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東京総合車両センター・・・夏休みフェア2011 見学記 [鉄道写真撮影記]

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2011.08.27 東京総合車両センター
夏休みフェア2011 見学
青函連絡船羊蹄丸
  

毎年恒例、8月の最終土曜日は東京総合車両センター(TK)の一般公開日。もちろん公開してくれるのはとてもありがたく、毎年楽しみにしているイベントなのですが、個人的に今年は事前に公表されていた展示車両の中で、とくにお目当てとなるような車両はありませんでした。しかし、昨年のように事前情報には無かったEF58 61(ロクイチ)の展示などというサプライズがあったりするので、なかなか一概には侮れないもの。あとは、まもなく完全撤退する山手線用E231系の6扉車(サハE231-500)などが、構内に転がっていれば撮影したいなどとも考え、昨年に続き今年もTKの公開へと足を運んでみることにしました。

8月27日(土)
今年は曇り空で気温もそれほど高くない。しかも天気がぐずついているせいか客足は鈍く、並び始めてから数分程度で、すんなりと入場することができました。天気が悪いのは嬉しいことではないけれど、猛暑の炎天下で並んだ昨年に比べると、だいぶ楽で助かります。

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入場門脇に鎮座しているのは、
昨年からTKの顔になった、209系試作車ことクハ901-1。

会場案内図を手渡されて正門をくぐり、さっそく車両展示コーナーから見て回ることに。今年もサプライズはあるのか、果たしてロクイチは・・・?

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昨年、ロクイチとDD51 842が展示されていた場所には
クモヤ143とE217系(更新車)が並べられていました。
それほど珍しい車両ではないけれど、事業用車のクモヤ143などは、
こういう機会にキッチリと押さえておきたいところ。

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こちらは車両展示のメイン会場。
時間帯が早いせいか混雑はなく、まったりと撮影することができます。

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E233系と209系改造の「MUE-Train(ミュートレイン)」。
在来線用試験車の「ミュートレ」も珍しい電車なのですが、
集まったファンの関心はE233系の行き先表示にあったみたい。
この時は「各駅停車・東所沢」を掲出していました。

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185系湘南色(OM03)とEF510-513。
事前の展示予定に「185系」とあったので、てっきり復刻塗装の
A8だと思っていたのですが、まさかの湘南色でした。

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その湘南色のすぐ脇に成っていたのは、立派な瓢箪。
重さに耐えられるようにくくり付けられているところを見ると、
職員の方が大切に育てているのでしょう。

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乗車体験コーナーで構内運転されていたのは豊田のスカ色115系。
「急行」幕の表示がちょっと嬉しい。(^^)

以上が今年の主なラインナップ。ほぼ事前情報通りで、残念ながら今年はロクイチの姿がありませんでした・・・。(´・ω・`) それでも、クモヤや「ミュートレ」などの事業用車が見られたり、E233系や115系が珍しい表示を掲出するのは、こういう車両展示会ならではのこと。それらが見られるだけでも、じゅうぶんに楽しい。続いては研修庫内にある入場中の車両を覗いてみます。

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昨年同様にE217系が更新工事のまっただ中。
このスカ色(旧塗装)もいずれは消えてしまうのかな?

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山手線用E231系も入場していましたが、
6扉車組み込みの編成ではありませんでした・・・。

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ずら~っと並んだ車輪。なかなか圧巻な光景です。

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車両工場公開のイベントとしては欠かせない「車体吊り上げ実演」。
吊り上げられたのはモハE231-1529。
宙を浮く電車に興味津々の子供たち。
お父さん、肩車おつかれさまです・・・。(^^;)

現在のTKで行われているメンテナンスは、新系列車両と呼ばれるステンレス車ばかりで、車両自体にはあまり面白みがありません。でも、庫内に佇んでいる山手線や検査を受けているE217系、吊り上げられたE231系とそれを見つめる子供たちなど、普段とは違う姿の車両たちは意外とフォトジェニックな被写体になるものです。
屋外展示、研修庫内と一通り見て回り、今年の
TK見学は終了。それにしても、会場内にずっと流れていたJR東日本の社歌が耳から離れなくなってしまった・・・。(^^;)

TK最寄りの大井町からりんかい線に乗って、次にやってきたのはお台場。夏休みも最終盤で、海浜公園のオープンデッキや某テレビ局のイベントなどは大賑わい。そんな光景を横目に見つつ私が向かったのは、「船の科学館」。

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お台場にある「船の科学館」。
客船をモチーフにした独特な形の建物です。

新聞報道などでご存知の方も多いと思いますが、この船の科学館は今年の9月末を持って一時休館。施設の見直しを図るとのことですが、再開時期が「未定」というのが気になります。ずいぶん昔に一度だけ、船好きの叔父に連れてきてもらった記憶ぐらいしか無い、船の科学館。休館前にもう一度訪れておきたかったのです。

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館内では模型を使った船舶の解説や、エンジンなどの各種機器が
展示されています。これは戦艦大和の大型模型。

とはいうものの、私はそれほど船に興味があるわけではありません。あくまでも鉄ですから・・・。そんな私がいちばん見たかったのは、船の科学館で屋外展示されているこの船。青函連絡船「羊蹄丸」。

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本館の展望塔から眺めた、元・青函連絡船「羊蹄丸」。
すぐ脇を新交通システムの「ゆりかもめ」が通り過ぎて行きます。

「JNR」の国鉄マークが誇らしい「羊蹄丸」。青函トンネルが開通した88年にお役御免となり、96年からここお台場で展示されていましたが、船の科学館休館に伴い、この「羊蹄丸」は展示を終了。今後は海外などへの売却が検討されているものの、解体される可能性もあるのだとか・・・。 いずれにせよ、休館までの残された期間が「羊蹄丸」を見学できるラストチャンス。展望塔から外観を撮影した後は、船内へと入ってみます。

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タラップを渡って船内へ。
青函連絡船の現役時代から付けられている
羊蹄山とイルカのシンボルマークがお出迎え。

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船内には、青函連絡船の旅客名簿や運賃表などが
展示されています。

現在の「羊蹄丸」の正式名は「フローティングパビリオン羊蹄丸」といい、船内展示のメインは昭和30年代の青森埠頭を再現した「青函ワールド」というパビリオン。青函連絡船当時そのままの内装などを期待している方には少々興ざめしてしまうかも知れませんが、意外とこのパビリオンがよくできていて、とくに鉄としては青森駅の情景が楽しい。

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ちょっとチープですが・・・(^^;)
左が青森駅の出札所で、右の方が青函連絡船へのタラップ。
上には時刻表が掲げられています。
過去の人(人形)と現在の人が入り交じっているのに、
あまり違和感が無いような・・・。

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時刻表のアップ。
実際に当時走っていた列車かどうかは解りませんが、
接続列車などが詳細に書かれていて、なかなかリアルです。

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出札所できっぷを買い求める親子。
父上が不在で、いったいどこまでいくのでしょうか・・・?

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駅待合室に置かれた薪ストーブ。
そういえば、今年の春に訪れた九州の大畑駅にも
こんなストーブがありましたね。

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荷物の運び屋、「赤帽さん」の姿も。
おや?奥の方に気になるモノが顔をのぞかせています・・・。

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奥へ進むと、何と本物のDE10 30の姿が。
ここは実際に車両甲板があった場所で、床下にはレールが敷かれています。

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連絡船の歴史を紹介するスクリーンの下に見える車両甲板のレール。
ここに北海道からの貨車が積み込まれていたのですね。

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車両はDE10の他にもう一両。
ブルーのスハフ44 25が「津軽」のサボを下げて置かれています。
車端部の検査表記には「58-1 五稜郭車セ」の文字が・・・。

実は私、青函連絡船には一度も乗れずじまいでした。学生時代にアルバイトして貯めたお金で初めて北海道を目指したのは88年の3月。そう、まさに青函トンネルが開通したときでした。もう半月早く旅に出て、最後の青函連絡船に乗ることも可能だったはずなのですが、その頃は無くなるものへの惜別の念よりも、新たに開通する青函トンネルの列車にいち早く乗ってみたいという感情の方が高かったのですね。今さらあの時のことを後悔などはしていないけれど、やはり一度くらいは現役の青函連絡船に乗って、「津軽海峡冬景色」の旅情を味わってみたかったな・・・などと、動かない羊蹄丸のデッキでお台場の景色を眺めながら思うのでした。

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最後にブリッジ(操舵室)へ上がってみました。
雨にも風にも、嵐にも負けず津軽海峡を往復し続けた「羊蹄丸」。
次はいずこへの船出となるのでしょうか。
願わくば解体されずに、再就職先が決まるといいですね・・・。

船の科学館なのに鉄道メインとなってしまいましたが、こんな楽しみ方もアリなのではないかと思っています。休館まであとひと月、今なら謝恩割引で入館料はなんと200円(通常700円)。船だけでなく鉄道に興味のある方にもココはオススメのスポットですよ~。(^^)



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