SSブログ

九州01・・・「3・11大地震」そのとき・・・。 [鉄道旅行記]

2011.03.11~13 九州01
「3・11大地震」そのとき・・・

先週土曜の3月12日。九州新幹線の博多~新八代が開業し、山陽新幹線との直通運転も始まりました。九州人の悲願だった九州新幹線・鹿児島ルート(博多~鹿児島中央)の全通。しかし前日に東日本を襲った大震災で、そのニュースはほとんど流されることはありませんでした。もちろん被災地の被害状況を考えると新幹線どころではないのは百も承知。でも、一大事業である九州新幹線開業の様子を知りたい方も多いと思います。実は私はこの開業初日に乗車するため、九州へ行ってきました。そこで今回から何回かに分けて、九州新幹線の話題を中心に撮影記を綴ってゆきたいと思います。こんな大変なときに鉄道の話題をするなんて・・・というお考えの方も多いでしょうが、地震以外の情報が入りにくいこんな時だからこそ、伝えられるものは伝えていきたい。それが開業初日に立ち会った者の使命であると感じています。地震当日の状況なども書かせていただきますが、この先を読んでいただける方にはそのことを予めご了承願います。

3月11日(金)
翌日の九州新幹線開業へ向けて、福岡へ飛ぶ予定のこの日は会社を半休。午前中のみ、ちょこっと仕事をして昼過ぎに退勤。そのままモノレールで羽田空港へと向かいました。今回の飛行機はJAL。第一ターミナルで15時半の便を少し余裕を持って14時半にチェックイン。スムーズに保安検査場を抜けてゲートラウンジ(保安区域内ロビー)で搭乗予定の飛行機などを撮影しながら時間を潰します。

1001.jpg

搭乗予定の福岡行きJA333便。
11.03.11 羽田空港

1002.jpg

飛行機に疎い私は使用機情報の出ていたインフォメーションを
ブログの資料用に撮影していました

右上の現在時刻は14:39・・・。

そんなとき、はじめはカタカタと小さく・・・やがてガタガタと激しい横揺れが襲ってきました。14時46分、地震の発生です。館内放送の指示に従い、ガラス張りの窓際や天井からぶら下がるサインボードの下を避けて、床に低い姿勢を取ります。私自身、今までに味わったことが無いほどの大きな揺れ。でもこれは浮島の羽田空港だからこんなに揺れているのだと思っていました。実際にはどのくらいの時間揺れていたのか定かではありませんが、とても長く感じた地震。ようやく治まってまわりを見渡すと、ゲートラウンジ内に大きな被害は無さそうでした。しかしチェックインは一時中断、保安検査場も閉鎖されました。

1003.jpg

揺れが治まった直後のゲートラウンジ。
左側の職員が集まっているのが閉鎖された保安検査場です。

それでも私はまだ楽観視していて、これはちょっと離陸が遅れるかな程度に思いながら、ソファに腰掛けてテレビを見ていると、そこに映し出された地震速報・・・。

1004.jpg

ロビーのテレビに映し出された速報。

なんと宮城で震度7・M8(速報時)、関東でも震度6強との報道が流れました。予想を遥かに上回る大地震です。近くにいた乗客たちも皆、呆然とテレビを見入っています。そんななか空港館内では現在滑走路、機材のチェックを行っているとの放送が入りました。

1005.jpg

離着陸は一時見合わせ・・・。
カウンターにはその旨を伝える表示が出ています。

やがて空港の窓から見えるお台場方面から、黒煙が上がっているのが確認されるようになります。生々しい写真なので掲載は控えますが、その凄まじい黒煙を見たときに初めてこれは大変な地震だったのだと実感したのです。慌てて家族や知人に電話をかけるも、繋がらず・・・。
空港の方はと言うと、三本ある滑走路のうち一本は安全が確認されたのですが、まずは着陸を優先させるために当面離陸は見合わせると説明。そして定刻の一時間半後になる17時過ぎ、乗る予定だったJA333便の欠航が決定してしまいました。すぐに後続便への振替ができないかとカウンターに尋ねるも、後続便についても離陸の予定が立たず欠航の可能性が高いとのこと。結局この日のJAL福岡便は全線欠航となってしまいました。

1006.jpg

JALのHPより。
いちばん上が乗る予定だった333便です・・・。

これはもう旅行はムリだな・・・と諦め、自宅へ帰ることを決めて到着ロビーへ出てみると、そこにはものすごい人の数。それもそのはずで、飛行機が飛ばないのに加えて空港からのアクセスとなるモノレール、京急、リムジンバスはすべて運転見合わせ。タクシー乗り場には長い列ができていますが、タクシーの姿は無し。

1007.jpg

運転見合わせで、真っ暗な京急・羽田空港駅。

1008.jpg

モノレールの駅は明かりこそ点いていますが、
こちらも全線で運転見合わせ。

つまり福岡へ飛べないだけでなく、自宅にも帰ることができなくなってしまいました・・・。もう成す術がありません。携帯電話も通話できないし、どうせネットもムリだろう・・・と思いながら操作すると、なんと意外にもネットは繋がりました。そこで一応ANAの運航状況も確認すると(同じ羽田空港内なのに、第一ターミナルでは第二を使用するANAの状況はほとんど解らないのです)、チェックイン中断、運航一時見合わせとはあるものの、欠航とは出ていません。さらに福岡便にもまだ空席が残っている・・・とりあえずダメ元でその福岡便を当日予約し、歩いて第二ターミナルへ移動することにしました。

1009.jpg

第一と第二のターミナルを結ぶ連絡橋。
各地で大変な状況になっている頃、無情にも羽田の空は青かった・・・。

1010.jpg

第二ターミナルも当然混雑していましたが
第一ほどでは無いように感じました。

予約できたのは定刻19時発のNH267便。この時点ではまだ運航できるかどうかは決まっていませんでした。しかし余震が治まりつつあった19時半頃から九州・四国方面への便が次々に運航決定。そして267便も二時間遅れで飛ぶことが決まりました。すぐにチェックインを済ませ、この日二度目の保安検査場を抜けてゲートラウンジへ。ようやく落ち着いて三時間ぶりにテレビへ目を移すと、そこには波に飲まれた仙台空港や火に包まれたコンビナートの様子が映し出されています。正直ここまで酷い状況だとは思ってもいませんでした。こんなとき呑気に九州へ飛んでいいものだろうかと深く考えましたが、飛ばずに私がこの羽田へ残っていたってどうすることもできない。心苦しいけれど、気持ちを割り切るしかありませんでした。

1011.jpg

二時間遅れ・・・それでも運航が決定したNH267便

1012.jpg

その飛行機は「ポケモン・ジェット」でした・・・。

羽田2100-(NH267)-福岡2300(地震のため二時間遅れ)

1013.jpg

福岡空港からは地下鉄で博多へ向かいます。
11.03.11 福岡市営空港線 福岡空港

福岡空港2330-(福岡市営空港線)-博多2335

1014.jpg

九州新幹線開業に合わせてリニューアルした博多駅。
巨大な駅ビル「JR博多シティ」のオープンも大きな話題となりました。

予約していた博多駅前のホテルには日付が変わろうとする午前0時近くに到着。すぐにテレビの地震状況番組へ釘付けになり、結局一睡もできずに新幹線開業当日の朝を迎えることになったのでした。


・・・続きます。

 


この記事への「nice!」の受付は控えさせていただきます。

ソネットポイント「東北地方太平洋沖地震義援金」受付サイト
http://www.so-net.ne.jp/point/use/fund/



共通テーマ:趣味・カルチャー