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上越線・・・583系「あけぼの」撮影記 [鉄道写真撮影記]

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2013.01.04
上越線
 583系あけぼの(回送)」撮影記 
   

年末年始を故郷で過ごす帰省客のために、今シーズンも各地で様々な臨時列車が設定されました。この臨時列車には第一線を退いた波動用の国鉄型車両なども割り当てられ、帰省客のみならず・・・いや、むしろ帰省客以上に、鉄の注目が集まります(とくに乗り鉄、撮り鉄)。そのなかでも今シーズンいちばんの目玉となったのが、上野と青森を結ぶ寝台特急「あけぼの」を保管する形で上野~弘前 間に運転される、寝台特急「あけぼの81・82号」。
「あけぼの」と言えば、今や残り少なくなったブルートレインの生き残りで、定期に使用されているのはもちろん青い車体の24系客車。ところが今回運転される臨時の「81・82号」にはブルトレ客車でなく、なんと寝台特急型電車の583系が使用されるのです!w(゚ロ゚)wウワォ!! 583系の優等列車は今でもかろうじて、JR西日本カラーの急行「きたぐに」が臨時で大阪~新潟 間を走っているものの、国鉄色で人気があるJR東日本の583系は近年、 「わくわくドリーム号」や往年の名列車を復刻した「リバイバルトレイン」など団体列車での活躍が目立ち、ごく稀に運転される臨時列車(多客臨)も「あいづライナー」の代走や「ふくしま花見山号」といった快速での設定がいいところ。しかしこの「あけぼの81・82号」は、臨時とはいえれっきとした特急列車で、しかも583系の特徴を生かした「寝台特急」として設定されたもの。団体列車ではない583系の寝台特急なんて、いったいいつ以来の運転なのだろう・・・(´_` )トオイメ 。私は前回の冒頭で紹介したメガネの一件があり、金銭的にあまり遠出はできないけれど、この列車だけはどうにかして撮りたいと考えていました。

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時刻表に掲載された、臨時の「あけぼの81号」。
(電車3段寝台)の注釈が付けられているのが、
寝台特急電車・583系を使用する証です。
JR時刻表・13年1月号より。

ただし、この「583あけぼの」が運転されるのは、年末一日(12/29上野発・下り81号)、年始一日(1/3弘前発・上り82号)のわずか二日だけ。首都圏近郊で撮るとしたら、29日の夜に上野を出る「81号」よりも、4日の早朝に上野へ着く「82号」の方が撮りやすそう(そもそも29日の夜は忘年会で、出撃ができませんでした・・・ズルッ(ノ_ _)ノ )。それでも「82号」の上野着は早朝の6時(0605着)と日の出前でまだ暗く、どのみち走行写真を撮るのはムリがあるか・・・と、思いながら、いつもの鉄道情報誌(DJ誌)をよく見てみると、4日の6時に上野へ着いた「82号」の583系はすぐに折り返し、高崎・上越・信越・羽越線を通る回送列車で、その日じゅうに所属区の秋田へと戻るではありませんか(回9083M)。日中に走るこの回送列車ならば沿線で走行写真を撮ることができそうです。しかし回送列車だと「あけぼの」ではなく、「回送」表示になってしまうのでは・・・? と、お思いの方もいらっしゃるでしょう。ところが583系は前面の表示を変えるのに手間がかかるため、おそらく「あけぼの」表示そのままで所属区へ戻される確率が高いのです(そもそも今の583系に「あけぼの」幕が入っているとは考えられず、今回掲出されるマークはステッカーを貼付けたものだろうし)。

だいぶ前置きが長くなってしまいましたが、そんな「583あけぼの」の回送を沿線で撮るため、4日は高崎線か上越線沿線への出撃決定!・・・って、あれ? たしか前日の3日には、群馬の上毛電鉄でイベントがあって、前橋へ出撃していたハズ・・・そう、実はここからが前回の続きで、連日同方面へ東京の自宅から出撃するのはさすがにバカらしいと思い、前回のラストに上電で西桐生から中央前橋へ戻ったあとは、そのまま前橋のビジネスホテルで一泊してしまいました。翌日のことを考えると、ホントは高崎か渋川あたりに泊まったほうが効率はよかったのですが、年始早々の3日はどこも満室か、お高い宿泊プランしかなかったのです。ちなみに前橋で泊まったホテルは朝食付きで一泊4000円。ちょうど東京~前橋の往復運賃(片道1890円)と同じくらいで、これならば懐も「気分的には」痛みません(笑)。


1月4日(金)

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前橋から両毛線の高崎行きで出発。
左隣に見える田町区の185系は、
新宿行きの特急「あかぎ2号」です。
13.1.4 両毛線 前橋

さて、前述したように上野から高崎線・上越線を通って、最終的には秋田へと向かう583系の回送列車。都内の自宅から出撃するのならば高崎線内が時間的にも金銭的にも手頃なのですが、せっかく前橋に泊まったのならば、やはりここは列車の背景に住宅などが入らずにスッキリ撮れ、なおかつカブリ率が高崎線に比べると格段に低くなる、上越線で撮りたい。そこで前橋から乗った両毛線で高崎へは向かわずに、次の新前橋で上越線の水上行きに乗り換えます。その上越線の車内には三脚を担いだ同業者らしき方の姿がチラホラ・・・やはりこの583系回送列車は注目度が高いようです。

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渋川を過ぎると、上越線は利根川に沿って走ります。
とくに津久田や岩本のあたりは眺めがよく、
この利根川と列車を絡めて撮れる撮影地も多い。
13.1.4 上越線 津久田-岩本(車窓から)

休日にはSL列車などが運転され、雑誌やネット上にも幅広く撮影地が公開されている上越線。津久田の鉄橋や水上の諏訪峡といった風景絡みで絵になる撮影地も多いのですが、今回は583系が掲げる「あけぼの」マークが最大のポイント。画的にはあまり面白味がないかもしれませんが、しっかりとヘッドマークが解る列車主体の写真が狙えるところを撮影地に選びます。いくつかアタマに浮かんだ候補地の中で、車窓からその状況を眺めつつ私が決めたのは、岩本駅近くのストレートが撮れる踏切。

前橋0712-(両毛620M)-新前橋0716~0721-(上越723M)-岩本0750

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ホームに雪が積もった岩本で下車。
一面真っ白に見えますが、深さはそれほどありません。
スニーカーでも苦にならない程度。
岩本の駅裏には東電の水力発電所があり、
ホームや車窓からも見ることができます(タイトル写真)。
13.1.4 上越線 岩本

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久しぶりに降りた岩本。
数年前に訪れた時はまだ古い木造駅舎だったはずですが、
いつのまにか簡素な新しいハコに変わっていました。
(2010年に建て替えられたらしい・・・(・ω・`) )。
13.1.4 上越線 岩本

積雪はあるものの、風が無いせいかそれほど寒さは感じず、前日の赤城おろしよりずっとマシです。撮影地へは583系が通過する一時間半前の8時頃に到着。自宅から出てこの時間に岩本へ着こうとするならば、初発電車に乗っても在来線の普通列車だけではムリで、高崎までは新幹線を使わなくてはなりません。次の普通列車でも583系には間に合うけれど、やはり先行電車で試し撮りするくらいの余裕は欲しいし、できればいい場所も確保したい。そう考えると、少なからず前橋泊の利はあったかな?

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まずは107系の普通列車を撮影。
雪煙を巻き上げて、なかなか豪快な走りを見せています。
13.1.4 上越線 津久田-岩本

しばらく経つと、上写真の普通列車やクルマで来た人などで、撮影地は少し賑やかになってきました。そこで隣人の方からちょっと気になるハナシが・・・実はこの583系の営業運転となる「あけぼの82号」は、東北地方の大雪・強風の影響で定刻よりも一時間ほど遅れて上京し、かろうじて撮影ができたのだとか。しかしその姿はまさに「雪ダルマ」で、ヘッドマークはほとんど見えなかったらしい・・・Σ( ̄□ ̄;)エッ、マジ!? 。着雪して雪ダルマとなった583系の姿は想像するだけでもカッコいいけれど、「あけぼの」のマークが見えないのはちょっと困る。折り返してココへ来るまでに雪が溶け、マークが見える状態になっているといいけれど・・・。でも溶けすぎちゃうのも、なんだかもったいない気がするなぁ・・・(-"-;)ウゥム… 。マークは見たいが雪は溶けないで欲しい、なんとも矛盾したワガママな願望です。しかしそんなムチャぶりが、まさか叶うとは!?

「あけぼの82号」の遅れは回送列車での停車時間短縮などで取り戻し、この撮影地には情報誌に書かれていた時刻のほぼ定時(5分遅れ程度)に踏切が鳴りました。やがて直線上に現れた583系、その姿は・・・

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雪国での激走を物語るような形相で走り抜ける
583系の「あけぼの(回送)」。
これぞまさに東北夜行、最高の勇姿です!

前面に豪快な着雪を残しながらも「あけぼの」のヘッドマークはハッキリ解る、まさに理想の状態でした~ ヤタ━ヽ(≧▽≦☆)ノ━ッッ!!。それにしてもウマい具合に溶けたものだなぁ・・・(^^;)。107系の普通列車を撮った頃に比べると、だいぶ道床の雪が溶けて雪煙は舞わなくなっちゃったけれど、それでも583系の迫力ある姿はじゅうぶん過ぎるくらいに満足。これは岩本まで来た甲斐があったというものです (^^)。

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583系が掲げていた「あけぼの」のヘッドマーク。
残念ながら寝台特急を表す「流星マーク」は無いのね・・・。
(上写真のトリミング)

今回はカメラを三脚に据えていたので後追いは撮らず、肉眼で通過する583系を見送って、撤収。時間的にはまだ午前中ですが、この日は夕方から友人宅の新年会に招かれており、ちょっと早いけれどこれで東京へと戻ることにします。前日の上電、そして上越線の583系「あけぼの」と、わずか二日(実質一日半)ではありましたが、充実した新年の群馬旅となりました。

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岩本に入って来た115系も、ちょっぴり雪化粧。
でも先ほどの583系に比べると甘いですね~(笑)。
13.1.4 上越線 岩本

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高崎では乗り換えの合間にお昼ゴハン。
高崎といえば「だるま弁当」などの名物駅弁がありますが、
今回はもうひとつの隠れた名物(?)を
ホームのスタンドでいただきます。
13.1.4 信越本線 高崎

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これがウワサの「たかべんカレー(¥400)」。
たかが駅のスタンドと侮るなかれ、
じっくり煮込んだここのカレーは本当においしいんです!
マジ(゚д゚)ウマー!
学生の頃は鉄の合間によくここでカレーを食べたもので、
変わらぬ味に懐かしさも込み上げてきました。
あくまでもコスパを踏まえての個人的評価ですが、☆☆☆☆・
ちなみにここはラーメンもウマいです。

岩本1000-(上越734M)-高崎1041~1117-(高崎3120Y)-新宿1259

 

ところで、「あけぼの」というと冒頭にも書いたように、電気機関車が牽引する客車列車(ブルートレイン)のイメージが強く、東北へ向かう583系の寝台特急は「はくつる」や「ゆうづる」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。では、583系が「あけぼの」に使われるのは今回が初めてだったのかというと・・・実は同じように臨時で、数年間だけ583系の「あけぼの」が走った時期がありました。

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「あけぼの」のマークを掲げて、上野を目指す583系。
マークは今回のものより、当時の方がちょっと赤っぽい?
よくみると、このときも左上に流星マークはありませんね。
90.8 東北本線 日暮里付近

あまり写りが良くなくて恐縮ですが、これは90年夏に撮った583系の臨時「あけぼの82号」。当時はたしか奥羽本線の改軌工事(山形新幹線開業を控えて)に伴い、仙山線経由で運転されていたと記憶しています。あれから23年・・・まさか再び583系「あけぼの」が運転され、それを撮ることができるとは思ってもみませんでした(実際に583系「あけぼの」が運転されるのは、95年以来17年ぶりらしい)。



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