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磐越西線・・・583系「あいづライナー」GW撮影記 [鉄道写真撮影記]

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2011.05.04 磐越西線
583系「あいづライナー」GW撮影

今年の連休は諸事情で遠征を控え、近場で撮影を楽しむことにしました。その第一弾が先日ご紹介した上信電鉄。今回はGW撮影記の第二弾。GW後半には少し時間に余裕が出来たので、ちょっとだけ関東を出て北の方へ向かってみました。目的地は久しぶりの磐越西線。GWの磐西・・・D51の「ばんえつ物語号」か! と、思われる方も多いでしょう。しかし私の目的は「デゴイチ」ではなく「ゴッパーサン」。本来は専用塗装の485系「あかべぇ」で運転されている磐西の快速「あいづライナー」が、485系の検査によって今年のGWは583系で代走しているのです。583系と言えば、震災で不通となっていた東北新幹線を補完する「新幹線リレー号」としての活躍ぶりが記憶に新しいところ。このブログによく遊びにきていただく「やまびこさん」がその勇姿を記録されていて、刺激を受けてしまいました。私もカッコイイ583系を撮りたい~っっ! 583系の「あいづライナー」代走は09年の秋にも撮影に訪れているのですが、名車と言うものは何度撮っても飽きないものなのです。
では、初夏・・・というより、晩春の磐西へ583系に会いに行ってみましょう。

5月4日(水)
気合いを入れて朝イチの東北新幹線に乗車し、まずは磐越西線の起点・郡山へ向かいます。三連休(5/3~5)の中日だからでしょうか、盛岡行き「やまびこ」の自由席車内はガラガラでした。ところで、東北新幹線と言えば前回のブログでも触れたように、東北への応援メッセージが書かれたステッカーが先頭車の車体横に貼ってあるはず。この乗車機会にステッカーを撮影したいと思って、発車前に先頭車へ行ってみると・・・

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E2系の「やまびこ251号」。
ステッカーは乗務員扉脇のスペースにあるはずなのですが・・・?
東北新幹線 東京

あれ、ステッカー無いじゃん・・・(´・ω・`)。てっきり東北新幹線のE5系、E2系には全部の車両に貼られているものだとばかり思っていたのですが、そうではないらしい。隣のホームに停車中の編成にも付いていないし、案外少ないのかな? ちょっと残念。

東京0612-(やまびこ251号)-郡山0741

郡山で磐西に乗り換え。次の列車は8時32分発の快速(3231M)で、まだ50分もありますが、確か前に来た時この3231Mは通路まで立ち客が出るほど混雑していた覚えがあったので、乗り継ぎに余裕を持たせたのでした。それにしてもちょっと早すぎたか・・・と、駅の構内をぶらぶらしていると、東側の側線にタキ(タンク車)を牽いたEH500が入ってきました。時間的に言って、これが以前はDD51牽引で磐西を迂回していた、ウワサの「復興支援・燃料輸送貨物」でしょうか。よく見ると、そのEH500-20のサイドには大きなステッカーが貼られています。

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郡山に到着したEH500-20牽引タキ貨物。
東北本線 郡山

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EH500-20のサイドに貼られているのは
「みんなと共に━がんばろう!東北」の大きなステッカー。

東北新幹線だけではなく、貨物のEH500にも応援ステッカーが貼られているのですね。仙台を本拠地とするEH500ですから、関係者の思いも深いことでしょう。応援ステッカー付きEH500が見られるとは、早めに郡山に来てよかったかも。

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こちらはこれから乗車する、磐西の719系。
東北本線 郡山

余裕を持って乗車した磐西の快速。結果を言えばそれほど混雑せず座席がほぼ埋まる程度で、今回は取り越し苦労だったみたい。乗り鉄のセオリーからすると、郡山発の磐西は磐梯山がきれいに見える進行右手に座るものなのですが、私が座ったのは逆の車窓側。それは磐梯山を背景とする列車の撮影ポイントを車窓から探したかったからでした。磐梯山ポイントのメッカ、猪苗代で下車。

郡山0832-(磐西3231M)-猪苗代0911

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山小屋ロッジ風の猪苗代駅。
「東北の駅・百選」に選ばれています。
磐越西線 猪苗代

さっそく撮影地を目指して行動開始。最初の「あいづライナー」は上りの「2号」で、猪苗代発9時40分。あまり時間が無いので今回は徒歩鉄ではなく、「駅レン」を借りて撮影地へ向かいます。
猪苗代付近での磐西撮影は、磐梯山の見え方によって撮影場所が左右されると言っても過言ではありません。晴れていれば山バック、曇って山頂まで見えなければ列車の編成重視ということになります。この日の磐梯山は若干雲が多めですが、なんとか山頂まで見えそう。山バックの撮影地へ借りた愛車を走らせます。狙っていたポイントには列車の通過15分前に到着。先客に挨拶してカメラをセッティングすると、すぐに踏切が鳴り出しました。

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磐梯山を背に、カーブを駆ける名車・583系(1212M)。
磐越西線 猪苗代-川桁

午前中が順光となるこの撮影地。列車の顔にはきれいな光が当たってくれましたが、磐梯山はスッキリせず霞がかってしまいました。でも、むしろ山まで光が当たるより、このほうが列車が際立って良かったのかもしれません。
さて、ご一緒した同業者さんからは「この後はD51と掛け持ちですか?」と尋ねられましたが、私は583系オンリー。それに、私の借りた愛車は鈍足なので、D51が走る会津若松以西には間に合わないでしょう。だって、借りたのは・・・

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駅前レンタサイクル、略して「駅レン」で借りた今回の「愛車」。
スピードは出ませんが、小回りは利きます(笑)。

おそらく賢明なこのブログの読者様ならうすうす感づいていたとは思いますが、前回訪れたときと同様に今回も猪苗代駅前にある塩田自転車店のレンタサイクルを使わせていただきました。
その愛車に跨り、続いては下り「あいづライナー1号」の撮影地へと向かいます。「1号」の撮影地として有名なのは翁島~磐梯町の磐梯山バックですが、そこでは前に一度撮影しています。同じ列車を同じ場所でというのも芸が無いし、一発目の「2号」で磐梯山バックを撮っているので、今回はもう一箇所下りの撮影地で有名な磐梯町のカーブへと行ってみることにしました。

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ちょっと雲が多いものの、快晴で絶好のサイクリング日和。
茅葺屋根の民家としだれ桜、そして磐梯山・・・
のどかなニッポンの田舎風景です。

最初の撮影地から10キロくらい。40~50分ほど自転車で走り、さらに小高い丘を登って、ようやく辿り着いた二発目の撮影地。ホント、いい運動になります。ここを訪れたのは初めてで、カーブを走る列車を俯瞰気味に撮影できる好撮影地。苦労して来た甲斐がありましたが、ここへ来て気になるのは空模様。大きな雲が沸いてきて、晴れたり曇ったりを繰り返しています。毎回のことですが、天気には悩まされますねぇ・・・。

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磐梯町のΩカーブにある撮影地。
走って行くのは、郡山行きの719系快速列車(3234M)。
磐越西線 翁島-磐梯町(後追い)

試し撮りの719系は曇られてしまいました。でも、これってなんだかこの前の上信電鉄の復路撮影に似ているなぁ・・・と言うことは、本番は晴れて日が差してくれるハズ!?

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線路が大きな弧を描く磐梯町のカーブ。
俯瞰から捕らえた「あいづライナー1号」(1211M)。
磐越西線 翁島-磐梯町

う~ん、残念ながら曇り。やはり、毎回そんなにうまくいくものではありません。しかもこの撮影では上信の時と真逆の結果になってしまいました。そう、実は直前まで日が差していたのです。その瞬間の証拠写真(?)がコチラ。

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日が当たっている列車と既に曇ってしまっている線路の手前側。

向かってくる583系には日が当たっていて、道床に影が落ちているのが解ると思います。しかし手前からスーッと雲がにじみよってきて、ご覧の結果に・・・orz しかし考えようによってはこの雲の流れのなかを走る列車で、よくマンダーラにならなかったものだとも思います。日が当たらなかったのは残念ですが、前向きに考えればけっして悪くないかも。ちなみにこの撮影地は神社の裏山にあたるのですが、撮影前にお参りしなかったのがいけなかったのかな・・・。撮影後はちゃんとお礼を言って神社を後にしました。

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撮影地の目印となる小さな神社。

次は今の「1号」の折り返しで、「4号」となる上り列車を狙うのですが、約三時間ほどの空き時間となります。そこで、この間にお昼ゴハンを食べに行きましょう。磐梯町カーブから猪苗代方向へ戻って、立ち寄ったのは「猪苗代蕎麦の里・いわはし館」さん。ここで美味しい手打ち蕎麦をいただきます。普段の昼食では駅蕎麦でもきつねかたぬきくらいしか食べないセコイ私ですが、少しでも高い物を頼んで福島に貢献したい。ここは豪勢に天もりを注文(・・・といっても、1200円ですが ^^;)。

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「いわはし館」の天もりそば。
実は猪苗代は東北有数の蕎麦処。
喉越しのよい蕎麦と揚げたての天ぷらが美味しい!

オナカが満たされたところで、撮影再開です。ちなみにこの「いわはし館」は線路のすぐ近くで、自転車で五分も走ればこんな撮影ポイントに出られます。

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線路とクロスする跨線橋のアプローチから撮影した下り普通列車(1227M)。
磐越西線 猪苗代-翁島

順光でいい場所ですが今度の「4号」は逆方向の上り列車なので、ここでは撮らずに別の場所へ。「1号」の撮影時に悩まされた雲は流れ、再び青空が広がっています。磐梯山は午前中よりもさらにハッキリ拝めるようになりました。そこで「4号」は、また磐梯山を背景にした川桁の撮影地を選択。

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雄大な磐梯山の麓を行く、583系「あいづライナー4号」(1214M)。
磐越西線 猪苗代-川桁

いかにも磐西らしい定番の構図ですが、一度はしっかりと押さえておきたい写真でもありました。やはり磐西撮影に来て磐梯山がきれいに見えていると、無視できないんですよね~。午後に東へ向かう「4号」は顔が陰ってしまうので、ここではあまり線路際に寄らず、引き画でサイドを強調気味に撮ってみました。
さあ、583系撮影もいよいよ大詰め。再び折り返して西へと向かう次の「3号」は光線状態が良くなります。今度はあえて列車の編成写真を狙ってみることにしました。いい光なのに編成写真とはもったいない・・・と思われるかもしれませんが、光線状態が良好だからこそ7:3構図の編成写真をビシッと決めたいのです。ただし、万が一ここで「1号」の時のように曇られてしまうと、もっともツマラナイ写真になってしまいます。情景写真ではない編成写真ですが、ここでも鍵になるのはやはりお天道様なのです。先ほどの撮影地から少し猪苗代寄りにある直線で「3号」を待ちます。

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きれいな西日に照らされた583系。
国鉄が送り出した昼夜兼用の特急型電車は、
デビューから40年以上経った今でも、美しいスタイルを保ち続けています。
磐越西線 川桁-猪苗代 (1213M)

サイコーの光に恵まれて、大・大満足。難を言えば左上の架線柱ビームを避け切れなかったこと。でも、どうしても背景の山の稜線は入れたかったし、これ以上の望遠で583系のスタイルを崩すようなことはしたくなかったので、ビームはやむをえないと判断。猪苗代16時22分着の「3号」。WBを曇天モードで若干赤みを強調していますが、西日に照らされた583系は思わず溜息が出てしまうほどの美しさでした・・・。+゚(*´∀`*)。+゚
「2号」が正面気味、「1号」が俯瞰、「4号」は引きの山バック、そして「3号」は編成・・・ということで、最後の「6号」は「走り」を強調した流し撮りで締めたいと思います。おっとその前に、私が借りていたレンタサイクルは5時まで(5時で閉店なのだそうです。一日借りて料金は1500円)。いったん猪苗代の駅前で自転車を返却し、徒歩で向かったのは翁島寄りにある田園地帯。編成を入れるとか、背景の処理など、撮影の制約が流し撮りだと緩和されるので、適当な撮影ポイントはすぐに見つかりました。

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力強い走りを見せる583系のサイドビュー。
号車札脇の小さな☆☆印が、寝台電車であることを表します。
磐越西線 翁島-猪苗代(1216M)

真横ではなく、赤いヘッドマークがちょこっと見える辺りで写し止めるのがポイント(o^-')b。ところで、この写真を見て不自然に感じる方はなかなかの磐西通。実は上りの「6号」、この猪苗代付近は東へ向けて走りますから、先頭の顔には光が当たらないのです。それどころか今の時期は両サイドにも光が回らず、どうやら明るいのはケツのみ(・・・って、ホタルかよ)。なので、画的にはちょっと不自然になってしまいますが、このカットでは西向きの最後部を流しています。光が当たっているおかげでテールランプは目立たないけど、よく見ると運転手さん・・・ではなく、車掌さんが下を向いちゃっていますね (^_^;)
これで撮影は終了。撮影地を求めて右往左往した猪苗代の町を後にします。

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日の暮れた猪苗代に入ってきた、郡山行きの普通列車。
磐越西線 猪苗代

猪苗代1836-(磐西1238M)-郡山1919

上下で合計5発。もう撮影はじゅうぶんだと思っていたのですが、さらにオマケが待っていました。乗った列車が終点の郡山に到着すると、入れ替わるように隣のホームへ入ってきたのは583系の「あいづライナー5号」。この日最後の下り「5号」は、夜で走行写真が撮れないと思って時刻はノーチェックだったのですが、タイミングよく郡山で撮れるとはラッキーです。

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夜の郡山で発車を待つ「あいづライナー5号」(1215M)。
寝台電車583系は、もちろん夜でも絵になります。
東北本線 郡山

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端正なお顔のアップ・・・。
赤い行灯を点した姿は、かつての「ゆうづる」を髣髴とさせます。

結局この日は「1号」から「6号」まで、すべての「あいづライナー」を撮影。思う存分583系を撮りまくった「583三昧」の一日となりました。
「あいづライナー」の代走に使われている仙台の583系。秋田へ転属するというウワサや(震災の影響でどうなったのか解りませんが)、「あいづライナー」には253系投入によって捻出される小山の「日光・きぬがわ」用485系が当てられると聞いたことがあります。これが本当ならば「あいづライナー」での583系は近いうちに見納めになってしまうのかも知れません。情弱の私に真相は不明ですが、いずれにせよ名車・583系には少しでも長い活躍を期待しています。



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