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中央本線・・・春の高尾梅郷 撮影記 [鉄道写真撮影記]

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2012.04.01
中央本線
春の高尾梅郷 撮影記
  

前々回、梅と鉄道のコラボを求めて水戸の偕楽園へと行ってきたのですが、今年はもう一カ所、梅の名所として知られる場所で撮影したいと考えていました。それは中央線・高尾駅の西側に広がる「高尾梅郷(高尾梅林)」。高尾梅郷は東京都八王子市、西浅川町と裏高尾町の小仏川沿いに点在する梅林の総称で、山の斜面や畑の他、家の庭先、公園、遊歩道などに約一万本の紅梅、白梅が咲き誇ります。本来は2月中旬から3月の中旬にかけて見頃を迎えるところ、やはり偕楽園同様にここも今年は寒さの影響で開花が遅れ、ようやく3月下旬に満開となった様子。実はほぼ同時期に梅が満開となった偕楽園と高尾のどちらに行こうか悩み、どうしても今年でラストとなる公算が高い651系「スーパーひたち」と梅が撮りたくて、偕楽園の方を優先してしまいました。できれば満開となった時点で土日休みをうまく使い、土曜に偕楽園へ、日曜は高尾へなどと振り分けたかったのですが、何せこのところの関東は呪われたように土曜だけ天気が悪い・・・(-'-;) 。先週末も土曜は春の嵐で大荒れの天気でしたし。その嵐でもう梅の花は散っちゃったかも知れないけれど、まあ高尾ならば中央線沿線のウチから程近いし、梅がダメなら「山スカ」ことスカ色115系の編成写真などを狙えばいいやぐらいの軽い気持ちで、晴天予報の日曜に高尾を訪れてみました。

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社寺風の立派な高尾駅駅舎。
東京方面からの通勤電車(中央快速線)の大半はこの高尾が終点。
ここから西の中央線は風景が一変し、山あいを進む事から、
「山線」の通称があります。
ちなみに高尾へは中央線の他に京王線も乗り入れていて、
新宿から来るなら京王線の方が運賃がずっと安い
(新宿~高尾・JR 540円/京王 350円)。
中央本線 高尾

朝7時過ぎに家を出て最寄り駅から中央線快速へ乗車し、8時には高尾に到着(今回は中央線の往復だけなので、行程表は省略)。休日の中央線は登山客やハイキング客をターゲットとした臨時列車が多数運転されるので、撮影に訪れるなら朝早めの行動が吉と出ます。まさに「早起きは三文の得」(^^)。高尾駅からは国道20号(甲州街道)、そして旧・甲州街道を西へ。

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街道沿いに見られる、鮮やかな花をつけた梅の木。
撮影地までの道のりで目を楽しませてくれます。

旧・甲州街道へ入ると、所々に梅林が目立つようになってきました。花の咲き具合は木や場所によってまちまちで、もう散っちゃったものもあれば、今がまさに満開という木もあります。果たして目的地となる線路沿いの梅林はどうでしょうか。街道から外れて、線路が臨める丘の上へ立ってみると・・・。

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色とりどりの梅花を横目に走る、E257系特急「かいじ」。
中央本線 高尾-相模湖

お、なかなかいい感じ。ちょっと寂しい枝もあるけれど、まだまだきれいに咲き誇っているではありませんか。前日の暴風雨に堪えた事を考えれば、これでもじゅうぶん満足です。北側から撮影しているので列車側面に光は当たりませんが、むしろ花は逆光で浮かび上がった方が美しい。

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これは上写真に写っている梅林の入り口。
立派な梅に囲まれて、まさに「梅のトンネル」が続きます。
一般に公開しているのかどうか解らなかったので、
私は園内に立ち入りませんでしたが、
中で撮影していた人(鉄)もチラホラ・・・。

さて、到着早々ですが、次にやってくる列車がここで撮りたかったいちばんの本命列車。前述したように休日の中央線には多数の臨時列車が運転されています。そのなかでも国鉄型好きの私が注目するのは、田町の国鉄色183系で運転される富士急直通の快速「富士河口湖号」。梅の花と国鉄特急色のコラボ、これを撮りたかったのです。

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満開の梅花に見守られ、中央線を下る国鉄色183系。
ひと昔前の特急「あずさ」を彷彿とさせる走りです。

う~ん、やっぱり国鉄特急色はイイなぁ・・・(´∀`*)。このアングルでは梅林の丘の裏から列車が飛び出してくるので、一瞬のタイミングを逃さないように集中力を高めていなくてはなりません。しかもここは一見するとのどかで静かな場所に見えますが、後述する「とある理由」で列車の走行音がほとんど聞こえないのです。そんななか、無事に本命がフレームアウトする事なく撮れてホッと一安心。試しに今度はレンズを変えて広めのアングルを撮ってみようという、余裕も出てきました。

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朝日に照らされた梅の郷を行くのは、
昔ながらのスタイルを保ち続ける「山スカ」115系。

あれ・・・なんだか、梅の鮮やかさといい、全体の空気感といい、さっきのアングルよりも全然コッチの方がいいじゃん・・・ (゚□゚;)。広角だと列車が小さくて目立たないだろうとか、手前の畑がゴチャゴチャしているなどという見た目の先入観だけで、ろくに試しもせず望遠ズームを構えて、本命の183系を撮ってしまいました。相変わらず余裕がないと視野が狭く、こういうところが甘いんだよなぁ・・・(´・ω・`)。このアングルで183系を撮りたかったと言っても、あとの祭り。まあ山スカが撮れただけでもヨシとするか・・・。続く185系の「はまかいじ」も、気に入ったこのアングルで撮影。

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先頃話題の多い185系。
横浜線を経由してくる特急「はまかいじ」は、
中央線で撮れる貴重な185系使用列車です。

田町の185系は湘南色のブロックサインが入らないと、白一色で締まらないですね(^^;)。この丘の上からは、振り返って後追い方向(相模湖側)を狙っても梅の木が入ります。

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上の「はまかいじ」を後追いで。
こちら側は梅林ではなく、
沿道の梅の木が彩りを添えてくれます。

こちらも見事な咲き具合なのですが、列車の背後に工事中のクレーンが写り込んでしまいました。でも、梅林よりも近場にあるこの梅の木は、工夫次第でいろいろと楽しめそう。もう少し寄れば、うまく背景が処理できるかな・・・? そこで今度は、沿道の梅の木を中心に撮影してみることに。

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白梅の向こうを走りゆく、
「ウメ」ならぬ「ももずきん」ラッピングの
「ホリデー快速・河口湖号」。

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相変わらず貨物の時刻は解らず、突然現れたEH200にビックリ。

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普通列車の大半は115系。
ステンレス製の新形式電車が席巻している首都圏で、
中央線は国鉄形近郊電車にとって最後の砦と言えるでしょう。

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ここでは少数派のステンレス製、E233系。
梅の郷を行くE233系というのもなかなか悪くないですが、
できることなら201系が健在のときに一度訪れたかったところ・・・。

こんな感じで梅林だけでなく、いたるところで梅と列車のコラボが撮影できるのは楽しい(^^)。でもさすがに日が高くなってきて、暗部のコントラストがキツくなってきました。スカ色の紺色なんてほとんど真っ黒。では順光側から撮ることはできないのか? 実は線路沿いの梅の木は順光となる反対側にもあるにはあるのですが・・・問題は背景。

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順光となる南側へまわってみると、こ~んな感じ・・・。

中央道がでーん、圏央道がどーんと、のどかな梅の郷にそびえる豪快な高速ジャンクション・・・。ある意味、シュールで面白い画なのかもしれませんが、鉄道写真としてはちょっと苦しいものがあります。そして今まで撮っていた北側の撮影地は、まさにその中央高速の真下。列車の音が聞き取れない「とある理由」というのは、これが原因でした。

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再び北側から手前の梅と奥の梅林を入れて、長野色115系を。
東西に伸びる中央線、午後には下り方の顔に光が回ります。

183系をはじめとした臨時列車や貨物、山スカ115系と、だいたい撮りたいものは一通り撮れたので、そろそろ撤収する事にしましょう。でももう一本、やはりラストはこの列車を。

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中央東線のエース、E351系「スーパーあずさ」が
紅白に彩られた梅のなかを走り抜ける!

高運転台構造にパープルラインがオシャレな、E351系「スーパーあずにゃ・・・」いや、「スーパーあずさ」(^_^;)。 速達タイプの「スーパー特急」らしい疾走感を出したくて、梅の花を流してみました。個人的には「あずさ」や「かいじ」に使われるE257系よりも好きなスタイルのE351系。同世代の253系「NEX」や651系「スーパーひたち」が第一線を退くなか、このE351系も撮れるときにはしっかりと撮っておきたいところです。


先週に続き、二週連続で撮影した列車と梅の花。偕楽園、高尾梅林ともに本当の満開で撮れたかどうかはビミョーなところですが、なんとか早春らしい写真を残す事ができました(もう時期的に「早春」じゃないけど)。この梅が散ると春本番、今度は桜の出番です。桜の方は梅ほど開花はズレずに、先週末には東京でも開花宣言が発表されました。今週末か来週中頃には満開になるのかな? 週末が晴天のお花見日和に恵まれるといいで
すね。