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スイスⅢ 04・・・ジュネーヴで徒歩鉄 撮影記 [あおたけ的 SWISS紀行]

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2011.06.29~07.09 スイスⅢ 04
ジュネーヴで徒歩鉄 撮影記

仕事で訪れているスイス編。03からの続きです。
スイス・ジュネーヴで迎えた週末。日帰りの強行軍でパリへ行ってきた翌日の日曜日は、打って変わって、ジュネーヴでのんびりの一日。ホテルで部屋のドアノブに「Do Not Disturb(起こさないでください)」の札を掲げ、昼頃までゴロゴロ・・・。せっかくスイスまで来ているのにもったいない!? でも、休日のジュネーヴって案外やる事が無いのです。山岳鉄道で有名なツェルマットやサンモリッツなどはジュネーヴからかなり遠いし、旅費もけっこうかかる。かといって、街中で過ごそうにも店舗はどこもお休みで、マックすら開いていません。地元の人達は湖畔の公園などで家族と過ごすのが休日の定番みたいですが、私が時間を潰せるとしたら、駅へ行って列車を眺めるくらい。その駅も、以前に紹介したチューリッヒ中央駅や前回のパリ・リヨン駅のような、頭端式ホームが並ぶ大ターミナルなら一日いたって飽きないのですが、ジュネーヴのコルナヴァン駅は実用本位スタイルの通過形高架駅で、島式ホーム4面の8線しかありません。もう何度も来ているコルナヴァン駅、駅
構内ではさすがに撮りつくしてしまった感があります。
そこでこの日曜は持て余した時間を使って、コルナヴァン駅以外に列車を撮影できるポイントは無いか、ジュネーヴ市内を歩いて探してみる事にしました。実は以前からちょっと気になっていた場所もあった事ですし・・・。

7月3日(日)

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コルナヴァンの駅前から撮影地探しスタート!

鉄道撮影ポイント探しの基本は、やはり駅から線路沿いの道を進むこと。しかし、しばらく線路は高架が続き、下からでは列車の姿が見えません。この高架はどこで途切れるのだろう・・・そう思いながら歩くこと15分。歩いていた道に上り坂が見え、ようやく線路と同じレベルの高さにまで上がることができました。撮影できるかな?

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上がってきた坂を振り返ると、こんな感じ。
奥の方がコルナヴァン駅がある市内中心部です。

この辺りでも線路側に渡れば撮影できそうなのですが、あいにく線路側の歩道は工事中で通行できない様子。けれど、すぐ近くには跨線橋があり、この上からなら安全に列車を撮ることができそうです。さっそく跨線橋に上がってカメラを構えてみると、最初にやってきたのはいきなりこの列車。

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前日にパリまで乗った、TGV「Duplex(デュープレックス)」。
TGVを真上から見下ろせるとは、ちょっと新鮮なアングルです。
11.07.03 スイス国鉄 ジュネーヴ(Geneve)付近

緩やかなカーブを描く線形を上からスッキリと撮れる、なかなかいい撮影ポイントじゃないですか。しかも嬉しいことに訪れた時間(午後)は、ちょうど順光でした。

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続いてやってきたのは、SBB(スイス国鉄)の高速列車「ICN」。
今度はヨコ位置で撮影してみます。

この跨線橋の下をくぐるのは全部で4線。これは複々線というわけではなく、上写真の向かっていちばん左が、先ほどTGVが走っていたフランス方面への路線で、これは単線。真ん中の2線は、ジュネーヴ空港へと続く複線。今撮った「ICN」はジュネーヴ空港行きの列車です。そしていちばん右は、ジュネーヴ市内の西に位置するランシー=ポント=ローエ(Lancy-Pont-Rouge)という小駅へ続く単線で、いわば支線のようなもの。この一組の複線と二本の単線、撮影の狙いとしては空港線をひっきりなしにやってくるSBBの「特急(ICN・IC)」や「急行(IR)」、そしてやはりフランスへ直通するTGVといったところでしょうか。

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いちばん右を走るのは、
ランシー=ポント=ローエからやってきたローカル電車。
RBDe560形の更新タイプが使われていました。

ところで、冒頭に書いた「気になっていた場所」ですが、ココのこと・・・ではありません。実はその気になる場所とは、この三路線のなかでいちばん地味な、支線にあるのです。ローカル電車しか走らないような線に一体何があるというのか・・・? 跨線橋アングルで一通りの撮影を終えると、今度こそ目的の場所を目指して、その支線沿いに再び歩みを進めます。歩く道も本線に沿っていた大通りではなく、クルマが通らないような小道へと変わってきました。でも、こういう方が歩いていて楽しい♪

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支線沿いの細い道を歩いていると、
列車の音に反応するように
キックボードに乗った彼が飛び出してきました。
スイス人の「鉄」・・・かな?(^^)
顔を撮らせてもらおうとしたら、
恥ずかしがって逃げちゃった。
11.07.03 スイス国鉄 Geneve~Lancy-Pont-Rouge

歩き続けると、やがて小道は線路と共に大きな川を跨ぐ橋へと出ました。跨線橋撮影地から約30分、ようやく辿り着いた・・・。そうこの橋こそ、私が目指していた「気になる場所」だったのです。

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橋は線路と歩道が一体になっている、ちょっと面白い構造の併用橋。

併用橋の上は線路と歩道の間に低い柵しかなく、ここならかぶりつきで迫力ある写真を撮ることができそう。橋の中央付近でカメラを構えて列車を待ってみると、現れたのはローカル電車ではなく・・・貨物列車 (゚∀゚)!!

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Am843形ディーゼル機関車に牽引される貨物列車。
①エンド側の鼻が長い、DE10のような形のAm843ですが、
大きさが全然違って、通過時の迫力も満点!
11.07.03 スイス国鉄 Geneve~Lancy-Pont-Rouge

気が付けば、単線だった支線がここでは複線になっているように見えますが、ここも単線二線の配置。手前が追ってきたジュネーヴからの旅客線で、奥は別方向から来た貨物線。支線の終点となるランシー=ポント=ローエはジュネーヴの貨物地区にあたるので、ひょっとしたら元々この線は貨物専用線だったのかもしれません。それにしても、このアングルでは貨物線はきれいに撮影できても、旅客線は撮影しづらい。しかも、「さんざん引っ張っておいて、結局はただの編成撮りポイント?」って声が聞こえてきそうですね・・・(^^;)。 いやいや、実はこの場所の本当にスゴイのは橋の上ではなく下。そう、川に面白い特徴があるのです。貨物列車を撮った橋の中央付近から下を見下ろすと・・・。

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クッキリと分かれた、二色の川が交わる場所。
まるで絵の具を水で溶いたような光景が広がっています。

左はレマン湖から流れるローヌ川、右はアルプス山脈から流れるアルヴ川。湖と山、水質の違う二つの川が交わるところ。それが、その名の通りジョンクシオン(Jonction)と呼ばれるこの場所なんです。ちなみにアルヴ川の方は濁っていますが、水が汚染されているわけではなく、石灰などを含んでいるのでこんな色なのだそう。私などはむしろローヌ川の青さの方が異常にも感じてしまいますが・・・(もちろん、ローヌ川の水もきれいです)。何度かジュネーヴを訪れている私ですが、この場所を知ったのはつい最近のこと。Google-earthでジュネーヴの航空写真を眺めていたときに、色の違う二色の川が交わっているココを発見。しかもその付近には鉄道橋が架けられているのを知って、機会があれば一度行ってみたいと思ったのです。

さて、ここまできたからには、やはりこの面白い川と今いる鉄道併用橋を一緒に撮れるアングルを探してみたい。橋の付近は大きな公園を含んだ森林地帯になっているので、ひょっとしたらどこかにいい撮影ポイントがあるかも知れません。橋を渡って森林の遊歩道へと入ってみます。

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橋を渡りきったところで出会ったのは、ワンコさん。
ワンコさん、この先に列車を撮れるところはありますか?

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遊歩道の入り口で今度はニャンコさんがお出迎え。
ニャンコさん、この道で合っていますか?

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森林の遊歩道、馬と自転車の乗り入れは禁止。
馬で入る人がいるのか・・・?さすがスイス。

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鉄道橋の真上付近まで到達してみたものの、
ここではちょっと撮影は難しいなぁ・・・。

しばらく遊歩道を進んでみるも、この時期は木が深く生い茂っていて、うまい具合に視界が開けません。やはり行き当たりばったりで探しても、そうそういい撮影地など見つからないものか・・・と、諦めかけたとき、かろうじて橋と川が望める場所を見つけました。

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木々の向こうに見えるのは、先ほど歩いた併用橋。

う~ん、ここも木の枝が邪魔をして、普通のアイレベルで撮影するのはキビシイ。しかし周りを探しても、ここより視界が開けているところは見当たりませんでした。木によじ登ればキレイに撮れそうですが、木が折れたらローヌ川へ真っ逆さま・・・スイスまで来て、そんなリスクは負えません。そこで、ファインダーを覗かずにカメラのライブビュー機能を使って撮影を試みることにしてみました。腕を目一杯伸ばして、液晶画面でアングルを決めるのです。これなら確かに枝はクリアできそうですが・・・列車が来るまで、腕を伸ばしたままの体勢はかなりキツイものがあります。ああ・・・腕がつる・・・列車よ、早く来てくれえ~(´Д`;)。

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ローヌ川を渡るランシー=ポント=ローエ行きのローカル電車。
外から眺めた併用橋は立派な姿をしていました。
11.07.03 スイス国鉄 Geneve~Lancy-Pont-Rouge

なんとか、ローヌ川を渡る列車を撮影することができました。しかし濁っているアルヴ川のほうが全然写っていません。でも、もうこれが限界。結論としては、夏場に来るポイントでは無かったということでしょうか・・・。

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頑張って、もう一枚トライ。
上写真より少しはアルヴ川の濁りがわかる・・・かなぁ?

それでも、きれいなローヌ川を渡る列車の写真を順光で撮ることができたのだから、これはこれでいい結果だったのかもしれません。何よりも、スイスで歩いて鉄道撮影地を探すという行為が楽しかったし、見てみたかったジョンクシオンの不思議な光景も見ることができました。
ちょっと歩き疲れたけれど、ジュネーヴでの日曜日は思った以上に有意義な一日となりました。

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帰りは公園近くの停留所からバスに乗車。
どのバスがどこを走るのかよくわからないけど、
たしか⑩番のエアポート行きに乗れば、市内中心部へ戻れるはず。

Quldort-(市営バス⑩番)-Cirque

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市内のCirque停留所近くにあるのは、
ハンバーガーの名店「Remor」。
スイス牛100%のミートパティは絶品。
もともとパンもチーズも美味しいスイスですから、
このハンバーガーはとてもウマい!
値段もオーソドックスな「Catalan」でCHF19と
スイスの食事としてはリーズナブル。
なかなかジュネーヴでハンバーガーを食べようとは
思わないでしょうが・・・ぜひおススメです!
☆☆☆☆☆


Cafe-Glacier-Remor

・・・続きます。



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