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北海道01・・・初夏の夜行列車撮影記 一日目 [鉄道旅行記]

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2011.06.03~06 北海道01
室蘭本線 初夏の夜行列車撮影記
一日目

今年の元旦、このブログで新年のご挨拶にED79が牽引する「北斗星」の写真を貼り、そのときに「今年は難易度の高い「はまなす」の撮影にチャレンジしてみたい・・・」などと、今年の抱負とも取れるようなことを書いています。青森着が早朝の5時40分。日の長い時期にしか撮影できない夜行急行「はまなす」は、夏至近くの今がまさに撮影のトップシーズン。私も撮影計画を立てるべく、撮影地や光線状態を確認するために「急行はまなす」で画像検索してみました。もちろんそこには色々なHPで紹介されている「はまなす」の写真が並んでいます。赤いED79に牽引される青森側の写真から、青いDD51に牽引される北海道側の写真まで・・・。うーん、ED79もいいけどDD51もカッコいいなぁ・・・。当然、北海道の夜行列車撮影も今はいちばんいい時期です。さらにネットサーフィンを続けていると、そこでとてもきれいな一枚の写真に当たりました。北海道らしい雄大な景色のなかを夕日を浴びて走る寝台特急「カシオペア」。こんな写真を私も撮ってみたい! いつのまにか頭の中はED79「はまなす」ではなく、DD51ブルトレでいっぱいになってしまいました。ED79「はまなす」は某誌の最新号に特集されてしまったこともあり、混雑は必至。ここは思い切って、今回はDD51狙いで北海道へ飛んじゃおう!・・・と、いうわけで、月曜日に有休を取り、週末からの三日間、北海道へDD51夜行列車の撮影へ行くことにしました。梅雨が無い(・・・ハズの)初夏の北海道、気持ちのよい撮影になればいいのですが・・・。

6月3日(金)
早朝の夜行列車を撮影するとなると、前日の夜には現地へ入っておきたいところです。金曜日にちょっと早めに会社を退勤して羽田へ向かい、エアドゥで新千歳へ。さらに列車を乗り継いで、東室蘭までやってきました。

羽田1850-(ADO023)-新千歳2020
新千歳空港2049-(快速エアポート207号)-南千歳2052~2102-(特急すずらん10号)-東室蘭2156

接続が良かったのと、到着が夜遅くだったので、この日の撮影はほとんどナシ。本格的な撮影記は翌日から始めることにしましょう。

6月4日(土)
朝5時起き。すでに外は明るいのですが、どんよりとした曇り空が広がっています。予報でもこの日はあまりいい天気ではないらしく、残念ながら朝日に照らされた寝台列車を拝むのは難しそう・・・(´・ω・`)。東室蘭から室蘭線の上り初発列車に乗って40分、有珠で下車。

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室蘭線の初発列車は、角張ったお顔のキハ150。
室蘭本線 東室蘭

東室蘭0550-(室蘭470D)-有珠0629

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小さな無人駅、有珠。
00年に噴火したことで知られる有珠山の麓にあります。
室蘭本線 有珠

スケールの大きな北海道。駅間の距離も長くて、徒歩鉄ではキビシいと思われがちですが、函館本線や室蘭本線の撮影地は案外、駅から歩ける距離にあったりします(大沼や静狩、稀府など)。この有珠の近くにもお立ち台と称されるほど有名な撮影ポイントがあり、一見すると山奥のような雰囲気が撮れる場所なのですが、駅からはわずか一キロ・徒歩20分ほどの距離。「朝三」寝台特急(カシオペア・トワイライト・北斗星)の一番手「カシオペア」の通過30分前には現地へ着くことができました。

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カメラをセッティングして、まずはじめに走ってきたのは
キハ150三連の下り普通列車(475D)。
室蘭本線 洞爺-有珠

ここはS字を描く列車を俯瞰気味に狙うことができる、見晴らしのいい撮影地。こういう場所は編成の長い方が絵になるので、寝台特急の撮影には打ってつけのポイントです。まずは線路端の新緑樹を入れたアングルで「カシオペア」を待ち構えます。やがて森の向こうから聞こえてきた、重い響きのエグゾースト・ノイズ・・・。

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重連のDD51に牽かれ、美しい曲線を描く「カシオペア」。

曇り空なのがホントに残念ですが、やっぱり青いDD51重連はカッコイイ! 右へ左へと体をクネらせる様をファインダー越しに眺めていたら、思わず見惚れてしまいました・・・.。゚+.゚(´∀`)゚.+゚。.。
さらにこの5分続行で、次は大阪からの「トワイライトエクスプレス」がやってきます。今度はもう少し長いレンズに変更して、よりS字を強調してみました。

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青いカマに牽かれて新緑の中を行く「トワイライトエクスプレス」。
ピンク色のヘッドマークが、いっそう際立ちます。

形のいい新緑樹をカットするのは勿体ない気もしますが、アングル的にはこちらの方が安定しているかと思います。曇り空には変わらないものの、少しだけ空が明るくなったときに通過してくれました。しかし、ここでの明るさはこの時がマックス。一時間後の「北斗星」を待つ間に空模様は悪化し、ついに雨が降ってきてしまいました。

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DF200に牽引されたコンテナ貨物。
貨物列車も編成が長いので、いい感じです。
(スミマセン、相変わらず貨物の列番はわかりません)

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振り子式のキハ281系で運転される「スーパー北斗(1号)」。
(JR北のDC特急は先日、重大な事故があったばかりですね・・・。
犠牲者が出なかったのはなによりですが、原因究明を徹底的にやって、
再発防止に努めてほしいところです。)

露出はガクッと落ち、シャッタースピードを上げられません。ある意味、連続カーブで列車が減速し、なおかつ正面気味から狙えるこの場所で良かったのかも・・・。なんて自分を慰めつつ傘をさして待っていると、定刻より若干遅れて朝三寝台特急のトリを務める「北斗星」が姿を現しました。

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青いDD51に青い24系客車。
整った編成美が自慢の「北斗星」ですが、

雨で露出がアンダー気味・・・。

いっそう強まってしまった雨・・・「トワイライト」とは逆で、今度はもっとも条件の悪いときに「北斗星」は来てしまいました。北海道に梅雨は無いんじゃなかったっけ!? と、嘆いても仕方ありません。天気ばかりは時の運ですから・・・(T-T)。これで初日朝の夜行列車撮影は終了。再び徒歩で有珠駅に戻って移動します。

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撮影地近くには道南バスの停留所(地蔵通)があり、
「北斗星」撮影後にちょうどいい
9時40分の室蘭港行きというバスがあります。
今回は見送って列車に乗りましたが、ウマく使えば
意外と有効活用できるかもしれません。
道南バス 有珠駅前

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本数の少ない室蘭線の普通列車、
この時間はいいタイミングで列車がやってきます。
室蘭本線 有珠

有珠0956-(479D)-伊達紋別1006

有珠から二駅の伊達紋別で下車。今回はここでレンタカーの予約をしていました。先ほどは徒歩鉄でもじゅうぶんと書いておきながら・・・と、お思いでしょう。確かに撮影地までの足は、時間さえ合えば列車移動でも可能なのですが、問題はその列車本数の少なさ。次に行きたい撮影地も駅から歩けない距離ではないのですが、その駅へ向かう列車が少なく、撮影後に帰る列車などは三時間半待ち・・・。これでは効率が悪すぎます。そこで、ここからはレンタカーの出番となったわけ。ならば、朝からレンタカーで回ればいいのですが、前日の夜10時に着いて当日朝5時出では、レンタカーが借りられなかったのです。さっそく、そのレンタカーで向かったのは、有珠~長和にある田園地帯が見下ろせる丘の上。

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水鏡となった水田に車体を映しながら走る、
キハ183系の「北斗(5号)」
室蘭本線 有珠-長和

実は私がネット上で見かけた雄大な「カシオペア」の写真というのは、ここから撮影されたものでした。超俯瞰から眺める水鏡の水田、その真ん中を横切る室蘭線の線路、奥に広がる内浦湾の青い海、さらに好条件ならば海越しに駒ヶ岳も望めるのだとか。そして18時30分頃に通過する上りの「カシオペア」には今の時期、晴れれば西日がきれいに当たってギラリと光り輝くという、ここはそんな素晴らしい条件が揃った撮影地なのです。今はまだ午前中ですが、下見がてら試しにキハ183系の「北斗」を撮影してみました。それにしても、やはり天気はサイアク・・・このままでは「カシオペア・ギラリ」なんて、到底無理な話です。

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貨物の時刻は調べていませんが、
たまたまやってきた貨物はDF200の重連でした。
長過ぎて編成が収まりきれなかった・・・。

さて、いずれにせよ夕方の「カシオペア」まではまだ7時間もあります。天気は悪いものの、せっかく北海道まで来たのですし、レンタカーもあるのですから、少し周辺を回ってみましょう。

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海が見える展望台から「スーパー北斗(12号)」を俯瞰したり・・・
室蘭本線 大岸-礼文

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同じく「スーパー北斗(9号)」を直線で狙ってみたり・・・
室蘭本線 礼文-大岸

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温泉施設(天然豊浦温泉「しおさい」)で一休みしたり・・・

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雨の中DF200の貨物をローアンで撮ったり・・・
室蘭本線 小幌-礼文

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豪雨に打たれながら上りの「トワイライト」を待ったり・・・
室蘭本線 大岸-礼文

どれも曇天で冴えない写真ばかりですが、こんな感じで時間をつぶし、夕方6時頃に長和の俯瞰ポイントへと戻ってきました。もちろん「トワイライト」が豪雨に見舞われているように、短時間で天気が回復するわけありません。それどころか風まで出てきて、もう暴風雨。気を抜くと吹き飛ばされてしまいそうです(ホントに飛ばされたらシャレにならない高さなんですけどね・・・^^;)。そんな中で迎えた「カシオペア」の通過時刻。

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ブルートーンに包まれた宵の口。
雄大な北の大地を寝台特急「カシオペア」が走り抜ける・・・。
室蘭本線 有珠-長和(後追い)

午前中には見られた水鏡すら風で見えずに、なんともショッパイ結果となってしまいました。どんなにいい撮影地でも、なかなか思い通りの画が撮れるものではありません。それが「鉄道写真」ってジャンルの趣味を面白くしているのも事実なのですが、今回はまさに完敗。まあ、好条件を一発で仕留めようという考えが甘いのですけどね。いつかきっとリベンジを果たしてみせる・・・そう心に誓って、長和の丘を後にするのでした。


・・・続きます 
(´;ω;`)



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