かう事にしました。まあ、撮りたい列車は他にもあるし・・・。

上野0631-(常磐1327M)-天王台0706
天王台0739-(1331M)-赤塚0900
赤塚0927-(1333M)-(臨)偕楽園0930

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年に数日しか表示されない偕楽園の停車駅案内 (E531系)。

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偕楽園駅は下り線にしかホームはなく、上り列車はすべて通過。
上り列車へ乗るには、一旦下り列車で隣駅の水戸まで行って、
乗り換えなくてはなりません。
上写真のE653系が停車しているのが偕楽園駅下りホームで、
手前のホームがない線路が上り線。
常磐線 (臨)偕楽園

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偕楽園駅には営業キロが設定されていないため、
下車するには水戸まで有効の乗車券が必要。
ただし偕楽園駅で下車した際には
水戸までの運賃精算を済ましたものと見なされ、
乗車券の変わりに手渡される精算済証明書で
再度偕楽園駅から水戸まで乗車が可能となります。

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簡素な片面ホームのみの偕楽園駅ですが、
梅まつりに合わせた開設期は観光客で大賑わい。
常磐線 (臨)偕楽園

臨時の偕楽園駅で下車し、梅まつりへ向かう観光客を横目に私は偕楽園バックのお立ち台撮影地である跨線橋の方へ。すでにお立ち台にはたくさんの同業者が集まっていましたが激パというほどで混んでいるわけではなく、撮影スペースの所々に余裕がありました。やっぱり当分651系が来ないからかな・・・? それでも天気は上々で、のんびりと気持ちのよい撮影ができそうです。

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名所・偕楽園の脇をゆくのは
常磐線の新しい顔、E657系「スーパーひたち」。
常磐線 赤塚-(臨)偕楽園

さっそく現れたのはE657系。651系から継承したような白いボディは写真映えしてけっこう悪くありません(本当は薄ピンクなのだけど)。ちょっと悪人面で、シャープな先頭部もなかなかカッコイイ (・∀・)。いっぽう、背景の梅に目を移すと、白梅は期待通りの満開なのですが、ちょうど先頭部上にかかる紅梅の開きが今一つなのが残念。紅梅は白梅よりも開花が遅いと聞いたことがありますが(間違っていたらスミマセン)、やはりもう少し紅梅の彩りがほしいところ。

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晴れ渡った青空のもと、
E653系の「フレッシュひたち」が通過

E653系も置き換え対象ですが、651系に比べるとまだまだ多い。

常磐線 赤塚-水戸(後追い)

そこで、手前に一本だけ満開となっていた紅梅があったので、今度は広角で引いてそれを入れてみました。この画角も悪くないけれど、先頭車にかかる信号機やボックスがちょっと目障りだし、交通量の多い道路を大きく入れるのはリスクがあります。このときはたまたまクルマが来なかったけれど、このあと徐々に渋滞が起こるようになりました。信号機はまだしも、クルマはなるべく入れたくなかったので、はじめの画角に戻して午前中の本命を待ちます。車両変更の「スーパーひたち19号」に変わって、本命に躍り出たのはこの列車。

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団体臨時列車として常磐線に姿を現した「リゾートやまどり」。
常磐線 赤塚-(臨)偕楽園

多客期には首都圏から吾妻線へ直通する特急「リゾート草津」などとして運転されている、485系改の「リゾートやまどり」。この日は新前橋からいわきまでの団臨として運転されました。私は今回が初撮影でしたが、マルーンとウグイスのシックな色合いでなかなかいいですね。そしてこの「やまどり」通過後は半数くらいの方が撤収。どうやら撤収される方はこのあとの「スーパーひたち19号」に651系が入らない事をあらかじめ知っていたようだったので、E657系に差し変わった真相を尋ねてみると・・・「ああ、DJ誌に25日はE657系へ編成変更って書いてありましたよ」とのこと。「(゚ロ゚;)エェッ マジ!?」と、焦ってカバンに入っていたDJ誌をよく見てみると・・・たしかに3/25・30の「スーパーひたち18.19.42.43.66号」が651系11両からE657系10両に変更されています。う~ん、まったく気づかなかった・・・orz しかも「18.19号」だけでなく「42.43.66号」までとは。その結果、この日ここ偕楽園で撮れる下りの651系は、上野発13時の「スーパーひたち27号」だけということになってしまいました (´・ω・`) 。まさかとは思うけど、その「27号」まで差し替えなんてことは無いだろうな・・・と、ちょっと疑心暗鬼になりつつしばらく待つと、やがて上り線を見慣れた白いヤツが通過。

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89年デビューの元祖「スーパーひたち」651系。
20年以上も偕楽園の梅を見続けてきました・・・。
常磐線 赤塚-水戸(後追い)

やっと現れたこの651系は「スーパーひたち26号」で、折り返しが「27号」となる運用。何とか午後の「27号」では651系を撮ることができそうです。しかし折り返して戻ってくるまでにはまだ二時間以上もあるので、少し偕楽園の中を散策する事にしました。園内の各所からも梅と列車を組み合わせられる撮影ポイントが点在しているようですし。

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偕楽園のシンボルとも言うべき「好文亭」
天保13年(1842年)7月に水戸九代藩主・徳川斉昭により創建。
昭和20年に戦災で焼失し、昭和33年もとの姿に再建した。
「好文」とは梅の異名で、晋の武帝が学問に親しむと花が開き、
学問をやめると花が開かなかったという故事に由来するとのこと。

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満開の梅をかすめて走るE657系。
実はこの列車が当初651系が入るはずだっ

「スーパーひたち
19号」でした...。
常磐線 赤塚-(臨)偕楽園

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偕楽園の紅梅をイメージした赤いE653系「フレッシュひたち」が
梅の花に囲まれて快走!

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これは安中貨物のタキ。
鉄の人以外にはよく解らない、地味な被写体ですね。(^^;)

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奥の方に広がる千波公園の梅も満開。
偕楽園と千波公園の一帯をすべて含めると、
都市公園としてはニューヨーク市のセントラルパークに
次いで世界第2位の広さになるのだそうです。
知らなかったなぁ・・・。

南側を向いている偕楽園の園内から線路方向を見ると逆光となり、どうしても列車側面が陰ってしまうのですが、花は逆光の方が美しく浮かび上がります。ならば梅の花をメインにしたイメージカット風にしてみようとシャッタースピードを落として列車をブラしてみました。しかし普段こんな事をやり慣れないからか、シャッターの落とし具合がイマイチ解らず、中途半端になってしまった気がしています。花と列車をイメージっぽく撮るのは難しいものですね。。。でもそんな撮影をしていたら時間はあっという間に流れ、先ほどの651系が「スーパーひたち27号」として戻ってくる時刻が迫ってきました。651系も園内からのイメージカットで撮ろうかとも考えたのですが、やはり順光側からキッチリ撮りたくなって、再び午前中のお立ち台へ戻ります。待つことしばし、やがて待ち焦がれた白い列車が偕楽園の丘を巻くように現れました。

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本当に今年で見納めとなってしまうのか?
満開となった偕楽園の梅をバックに走る、「タキシード・ボディ」651系。
常磐線 赤塚-(臨)偕楽園

なんとか偕楽園で651系の「スーパーひたち」を撮ることができました~\(*TT*)/。正直言って、651系を撮るのにこんなに苦労するとは思わなかったなぁ・・・。しかも、このカットを撮ってから後ろ振り返ると、実はこんな際どい状況だったのです。

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臨時駅の偕楽園に停車中の651系も貴重な姿になるかも。
常磐線 (臨)偕楽園

通過がもう数秒遅かったら、曇りで撃沈でした (^^;)。当初予定していた「スーパーひたち19号」よりも光線状態は悪くなってしまったけれど、一本でも651系を撮れた事に満足して撤収。偕楽園駅へ戻ります。

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偕楽園でのラストカットは
もうひとつの「華」とE653系「フレッシュひたち」。
「特急列車と一枚・・・」なんて無理なお願いに
笑顔をくれた「ミス梅まつり」のお姉さん、
ありがとうございました~(^^)
常磐線 (臨)偕楽園

次の列車は「ミス梅まつり」のお姉さんと撮った特急「フレッシュひたち」。開設時間内の偕楽園駅には特急も停車しますが、水戸まで乗ると500円の特急料金がかかります。もちろん一駅・・・というか、ほぼ半駅分の距離を乗るだけに500円払うのは馬鹿馬鹿しいので、次の普通列車を待って水戸へ。ここで先ほどの清算済証明書を改札で渡し、改めて上り方面のきっぷを買い直します。

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水戸で見かけたEF81 133牽引のホキ工臨。
カマだけが跨線橋下の影に入ってしまい、後ろがぶっ飛んじゃいました。
せっかくヒサシ付きのゲサンサンだったのに・・・(´Д`;)
常磐線 水戸

さて、行きは途中で天王台などに寄ったので普通列車で来ましたが、帰りは特急「スーパーひたち42号」で一気に上野へ戻ります。実はこの「42号」も当初の予定では651系で運転されるハズの列車で、これが651系の乗り納めになるかもしれないと思っていました。ところが前述した編成変更にはこの「42号」も含まれていて、定刻に水戸駅へ入って来たのはこの車両。

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この日はE657系で運転された「スーパーひたち42号」。
常磐線 水戸

嬉しいのか悲しいのか、図らずも新型のE657系初乗車となりました。木目とグレーの組み合わせを基調としたインテリアにブラックの座席が並ぶシックな室内は落ち着くし、ピッチの広がった座席もゆったりしていて乗り心地は上々。ただ最近の流行に漏れず、この車両も座席がちょっと硬めに感じました(硬い方が長時間座っていても疲れにくいのでしたっけ)。そして、やはり11両編成の651系から10両編成のE657系になったことで単純に自由席が一両削られ、私はなんとか座れたものの、梅まつり帰りの観光客でデッキや通路には立ち客が出るほどの混雑に。新幹線の無い常磐線の特急列車は、帰省ラッシュの時期などかなり混むはず。この減車に不満の声が出なければいいけれど・・・。

(臨)偕楽園1456-(1379M)-水戸1458~1527-(スーパーひたち42号)-上野1636
 

偕楽園で過ごした、うららかな春の一日。お天気にも恵まれて、充実した撮影ができました。本来ならお昼の「スーパーひたち19号」を撮った後は水戸市内でゆっくりランチでも・・・と考えていたのですが、綴ってきたように予想外の展開となり、結局お昼ゴハンは梅まつり会場付近の出店で買った、焼きそばとフランクフルト(&缶ビール)になってしまいました・・・(^^;)。それにしてもあらためて撮影に臨んでみると、651系は減ったなと言う印象(「フレッシュひたち」の方はまだ半数以上がE653系のまま)。改正後もさらに増備が続くE657系。651系・E653系に残された時間がどれくらいなのか私には解らないけれど、これからは引退を意識しながら少しずつ記録を残してゆきたいと思います。



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