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中央本線・辰野支線・・・クモハ123「ミニエコー」 撮影記 [鉄道写真撮影記]

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2012.12.24
中央本線・辰野支線
クモハ123「ミニエコー」 撮影
  

鉄にとって毎年、この年末時期に気になることと言えば、来春に行われるダイヤ改正の内容発表。とくに近年は新設列車よりも廃止列車や引退する車両などに注目が集まります。 果たして廃止が危惧されている寝台特急「あけぼの」や夜行急行「はまなす」などは、無事に生き残ることができるのか・・・おそるおそるその内容を見てみると、目立ったところでの廃止列車はない様子。まずはホッと一安心 ε-(´▽`)ホッ。来春の改正は秋田新幹線の新型車両・E6系の運転開始と言った目玉はあるものの、列車の増発や到達時分の短縮、快速の停車駅見直しなど、地域ごとの利便性向上がメインと言ったところで、最近のなかでは比較的おとなしめの改正内容と言えるのではないでしょうか。新型への置き換えなどにより引退する車両はいくつかありますが、上越新幹線の200系や常磐線の651系・E653系、東海道・名古屋地区の117系、北近畿特急の183系など、ある程度は想定内でした。ただし、私的に予想外だったのがひとつだけ・・・それは中央本線の旧線部分(辰野支線)にあたる、辰野~塩尻で運転されていた「ミニエコー」の引退。

中央本線の岡谷~塩尻間は元来、辰野を経由する善知鳥(うとう)峠越えのルートで開業(1906年)しましたが、のちに長大な塩嶺トンネルを抜けるみどり湖経由の短絡線(塩嶺ルート)が開通(1983年)。これにより同駅間は大幅な時間短縮が実現し、あらためて塩嶺ルートの新線が中央本線のメインルートとなり、辰野経由の旧線は支線化。そこで利用者が減った辰野~塩尻間の輸送力適正化を目的として、支線用に荷物電車(クモニ143)から改造された単行形電車が、今回引退発表されたクモハ123系・愛称「ミニエコー」です。

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文章だけでは解りづらいと思いますので、
中央本線 岡谷~塩尻の路線図を添付します。
青がみどり湖経由の新線で、現在のメインルート。
赤が辰野経由の旧線で、現在の辰野支線。
「ミニエコー」が運転されているのは支線の
塩尻から辰野の間になります。

種車の新製から34年、改造から26年の立派な国鉄形である「ミニエコー」。そもそも荷物電車から改造されたなどという経緯を考えれば、いつ引退してもおかしくはなかったのですが、使用されていた運転区間が短く、さらにその輸送量に見合ったとされる1M方式両運転台の車両、つまり単行電車の代わりがJR東日本にはなく、新製される可能性も薄いことから、「ミニエコー」をもうしばらくは使い続けるものだとばかり思っていました。しかし今回の発表内容では、辰野支線での単行運転をやめ、大糸線などで使用されている二両編成のステンレス車両・E127系を導入するとのこと。一両のローカル電車が二両編成になることなど、世間一般からしてみたらたいしたことではありませんが、JR東日本唯一の営業用単行電車の引退ともなれば、鉄としては一大事です。そこでさっそく、連休最終日の24日に「ミニエコー」が走る中央本線・辰野支線へと行ってみることにしました。う~ん、我ながら見事な「葬式鉄」っぷりだなぁ・・・(^^;)。


12月24日(月)

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信州へのアプローチは
中央東線のエース、特急「スーパーあずさ」で。
中央本線 立川

まずは立川から松本行きの特急「スーパーあずさ5号」へ乗り、中央本線を下ります。今は「青春18きっぷ」の発売シーズン。それなのに、たかだか辰野か塩尻あたりまで行くのに特急利用とは、私にしてはちょっと贅沢・・・? たしかに中央本線の普通列車は本数が多く、しかも長距離区間を運転をしているので、接続さえ良ければ一、二回程度の乗り継ぎで都内から塩尻まで到達することができます(所要時間は、だいたい四時間くらい)。でもたまには、いつも私が乗った普通列車をびゅんびゅん追い越してゆく特急列車の方に乗ってみたい。この日はクリスマスイブだし、特急利用はちょっとした自分へのご褒美と言ったところ。そこでどうせ乗るならばと、速達タイプの「スーパーあずさ」をチョイス。E351系自慢の振り子機能を生かし、カーブでも速度を落とすことなく飛ばしてゆきます。このスピード感、気持ちイイ~。゚+.(・∀・)゚+.゚。中央道がトンネル崩落事故の影響で一部区間通行止めとなり、高速バスの所要時間にも影響が出ていることから、連休の中央線特急は混雑するかと思って指定券を取ったのですが、車内は意外にもガラガラ。これだったら自由席でもヨカッタかな(久々に特急へ乗ったのに、考えがセコいね・・・´Д`;)。立川からの二時間を快適に過ごし、10時22分着の岡谷で下車。もし普通列車でこの時間に岡谷へ着こうとするならば、立川を朝6時半に出ねばならないので、この二時間の短縮はさすが特急と言ったところ。

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久しぶりに乗った「スーパーあずさ」は快適でした (^^)。
中央本線 岡谷

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岡谷の0番線に停車しているのは、
辰野を通って飯田線へと入る天竜峡行きの普通列車で、
JR東海の313系が使用されています。
中央本線 岡谷

岡谷は先に説明したように、みどり湖経由の本線(新線)と辰野経由の支線(旧線)の分岐駅。ただし支線の岡谷~辰野間は現在では飯田線へ直通する列車が主体で運転されており、中央線の支線と言うよりは飯田線の一部といった感じ。お目当ての「ミニエコー」も岡谷までは来ず、辰野まで行かないと会うことはできません。では次の行程はこの飯田線へ直通する列車で辰野へ出るのかというと、そうではなく、私が乗るのは先ほどの「スーパーあずさ」と同じく本線を経由する松本行きの普通列車。

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岡谷から次に乗る列車は、
長野色115系の松本行き普通列車。
中央本線 岡谷

塩尻側から辰野支線へと入るのならば、岡谷ではなく塩尻で「スーパーあずさ」を下りればいいのに・・・と、お思いの方も多いでしょう。でも実は私が目指していた駅は辰野でも塩尻でもなく、本線ルート上にあるみどり湖(駅の位置関係は上記の地図参照)です。日中は二時間に一本程度の運転間隔である辰野支線。徒歩鉄がその列車に乗って沿線の撮影地を訪れるとすると、乗った列車は撮影できず、折り返して来るのを待たねばなりません。これでは本数の少ない辰野支線を撮るのに効率が悪すぎる。そこでまずは支線に乗らなくても撮影でがきる、塩尻付近の撮影地を探すことにしてみました。たしか以前に本線の車窓から、カーブして分岐してゆく辰野支線の築堤が見えて、そこが撮りやすそうだと思ったことがあったのです。そこまで塩尻から歩ける距離か地図で調べてみると、意外にも塩尻よりもみどり湖の方が近そうだと言うことが判明。そんなワケで今回の目的地をみどり湖としたのでした。ただし他の撮影地はあまり調べて来ておらず、ほとんど行き当たりばったり。頼りはスマホの地図だけです。

立川0822-(スーパーあずさ5号)-岡谷1021~1031-(中央431M)-みどり湖1037

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本線(新線)の塩嶺ルート上に設けられた唯一の駅、みどり湖。
駅舎はなく、線路を跨ぐ公道上に方向別の入り口がある
ちょっと変わった構造の駅。
中央本線 みどり湖

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旧線こと辰野支線の線路を目指し、西へ向かって歩きます。
スマホの地図が示したルートは、こんな未舗装の細い道・・・
(´Д`;)ダイジョブカ?

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ちょっと不安に思いつつもしばらく歩くと
山裾の築堤上に、立ち並ぶ架線柱が見えてきました。

次の辰野支線の列車は、塩尻のひとつ手前にある小野を11時11分に出る下りの塩尻行き(159M)。私がみどり湖に着いたのは10時37分ですから、通過まで約30分しか時間がありません。知った道ならばサクサク進めるところですが、何せ初めて行く撮影地。慎重に地図を確認しながら歩いていたら、辰野支線の線路が見えるところへ出るだけで10分近くを要してしまいました。撮影地にと考えていたカーブのポイントまではまだかなりの距離がありそう。地図を見るかぎり、とても残り20分では到達できません。そこでとりあえず次の列車は、間に合う範囲の近場で撮れるところを探すことにしました。とはいえ、峠越えをする支線は勾配を上って、上の写真を見ても解るようにかなり高い位置を走っています。線路脇まで近づけるようなところなどあるのか・・・? スマホの地図と自分の直感だけを頼りに歩みを進めてゆくと、やがて上へと続く急な坂道が見えてきました。その傍らにはクルマへの注意を促す「踏切アリ」の看板が見えます。踏切があると言うことは、線路まで近づけるハズ。

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上の方へ伸びる坂道。
右脇には「この先の踏切・小特を除く車両通行禁止」の標識が。
踏切があるのか・・・?

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坂を上がりきってみると、ウマく線路際に出ることができました!
でも、あたりを見渡しても踏切らしきものは無いぞ・・・(゚-゚;) ハテ?

積もった雪で足を滑らせないよう慎重に坂を上ってみると、付近に踏切は無かったものの、クルマが転回できるようなちょっとしたスペースが広がっており、嬉しいことにすぐ脇を走る支線を撮るのに都合がよさそう。それにしてもこのスペースは一体ナニ・・・? 実は着いたときはあまり深く考えなかったのですが、あとから調べてみると、ここはかつて本線だった時代に設置されていた東塩尻信号場の跡地だったらしい(83年の新線開業とともに廃止)。この日は雪で埋もれていて確認できませんでしたが、スイッチバック時代の側線なども残されていて、廃線・廃駅巡りとしてはけっこう有名な場所とのこと。見当たらなかった踏切は、その当時に存在していたものなのかも知れないですね。そうとは知らず、私は何だか知らないけれど撮りやすそうなスペースを発見!と、喜んでいたのでした。さっそくここでカメラを構えてみます。カーブの向こうにはトンネル(善知鳥トンネル)の出口が見えていて、300~400ミリクラスの望遠レンズがあればトンネルから出て来たところを正面がちに狙えそう。でもあいにくこの日は長タマを持って来ておらず、ズームレンズの200ミリが精一杯。そこでトンネルをワンポイントとして背景にちょこっと置いて、列車を手前のカーブまで引き付けてみることにしました。

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やがてトンネルの奥から二つの光が・・・
撮り鉄として、このライトが見えたときの緊張感は堪りません。
(*゚∀゚)ドキドキ

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旧線の峠道を快走する、単行電車「ミニエコー」。
独特の重いモーター音が山あいに響き渡ります。
中央本線(辰野支線) 小野-塩尻

「あれ?「ミニエコー」はどっちが前パン(パンタを上げている方向)だっけ・・・??」 などと通過する直前になって妙な迷いが出るも、なんとか落ち着いて見極めてパンタを切らずに迫力あるカットが撮れました (^^)。何度か塩尻駅などで停車中の姿を見かけたことはあったけれど、沿線で走る「ミニエコー」を撮ったのはこれが初めて。ローカル線の単行電車というとのんびり走るイメージがありますが、「ミニエコー」は驚くほどの俊足ぶりで、通過後すぐに振り返るも、後追いを撮ることはできませんでした (;゚д゚)ハエー…。 それでも一発目がビシッと決められたので大満足。

今の列車が塩尻から折り返して来るのは約一時間半後。その時間を利用して、今度こそ最初に行こうと考えていたカーブの撮影地へと向かうことにします。これだけ時間に余裕があれば、のんびりと散策しながらでも間に合いそう。

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このあたりの集落は広くて大きな家が多く、
道沿いに立派な蔵がいくつも見られます。
観光地ではないけれど、なかなか趣のあるいいところです。

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辰野支線沿いには寺院や神社も多く目につきます。
そのうちのひとつである三嶽神社に寄って、
いい写真が撮れるよう、お参りしてゆきましょう (-人-)。
この神社は本殿の地下より湧き出ているという
手水が有名なのだそうな。

私は東京生まれの千葉育ちで、両親も共に東京生まれ。でも実は父方の祖母はこの辰野支線沿いにある小野(辰野町)出身で、今でも何人かの遠い親戚が住んでいるという。私が小野の親戚宅へ行ったのは、高校生の頃に一度だけ法事で父に連れられて来られた程度なのですが、このあたりは何となく懐かしいというか、居心地の良い空気を感じます。私と小野の繋がりは深くないけれど、ひょっとしたら私のなかに流れる先祖の「血」みたいなものがそう感じさせているのかもしれません。そんな事を思いながら塩尻方向へしばらく歩くと、やがてリンゴ畑の向こうにお目当ての撮影地が見えてきました。

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山裾を迂回するように引かれた、辰野支線の大カーブ。
15連の列車でも余裕で入りそうなほどの雄大な撮影地ですが、
ここを通るのはたった一両の「ミニエコー」。

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同じ場所から振り返ると、
現・本線を行く「スーパーあずさ」の姿が見えました。
手前にある木々はリンゴで、
花や実がついた時期に訪れてみるのも面白いかも。
中央本線 塩尻-みどり湖

この築堤上の大カーブこそが中央線(現・本線)の車窓から見えていた辰野支線の撮影地で、一度は訪れてみたいと思っていた場所。カーブの中間付近にはちょうど線路の高さに合った踏切があり、ここから撮るのが良さそうです。神社などに寄りつつのんびり歩いて来たこともあって、最初の撮影地からの所要時間はほぼ一時間。カメラをセットすると程なくして、塩尻を発車して来た「ミニエコー」(158M)が姿を現しました。

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木々の合間を抜けて、築堤上に現れた「ミニエコー」。
中央本線(辰野支線) 塩尻-小野

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いかにも旧線らしい大カーブを突き進んでゆきます。
こちらの上り方は、パンタを下げた「下げパン」側。

念願の大カーブで撮った「ミニエコー」。単行電車でこのカーブを表現しようとすると、どうしても後スカになってしまいますが、それは仕方のないところ。でも、思ったよりもいい画にならなかったような気がします。どうせならもっと引いて、後ろのカーブを端まで入れるべきだったかな・・・。それよりも、このポイントで最初に撮った上の写真の方がなんとなくまとまりがあるように感じて、個人的にはそっちが気に入りました。単行の「ミニエコー」は引きだと寂しい画になってしまうのではないかと思っていましたが、案外この方が単行ということが強調できて面白いのかも知れない。そこで今度はもう少しスッキリと引き画が撮れるポイントから狙ってみることにしました。次の列車は約30分後に通過する塩尻行き161M。運転間隔の広い辰野支線にあって、なぜかこの列車だけは折り返し時間が短く、すぐにやってきます。急いで目をつけておいた丘の上へ ε=┏(・Д・)┛イソゲッ! 。

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雪で白くなった路盤をゆく「ミニエコー」。
雪が解けて温かくなる頃、この車両は引退を迎えます。
中央本線(辰野支線) 小野-塩尻

何とか間に合って、カーブから直線にさしかかったところをタテ位置で撮影・・・って、あれ? 引き画の写真を撮るんじゃなかったのかって? 実はこの場所、同じ立ち位置で180度カラダをまわすと、こんな写真も撮れちゃうのです。

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右へ左へカーブを切り、
山裾を縫うように敷かれている辰野支線。
築堤上を単行車両が懸命に駆け抜けてゆきます。
中央本線(辰野支線) 小野-塩尻

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追って、もう一枚。こちらは二つの山が入ります。

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ズームアップしてさらにもう一枚。
集落の家々を見下ろすように走る「ミニエコー」。

はじめに手前の線路で撮った列車はしばらくすると、大きく迂回して反対側の景色に再び現れました。一粒で二度どころか、三度も四度もオイシイこのポイント。タテ位置で撮った写真もなかなかいい感じで撮れましたが、やはりここでの本命は俯瞰撮影。抜けの良い俯瞰ポイントだと、列車が見えなくなるまで何度も何度も追いかけたくなります。これで山々に雪化粧などの色気があればなぁ・・・などと、つい贅沢なことを思ってしまいますが、背景が白くなってしまうと「ミニエコー」が目立たなくなってしまうかもしれず、これはこれで良かったのかもしれません。

予定通り、一往復半、合計三本の「ミニエコー」を撮り終えて撤収。次の「ミニエコー」は一時間半後の辰野行き上り列車(160M)なので、それまでに塩尻駅へと歩いて行き、そこから今度は「乗り鉄」の方を楽しみたいと思います。

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丘を下りて塩尻駅方向へ歩くと、本線のガード下をくぐります。
ちょうど115系の普通列車がやって来たので一枚撮ってみましたが、
背景に山が入って(高ボッチ高原かな?)
ここもなかなか信州らしい、いいポイントです (^^)。
この辺は本線と支線をウマく組み合わせて撮影計画を立てると、
一日いても飽きないかもしれませんね~。
中央本線 みどり湖-塩尻

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丘の上の撮影地から歩くこと40分ほどで塩尻駅に到達。
クリスマス寒波に包まれているとのことでしたが、
思ったほどは寒くなく、いい運動ができました。
中央本線 塩尻

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塩尻駅は中央本線の途中駅ながら、
東京方面へ向かう、通称・中央東線と
名古屋方面へ向かう、通称・中央西線との分岐駅。
左へカーブしているのが特急「あずさ」などが走る東線で、
右の西線には、名古屋からの特急「しなの」がやってきました。
中央本線 塩尻

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改札を抜けてホームへ下りると、
先ほど撮影した「ミニエコー」が待機中。
タイミングよく長野色115系との並びが見られました。
来春の改正では、長野地区へ投入された
211系の運用開始も伝えられており、
この長野色115系にも変動がありそうです。
中央本線 塩尻

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あらためて「ミニエコー」ことクモハ123系に目をやると、
内外の車端部にズラリと貼付けられた銘板に目がいきます。
いちばん上の「JR東日本」の所属銘板を除くと、
製造、改造銘板が全部で四枚。
その多さがこの車両の波瀾万丈な歴史を物語っています。

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JR東日本に所属するクモハ123はこの1番のみ。
荷物電車からの改造から四半世紀あまり、
たった一台で支線の任務をこなしてきました
(「ミニエコー」は一台のみの存在であるため、
検査時などは115系が代走にあてられます)。

塩尻駅の辰野支線ホーム(3番線)で、発車を待つ「ミニエコー」。沿線の撮影地では一人の同業者も見かけませんでしたが、さすがに引退発表直後の祝日とあって、ホームには何人かの方が「ミニエコー」へカメラを向けていました。それでも数人程度で、まだおとなしい方。この先は引退を惜しむファンが徐々に増えてゆくことでしょう。車内はそんな鉄よりも純粋な地元客で結構な乗車率。「ミニエコー」名物とも言える、長いロングシートはほぼ満席です。塩尻から辰野は距離的にも時間的にもたいしたこと無いので、私は立って過ごそうかと思っていたところ、学生さんがちょっとずつ詰めてひと席空けてくれたため、ありがたく座らせてもらうことにしました (*´∀`)ノァリガトネー。多くの客を乗せて、辰野行きの「ミニエコー」は定時に塩尻を発車。

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意外と・・・と言っては失礼ですが、
ほぼ満席となった「ミニエコー」の車内。

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塩尻を発車すると、しばらくして現・本線と分岐します。
本線は複線ですが、辰野支線は単線です。
中央本線 塩尻付近(車窓から)

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先ほど撮影した大カーブを経て徐々に勾配を上がり、
列車は善知鳥峠越えへと挑みます。
はじめに撮影した旧・東塩尻信号場付近では
ここまでの高さに上がってきました。
中央本線(辰野支線) 塩尻-小野(車窓から)

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善知鳥峠を越えると、少しだけ雪が深くなっていました。
このあたりの沿線もいい感じで撮れそうですが、
ここで途中下車しちゃうと、次は二時間も列車が無い・・・(・ω・`)。
中央本線(辰野支線) 小野付近(車窓から)

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祖母の生まれ故郷である小野。
そして次駅の信濃川島は一面一線の地味な駅ながら、
中央本線全線で唯一、交換設備を持たない駅だったりします。
塩尻と辰野を含めたこの全四駅が「ミニエコー」の活躍の場。
中央本線(辰野支線)小野/信濃川島(車窓から)

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塩尻から20分、飯田線との接続駅である辰野に到着。
「ミニエコー」に乗った小さな旅が終わりました。
中央本線(辰野支線) 辰野

中央本線は何度も乗っているけれど、この辰野支線に乗るのはいつ以来だろう・・・。実は前述した小野の親戚宅へ行った際に、私はてっきりこの辰野支線は全線(岡谷~辰野~塩尻)乗ったものだとばかり思っていました。ところがあとから父とした話の中で、あの時は列車の接続が悪くて、辰野からタクシーで親戚宅へ向かったことが判明。帰りは小野から列車に乗って塩尻へと出ているものの、辰野から小野の間はずっと未乗のままだったのです。それに気付いたのは、国鉄・JR乗りつぶしのかなり後期。全線完乗まであと残り数線のローカル線を残すのみとなっていたところで、慌てて中央本線・辰野支線を乗りつぶしたのでした。今から16年前の96年のこと。辰野支線に乗るのはそれ以来か・・・。その後、仕事で塩尻や岡谷へは何度か出張で訪れ、そのたびに辰野支線へ乗ってみようかと思うも、時間的なタイミングと本数の少なさがネックとなって、結局、支線へは乗らずに本線経由で帰っていました(そういえば、そんな事を一度「ONE-shot」でも書いていますね)。今回は「ミニエコー」の引退がキッカケとなって久々に訪れた辰野支線でしたが、やはり長いトンネルでスパッと抜けてしまう現・本線よりも、勾配を上がって峠越えをする旧線の辰野支線は景色がよく、撮り鉄だけでなく乗り鉄的にも楽しむことができました。

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辰野で飯田線からやって来た岡谷行きに乗り換え。
ここで「ミニエコー」とはお別れです。
来年3月の引退までにもう一度会う機会はあるのか?
それともこれがラストになってしまうのかな・・・。
中央本線(辰野支線) 辰野

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朝に「スーパーあずさ」を降りた岡谷へと戻ってきました。
これで辰野支線を巡る撮り鉄・乗り鉄旅は終了です。
中央本線 岡谷

塩尻1419-(中央160M)-辰野1440~1446-(1425M)-岡谷1458

岡谷からスタートし、みどり湖から塩尻まで歩きながらの撮り鉄、そして塩尻から辰野まで「ミニエコー」の乗り鉄を楽しんで、最終的にスタート地点の岡谷へ。本数の少ない辰野支線ですが、撮り・乗りともに効率よくまわることができて、存分に満喫することができました。10月の青森旅行以来、しばらくは青梅線や江ノ電、都電・東武など近場での撮影が続いていましたが、やっぱりちょっとした遠征は気分的にもリフレッシュできていいですね~。おそらくこれが今年最後の鉄道旅になると思われますが、来年も時間とお金が許すかぎり、いろいろなところへ行ってみたいと思います (^^)。

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行き(往路)は「スーパーあずさ」を使いましたが、
帰りは節約のため、いつもの鈍行旅です。
115系のボックスシートに揺られてのんびりと帰りませう。
中央本線 茅野

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115系の車内で食べるのは、
塩尻駅で買っておいた「とりめし弁当(¥610)」。
野沢菜が入っているのが信州らしくていいですね。
☆☆・・・
そしてやはり塩尻と言えば、お供は地元のワイン(¥290)。
とりめし弁当に赤ワインとはミスマッチなように見えますが、
意外とこれが合うんです。(^^)
これで合計900円とは何ともリーズナブルな「飲み鉄」。

岡谷1623-(1536M)-小淵沢1704~1710-(346M)-甲府1748~1808-(564M)-高尾1938

 

☆オマケ☆

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この旅の前日にあたる23日には、天皇杯サッカーの準々決勝、ジェフ千葉vs鹿島アントラーズの試合(東京・味スタ)を観戦してきました。結果は残念ながら0-1で敗れてしまいましたが、J2のジェフにとって、久々にJ1強豪チームとの公式戦は、選手・サポーターともに楽しめたのではないかと思っています。来年こそ悲願のJ1復帰を果して、再来年はリーグ戦でアントラーズと対戦したいところです。木山カントク、一年間の指揮お疲れさまでした。。。



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