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外房線・・・115系「白い砂」撮影記 [鉄道写真撮影記]

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2013.07.06
外房線
「房総夏ダイヤ」の名物列車が復活!
115系「快速 白い砂」 撮影記

 

関東地方では梅雨が明け、いよいよ夏本番 ε-(´o`;Aアヂィ… 。 もうこの暑さで、海開きとなった海水浴場も多いのではないでしょうか。海水浴への足といえば、今はクルマ派が主流で、鉄道利用はどちらかというと少数派なのが現状。しかし一昔前までは、夏になると海水浴客をターゲットにした臨時列車が多数運転されていて、なかでも千葉の房総半島を走る内房線と外房線には「夏ダイヤ」と呼ばれる海水浴シーズンに対応した特別ダイヤが設定されていたほどでした(時刻表では色分けされて、巻頭に特別編集で掲載されていましたっけ)。その「夏ダイヤ」で、特急列車や急行列車を補完する形で運転されていた、夏の定番ともいうべき快速列車が、内房線の「青い海」と外房線の「白い砂」。どちらも近郊形普通列車用の113系(もしくは急行形の165系)が使用され、車内設備などは特急に及ばないものの、特別料金不要という設定で人気の臨時列車でした。

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113系で運転されていた、外房線の臨時快速「白い砂」。
この写真は、かつての「夏ダイヤ」全盛期のものではなく、
今から三年前の夏臨で、一時的に復活運転された時のもの。
10.08.07 外房線 上総一ノ宮-東浪見(再掲)

そんなかつての名物快速が今夏、それぞれ一日限りで復活運転されることになりました。もちろん運転線区は当時と同じように、「青い海」が内房線、「白い砂」が外房線です。とはいえ、これは両列車名を使った事前募集制の団体列車で、現役当時のように誰もが乗れるような、本当の快速列車ではありません。しかも、113系や165系がすでに引退してしまっていることから、今回使用されるのは同じ色(スカ色)をした115系(豊田区のM40編成)。113系と115系は似て非なるもので、厳密にいえば山スカと呼ばれる山岳線区用の115系を「青い海」や「白い砂」に使うのはおかしなことなのですが、113系が引退してしまった今となっては、そんな贅沢も言っていられないか・・・(´・∀・`)ソーヨネ 。

今回のリバイバル列車は、初日の土曜日(7/6)に外房線の「白い砂」(両国~勝浦経由~安房鴨川 往復)、二日目の日曜日(7/7)が内房線の「青い海」(両国~木更津経由~舘山 往復)というスケジュール。「白い砂」の方は上写真にも載せたように、三年前の夏にも一度撮影しているし、個人的には内房線の「青い海」のほうが現役時代によく利用していた馴染みもあるので(ウチの家族は、内房線で行く岩井海岸が海水浴の定番でした)、できれば「白い砂」より「青い海」の方を撮りたかったのですが、日曜日は半日しか都合がつかずに遠出はムリ (-"-;)ヴーン。悩んだ末に、私は土曜日に運転される外房線の「白い砂」の撮影を選択しました。やっぱり撮影に出かけるならば、のんびりと余裕を持って楽しみたい。

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今回は撮影を見送った内房線の「青い海」。
これはまさに「房総夏ダイヤ」で運転されていた当時のもので、
急行形の165系が使用されていました。
87.8 総武本線 船橋


7月6日(土)

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千葉から乗る外房線の普通列車は、おなじみの209系。
総武本線 千葉

山スカ115系で運転される快速「白い砂」。やはりその列車名のとおり、海をバックに走るような撮影地を選びたいところ。しかし、実際に乗ってみると解りますが、意外とこの外房線や内房線は車窓から海が見えるところが少なく、海バックの撮影地もかなり限られます。外房線の海バックでパッと思い浮かぶのは、安房天津と安房鴨川の間にある陸橋上から見下ろす有名ポイントくらいで、おそらくそこには同じ考えの同業者が集結することでしょう。イチかバチかその撮影地を目指してみるってテもありますが、もしキャパオーバーで撮る場所が無いとなると、私のような徒歩鉄の場合は他に代替の撮影地を探すのがかなりキビシい(しかもその撮影地は最寄り駅からかなり遠いしね)。そう考えると、数少ない海バックポイントへ行くのはリスクが大きく、さらにこの日は青空があまり期待できないような曇天であったことから、ここは海バックをスッパリと諦め、無難に正面のヘッドマークが解るように撮れるポイントへと向かうことにしました。千葉から普通列車で一時間半、私が降りたのは御宿(おんじゅく)。

新宿0746-(中央線)-御茶ノ水0756~0757-(総武線)-錦糸町0807~0813-(総武快速)-千葉0843~0853-(外房241M)-御宿1007

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白壁に赤い瓦屋根、きれいで清潔感のある御宿駅。
かつては御宿というと、
房総の海水浴場のなかでも、とくに若者の人気が高く、
オシャレなスポットに例えられていた頃がありました。
外房線 御宿

御宿の駅から、あらかじめ調べてきた撮影地までは直線距離にして約1.5キロ。道に沿って歩くと30分弱といったところです。すごく遠いワケはないけれど、決して近くもないなぁ・・・ε-(‐ω‐;)フゥ… などと思いながら、いざ歩き始めようとしたとき、ふと目に留まったのは駅舎脇にある観光案内所。よく見るとそこには「レンタサイクル」の張り紙が掲げてあるではありませんか!(゚∀゚)オオッ! はたして台数に余裕があるのか尋ねてみたところ、すぐにでも貸し出しOKとのこと。これは思わぬラッキーで、体力的にも時間的にも助かるだけでなく、行動範囲も格段に広がります。ワァイヾ(゚д゚*三*゚д゚)ノワァイ

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徒歩鉄の強い味方、レンタサイクル(エコバイク)。
ここ御宿観光案内所での貸し出し料金は、一日1200円。
時間制だと2時間400円で、
以降30分ごとに100円の超過料金がかかります。

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自転車のカゴに掲げられているイラストは、
御宿のゆるキャラで、その名も「エビアミーゴ」!
(ゆるキャラさん、情報ありがとうございます ^^)。

しかも、貸し出された自転車は、電動アシスト付き(電チャ)。電チャといえば、先月にいすみ鉄道の大多喜で借りた際にはバッテリーが充電されておらず、電チャの性能がまったく活かされなかったという、苦い経験がありました。もちろん今回は真っ先にバッテリーをチェック。しっかりとFULLになっているのを確認して、出発進行。充電された電チャ(・・・って、本来はそれがふつうなんですけれど)は、快適そのもので、徒歩30分を見込んでいた撮影地まではわずか10分。汗ひとつかかずに到着です (・∀・)ラックチーン♪ 。 さっそく撮影地では数人の先客に挨拶して、私も横へと加えていただきます。

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まずはE257系の特急「わかしお」が通過。
国鉄時代からの183系を置き換えて、
すっかり房総特急の顔となった同車ですが、
個人的にはあまり好きな顔立ちではありません・・・(^^;)
外房線 浪花-御宿

このあたりは単線となる外房線。トンネルを出てカーブしてきたところを、跨線橋上から正面気味に狙います。この角度ならば「白い砂」のヘッドマークが解りやすいはず。海は見えないけれど、なかなかいい撮影地です。
前述したように今回の「白い砂」は団体列車で、詳細な途中駅の通過時刻などは公表されておらず(少なくとも私が知るかぎりでは)、解っているのは千葉10時50分発、安房鴨川12時35分着という大雑把なものだけ。それでも市販の時刻表と照らし合わせて見ると、今私がいる御宿から安房鴨川までの所要時間は、普通列車で約30分ということがわかりますので、ある程度の目安は立てやすい。ここの通過はだいたい正午過ぎくらいかな・・・と踏んでいたところ、まさに正午を知らせる役場のチャイムが鳴り終えたと同時に、トンネルからヘッドマークを掲げたスカ色の電車が飛び出してきました。

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同じスカ色でも、現役時代とはちょっと塗り分けが異なる!?
山スカ115系で運転された快速「白い砂」。
でも雰囲気は損なわれておらず、
なかなかいい感じのリバイバル列車じゃないですか (^^)。

外房線に快速「白い砂」が復活~ヽ(´▽`)ノワーイ♪! たとえそれが113系ではなく、115系であっても、そして乗客の大半が海水浴客ではなく、鉄ちゃんばかりであっても(笑)、やはりこの「房総夏ダイヤ」時代を思い起こさせる懐かしい列車の運転は嬉しいものがあります。スカ色に爽やかな白いマークが似合いますね~(^^)。

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すぐに振り返って、後追いも狙ってみました。
真ん中に線路を置く構図が何となくイヤで、
左の緑を多めに入れてみましたが・・・
ちょっと中途半端だったかな? (^^;ゞ
外房線 御宿-浪花(後追い)

後追いを撮りつつ、去り行く姿を見送って、往路(下り)の撮影は終了。今度は二時間後に戻ってくる復路(上り)の撮影に備えます。実は徒歩移動だった場合には、周囲にこれといった撮影地が見当たらないことから、今の後追いを撮ったアングルで、復路の正向きも狙っちゃおうかと考えていたのですが、今の私には電チャという素晴らしい移動手段があります。せっかくならば、これで少し線路沿いを走ってみて、どこか他の撮影地を探してみることにしました。(/*´∀`)o電チャでGO!

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上り方向へしばらく走ると、
御宿の隣駅である浪花に着いてしまいました。
浪花は簡素な造りの無人駅です。
外房線 浪花

先ほどの撮影地から20分程走ったところで、上り方隣駅の浪花に到達。もちろん自転車を漕ぎ続ければ、もっとその先へ行くことだって可能なのですが、レンタサイクルである以上は返却のために御宿へ戻って来なくてはならず、勢い余ってあまり遠くへ行き過ぎると帰ってくるのが大変になります。一駅とはいえ、すでに御宿から浪花の間だけでも、駅間距離にして4.9キロもありますし・・・。そこであまり深追いはせず、この御宿と浪花の間で撮影することに決めました。実はこの浪花へ来る途中に一カ所、良さそうだと思って目星をつけておいた場所があるのです。やってきたのは浪花から御宿方向へ少し戻ったところにある跨線橋。

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その跨線橋上からのカット。
まずは車体に架線柱が掛からない、東側から撮影。
なかなかいい感じだけれど、
左側にある木々のボリュームがスゴいなぁ・・・( ̄△ ̄;)。
外房線 御宿-浪花(後追い)

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続いて跨線橋の西側から撮影。
手前に架線柱が入るものの、午後はこちら側が順光。
こちらの方がスッキリとしているかな?
外房線 御宿-浪花

往路を撮った撮影地に続き、またも跨線橋上からの俯瞰になりますが、この時期は線路際の雑草が生い茂って列車の足回りを隠してしまうため、どうしても高いところから撮る形を選んでしまいます。ここでは上に連ねた写真二枚のように、跨線橋の立ち位置で撮れる画が変わり、本命の「白い砂」をどちらで撮るか悩むところ。でも、先ほどの往路は正面重視で撮影しているので、今度はサイドからスカ色のツートンカラーを際立たせたい。そこで後者(西側)の方を選択して、「白い砂」の通過を待ちます。はじめは私ひとりだったこの場所、マイナーな撮影地なのかと思っていましたが、通過の30分前になると、徐々にクルマで駆けつけた同業者が集結(追っかけかな?)。最終的には10人くらいが集まったので、けっこう知られたポイントだったのかも知れません。やはり皆さんも私と同じように跨線橋のどちら側から撮るかを悩み、しばらくして各々の場所に落ち着いた頃、再び線路上にスカ色の電車が姿を現しました。

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房総の里山に、甲高いモーター音が響かせて快走する、
スカ色の快速「白い砂」。
113系の撤退から早二年が経ちますが、
今でも房総ローカルというと、
このスカ色の電車が真っ先に思い浮かびます。

う~ん、やっぱりこういう素朴な情景には昔ながらの国鉄色がよく似合うなぁ・・・゚+。*・(´∀`*)・*。+゚。順光側から撮ったにもかかわらず、結局は曇られちゃったけれど、私的にはじゅうぶんに満足の行く結果が得られました。これにてリバイバル運転された「白い砂」の撮影は終了です。ちなみに隣で撮影されていた方はこのあと、いすみ鉄道の国鉄形キハを撮りに行くとのこと。クルマで走ると、ここから国吉までは20分ほどなのだそうな。やっぱりクルマだと効率的に動けますね・・・。私はもちろん自転車を返却するために御宿へと戻ります。

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今回私が走った御宿と浪花の間は
ちょうど市境(御宿町といすみ市)で、
途中にはちょっとした峠も越えるのですが、
電チャならば全然ラクチンでした。

さて、「白い砂」の撮影を終えて、あとは外房線の上り列車に乗って東京へと帰るわけですが、やはりここは駅弁とビールでも買って、列車内での反省会(?)を兼ねた、ひとり打ち上げを楽しみたいところ ヽ(´¬`)ノイエ~イ。房総半島といえば、言わずと知れた海の幸の宝庫で、さぞかし名物駅弁も多いハズ・・・と思いきや、御宿の駅には駅弁どころか、キオスクのひとつもありません ( ̄□ ̄;)マジ!? 。 まあ、御宿は特急停車駅ではあるけれど、町の規模はそれほど大きくないからな・・・。それならば下り方の隣駅である、勝浦まで行ってみることにしました。勝浦は全国屈指の港町で、温泉や海中公園など観光施設も充実した、外房線沿線では比較的大きな街。ここなら駅弁も期待が持てます。

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下りの普通列車で勝浦へ向かいます。
御宿のホームには、あまちゃん・・・もとい、
海女さんの像がありました。
外房線 御宿

御宿1437-(255M)-勝浦1443

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勝浦市の中心にある勝浦駅。
駅構内の配線は二面三線、当駅で折り返す列車なども多く、
外房線の運行上の拠点ともなる主要駅です。
外房線 勝浦

しかし、その期待はもろくも崩れることに・・・Σ(゚□゚*)ナニッ!! 勝浦駅構内のキオスクにはシャッターが閉じられ、駅前を見渡しても弁当などが売っていそうな商店は見当たらない。駅の窓口で尋ねてみると、この辺で弁当を扱っているのは、大通りのコンビニだけだという。いくらなんでも、ここまできてコンビニ弁当じゃ味気なさすぎます・・・(´・ω・`)ショボーン。いっそのこと、特急列車に乗れば車内販売で駅弁が手に入るかな? とも考えましたが、たしか今の房総特急って、いっさいの車内販売をやめちゃった覚えがあります。(´Д`;)マヂデスカ…

こうなったら仕方なく駅弁は諦めて、街中で食事を摂ることにしましょう。サザエにアワビ、カツオ、伊勢エビと、目移りしそうなほど名物が多い勝浦(タイトル写真にあるように、街のゆるキャラもカツオがモチーフのカッピーくんだし ^^; )。商店街のお店にもたくさんの魅力的なメニューが掲げられています・・・が、どこも準備中 (ノ_ _)ノズベッ 。さすがに三時じゃどこもやっていないかぁ・・・すっかり昼食難民になってしまいましたε-(‐ω‐;)フゥ…。そんななかで唯一、営業中の札を出していたのが「名物・勝浦タンタンメン」の幟を店先に掲げていた中華料理屋さん。漁港の町なのに担々麺が名物なの・・・(・A・)ハニャ? と思いつつも、他にめぼしいお店は見当たらないし、空腹ももう限界。「( # `∀´)ノ おっちゃん、タンタンメンひとつ!(あと生中っ!)」

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これが勝浦名物の「勝浦タンタンメン」。
一般的な担々麺と違って芝麻醤やゴマみそなどは使わず、
醤油ベースの透き通った汁にラー油が大量に加わり、
具材として炒めたタマネギや豚ひき肉が載せられているのが特徴。
漁師さんや海女さんの冷えた体を温めるために生まれた、
漁師町・勝浦ならではのソウルフード
・・・だそうです。

ためしにすすってみると・・・(°ω°)! ウマい!ウマいじゃないか「勝浦タンタンメ~ン」ヽ( ´ ∇ ` )ノ! 具材になっている炒めタマネギの甘さもあって、はじめはあまり辛さを感じなかったのですが、ラー油の入ったスープを絡めた麺を食べていると、そのうちジワジワと辛さがにじみ出てくるような感じ。私はグルメリポータではないので上手く伝えられませんが、とにかくこれは想像以上の美味しさでした。結局、駅弁は手に入らなかったし、新鮮な海の幸にもありつけなかったけれど、意外な名物で存分にオナカを満たすことができました。でもホンネを言えば・・・やっぱり、海の幸を味わいたかったなぁ・・・(^^;)

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海の幸に比べると、タンタンメンはずっと安く済んだので、
帰りはちょっと贅沢に特急「わかしお」に乗っちゃいました。
といっても、東京までではなく途中の蘇我まで (´A`;)セコッ
(東京までの特急料金は1300円ですが、蘇我までなら900円)。
ちなみに、やはり車内販売はありませんでした・・・。
外房線 勝浦

勝浦1559-(わかしお22号)-蘇我1659~1700-(総武快速)-東京1754


今回の「白い砂」撮影、海バックの撮影地にこだわらないのであれば、何も御宿や勝浦まで行かなくても撮れたはず。ではなぜ、わざわざ遠出したのかといえば、実は撮影ついでに房総のおいしいものを食べたいという目論見があったからでした。しかし、その「白い砂」自体がお昼を挟んだ運転時刻で設定され、撮影後にはどこのお店も閉まっていたというのが今回の結末。やっぱり撮り鉄を優先すると、観光や食事などはウマい具合にはまわれないものですね~(^^;)



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