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烏山線・・・「烏山線90周年風っこ号」 撮影記 [鉄道写真撮影記]

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2013.09.14
烏山線
これぞ烏山線名物、「国鉄色サンド」!?
「烏山線90周年風っこ号」 撮影
  

 

はじめに、先の台風により災害に遭われた地域の皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。

同じ秋の風物詩でも前回のサンマとは異なり、あまり歓迎したくないものが大きな被害をもたらす台風。週末は敬老の日を含む三連休(9/14~16)でしたが、せっかくの連休も台風の接近により、予定の変更を余儀なくされたという方も多いでしょう。とくに今回の台風は勢力を保ったまま本州に上陸する恐れがあると予め報じられており、この連休は遠出することなく、おとなしくしていた方がいいみたい・・・ε=(´Д`;)ハァ…。

しかし事前の天気予報によると、台風の上陸は連休二日目の日曜日から、翌、月曜日にかけてとのことで、初日の土曜日はかろうじて天気が持ちそうです。そこで、土曜日に関東近郊の近場で走るイベント列車に的を絞って、私が目を付けたのは、栃木県にあるJRのローカル線、烏山線。この時期の烏山線ではここ数年、トロッコ型展望車両の「びゅうコースター風っこ」を使った臨時列車が企画されていて、今年もこの土日に運転が計画されています(今年の列車名は「烏山線90周年風っこ号」で、運転区間は宇都宮~烏山)。仙台(小牛田)に所属する「風っこ」は、東北地方を中心に各路線で臨時運行されていますが、この烏山線での運転に際しては、他路線とは違ったちょっと変則的な運転形態をとっていて、私も一度はその「変則列車」を撮ってみたいと思っていたのです。はたしてその変則的な列車とは・・・? そして台風が近づくなか、無事に天気は持ってくれるのでしょうか・・・?


9月14日(土)

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まずは、上野から宇都宮線(東北線)で宇都宮へ向かいます。
とくに記録する必要もないのだけれど、
いちおう出発前のお決まりということで・・・(^^;)
東北本線 上野

烏山線は、栃木県の宝積寺(ほうしゃくじ)と烏山の間を結ぶ20.4キロが正式な路線区間ですが、ほとんどの列車が宝積寺から東北線へ二駅ほど乗り入れて、宇都宮発着となっています。この線は関東近郊としては貴重な全線単線・非電化の路線で、とくに最近ではここを走るキハ40形ディーゼルカーの一部が、懐かしい国鉄色に塗り替えられたことでファンの注目度が高まっており、私も国鉄色目当てに何度か撮影へ訪れています。ならば今回も本命の「風っこ」だけでなく、やはりこの国鉄色キハ40も撮りたいところ。そんな期待を持ちつつ宇都宮に降り立ち、接続する烏山線の入線を待っていると、見えてきたのは・・・お!「タラコ」だ!(゚∀゚)オッ!

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朱色一色で、通称「タラコ色」と呼ばれる、
国鉄首都圏色のキハ40を先頭にした烏山線の列車。
♪ターラコ~o(・。・o)(o・。・)oターラコ~♪
ちなみに先頭部には烏山線90周年を記念した
ステッカーが貼られていました(タイトル写真も参照)。
東北本線 宇都宮

幸先よく、「タラコ」こと国鉄首都圏色に出会うことができました~(^▽^)。烏山線の国鉄色というと、以前に紹介したツートンカラーの国鉄標準色(風)が思い出されますが、最近になって新たにこのタラコ色も復刻色のレパートリーに加わったのです。私が烏山線のタラコを見るのはこれが初めて。ただし、いつものことだけれど、列車利用の徒歩鉄の場合、乗車列車を沿線の撮影地で撮ることはできません。まあ、烏山行きの下り列車は単純に折り返してくる運用なので、その上り列車を沿線で撮ればいいか・・・。ちょうど通学時間帯にあたり、二両の列車はほぼ満員状態で宇都宮を発車。烏山線のキハ40はすべてロングシート化改造が施されていますが、その処置もうなずける混雑ぶりです。烏山線内は前降り(一番前の扉のみが降車口)のワンマン運転となるため、私はなるべく前の方に立ち、烏山線に入って一駅目の下野花岡で下車。

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下野花岡で降りて、列車を見送ります。
後方に連結されていた白+緑は、本来の烏山線色。
烏山線 下野花岡

上野0608-(東北527M)-宇都宮0751~0805-(烏山327D)-下野花岡0827

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下野花岡は一面のみの簡素な構造で、
駅舎はありません。
烏山線 下野花岡

まわりを田んぼに囲まれたような下野花岡駅。ここは駅の近辺でも抜けの良い場所が点在している、徒歩鉄には手軽な撮影ポイントです。しかし、私はこの駅に過去二度の撮影でも訪れており、今回は別の場所で撮ろうと考えていたのですが、はじめに下調べした鴻野山~大金の有名なポイントは、駅から徒歩で30分以上もかかるらしい。だいぶ残暑は和らいできたけれど、やはりまだ気温は高くて、30分も歩くのは正直シンドイ・・・(-ω-`;)ゞ ンーム…。さらに私はこの後、烏山線撮影のついでに別路線での撮影も企てていたこともあって、効率よく移動するにはこの下野花岡近辺がベストだったのです。ただし同じ場所でも過去二度の時と違うのは、沿線の田んぼが収穫前の稲穂で黄金色になっていたこと。せっかくなので、これをウマく絡ませて季節感を出したいと思います。日中は一時間半に一本と列車の運転本数がそう多くない烏山線、さっそく次の下り列車が本番の「風っこ1号」で、やがて広大な田園の向こうから特徴的な「変則編成」の列車が見えてきました。

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黄金色の田んぼに姿を見せたのは、
先頭に国鉄標準色、後方をタラコ色にサンドされた、
緑色の展望車両「びゅうコースター風っこ」。
烏山線 宝積寺-下野花岡

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首を垂れた稲穂を強調すべく、広角でもう一枚。
実りの秋を迎えた烏山線に、賑やかな列車が走り抜けてゆきます。

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もちろん、後ろのタラコ側も撮影。
ゆっくりとした足取りで、烏山へ向かいます。
烏山線 下野花岡-宝積寺(後追い)

国鉄色サンドの「風っこ」が撮れました~ヽ(´▽`)ノワーイ♪
そう、烏山線ならではの変則的な編成とは、この両端を国鉄色キハ40に挟まれた、「国鉄色サンド」のこと。実はこの臨時列車は、本来の定期列車のスジ(運転経路・時刻)をそのまま使用しており、先頭の一両目(ツートン)は一般客も利用可能な普通列車(当然、自由席)、二・三両目が全車指定席の臨時列車「烏山線90周年 風っこ号」、そして後方の四両目(タラコ)は「風っこ」利用者の控室(東北線の電化区間にあたる、宇都宮から宝積寺の間は窓のない「風っこ」には乗れず、この控車で待機することになります)という構成になっています。両端の一般車が烏山色ではなく、二種の国鉄色が使われているのは、粋な計らいと言ったところでしょうか(^^)。残念ながらお天気の方は、時折薄日が差すようなことはあったもののスッキリと晴れるようなことはなく、通過時も曇り状態でした。しかし台風の影響で風が強いせいか、雲は流れつつあります。折り返して二時間後に戻ってくる上り列車(2号)の頃には、日が差してくれるかな?

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往路の撮影を終えて、
地面に置いてあったカメラバックを見ると・・・
カエルさんが二匹も乗っかっておりました  Σ(゚∀゚ノ)ノ アラ!?
(カエルが苦手な方もいらっしゃると思いますので、
ここでは画像を小さく表示しています。
クリックすると、いつもくらいの大きさで表示されます)。

前述したように、今の「風っこ1号」は定期の普通列車も兼ねているので、次の下り列車はさらに一時間半後となります。これでは他の区間へ列車で移動して撮影するのは難しいので、引き続きこの下野花岡と宝積寺の間で撮影ポイントを探すことに C=C=C=┌( ・ω・)┘トコトコ…。宝積寺方向へしばらく進むと、やがて線路は高台の築堤に上がりました。この付近にも刈り取り前の稲穂が残されていて、なかなかいい感じに撮れそうです。まずは私がここへ来るときに乗ってきた、タラコの普通列車を狙います。

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築堤上をゆく、烏山色+タラコ。
タラコと標準色の国鉄色は、ともに二両ずつあるので、
「風っこ」のみならず、普通列車でも国鉄色絡みが楽しめます。
見上げるような形になるこのアングルでは、
できれば青空バックで撮りたかったところ・・・。
烏山線 下野花岡-宝積寺

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さらに折り返してきた同編成は、稲穂の方に焦点を合わせてみました。
この田んぼの稲はまだ黄金色ではなく、少し若いみたいです。
烏山線 下野花岡-宝積寺(後追い)

はじめに撮った上り列車の頃は厚い雲に覆われていましたが、同編成が下り列車として折り返してきたころには、薄曇りとなって日も差してきました。このぶんなら「風っこ」にも日差しが期待できます。個人的には下り列車で撮ったような、稲穂に焦点を合わせたカットも面白くて好きなのですが、本命の「風っこ」をアウトフォーカスにする勇気はなく、オーソドックスなアングルで「風っこ2号」を迎えることに。

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今度はタラコ色を先頭にした「風っこ」編成が、
黄金色の田んぼを横目に築堤を駆け上がってゆきます。
国鉄色+「風っこ」編成は、その乗客だけでなく、
外で眺めている者の目も楽しませてくれました(^^)。
烏山線 下野花岡-宝積寺

日差しを受けた「風っこ」が撮れました~ワ━ヽ(*´Д`*)ノ━ィ!!
実はココ、よく見ると背景を豪快に横切る高圧電線がちょっと目障りで、電線は入らないけれど手前に稲穂がないところか、電線が入るけれど稲穂も入るところの、どちらで撮るか直前まで悩みました。結局、後者の方を選びましたが、ここまでスッキリと抜けてくれれば、私的にはじゅうぶんに満足です (^^)。

「風っこ」の運転は午後にまだ二往復(3~6号)が残されているけれど、私はここで撤収。この後は予定通り、別路線へと転戦します。この移動で重要となるのが、現在の私がいる位置。クドイようですが、今の「風っこ2号」は上りの普通列車も兼ねていますから、次の上り列車はさらに一時間半後。下野花岡に戻って上り列車を待っていては、時間がもったいない。そこで「風っこ2号」はなるべく、烏山線と東北線の分岐駅である宝積寺寄りで撮ることにしたのです。これなら撮影後に宝積寺まで出れば、本数の多い東北線の列車へ乗って移動することができます。結果的には下野花岡から宝積寺までの3.9キロを歩いたことになりますが、ところどころで撮影しながら進んできたので、それほどキツくはありませんでした。

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撮影地から宝積寺駅へ向かうと、
なんと、先ほど撮った「風っこ2号」がまだ停車中でした。
宝積寺の停車時間は12分間(11:44~56)ですから、
その間に撮影地から駅まで辿り着けたということか・・・。
東北本線 宝積寺

さて、私が次なる撮影のターゲットとしたのは、このところ東北線の尾久~黒磯で頻繁に行われている、24系客車(ブルートレイン)を使用した乗務員訓練列車。この訓練列車の牽引には今まで、「北斗星」用のEF81やEF510などがよく使われてきたのですが、今月はなんと「あけぼの」用のEF64が登板しているとのこと。これはぜひとも撮影したいネタ列車です。そこで烏山線を午前中で切り上げて、午後は東北線へと向かったのでした。

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宝積寺ではウワサの「湘南色(?)205系」と初対面。
う~ん、なんだか似合っているような、いないような・・・(^^;)
東北本線 宝積寺

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いっぽう、私の乗車する上り列車は、なんと211系。
まだ、生き残っていたのね・・・(´∀`;)。

ところで、この訓練列車なるものは以前に八高線で撮ったDD51+旧客の時も説明したように、一般的には情報が入りにくいとされる業務列車(試運転や配給列車の類い)で、情弱な私の苦手とする分野です。しかし今回もこの業務列車の運転情報をもたらしてくれたのは、ソネブロ鉄仲間のtwingo583さん。しかも、運転日と時刻をメールで送ってくれただけではなく、なんと撮影当日は東北線の有名撮影地「ヒガハス(東大宮~蓮田)」の最寄り駅である蓮田まで、クルマでお出迎えしていただけるとのこと。さすがにそれは申し訳なくて恐縮したところ、「どうせ私も撮影に出向きますから、構いませんよ」とおっしゃられる。私としても、できればいただいた情報のお礼を直接会って言いたいし、蓮田からヒガハスまで徒歩20分ほどの距離をクルマで送っていただけるのは、正直とても助かります。結局、先月の秩父鉄道撮影に続き、今回もそのお言葉に甘えてしまうことになりました。アリガトォ<(_ _*)> ゴザイマス

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せっかく宇都宮まで来たのならば、名物のギョウザで一杯・・・
と、いきたかったところですが、
今回は時間の都合で、駅の立ち食い蕎麦でガマン。
でも、この宇都宮駅の階段下にある「野州そば」は
なかなか美味しいです (^^)。
東北本線 宇都宮

しかし、「風っこ」を撮った頃には薄日が差していた空は、再び厚い雲に覆われ、小山付近では車窓にポツポツと雨粒が付くようになりました。やはり台風の影響なのか、どうも天気が安定しません。twingo583さんが待っている蓮田で下車すると雨は降っていませんでしたが、空模様は怪しく、はたして訓練列車の通過まで持ってくれるだろうか・・・。

宝積寺1219-(東北1546M)-宇都宮1231~1256-(1200Y)-蓮田1401

蓮田駅からtwingo583さんのカッチョイイクルマに乗せていただき、撮影地のヒガハスへ、びゅ~んと直行! バビューン!!-=≡Σ(((⊃゚∀゚)つ 。余裕を持ったつもりで通過の一時間前に到着しましたが、すでに多数の同業者がスタンバイしていますw(゚Д゚*)wウワォ! 。やはりロクヨンが牽引する訓練列車は人気が高いと実感。それでもtwingo583さんによると、好天に恵まれた日はこの倍以上の人が集まるらしく、曇り空となったこの日はまだ少ない方らしい。

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「もうすぐ○○レが・・・いや、
金太郎(EH500)のコンテナ貨物が通過しますよ」ヽ(´・∀・`)  と、
twingo583先生は私にも解るよう、丁寧に教えてくださいます(笑)。
東北本線 蓮田-東大宮

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続いては、185系の修学旅行臨。
修学旅行臨といえば、長らく183系が使用されてきましたが、
最近ではこの185系が使われるようになってきたみたい。
185系の「修学旅行」幕は新鮮だけれど、
できれば183系(OM車)時代のような、
絵幕の追加を期待したいところ・・・。

ふだんの私は一人で行動することが多く、お目当ての列車が通過するまでの待ち時間は、とても長く感じるもの。でも今回はtwingo583さんと、お互いに鉄を始めたキッカケなどを楽しく話しているうちに時間はあっという間に流れ、はやくも訓練列車の通過時刻となりました。ここは晴れれば順光となるポイントなのですが、天気の方は相変わらず日差しは無くて曇ったまま。むしろ生暖かい湿った空気を感じるようになり、雨が降る前に訓練列車が通過してくれることを祈るほどの状況です ドキドキ(・д・`;)ハラハラ 。そんななか、教えられた情報の定刻通りに接近を知らせる踏切が鳴り、直線上に青い機関車が見えてきました。

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今にも泣き出しそうな灰色の空のもとを、
足早に走りゆく、EF64 1051牽引の訓練列車。
ヘッドマークの無い、ロクヨンの寝台車は、
急行「天の川」などを思い起こさせます(古っ…´Д`; )。

念願のロクヨン+ブルトレ訓練が撮れました~O(≧▽≦)O ワ~イ♪。
機関車の次位が緩急車ではない訓練列車とはいえ、やはり本番さながらのブルトレ編成は貫禄があります。「あけぼの」以外の客車編成を牽くロクヨン、しかも東北本線をゆく姿は、貴重な記録と言えるのではないでしょうか。それにしても最近は個人的にローカル線での撮影が多かったせいか、久しぶりに高速で走る本線級の撮影はちょっと緊張しちゃいました(^^;)。

これで、この日の撮影はすべて終了です。twingo583さんはこの後、さらに高崎線へ転戦して、安中貨物(5781レ)や485系の「一村一山」の撮影をされるとのことですが、私は夕方から別件の用事(飲み会ね・・・(゚ー゚*)ゞポリポリ…)を入れてしまってお付き合いできず、高崎線の宮原駅まで送っていただいて、お別れすることにしました。twingo583さん、短い時間でしたが一緒に撮影&お話ができて楽しかったです。また機会があればぜひご一緒できたらと思います(^^)。

宮原1542-(高崎934M)-上野1614


さて、少し烏山線の方へ話を戻しましょう。国鉄標準色やタラコ色などで、国鉄型ファンを楽しませてきた烏山線のキハ40。しかし、近年急激に加速するJR東日本の新車ラッシュは留まるところを知らず、烏山線に対しても来春から、新たに開発された蓄電池駆動の新型車両「EV-E301系」(*PDF注意)が導入される予定。当面は一編成のみとのことですが、もともと運用数の少ない烏山線ですから、本格的に新車が運用を開始すれば、必然的にキハ40を撮るのも簡単では無くなってくるでしょう。今回は臨時の「風っこ」をメインに、下野花岡付近での撮影にとどまりましたが、次こそは最初に行こうと考えていた大金や滝のあたりまで足を延ばし、一日かけて定期列車をじっくりと撮影したいものです。



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