SSブログ

都電・東武・・・ライトアップ・スカイツリー 撮影記 [鉄道写真撮影記]

1001.jpg
2012.12.14
都電東武
 634㍍のクリスマスツリー!?
 東京スカイツリー・スペシャルライトアップ
 撮影記
  

先週のとある日、外勤でたまたま乗った東武の電車で一枚の中吊り広告に目が留まりました。そこにあったのは緑色に光る「スカイツリー」の写真。ご存知、今年5月にオープンして大きな話題となった「東京スカイツリー」。この新たな東京のシンボルは日暮れと共に毎日ライトアップされ、隅田川の水をイメージした淡いブルーの「粋」と江戸紫をテーマとした赤紫色の「雅」の二種類が一日ごと交互に点灯するのが通常パターンです。しかしこの中吊り広告によると、クリスマス時期の週末に限り「クリスマス・スペシャルライトアップ」として、もみの木をイメージした緑色(日や時間帯によってはキャンドルの炎をイメージした赤色)にライトアップされるらしい。クリスマスという華やかな一大イベント、そして何より「限定」という響きに弱いニッポン人。かく言う私もそのひとりで、フツーのライトアップでは見向きもしないのに、限定のクリスマスバージョンとあらば一度見てみたくなりました。そして私はやはり鉄なので、できることならこの「世界一高いクリスマスツリー(?)」と鉄道のコラボを撮影したいところ。しかしスカイツリーと鉄道を絡めた撮影地はいくつかありますが、当然ながらライトアップは夜景となるため、走行中の列車を止めるのは相当に厳しい。となると、駅などに停車中の列車とスカイツリーがウマく納まる場所がベストです。でも、そんな好都合な撮影地があるのだろうか・・・? 実は私には一箇所だけ心当たりがありました。そこはネット上で写真を見かけただけで、私自身は一度も行った事がない撮影地なのですが(まるで前回の七里ヶ浜俯瞰みたいだね ^^;)、まあ都内なら手軽にいけるし、列車とのコラボがムリならば限定色のスカイツリーだけでも撮れればいいかとの軽い気持ちで、ためしにその撮影ポイントを訪れてみることにしました。


12月14日(金)

あらためて東京スカイツリーのHPで詳細を確認すると、前述したようにスカイツリーのスペシャルライトアップは週末の金・土・日限定。しかも午後7時から9時までの二時間のみで、それ以外の時間帯は通常の「粋」か「雅」(の冬季バージョン)が点灯されているとのこと。たった二時間だけとはちょっとセコい気もするけれど、これならば慌てる必要は無く、金曜日の退勤後でもじゅうぶんに間に合います。勤務先の最寄り駅から地下鉄と山手線を乗り継いで向かったのは大塚。ここでその撮影地がある路線へと乗り換え。

1002.jpg

大塚駅前の山手線ガード下に停車しているのは、
現在残っている唯一の都電、荒川線。
都電荒川線 大塚駅前

大塚の駅前から私が乗り込んだのは、都電唯一の生き残りである荒川線の電車。そう、今回の目的路線はこの都電荒川線です。かつては東京都区内を中心に多くの路線網が展開されていた東京の路面電車「都電」。しかし自動車の増加で主要道路を走る路面電車の運行が困難となり、さらに急速な地下鉄網の発達などでその役割を終え、60年代後半から70年代前半にかけてほとんどの路線が廃止。最盛期には41系統あった路線も今や三ノ輪橋(荒川区)と早稲田(新宿区)を結ぶ、荒川線のみとなってしまいました。そんな都電荒川線、最近では地元区民の足としてだけではなく、下町情緒を味わえる観光路線としても注目を浴び、テレビや雑誌等のメディアで取り上げられることも多くなっています。私はと言えば、勤務先の健康診断が雑司が谷のクリニックで行われるため、少し前までは路線西部の新宿区、豊島区界隈をちょくちょく利用していたのですが、数年前に地下鉄・副都心線が開業してからはそちらを使うことが多くなり、都電はしばらくご無沙汰。そして今回の目的地がある、東部の北区、荒川区方面ともなると、はたして乗ったのはいつ以来なのか記憶が定かではありません。なので路線図もあまり頭に入っておらず、大塚駅前から目的地の荒川区役所前まではせいぜい20分ぐらいだろうとテキトーに見積もっていたものの、実際は倍の40分もかかってしまいました。ようやく到着したのは7時を10分ほど過ぎたところで、すでにスペシャルライトアップは始まっているハズ・・・。

大塚駅前1830-(都電荒川線)-荒川区役所前1910

1003.jpg

その名のとおり、荒川区役所近くにある荒川区役所駅前の電停。
この写真ではちょっと解りづらいですが、
線路の先(電車の上あたり)にはスカイツリーが見えています。
都電荒川線 荒川区役所前

荒川区役所前で都電を降り、前駅の荒川二丁目寄りへ少し戻ったところにある踏切が、スカイツリーと都電を一緒に写しこめることで有名な撮影ポイントで、ここでは開いた踏切から荒川区役所前電停に停車中の電車を後追いで狙います。ただし踏切が開いてからアングルを決めて長時間露光するのは容易なことではなく、かといってモタモタしていると電車はすぐに電停を発車してしまうので、ここではいかに迅速に行動できるかが成功へのカギ。電車が通過して踏切が開き、安全を確認したら、いざ撮影開始。ε=┏(・Д・)┛イソゲッ!!

1004.jpg

電停に佇む都電の先に見えるのは、
美しくライトアップされたスカイツリーの姿。
都電が走る昔ながらの情景に、今年は新たな名所が加わりました。
都電荒川線 荒川区役所前(開いた踏切から望遠で撮影)

あちゃ、焦ってスカイツリーのてっぺんを切ってしもうた。しかもビミョーに斜めっているし・・・(ーдー;)。写真では明るいように見えますが、実際にファインダーで覗くとかなり暗くて、短時間で電車やスカイツリーの位置、さらにピントや水平を合わせるのは結構大変な作業です。ちなみにこの場所は後追い限定。向かってくる電車の場合は当然ながら踏切が閉じているので、ここでは正面を撮ることはできません。ところで、今回いちばんの目的であるスカイツリーですが・・・あれ?これがスペシャル? どう見ても緑色には見えず、電球色のようなフツーのライトアップと変わらない気がするけれど・・・(・・∂) アレ? なんて思いながら、よ~く目を凝らしてみると・・・(◎_◎) ンン!?

1005.jpg

架線柱のスキマからわずかに緑色が・・・

あっ、たしかにちょろっとだけ緑が見えている ( ゚▽ ゚;)! あとから調べてみると、このライトアップはオレンジと緑で構成された「シャンパン・ツリー」といわれる色で、オレンジの部分はシャンパンをイメージしている色なのだそうな。な~んだ、タワー全体が緑色になるわけではないのね・・・。と、いうことは、クリスマスツリーをイメージした肝心な緑色の部分が見えにくいこの場所は、明らかに撮影地の選択ミスではないか・・・(´Д`;)トホホ。でも、せっかく来たのだし、一枚くらいはビシッと決めたのを撮っておきたい。中途ハンパなスペシャルライトアップですが、少しここで都電撮影を続けます。

1006.jpg

赤いカラーの電車は最新型の8800形。
8800形は従来の都電カラーである黄緑色にとらわれず、
赤、黄、紫、橙の四色があります。
近代的なデザインの新型車はスカイツリーとのコラボも良く似合う?

1007.jpg

でも、やっぱり私のなかで都電といえば、この7000形のイメージ。
吊り掛け駆動方式の懐かしいモーター音を響かせて、
東京の街を走り続けます。

しかし、電車がブレちゃったり、スカイツリーの位置が悪かったり、さらには反対方向の電車と重なって踏切が開かないとか、手前の道路に車が通過してライトの軌跡が横切るなど、なかなかウマく撮ることができず、結局40分も粘ってなんとか見られるようなカットは、この8800形と7000形の二枚だけ。もうこうなると、レトロタイプの9000形や7000形のリバイバルカラー車(7022)が撮りたいなどという贅沢なことは言えません。それでも新型の8800形と旧型の7000形が一枚ずつ残せたので、とりあえずは満足かな・・・。ここで時計に目をやると、時刻はちょうど8時になるところ。スペシャルライトアップの終了まではあと一時間あります。このまま緑色が解りづらい場所での写真だけじゃ面白くないので、予定には無かったけれど、急いで別の撮影ポイントへ移動することにしました。

1008.jpg

まずは荒川区役所前から
早稲田行きの都電で三駅の町屋へ戻ります。
都電荒川線 町屋駅前

1009.jpg

町屋からは京成の下り普通列車へ乗り込み・・・
京成本線 町屋

1010.jpg

二駅目の関屋で下車
正式な駅名は京成関屋ですが、駅名板は「せきや」のみ

京成本線 京成関屋

1011.jpg

京成関屋駅は東武伊勢崎線の牛田駅に隣接しています。
ここからは東武の上り普通列車に乗って・・・
東武伊勢崎線 牛田

1013.jpg

やはり二駅目の鐘ヶ淵で下車。
目的地周辺です。ルート案内を終了します【・□・】。
東武伊勢崎線 鐘ヶ淵

荒川区役所前1955-(都電荒川線)-町屋駅前2000...町屋2005-(京成1917)-京成関屋2013...牛田2016-(東武伊勢崎線970)-鐘ヶ淵2020

都電に三駅、京成で二駅、そして東武を二駅と短区間で三路線を効率よく乗り継ぎ、荒川区から足立区を経て墨田区の鐘ヶ淵までやってきました。この駅から10分ほど歩くと横を流れる荒川の河川敷へ出ることができ、実はその土手の上が知る人ぞ知るスカイツリーのビュースポットなのです。さっそく土手へ上がってみるとそこにあったのは、まさしく緑色の「クリスマスカイツリー」(゚∀゚)!

1015.jpg

鐘ヶ淵の土手上からは、
荒川区役所前で見えなかった緑色の部分もハッキリ。
これがクリスマススペシャル「シャンパン・ツリー」の全貌です。

うん、これならばスペシャルと言われて納得できます +.*.。(´∀`)゚+.*.キレィ。しかし問題はどうやって列車を写し入れるかということ。ここは鐘ヶ淵駅に程近く、土手上からもスカイツリーと絡めて東武伊勢崎線・・・もとい、東武スカイツリーラインの列車を撮ることができます。ただしホームでの停車位置は遠く、昼間ならば走ってくる列車を手前まで引き付けて撮るのが定番。でも今は夜で真っ暗・・・長時間露光で走っている列車を撮ると、流れて光の筋になってしまいます。

1016.jpg

鐘ヶ淵のホームは10両分と長く取ってありますが、
ここに停車する普通列車の大半は短い6連で、
停止位置はちょっと遠め。
東武伊勢崎線 鐘ヶ淵付近

1017.jpg

長時間露光で走っている列車を撮るとこうなります。
車体の帯色で何となく東急5000系だということは
解る気がしますが・・・

これはこれで抽象的な鉄道写真として捉えれば決して悪くは無いのですが、どの列車、形式を撮ってもさほど変わり映えせず、クリスマスバージョンのスカイツリーがクリアに写っているのが一枚でもあれば、もうじゅうぶん。そこでここからは禁じ手ともいえる「超高感度」に設定して、走る列車を止めてみたいと思います。デジカメの感度を上げるとそのぶん粒子が荒れて画質が悪くなるので、私はあまり感度を上げるのを好まず、通常は日中の晴天でISO100か200。夜景でも400かせいぜい800程度。先ほどの荒川区役所前で撮った都電もISO800で、上の光の筋になった長時間露光はISO200で撮っています。でもここでは粒子が細かいクリアな写真で列車が流れちゃうより、たとえ荒れても高感度で列車を写し止めたほうが面白そう。私の持つカメラの最大感度はISO25600。にまんごせんろっぴゃくって、もう笑っちゃうくらいのインフレ感度です( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \。TTL(内蔵露出計)が示すシャッタースピードは1/125sec(f3.5)。果たしてどんな風に写るのか!?

1018.jpg

ここは中央の通過線が狙いやすく、そこに照準を合わせていると、
現れたのは先ほどと同じ東急5000系。
同形式なので上とのいい比較対象になったかな?

なんと、夜なのに通過する走行列車を写しとめることができました~!オオ!ヽ(*゚O゚)ノ スゴイッ!! ザラッザラで、荒れっ荒れの画質ですが、ちゃんとスカイツリーの色も解るし、驚いたことに「花・寺社」と書かれたヘッドマークの文字や、車両ナンバーの「5105」もかろうじて読み取ることができます。フィルム時代では考えられなかったこんな撮影も可能になってしまうなんて、あらためてデジカメってすごいんだなぁ・・・。こうなると他の形式も撮ってみたくなり、できれば特急を・・・などと思っていると、ちょうど浅草を20時40分に出てきた200系の特急「りょうもう45号」の姿が見えてきました。しかし・・・

1019.jpg

クリスマスバージョンのスカイツリーをバックに
カーブを走り抜ける200系の特急「りょうもう」。

1020.jpg

引き付けて撮ろうとしたら、手前に6050系が・・・Σ(゚д゚;) ナニッ!

6050系の快速にカブられて撃沈・・・orz。この列車は私が撮り始めた8時半からクリスマスバージョンが終わる9時までの間で、唯一通過する下りの特急列車だったのに・・・残念 (´・ω・`) ショボーン。このあとは21時ちょうどに浅草を出る「スペーシア(けごん35号)」があるけれど、どうだろう。やっぱりクリスマスバージョンは9時キッカリに終わっちゃうものなのかなぁ・・・?

1021.jpg

続いて通過線を走ってきたのは東急8500系。
通過線を通るのは東急田園都市線やメトロ半蔵門線からの直通車が多く、
あまり東武の沿線で撮っているという感覚がありません。
しかしこの8500系も、いつまで第一線(東急)で活躍できるのか解らず、
これはいい記録になりました。

1022.jpg

下りの「りょうもう」はカブられたけれど、
上りの後追いは撮ることができました。
でもやっぱり下り列車の方が絵的に収まりがいいね・・・。

20時58分に上りの「りょうもう46号」が通過した直後、それまで美しい緑色に輝いていたスカイツリーは徐々にその輝きを失い、やがて真っ暗に・・・。時計の針は午後9時ちょうど。この日のスペシャルライトアップはここで終了です。ああ、やっぱり「スペーシア」までは待ってくれなかったか・・・時間にシビアね~(´∀`;)。

1023.jpg

一旦消灯して真っ暗になったスカイツリー。
なんだか寂し・・・(;_;)。

1024.jpg

やがて紫色の「雅(冬雅)」が点灯。
ちょうどその傍らを「雅カラー」の「スペーシア」が通過してゆきます。
図らずも「雅」同士のコラボになりました。

ライトアップの色は変わっちゃったけど、「スペーシア」まで撮影。まあ、紫色のライトアップを撮るのも今回が初めてだったので、一日で二色のスカイツリーが楽しめたと思えばいいかな・・・。これで撮影は終了です。

わずか30分程度だったとはいえ、寒風吹き荒ぶ荒川土手での撮影で体はすっかり冷えてしまい、このあとは浅草で熱燗でもひっかけてから帰ろうなどと考えながら電車に乗っていると、途中の曳舟で動かなくなってしまいました。どうやら下りの竹ノ塚付近で輸送障害(人身事故・・・)があり、伊勢崎線は全線で抑止。上り列車も行き止まり構造の浅草駅に入ることができず、曳舟でしばらく運転を見合わせるとのこと。仕方なく浅草での一杯は諦めて、かろうじて運転されていた半蔵門線への直通列車で、おとなしく帰ることにします。それにしても撮影中に抑止が掛からなくてヨカッタ・・・まさに間一髪と言ったところでした。

1025.jpg

帰りは予定外の半蔵門線経由に・・・。
東京メトロ半蔵門線 錦糸町

鐘ヶ淵2120-(伊勢崎線980)-曳舟2123~2125-(半蔵門線2931K)-錦糸町2132~2144-(総武2051B)-御茶ノ水2153~2154-(中央2155T)-新宿2204


ライトアップされたスカイツリーと鉄道のコラボカット。都電の荒川区役所前では肝心の下半分が見えないという大失態をし、鐘ヶ淵では本命とも言える特急がカブられて、結果的にクリスマスバージョンで撮れたのは東急の車両ばかりだったという、なんともお粗末な撮影になってしまいましたが、スカイツリー開業初年のクリスマス・ライトアップを鉄道と絡ませて記録したいという第一の目標はとりあえず達成できたのではないかと思っています。東京のクリスマスシーンに新たに加わったスカイツリー・スペシャルライトアップ。来年はもうひとつの限定バージョンである「キャンドル・ツリー」の方を狙ってみようかな~(^^)。



共通テーマ:趣味・カルチャー