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秩父鉄道・・・「JNRデフ」のC58 363 撮影記 [鉄道写真撮影記]

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2013.06.01
秩父鉄道
「JNRデフレクター」装備のC58 363
 SL「パレオエクスプレス」 撮影

 

「首都圏からもっとも近い、SLの走る鉄道路線」として知られる埼玉の地方私鉄、秩父鉄道。しかし私はといえば、幾度となく訪れているにもかかわらず、SL(蒸気機関車)をメインに撮ることはほとんどありませんでした。というのも、以前にも書いたように私は蒸気機関車の現役時代をほとんど知らない世代で、決してキライというわけではないけれど、どちらかといえば蒸気機関車よりも電気機関車や電車、気動車の方に心が惹かれます。なので、私が秩父鉄道を訪れる目的は、元・国鉄通勤型電車の101系(現・秩父鉄道1000系)か、SLの不具合などで代走となる電気機関車の撮影ばかり。最近では沿線の桜を求めて4月に訪ねていますが、そのときもSL列車の運転日だったことすら知らなかったほど。ところが先日、秩父鉄道の公開イベントでお披露目となったSLことC58 363には、そんな私でさえ思わず心動かされるような、驚きの装備が施されていました。それが「JNRデフ(正式には「JNRマーク」入りの後藤工場タイプ)」。「デフ」というのは、蒸気機関車の前方両サイドに取り付けられている除煙板「デフレクター」のことで、走行中の煙の流れを上向きに誘導し、運転室からの前方視界を保つ役割があります。普段は無地で真っ黒な鉄板であるこの部分に今回のC58 363が特別仕様で入れたのは、なんと日本国有鉄道、つまり国鉄を表す「JNR(Japanese National Railwaysの略)」マークだったのです w(゚o゚)wオオッ!!

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4月に訪れたときには、標準のデフレクターを装備で
SL列車「パレオエクスプレス」を牽引していた
秩父のC58 363。
13.4.5 秩父鉄道 ひろせ野鳥の森-大麻生 (再掲)

「JNRマーク」は国鉄時代、485系や583系の先頭車側面などにも入れられていて、私としてはSLのデフよりも、そっちの印象が強くて懐かしい。しかし近年のリバイバルブームで国鉄特急色が各地で復活するものの、このJNRマークまで忠実に再現されていたのはJR九州の485系とJR北海道のキハ183系(すでに廃車)くらいでした。

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昨年5月に撮影したJR九州の485系。
JRの現役車両でJNRマークが入っているのは
このDo32編成くらいかな?
上・12.4.28 日豊本線 大神-杵築
下・12.4.30 鹿児島本線 小倉
(ともに再掲)

シャープでスピード感のあったJNRマークは国鉄時代当時からとても好きなデザインで、それだけに丸みの帯びたJRマークへ差し替えられたときには、少なからずショックを受けたものでした。そんなJNRマークが現代に復活。しかもJRの特急車両ではなく、まさか秩父鉄道のSLで見られるなんて・・・。SLに疎い私には、この「JNRデフ」に関する謂われや、現役時代にこの装備を施していたカマ(機関車)などの詳細はよく解りませんが(どうやら秩父のSLと同型機で、かつて北海道で活躍していたC58 33を模して復刻したものらしい)、写真を見る限りこれはとてもカッコイイ (・∀・)! 前述したように私は秩父鉄道を4月に撮影したばかりで、訪れるにはかなり短いスパンになるけれど、この「JNRデフ」は6月いっぱいの限定装備。では、いつ撮るかって・・・щ(゚д゚щ)今でしょ!(って、このフレーズも、もうすでに古くなってきたような・・・^^;)

んなわけで、今回は二ヶ月ぶりの秩父へ。


6月1日(土)

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今回は西武池袋・秩父線経由で秩父へ向かいます。
乗るのは10000系ニューレッドアローの特急「ちちぶ」。
西武池袋線 所沢

だいたい私が秩父鉄道を訪れるときのパターンとしては、東武東上線で寄居か、4月のように高崎線で熊谷へ出て、寄居や長瀞周辺で撮影し、秩父から西武秩父線で帰るという反時計回りが今までの定番。しかし今回は少し撮影地に変化をつけてみようと、目的地をいつもよりも西側(三峰口方向)にある白久あたりを考えています。となると、東上線や高崎線よりも、いちばん西にアクセスする西武線で入る方が効率いい。でも、都心の池袋からダイレクトに秩父へ行くことができる西武線の快速急行は、ハイキング客でけっこう混雑するんだよなぁ・・・(´~`;)ウーン。私のように途中の所沢から乗りこむ場合は座れないことも大いに考えられます。そこでちょっと贅沢だけれど、今回は途中駅からでも確実に座れる、全席指定の有料特急「ちちぶ」をチョイス。ちなみに贅沢といっても、特急券は乗車券にプラス500円(所沢~西武秩父)程度で、ウチの最寄り駅からだとJRの普通乗車券で熊谷へ出るよりも、ずっと安く済みます。特急ならではの快適なリクライニングシートに身を委ね、所沢から約一時間で西武秩父着。

国分寺0719-(西武国分寺線)-東村山0730~0732-(西武新宿線)-所沢0736~0753-(ちちぶ5号)-西武秩父0852

西武秩父は秩父鉄道との接続駅ですが、秩父鉄道側は御花畑(おはなばたけ)の駅名で、この西武秩父とは少し離れており、本来はいったん西武の改札を出て一般道を渡らなくてはなりません(乗換所要時間は5分程度)。しかし、私が乗った特急「ちちぶ」に接続する三峰口行きは、西武の車両を使用した西武秩父を経由する直通電車で、御花畑まで歩かずに乗り換えを容易に済ますことができました。( ̄∀ ̄ )ラッキ

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特急の乗り継ぎで待機していたのは、
西武線から直通する、秩父鉄道の三峰口行き。
もともとこの列車の始発駅は西武池袋線の池袋で、
私が初めに乗ろうと考えていた快速急行の末端部分にあたります。
使用車両はボックスシート装備の西武4000系。
西武秩父線 西武秩父

西武線からの連絡線(渡り線)を通り、秩父鉄道へと入った三峰口行き。この電車に乗り続けていると、目的の撮影地がある白久に着くのは9時15分。昼過ぎに通過するSL「パレオエクスプレス」までには、まだ三時間以上もの時間があり、いくらなんでも早すぎます。ならば、もっとゆっくりと家を出てきてもよかったのですが、せっかく秩父鉄道の撮影へ行くのに、お目当てが「パレオ」だけではもったいない。そう、もちろん私のもう一つの狙いは、引退危機にある1000系。「パレオ」の通過前に一本でも撮れればめっけもんです。そう考えて私が下車したのは、白久の一駅手前にある武州日野。

西武秩父0957-(秩父鉄道S1)-武州日野0911

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立派な木造駅舎の武州日野。
基本的に全てが有人駅(業務委託含む)の秩父鉄道では、
山間の小さな駅でも駅長室の看板が見られます。
秩父鉄道 武州日野

この武州日野駅の裏山には小さな神社があって、ホーム脇(改札外)にあるその参道・・・というか、獣道のような細い山道には幾重にも鳥居が建てられています。その鳥居と列車を絡めた写真を以前にソネブロ仲間のgardenwalkerさんが撮られており、私もかねてから一度は行ってみたいと思っていた撮影ポイントでした。

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武州日野駅脇の細い道に連なる鳥居。
そこをあがってゆくと、とても小さな風穴神社があります。

初夏の緑に囲まれた細い参道は、なかなかいい雰囲気。ここでしばらく1000系を待ってみたいと思います。ただし一つ不安材料となるのが、この区間は秩父鉄道でも末端の部分にあたるため、手前にある影森止まりなどの途中駅で折り返す運用に1000系が入ってしまうと、ここには現れません。そういえば4月に1000系を撮りに来た時は、大半が影森止まりの運用だったよなぁ・・・。でも、先週の「ONE-shot」で紹介したラッキーコラボのように、自分で言うのもなんですが、何となく最近は鉄運があるような気がします ( ´_ゝ`)フーン 。何の根拠もないけれど、きっと一本くらいは1000系が来てくれるさ・・・と、楽観的に思っていると、そこへ現れたのは! Σ(゚∀゚)オッ! ・・・もう、おなじみの「東急さん(元・東急車)」 (´д`)ナーンダ…。ま、そんなもんだよね。

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緑深い参道の鳥居をかすめて走りゆくのは、
元・東急8090系の7500系。
秩父鉄道 武州日野付近

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続く上り列車も、東急さん。
今度はヨコ位置で撮ってみましたが、
覆いかぶさるように木々の緑が入るタテ位置の方が
個人的には好みかな・・・。

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次に見えてきた下り列車は木々の隙間から
白い屋根がチラッと見えたので、
思わず「白1000か!?」と期待するも、
現れたのは先ほど私が乗ったのと同じ、直通列車の「西武さん」。
少し森に入って、参道を見下ろすようなアングルにしてみました。

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4連の西武4000系はホームの有効長ギリギリに停まるため、
後部は参道のすぐ真横になります。

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武州日野には止まらずに通過してゆく、急行「秩父路」。
この6000系は元・西武101系を改造して誕生した車両で、
言ってみれば、これも「西武さん」(^^;)。

う~む、東急さんや西武さんばかりで、いっこうにお目当ての国電さんが来ない。数を減らして、今や三編成のみとなった1000系、やはり捕まえるのはそう簡単なものではないか・・・(・ω・`)。でもそんな状況で、実は確実に1000系が運用に就くという列車がこの日は存在するのです (=゚ω゚=)ナヌ!? 。それは今月(6月)の土休日に全線(羽生~三峰口)を通して運転される「俳句展示列車」。その名の通り、俳句コンテストで入賞した句を車内に展示する企画列車(運用上はただの普通列車)で、この列車には嬉しいことにスカイブルーの1000系(1001F)がヘッドマーク付きで限定使用され、運転時刻も秩父鉄道のHPで公表されています。な~んだ、それならばこの列車を鳥居アングルで撮れれば・・・と言いたいところなのですが、問題はその運転時刻。よく調べてみると、この「俳句列車」こと1523列車はSL「パレオエクスプレス」の前走り運用にあたり、その差はわずか15分しかありません。もしも「俳句列車」をこの神社で撮るとすると、徒歩鉄の私には他への移動時間が無くなり、続く「パレオ」もこの撮影地で撮ることになってしまいます。鳥居アングルはたしかにいいポイントではあるけれど、ここで「パレオ」を撮ったら肝心の「JNRデフ」が鳥居の柱とカブってしまいそう・・・(-"-;)ウーム…。やはり今回の本命はあくまでも「パレオ」の方なので、それはデフが解るようにスッキリとしたところで撮りたい。となると、残念ながら鳥居アングルでの青1000は諦めざるを得ないという結論になりました。でもそれならば、もう割り切って神社からは撤収し、「俳句列車」も「パレオ」と同じ場所で撮ったほうがよさそうです。そこで私は少し余裕をもって「俳句列車」の二本前の電車に乗り、白久へ移動することを決めました。ところが、撤収して武州日野のホームで下り列車を待っていると、入ってきたのは・・・この電車。Σ(゚Д゚;)ナニッ!

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ホーム脇の鳥居を横目に、
白1000こと、秩鉄色1000系(1010F)が登場!
秩父鉄道 武州日野

あああ、白1000・・・ (´Д`;)。あと一本粘っていれば、鳥居アングルでコイツが撮れたのね・・・orz。でも情弱の私からすると、1000系がどの運用に入るのかなど把握できず、いつ来るかはまさに時の運のようなもの。こればかりは仕方ないか・・・。ここは気持ちを切り替えて、残り少なくなったこの1000系に乗れることを喜びましょう(たった一駅だけどね ^^;)。

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青いモケットのロングシートが並ぶ1000系の室内。
その様相は国鉄101系時代から、
ほとんど手が加えられていません。

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そして天井でぶんぶん回っていた扇風機の中央には、
あの「JNR」マークが。
C58のデフを見る前に、早くもマークと対面しちゃいました(^^)。

武州日野1127-(1519)-白久1131

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奥秩父の山里にある白久駅。
近くには温泉(白久温泉)があるとのこと。
秩父鉄道 白久

1000系に揺られてやってきたのは白久。この駅の下り方には大きくカーブを描く築堤があり、秩父鉄道のなかでも超ド定番といわれる撮影地のひとつです。ここは当然ながら同業者で混み合うことも予想される場所なので、もし立ち位置に余裕が無ければ、少し離れたサイドから「JNRデフ」が解るように撮れればイイや・・・と思いながらも、まずは定番ポイントの踏切へ行ってみると、意外にも先客は少なめ。あっさりといい場所を確保できちゃいましたヽ(・∀・)ノワーイ 。近くで待機していた方とお話ししてみると、どうやらこの日は高崎線で秋田新幹線用E6系の甲種輸送という大ネタがあり、けっこうそっちに流れたのではないかとのこと。ちなみに私はその輸送情報すら知らなかったよ・・・(^д^;)(ソネブロ仲間では、ゆるキャラさんtwingo583さんが、しっかりとこのE6系甲種を記録されています。う~ん、さすがだなぁ・・・)。あと、鈍足の「パレオ」の場合はクルマでの追っかけが利くので、終点に近いこの場所は通過直前で一気に撮影者が増えるとも言っておられました。なるほどね・・・。

そんなお話を伺いながら、私は列車の通過時刻を再確認。予定では二本後の下り列車に例の「俳句列車」、そして三本後が本命のSL「パレオエクスプレス」なので、まずは次に来る一本目の列車で、ある程度のアングル調整をしておく必要があります。どうせ東急さんだろうと思いつつ、試し撮りのつもりでカメラを構えていると、カーブの向こうから見えてきたのは・・・あっ!

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初夏の秩父路を行く、国電復刻色の1000系(1003F)。
緑濃い山に鮮やかなオレンジ色が映えます。
秩父鉄道 白久-三峰口

チューオーセン、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!! 
鳥居アングルで見放されていた1000系、ここにきて、まさか白とオレンジが連続で来るなんて・・・って、あれ?ちょっと待てよ  σ(゚・゚*)ンート…、たしかこのあとの上りはさっきの白が折り返して来るハズで、さらに次の下りは「俳句列車」だぞ!? と、いうことは・・・

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今度は逆方向から白1000が走り去ってゆきます。
秩父鉄道 白久-三峰口(後追い)

チチブノシロイヤツが、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
さらに・・・

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そして予定通り
「俳句列車」のヘッドマークを掲げて現れたのは、
スカイブルーの1000系(1001F)。
秩父鉄道 白久-三峰口

ケーヒントーホクセンも、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!! 
オレンジ、白、青の現役1000系が立て続けに三連チャン。これぞまさしく、秩父鉄道版「ジェットストリームアタック」! アヒャヒャヒャ(゚∀゚≡(゚∀゚)≡゚∀゚)ヒャヒャヒャ (・・・なんのこっちゃ)。このうち一本でも鳥居アングルで撮れていれば・・・は、言いっこなしで、これは素直に嬉しいラッキーサプライズでした。そんな思わず本命が霞んでしまうほどの1000系による華麗な連続攻撃(?)を受けたのち、一息ついたところで、山あいに汽笛が響いてきました。もう一度気を引き締め直してファインダーに集中。いよいよ今度は、ラスボスとも言うべき「黒いヤツ」を仕留めます(もう、意味解らん)。

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築堤上に姿を現した、
C58 363牽引のSL「パレオエクスプレス」。

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ドラフト音を響かせて、力強い走りを見せるC58 363。
もう少し煙を期待したいところでしたが、
まわりの民家に配慮して、あまり煙をはかないとされる
秩父鉄道では、こんなものなのかな・・・。

おお~スゴい迫力!やはり間近で見る蒸気機関車の重厚感は、電車とはひと味もふた味も違います!ε=(°ω° ) ムフーッ!  私の場合、ふだんあまりSLを撮らないだけに、余計に新鮮味を覚えます。でも肝心の「JNRデフ」はといえば・・・少しでもサイドを目立たせようと、1000系よりちょっと引き気味のアングルで構えてみたのですが、反射もあって思ったよりも解りづらい。う~ん、さすがラスボス、一筋縄ではいかない・・・。ならば、これならどうだっ! ε-(`・ω・´)フンス!

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C58 363のデフに燦然と輝く、JNRマーク!

ズームリングを広角側に回して、目一杯引き付けてみました。これならば「JNRマーク」もバッチリ~ヽ(´▽`)ノワーイ♪ ・・・ですが、ちょっと引き付けすぎたかな?(ギリギリ、フレームには収まっていますけどね・・・^^;)。実ははじめから狙っていたのは、この広角で引き付けた方だったので、カッツカツながらも個人的にはほぼ思い描いていたとおりの絵が撮れて大満足です (^^)。去り行くSLの残り香を嗅ぎながら余韻に浸って、ホッと一息・・・している余裕はなく、急いで撤収して築堤の反対側へ ε=ε=ε=┏(; ゚Д゚)┛アセアセ 。そう、今の「パレオ」と交換して次にやって来る上り列車は、先ほど下った「俳句列車」の青1000なのです。

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三峰口から戻ってきた青1000「俳句列車」。
こちらの上り方先頭車にはパンタグラフがなく、
尾灯脇にはジャンパ栓受けの跡が残っているなど、
さらに国鉄101系っぽさが色濃く残ります。
ちなみに写真を見ると中間車の側窓が開いているのが
お解りいただけると思いますが、
これは中間車のみが非冷房であるため。
秩父鉄道 三峰口-白久

「俳句列車」の運用は前述したようにHPで公表されていたので、この時刻に戻って来るのはあらかじめ解っていましたが、それにしても先に下ったオレンジではなく、あとから下った青の方が先に戻って来るあたりは、さすが難解な秩父鉄道の運用といったところ (^^;)。

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開いた踏切から停車中の正面をでーんと撮ってみました。
引退危機にある1000系のうち、
この青が熊谷の側線に留置されている姿を
やなぼーさんのブログで見て心配していましたが、
どうやらこの「俳句列車」の準備をしていたようですね。
(やなぼーさん、早とちりしてしまってスミマセン^^;)
秩父鉄道 白久

さて、ここ白久は秩父鉄道の終点である三峰口のひとつ手前にある駅。せっかくここまで来たのならば、三峰口まで行ってみることにしました。いま下った「パレオ」は三峰口で折り返し運転に備えて待機しているハズで、ウマくすると「JNRデフ」を装備したC58 363をじっくりと眺めることができるかもしれません。さっきはファインダーに集中していて、よく見られなかったし・・・。

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白久に入ってきた下り列車は、東急さん。
もちろん1000系が来るはずは無いのですが、
そういや、最近「三田線(現・5000系)」を
見かけない気がするなぁ・・・。
秩父鉄道 白久

白久1321-(1525)-三峰口1328

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秩父三社の一社、三峯神社の玄関口である三峰口。
木造平屋の駅舎は「関東の駅百選」に認定されています。
秩父鉄道 三峰口

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構内を見渡すと、
ちょうどC58 363が入換作業の真っ最中。
「JNRデフ」がなかなかお似合いじゃないですか。
オオ!(゚∀゚)カコイイ!!
秩父鉄道 三峰口

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一瞬、こんなコラボも見られました。
これぞまさに国鉄時代!?

私が三峰口に着いたときには、すでに転車台による「回転ショー」(方向転換)は終わっていましたが、なんとか入換中のC58 363を記録することができました。わずか15分の滞在時間内で、これが撮れれば上出来です。慌ただしくも、すぐに乗ってきた東急さんの折り返しで、再び白久へと戻ります。

三峰口1343-(38)-白久1346

次に狙うのは「パレオエクスプレス」の復路。何も往復を同じ白久で撮らなくても良さそうなものですが、もうひとつ「JNRデフ」のC58で撮りたいと思っていた撮り方に、この築堤ポイントは打ってつけだったのです。その撮り方というのはズバリ、サイドからの流し撮り。この撮り方は秩父鉄道沿線にお住まいでソネブロ仲間のやなぼーさんが先にチャレンジしておられ、私はそれを見て大いに刺激を受けてしまいました。ただし、往路で確認したところ「パレオ」の通過速度はとても遅く、せいぜい30~40キロ程度。走る列車に合わせてカメラを振る流し撮りは、列車の速度が遅い方が撮りやすいように思われがちですが、実は遅すぎると背景があまり流れてくれずに効果が出にくい。そこで列車の速度に合わせてカメラ側のシャッタースピード設定も遅くする必要があるのですが、シャッタースピードを遅くすればそれだけブレるリスクが大きくなり、成功率も低くなってしまいます。流し撮りは新幹線のような高速列車を追うのも難しいけれど、SLのような遅い列車を写し止めるのも、案外難しいものなのです。そして私個人的には「一桁の壁」というものがあって、流し撮りでシャッタースピードが一桁(分の一秒)になると、格段に成功率が低くなってしまいます。1/8sec位まで落とせると背景がきれいに流れてくれそうですが、ブレずに止める自信がない・・・。そこで今回は1/8secから一段上げた1/15secに設定。練習する列車は一本もなく、ぶっつけ本番で臨みます。でも、あまり気合いを入れすぎて肩に力が入ると、滑らかにカメラを振れずに失敗するので、リラックス、リラックス・・・ε-(*´ο`*)フウゥゥ…。さあ、結果やいかに!?

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新緑に包まれて、軽やかに駆け抜けるC58 363。
秩父鉄道 三峰口-白久

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「JNRデフ」をメインに、先頭部を引き付けます。
煙が無いのが惜しい・・・。

なんとかブレずに止まってくれました~\(≧∇≦)/イエイ♪ 。SLをサイドから撮る場合、はたして車体のどこまでを入れるべきなのか悩みましたが、テンダー(炭水車)まで入れると間延びして迫力に欠けそうだったので、一枚目は機関車本体を、二枚目は引き付けて「JNRデフ」のある先頭部を狙ってみました。でも、これってひょっとすると蒸気機関車を撮り慣れている方からしたら、変な切り取り方だと思われるかもしれませんね (^^;)。そして残念なのは、やはり煙がまったく無かったこと。まあ、もともと秩父のSLは煙を出す量が少ないといわれているし、そもそもここは下り坂なので煙が出るはずも無いのですが、私のなかでは他に流し撮りに適した引きが取れる、上りの撮影地が思い浮かびませんでした・・・。それでも第一目的の「JNRデフ」はしっかりと記録できたのでヨシとしましょう。今度は上越線の後閑あたりで、煙モクモクのC61 20などを流してみたいものですね。

これで白久での撮影は終了。すぐに駅へ戻って続行の上り電車へと乗りこみます。実は次に目指す所へ行くにはあまり時間がないのです。この普通列車は途中の長瀞で先行する「パレオエクスプレス」を追い抜くため、もう一発撮影ができる「追っかけ」が可能なハズ。となると、次に私が目指すのは長瀞以東の撮影地・・・かと思いきや、私のお目当てはコレでした。

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秩父名物の「豚みそ丼」!
備長炭で香ばしく焼いた豚ロースの味噌漬けが、
豪快に盛られた、ボリューム満点の丼です。
(゚д゚)ウマー

ああ~、間に合ってよかった。実はここ、ランチタイムは三時までなんですよね~(´▽`*) ・・・って、「パレオ」を追っかけんじゃないんかい!ヽ(`Д´#)コラッ! というツッコミが入りそうですが、秩父へ行ったならば、ぜひこの「豚みそ丼」を食べてみたかったのです。実は以前の秩父鉄道撮影で「秩父名物・豚ロース味噌漬け あります」という幟を街中で見かけたものの、それは飲食店ではなくお肉屋さんで売られていたお土産品でした。そこで、この名物が地元で食べられるお店は無いのかと、先出のやなぼーさんに伺ったところ、西武秩父駅前にある、この「野さか」さんをおススメされたのです。さすがに地元の方が進めてくださるだけあって、とても美味しくて大満足。SLの追っかけよりも「豚みそ丼」を優先するとは、なんともユルい撮り鉄ですが、これが私のスタイルなんです(^^)。

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満腹状態でお店を出る頃には、営業終了の看板が・・・。
「野さか」さんの営業時間は11:00~15:00。
乗ってきた電車は御花畑14:43着だったので、
まさにギリギリでした。


ところで、ちょっと時間は前後しますが、白久から乗った上り列車は午前中に三峰口へ下って行ったオレンジの折り返し。撮り鉄的には「パレオ」の追っかけだけでなく、このオレンジを白久周辺の撮影地でキッチリと撮るという選択肢も別にあったわけですが、やはり「豚みそ丼」の誘惑には勝てず、コレに乗ってお店のある御花畑(西武秩父)へと向かってしまいました。

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カーブを切って白久のホームへ入って来た
オレンジ1000こと、1000系1003F。
お手軽な駅撮りですが、
小さな第四種踏切との組み合わせは、意外といいかも。
秩父鉄道 白久

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先ほど乗った白1000の時とは異なり、
適度に座席が埋まっていたオレンジの車内。
やはり通勤形電車はこのくらい賑やかな方がしっくりきます。
乗ったのは前述した「非冷房」の中間車 (天井にも注目)。

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元・国電101系の車内には、
思わずカメラを向けたくなるような
懐かしいアイテムがいっぱいです。

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子供の頃、連結部の妻面にある窓を開けて、
下を眺めるのが結構好きでした。
考えてみたらいま、妻面に窓のある電車って、
少なくなったように思います・・・。

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御花畑で下車し、オレンジ1000を見送ります。
これが最後の乗車機会なんてことに
ならなければいいけれど・・・。
秩父鉄道 御花畑(開いた踏切から撮影)

白久1321-(1540)-御花畑1443


どちらかというとSLは門外漢な私が、「JNRマーク」見たさに訪れた今回の秩父鉄道。言ってみれば秩父鉄道の「客寄せ策略」にまんまとハマってしまったような形ですが、やはり直に見た「JNRデフ」装備のC58はカッコイイと思ったし、さらに1000系の三連チャンというオマケまで付いてきて、大いに実りある秩父鉄道訪問となりました。武州日野の鳥居アングルで1000系を撮れなかったのが、ちょっと心残りですが、それはまた次への課題とすることにしましょう(う~ん、秩父に課題を残すと、やなぼーさんが喜んじゃうなぁ・・・^^;)。

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今回は往復ともに同じ西武秩父線ルート。
行きは特急「ちちぶ」を使いましたが、
帰りはもちろん、普通列車を利用します。
西武秩父線 西武秩父

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途中の横瀬で交換した特急「ちちぶ」は、
特別塗装の「レッドアロー・クラシック」。
これは、私が今年のGWに富山地鉄で会ってきた
先代「レッドアロー」こと、5000系の塗装を復刻したものです。
西武秩父線 横瀬

西武秩父1538-(西武秩父線)-飯能1624~1625-(西武池袋線)-所沢1648~1650-(西武新宿線)-東村山1653~1656-(西武国分寺線)-国分寺1708

 

☆6/7追加☆
いつもお世話になっているソネブロ仲間のまー坊さんより、「C58の写真を壁紙にしたい」というご要望をいただきましたので、一般的な壁紙サイズ(2048×1536)の写真をご用意いたしました(私の使用しているカメラと壁紙の縦横比率を調整するため、上下に黒枠を入れています。何せ一枚目などは、まったくトリミングの余地がないほどのカツカツ写真なので・・・^^;)。このような拙い写真でよろしければ、個人的にお使いになるぶんには、どなた様でもご自由にダウンロードしてくださって結構です(写真をクリックすると拡大画像が表示されます)。ただし、弊ブログの画像データファイルにはあまり空き容量に余裕がないので、これは数日間限定の掲載とし、その後はブログ上から削除させていただきます。ダウンロードはお早めに。。。

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