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夏休み2012 その6・・・伯備線・EF64貨物 撮影記 [鉄道旅行記]

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2012.07.30~08.01
夏休み
06
帰り道に、ちょこっと・・・
伯備線 EF64貨物 撮影
  

夏の休暇を利用しての鉄道旅、前回からの続きです。
初日は広島のセノハチで撮影。二日目は芸備線・木次線を乗り継いで広島から島根へと入り、バタデンの鳥居アングルを撮影。そして旅の最終日となる三日目の朝は松江で迎えました。ここまで来たのなら、最終日くらいゆっくりと松江や出雲観光でもして、出雲空港から一気に飛行機で帰京・・・といきたいところですが、時間があれば一路線でも乗りたい、一カ所でも撮影ポイントをまわりたいというのが鉄の悲しい性。それに往路が広島まで飛行機だったので、復路はなるべく鉄道を利用して帰りたい。そこでこの日のルートに選んだのは、山陰線の伯耆大山(ほうきだいせん)から分岐する伯備線。松江からはそのまま直通する普通列車に乗ることができました。

8月1日(水)

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松江から乗るのは、山陰線の出雲市始発で、
途中の伯耆大山から伯備線へと入る普通列車282M。
二両の黄色い115系でした。
12.8.1 山陰本線 松江

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この電車は短編成化改造によって、前後で顔が異なります。
これが115系と言われるとちょっとビックリですが、
単色化で103系っぽい顔立ちになって、
個人的にはなかなかニクめない魔改造車です。(^^;)
12.8.1 山陰本線 松江

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この日はさっそく発車とともに駅弁を開きます。
松江駅でチョイスしたのは「およぎ牛 弁当」。
隠岐島の島から島へ草を求めて泳ぐ
「およぎ牛(島根和牛)」に因んで作られた弁当だそうです。
肉は柔らかく、味付けも上品でおいしいけれど、
もう少しおかずなどに変化が欲しかったところ・・・かな?
☆☆☆・・

山陽本線の倉敷から新見を経て、山陰本線の米子にほど近い伯耆大山までを結ぶ伯備線は、中国山地を越えて山陰と山陽を結ぶ鉄道路線、いわゆる陰陽連絡線の基幹的存在で、唯一の電化幹線。岡山と松江(出雲市)を結ぶ特急「やくも」も高頻度で運転されいて、陰陽を縦断するにはもっともポピュラーな路線と言えるでしょう。ちなみに、私が前日に芸備・木次線経由で6時間半もかけて乗ってきた広島から宍道までのルートをパソコンなどでふつうに検索すると、『広島-(山陽新幹線)-岡山-(伯備線・特急「やくも」)-宍道』 と出てきて、所要時間は3時間半。距離的には芸備・木次線が196.4キロに対して新幹線・伯備線は366.3キロと170キロ近くも差があるのに、所要時間は約半分です・・・(^^;) そんな陰陽のメインルートである伯備線ですから、私も過去に乗る機会は何度もあったし、松江から東京への帰京ルートとしてはあまり面白味がありません。しかし今、この伯備線には撮り鉄的にちょっと注目を集めている列車があるのです。

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松江を出た山陰線の列車は、間もなく米子に到着。
車窓右手には旧米子機関区(現・後藤総合車両所検修科)の
扇形機関庫が見えてきました。
12.8.1 山陰本線 米子付近(車窓から)

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山陰本線、境線、伯備線の列車が乗り入れる米子。
山陰線の鳥取方面は非電化のためDCがメインで、
車両基地にはタラコ色のキハ47が集い、
ホームではキハ6連などという迫力のある編成も見られました。
12.8.1 山陰本線 米子

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そして、ホーム脇の留置線に停留していたのは、
久しぶりにその姿を見たEF64の0番台。
手前が51号機で、奥が59号機。
12.8.1 山陰本線 米子

私が松江から乗った普通列車は、途中の米子で22分ほど停車します。そのホームから見やすい位置に停まっていたのが今回のターゲット、EF64の0番台。

かつては中央線や篠ノ井線などで活躍していた山岳線区用の電気機関車EF64も、後継となるEH200などに置き換えられて徐々に活躍の場を減らし、とくに0番台は風前の灯状態。イベントや波動用で東日本の高崎に数両が残っているものの、伯備線の貨物列車牽引が最後の定期運用となっています。そこで今回は、伯備線で帰り道となる上り方面に向かいつつ、どこかでこのロクヨン・ゼロが牽引する貨物列車を撮ろうと考えたのでした。

長時間停車ののち米子を出た列車は、二つ目の伯耆大山から伯備線へ。

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山陰線と伯備線との分岐駅・伯耆大山付近の車窓からは、
雄大な大山の山容を眺めることができます。
12.8.1 山陰本線 伯耆大山付近(車窓から)

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山陰線と別れた伯備線は、しばらく日野川に沿って南下。
徐々に山々が迫ってきて、このあたりからカーブがきつくなります。
12.8.1 伯備線 伯耆溝口-江尾(車窓から)

ところで、私が乗っているこの普通列車。山陰線の出雲市を始発駅に松江を経て、伯耆大山から伯備線へ入って来ましたが、この先さらに岡山から赤穂線へと直通して、最終的には兵庫の播州赤穂まで行くなかなかの長距離列車です。島根・鳥取・岡山・兵庫の四県を跨ぎ、その運転時間は実に6時間57分(出雲市0908発、播州赤穂1605着)。目立たないけれど、今でもこんな陰陽を縦断して走る普通列車があるものなんですね~。乗り鉄的にはずっと乗り通してみたいところですが、撮り鉄としてはロクヨンの貨物を捨てるわけにも行かず、途中の黒坂で下車。

松江1005-(山陰282M・伯備824M)-黒坂1202

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小さな無人駅ながら交換設備のある黒坂。
駅前には日野町営バスのバス停があり、
根雨と生山の間を伯備線に沿って走るので
徒歩鉄としては利用価値がありそうだと思ったものの、
本数は一日に上下4本ずつ・・・。
12.8.1 伯備線 黒坂

自称・貨物オンチの私、当然ながら伯備線を走る貨物列車の詳しい時刻など知りません(今月のDJ誌に載っていたけど、ひと月遅かった・・・(>_<;) )。でもこの伯備線貨物はロクヨン・ゼロ最後の貨物として注目度が高く、HPやブログに情報を公開されている方も多いので、ちょっと調べると大まかな通過時刻は掴むことができました。さらに、伯備線で撮影するのは初めての私でしたが、時刻と同様に撮影地の情報も同好のHPなどを参照し、徒歩でアクセスしやすい場所と言うことから、選んだのがこの黒坂。撮影地は駅から徒歩20分ほどのところにある県道とのオーバークロスで、ここはソネブロ仲間で同じ徒歩鉄派(チャリ鉄派?)のやまびこさん以前に訪れていたポイントです。

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まずやってきたのは、伯備線のエース・特急「やくも」(9号)。
内装がリニューアルされ、外装も赤系に塗り替えられていますが、
電化開業時から走る国鉄形の381系が今でも頑張っています。
12.8.1 伯備線 黒坂-上菅(後追い)

山あいの集落にある田園をかすめてカーブを横切る特急列車。伯備線らしい、いい撮影ポイントです。しかし光線状態を読み違えて、列車の側面には光が当たっていません。陰陽を南北に縦断する伯備線、てっきり午後の上り列車には向かって左サイドに日が回ると思っていたのですが、後から地図を見てみるとこのあたりは、アタマを西に向けて走るので、左側面は日の当たらない北側になっちゃうのですね。ここは午後の遅い時間が順光らしい。

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続く上りの「やくも16号」は貫通扉の付いたクモハが先頭。
・・・あ、陰った。
12.8.1 伯備線 黒坂-上菅

でもこの日は、直撃しないものの台風が近づいているらしく、強風に雲が流されて晴れたり陰ったりを繰り返しています。今撮った「やくも16号」のようにいっそのこと陰ってくれた方が明暗の差が出なくていいか・・・でも、田んぼの緑は晴れている方がずっときれい・・・。悩みどころですが、どっちにせよ天気は自分の意志で変えることはできません。まあ、最悪マンダーラにならなければ、どちらでもいいや・・・なんて思っていたのですが・・・。

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上空には流れ雲がいっぱい。
「これで陰られなければ、おめでとうってところだな・・・。」
(Byリュウさん ^^;)

やがて山あいにこだまするように、重々しい機関車のブロア音とそれに続く貨車の音が聞こえてきました。あきらかに電車とは違うこの音は緊張感が高まります。ファインダーに集中しながらその列車が見えてくるのを待ちますが、その間も晴れたり陰ったり・・・露出は自分にしては珍しく、カメラ任せのオートに設定。

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ズームレンズを装着していたので、
まずは緑の絨毯のように広がる田んぼを手前に配して、
奥のガーダー橋を渡るところを切り取ってみます。
やがて鉄橋上にはEF64が姿を現しました。
12.8.1 伯備線 黒坂-上菅

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ズームリングをまわし、引き付けて定番位置で撮影。
コンテナ満載の貨物をロクヨン・ゼロが力強く牽いてゆきます。
カマは先ほどの米子で手前に停まっていた51号機でした。
12.8.1 伯備線 黒坂-上菅

だああぁぁぁ━━ヾ(゚Д゚;)ノ━━━っ!やっぱり、マンダーラに・・・orz...。
マソダーラ♪ヽ(・ω・。ヽ)(ノ。・ω・)ノマソダーラ♪ アイノークニー、マソダーラ...(´;ω;`)
最初に撮った鉄橋を渡っている頃にはまだ全体に日が当たっていたのですが、列車が近づいてくるに連れて雲も流れてきて、ちょうど編成の前半分が陰ってしまいました。田んぼもまさにまだら・・・。それでも薄雲だったのか、かろうじて機関車の前面には日が当たり、路盤にも影が落ちています。厚い雲でクッキリ明暗が別れなかっただけでもヨシとすべきかな・・・。それにしても、やっぱりロクヨン・ゼロは均整がとれていて、カッコイイ機関車ですね。ロクヨンは1000番台もキライじゃないんだけれど、個人的には左右対称の機関車が好きだったりします。貨物オンチの貨物撮影第二弾(第一弾はセノハチのEF67ね)は、これにて終了。

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黒坂駅からは再び普通列車で伯備線を南下します。
乗るのは先ほどと同じ黄色い115系ですが、
今度の行き先は伯備線内の新見止まり。
12.8.1 伯備線 黒坂

岡山へ向けて、伯備線の旅を続けます。中国山地を越える伯備線は木次線のようにスイッチバックなどを駆使して峠を越えるわけではなく、並行して流れる川に沿って、大きくカーブを描きながら山あいを抜けてゆきます。そのため、特急の「やくも」に使用される381系にはカーブでも速度を落とさずに走ることができる「振り子機能」が搭載されているのですが、私が乗っている普通列車の115系にはそんな機能はなく、ゆっくりと時間をかけて進みます。でも、川沿いの景色のいいところを走る伯備線の車窓はこのくらいのんびりと眺める方が楽しいかもしれません。

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鈍足の普通列車は特急の通過や交換待ちで
長時間停車もしばしば。
この826Mは上菅で5分、生山で9分、上石見で10分、
そして新郷では6分停車で特急に道を譲ります。
新郷で交換したのは「やくも13号」。
12.8.1 伯備線 新郷

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分水嶺を越えて岡山県へ入ると
今度は瀬戸内海へ流れる高梁川水系の
西川に沿って走ります。
12.8.1 伯備線 新郷-足立(車窓から)

新郷で岡山県へと入り西川沿いにしばらく走ると、やがて右の方から合流してくる線路が見えてきます。これは私が前日に広島から乗った芸備線で、木次線との乗換駅・備後落合からさらに東へ進むと、この伯備線との分岐駅である備中神代に到達します。

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車窓右手、西川を渡るもう一本の鉄橋は芸備線のもの。
伯備線と芸備線は新見の手前にある備中神代で合流します。
12.8.1 伯備線 上・足立-備中神代/下・備中神代(車窓から)

伯備線と芸備線の正式な分岐駅は備中神代ですが、芸備線の列車はそのまま伯備線へ乗り入れて、二駅先の主要駅・新見を発着駅としています。ここまではローカル線ならよくあること。しかしここが面白いのは、その備中神代と新見の間にある駅、布原の存在。布原は伯備線の路線上にありながら、停車するのは芸備線へ直通する列車のみと言う変わった駅で、伯備線の列車はすべて通過します。以前にも書いたように新見~備後落合の芸備線は極端に本数が少なく、布原に停まるのも一日わずか5往復。何とも不遇な駅です・・・。その布原を通過すると、新見着。

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伯備線上にありながら、
芸備線の列車しか停まらない面白駅・布原。
もちろん私の乗った伯備線の普通列車は通過します。
12.8.1 伯備線 布原(車窓から)

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新見は伯備線のほか、前述の芸備線、
そして姫路方面へ伸びる姫新線との分岐駅。
細かい分岐の多い中国地方の路線は本当に複雑です。
私の乗っていた黄色い115系は新見止まりなので、
さらに先へ進むにはここで乗り換えです。
待機していたのは・・・お、湘南色115系 (゚∀゚)!!
12.8.1 伯備線 新見

新見から先の車窓に沿って流れる川は高梁川の本流。かつてこのあたりの伯備線は蛇行する高梁川に沿って線路が敷かれていましたが、複線化による高速化に伴い、現在のトンネルを抜ける経路へ架け替えられました。それでも車窓からは変わらず高梁川の渓谷を眺める車窓が続いています。もっとも、私は路線変更後の伯備線にしか乗ったこと無いのですが。

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高梁川沿いを行く伯備線の車窓。
私はとくに川好きというわけではないのですが、
山あいを行く路線は川沿いに敷かれていることが多く、
どうしてもその車窓を撮ると川の写真が
多くなってしまいます・・・(^^;)
12.8.1 伯備線 井倉-方谷(車窓から)

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総社では反対のホームに吉備線のDCが停車中。
吉備線は岡山と総社を備中高松家湯で結ぶローカル線で、
非電化ながら運転本数が多く、距離も短いので、
岡山出張のついでなどに何度か乗車したことがあります。
12.8.1 伯備線 総社(車窓から)

備中高梁を過ぎ、山あいを流れてきた高梁川の川幅が広くなってくると、やがて列車は吉備線や井原鉄道との分岐駅・総社を経て、倉敷市内へ。ここまで来ると伯備線は岡山都市圏への近郊電車の様相になり、乗客の数も多くなってきました。ガラガラ続きだった今回の旅も、最後は立ち客が出るほどの混雑ぶりで、岡山に到着。

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新見から乗った湘南色で岡山に着きました。
列車はこのあと赤穂線へと入って、備前片上まで行きます。
12.8.1 山陽本線 岡山

黒坂1431-(826M)-新見1549~1550-(856M)-岡山1725


夏の休暇を利用しての鉄道旅は、岡山から東京行きの新幹線「のぞみ」に乗って終了です。実は出発直前までセノハチのEF67を撮ることくらいしか決まっていなかった今旅ですが、終わってみれば「撮り鉄」「乗り鉄」ともに案外充実した旅となりました。ただ、バタデン(一畑電車)などはフォトジェニックないい路線にも関わらず、無理矢理立ち寄った感が強く、もう少し時間に余裕を持って鳥居アングル以外の場所でもじっくりと撮影してみたかったところです。いったん旅に出ると一カ所に腰を据えるよりも、あれこれ欲張っちゃうタチの私。「撮り」「乗り」どちらをメインにするにしても、もっと落ち着いた旅にするべきなのかもしれませんね。(^^;)

 

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ラストはN700系の「のぞみ」で一気に東京へ。
東京行きの新幹線に乗った時点で
「旅が終わったな~」って気になります。
12.8.1 山陽新幹線 岡山

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今回はあまり駅弁を食べる機会が無かったけれど、
最終日は新幹線で二つ目の駅弁を。
岡山で購入した「たこめし弁当」。
山陽沿線には明石や三原など多くのたこ系駅弁がありますが、
それらと比べるとコレはちょっとおとなしめかな・・・?
味は可もなく不可もなくだけど、メインのタコがちょっと寂しい。
☆☆・・・

岡山1814-(のぞみ50号)-東京2133



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