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小湊鐵道・・・桜花爛漫!春の小湊撮影記 (後編) [鉄道写真撮影記]

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2012.04.12
小湊鐵道
桜鉄2012
桜花爛漫!春の小湊 撮影記 (後編)
  

春の小湊鐵道旅。前編からの続きです。
期待通り満開の桜に出迎えられたものの、撮影したかった上総大久保の俯瞰ポイントには辿り着くことができず、出鼻をくじかれた形となってしまいましたが、でも撮影はまだまだこれからが本番。気を取り直して次の撮影ポイントへと向かいます。上総大久保から上り列車に乗ってやってきたのは、今旅の本命ポイントである飯給(いたぶ)。小湊沿線に数ある桜の名所のなかでも、列車と絡めやすくて形もきれいな飯給の桜は、いちばんの人気スポットです。

上総大久保1217-(小湊28)-飯給1226

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飯給はホーム上に待合室があるだけの無人駅。
でも駅の周りには満開の桜が咲き誇ります。
小湊鐵道 飯給

本当は飯給へ来る前にもう一ヶ所、せっかくなので月崎か里見あたりでも撮影しようかと考えたのですが、この辺は二時間に一本程度の小湊鐵道。途中下車を繰り返すのは撮影効率が悪い。ならば、もう本命の飯給に絞って、じっくりと腰を据えることにしました。まあ私の場合、欲張って焦るとあまりいい結果にはならないみたいですし。(^^;)

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飯給駅のホーム脇にある、板張りの謎の物体・・・ナニコレ(゚△゚)?
実はこれが例の「世界一大きいトイレ」の外観。
女性専用トイレなのでコレぐらいしか撮りませんでしたが、
内部が気になる方は
市原市のHPなどを参照してみてください。
それにしても、私など「たかがトイレ・・・」と思っていましたが、
結構多くの見物客が訪れていました。
何でも「世界一」になると、スゴイのね・・・。

飯給駅前に設置された「世界一大きいトイレ」なるものを横目に見つつ、駅の周囲をひとまわり。単線非電化の小湊鐵道は障害物も少なく、いろんな角度からスッキリと撮影することができますが、まずは駅の東側にある斜面から桜を入れて下り列車を狙ってみることにします。待つことしばし、やがて桜の向こうにキハの姿が見えてきました。

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満開の桜と菜の花に迎えられて、列車が到着。
まずはホームに進入してきたところをタテ位置で。
小湊鐵道 飯給

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停車したら今度はヨコ位置で。
乗客が窓を開けて桜を撮影しています。
思わず撮りたくなる気持ちはすごく解るので、
個人的にはこういう光景、キライじゃないです。(^^)

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ラストに発車してゆくシーンを、ちょっと引き気味で。
画面左の桜に目が行きがちですが、
今年は右の老木もキレイに花を咲かせてくれました。

ここは駅なので、当然ながら列車はゆっくりと進入してきて停止します。その間にタテ位置やヨコ位置、アップなど桜と絡めて撮り放題。でも本命カットは、やはり列車が発車してゆくところを手前まで引き付けて・・・って、あれ?シャッターが切れない!?Σ(゚Д゚|||) え?え?どういうこと?? まさか故障じゃ・・・。その間に列車は真横を走り去ってゆきます(本当なら上写真右端に写っている停目のあたりでシャッターを切るつもりでした)。慌ててファインダーから目を離してカメラのモニターを見てみると・・・「メモリーカードがいっぱいです」orz アホカ...。考えてみたらこの日はサブのコンデジを忘れてきてしまったこともあって、メイン機で後方展望やら桜などをガシガシ撮りまくっていたのでした。さらに駅間を通過する列車を一、二枚撮るわけでなく、上総大久保やこの飯給で停車シーンを何枚も何枚も撮っていたら、そりゃカードもいっぱいになるってものです。それに気付かず本命カットを逃すとは・・・まさに痛恨の凡ミス。上総大久保俯瞰といい、今回の事といい、せっかく絶好の条件に恵まれているのに、なんだかツイていないなぁ・・・いや、すべて自分が悪いのですけどね (´・ω・`) 。でもまあ、故障という最悪な事態でなかったことには一安心。もしここでカメラが故障して一枚も撮れないなんてことになったら、泣くに泣けないところでした。そんなちょっと前向きな考えで吹っ切り、予備のカードに差し替えて撮影を続行。いま一度、メモリーカードと電池の残量、撮影設定の再確認をし、次の上り列車を待ちます。

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迫力すら感じる満開の桜をかすめて、列車が小駅を発車してゆきます。
小湊鐵道 飯給

今度は先ほどとは逆になる、駅西側の踏切脇から撮ってみました。こちら側の方が桜の形が良く、さらに桜の背景が森で暗く落ちてくれるので、満開の桜がよりいっそう美しく映えます。や~っと、思い描いていたような小湊鐵道と桜の画が撮れたかな・・・。ところで、撮影後に気付いたのですが、よく見ると列車の側窓から桜の花に触れようとする乗客の手がにょきっと伸びているではありませんか。先ほどの車内から写真を撮っていた人と同様に、思わず触れたくなる気持ちもわかりますよね~。次のカットでは手が引っ込んでいたのですが、あえてこの写真を選んでみました。できればこういうシーンはすぐに気付いて、そこをアップで撮れるような咄嗟の判断力が欲しいところです。。。

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ここで一段落し、お昼にします。
行きがけにJR千葉駅で買ってきた「菜の花弁当」。
鳥そぼろと炒り卵のシンプルな駅弁ですが、
どこか懐かしいお味。外で食べれば遠足気分です(^^)
箸じゃなく先割れスプーンが付いているので食べやすい。
☆☆・・・
ちなみに小湊沿線の駅前は飲食店はおろか、
自販機すら見当たらない駅が多いので、
飲食物は事前に持ってくることをおススメします。

ちょっと遅めのランチタイムを挟んで、続いては同じ飯給駅でもサイドから狙えるアングルへと移動します。こちら側にはすでに水を張った田んぼがあり、ウマく撮ればその水田(代田)に景色が写り込む、いわゆる「水鏡」が拝めるので、鉄だけでなくネイチャーフォトを撮る方達の姿も多数見られます。ただし、きれいな水鏡が見られる条件はまったく風が吹かない無風状態であること。桜を撮るだけならばひたすら風が治まるのを待てばいいのですが、鉄道写真となるとそう簡単にはいきません。列車が来たときに無風になるかどうかは、もはや運次第。ちょうど近くに神社があったので、お参りはしてみましたが・・・。

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苗植え前の水を張った田んぼ、
代田(しろた)にその姿を映す、桜とキハ。
小湊鐵道 飯給

う~む、惜しくも左半分がにじんでしまった・・・。頬にほんの少し風を感じる程度でも水面が揺れてしまうので、本当に難しい。一時間後に来た折り返し列車も結果は同じ・・・というより、もっとにじみが酷かった。でも、この日は西(画面左)から風が吹いていたのか、列車が来ない時間を見ていても、左半分だけがにじむケースが多い。ならばと、ためしに今度は右半分だけを狙ってみます。

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夕暮れ近づく里山の春。
こういうのどかな景色には、単行列車が似合います。

桜の木が一本になってしまうのはちょっともったいないけれど、狙い通りに列車は水面にクッキリ (^^)。しかしすでに夕暮れ時で、山陰に隠れて桜にも列車にも日は当たらなくなってしまいました。もうそろそろ撤収すべきか・・・いや、この飯給の水鏡桜はこれからが本当の見せ場。むしろ日が暮れるのを待っていたかのように、続々とギャラリーが集まりだしました。実はここの桜、日暮れと同時にライトアップされるのです。夕方に撮った上の写真から、さらに待つこと二時間・・・。

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宵の口、ブルートーンに包まれた飯給駅に列車が到着。

このころには懸念していた風もぴたっと止み、完全なる無風状態。列車も単行だったので、桜と桜のちょうど間に停まるベスト位置。これは思い描いていた以上の情景です。この撮影ポイントでのいちばん人気は最初に撮ったほぼ真横の位置なのですが、鉄としてはちょっとテールランプが見せたかったので、ちょい左寄りから撮影してみました。これだけ撮れれば満足・・・? いやいや、まだ撮影は続きます。さらに時間はすすみ、やがてあたりは闇に包まれました。そして午後7時、上り48列車の到着時刻・・・。

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漆黒の世界に浮かび上がった、鮮やかな満開の桜。
その傍らで静かに佇む単行列車。

ライトアップされた夜桜、単行の小湊キハ、そしてクッキリ映し出した水鏡・・・思わず言葉を失うほど、美しい幻想的な世界がそこに繰り広げられました。ひとつ残念なのは、上り単行列車の場合、先ほどの下り列車の停止位置とは異なり、左寄りに停車してしまうこと。でもそんな些細なことなど、どーでもよくなるほど感動的・・・: *:・(*´∇`*).・: *:・。ああ、休暇を取ってまで来た甲斐があったなぁ・・・。じゅうぶんすぎる結果が得られ、大・大・大満足。もう撤収してもいいのですが、上り列車は今撮った列車が行ったばかりなので、次はまた二時間後。その前に今度は逆方向の下り列車がやってきます。ラストにもう一本、この列車も夜桜で撮りましょう。

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再び夜桜のもとに列車が入ってきました。
二本の桜と二連のキハがバランスよく停車。

感動再び・・・(*´∇`*)。下りの最終となるこの43列車は、二連でした。単行よりもバランスよく見えますが、なんだかまとまり過ぎるキライもあって、個人的には単行列車の方が好きかな・・・。でも、単行と二連の両方が撮れたのは、嬉しい収穫 (^^)。

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発車するタイミングを撮って、少し動きを付けてみましたが、
ちょっとビミョーだったか・・・こういうのは難しいっ(>_<;)。

これで今度こそ撮影は終了。というより、今の列車が折り返してくる次の列車が上りの最終列車ですから、コレに乗らないと私は帰ることができません(^^;)。20時36分、首都圏近郊とは思えないほど早い時間の最終列車が、飯給駅へ入ってきました。

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夜桜に迎えられた、上り最終列車。
ホームからのアングルもなかなか悪くないですね。
小湊鐵道 飯給

二連の最終列車、乗客は私と同じく飯給から乗った四人の鉄だけだったので、ふだんは乗客ゼロなんてことも多そうです。もう写真は撮りませんでしたが、行きとは逆に運転室脇の座席から暗闇の中を突き進む前面展望をずっと眺めて過ごし、終点の五井には21時26分着。朝から夜まで一日じゅう桜を撮りまくった、春の小湊旅が終わりました。

飯給2036-(小湊54)-五井2126
五井2143-(内房1144M)-千葉2201~2204-(総武快速2210F)-市川2227~2229-(総武2113B)-御茶ノ水2251~2251-(中央2259T)-新宿2302

俯瞰撮影ポイントが解らなかったり、メモリーカード残量を確認しなかったりと、不安な出だしとなった今回の撮影。でも最終的には念願だった満開の桜とキハのコラボを好条件で撮ることができて、大満足の一日となりました。初めて撮った飯給のライトアップは列車の本数も少ないことから、今回はオーソドックスな撮影に留まってしまいましたが、また撮れる機会に恵まれれば、今度はもう少しいろんなアングルから工夫してみたいところです。

桜鉄2012はこれにて終了。
桜の花よ、また来年満開になって楽しませておくれ~
☆ (^^)/



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