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九州01・・・日豊本線 485系「にちりん」撮影記(前編) [鉄道旅行記]

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2012.04.28~30
九州01
日豊本線
485系「にちりん」 撮影記 (前編)
  

毎年ゴールデンウィーク(GW)ともなれば、各地で多種多様な臨時列車が運転され、「撮り鉄」「乗り鉄」ともにファンを楽しませてくれます。そのなかで今年、私がもっとも気になったのが、九州の日豊本線で運転される、485系の特急「にちりん」。JR九州の485系と言えば、昨年の九州新幹線全線開業と同時に行われた大規模なダイヤ改正で、定期運用からすべて撤退。かろうじて国鉄特急色に復刻された一編成(Do32)のみが残されましたが、これはもう完全なイベント用なのだろうと思っていました。ところが、2月に発売された鉄道誌(DJ誌)に掲載されていた春の臨時列車一覧表を何気なく見ていると、なんとGWに運転される日豊本線の特急「にちりん」の欄に、『使用車種・485系5両』の文字があるではありませんか! もちろん使用されるのは唯一の生き残りである国鉄色のDo32。しかし、これはリバイバル列車のようなイベントではなく、臨時とはいえ、れっきとした特急列車としての運転です。これには正直、驚きを隠せませんでした。素人考えですが、九州の特急車両なんて古い485系など使わずとも、新幹線の開業で783系や787系に余裕があるはず。それなのになぜ今さら485・・・!?  でも、これは私にとってリベンジを果す絶好のチャンスでもあります。

実は昨年の3月、九州新幹線開業に合わせて九州を訪れていた私は、そのついでに485系の最終運転を日豊本線で撮影しようと計画していたのです。ところがその前日、3月11日に起きたあの大地震の影響で九州の鉄道も終日大乱れ。結局、485系の撮影は幻と消えてしまったのでした。もう撮ることは叶わないと諦めていた九州の485系。それが今になって撮れるなんて・・・これは放ってはおけません。

いつもの私なら天気予報を見てから行き先や日程を決めるところ、今回はどんな状況でも485系の「にちりん」が撮れればいいと思い、早々と3月の時点でGWに九州へ飛ぶ計画を立てました。少しでも時間を有効に使うならば、連休初日となる4月28日朝イチの大分行きの便を予約か・・・しかしGW初日の朝は早割や得割でも、ちと高い。ためしに連休前日の27日を検索してみると、なんとその差は約一万円! これならば前日入りしてホテルで一泊したほうがずっと安くて、翌日も効率がいい。そこで、会社には当日午後からの半休届けを出し、27日の夕方に羽田を発つ便を予約してしまいました。このときはまだ小湊鐵道の桜撮影で有休を取るなんて思ってもいませんでしたが、今考えるとひと月の間に有給と半休を一日ずつ取っちゃうなんて、我ながらずいぶんな暴挙に出たものです(^^;)。そんなワケで今年のGWは九州新幹線開業以来一年ぶりとなる九州鉄道旅へ。もちろん「にちりん」の撮影以外にも撮り鉄、乗り鉄を思う存分に楽しんで来ようと考えています。

  

4月27日(金)

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今回、大分までの空の旅はANAを利用。
ゲートのフライトインフォメーションによると、
この飛行機はB767-300だそうです。
12.4.27 羽田空港

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大分空港から大分市内までは連絡バス。運賃は1500円。
以前は別府湾を縦断するホバークラフトが運航していましたが、
残念ながら09年に廃止となってしまいました・・・。
12.4.27 大分空港

東京・羽田から大分までの所要時間はわずか一時間半。やはり飛行機は速いですね~。鉄道だと東海道新幹線「のぞみ」と日豊本線の特急「ソニック」を乗り継いでも約6時間半ですから、これは比べ物にならず、いくら鉄道好きでも飛行機を使わざるを得ません。ただし、国東半島の東端にある大分空港から大分市内までは別府湾を大きく迂回するためにかなりの遠回りを強いられ、市内へはノンストップの連絡バスでも一時間ほどかかります。地方空港はどこもあまりアクセスが良くないものなのですが、九州の場合、なまじ福岡がとても便利なだけに(空港~博多駅まで地下鉄で10分)、より不便に感じてしまいます。日が暮れた午後7時過ぎに大分駅到着。

東京・羽田1630-(NH197)-大分1805
大分空港1815-(空港連絡バス)-大分駅前1913

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大分は日豊本線・久大本線・豊肥本線が乗り入れるターミナル駅。
こちらは繁華街側に面している府内中央口(北口)です。
12.4.27 日豊本線 大分

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着いたら何はともあれ、まずは大分名物の「とり天」で一杯!
明日への英気を養います。(^▽^)

久しぶりに訪れた大分駅。玄関口となる府内中央口の外観は以前と変わらずでしたが、中に入ってビックリ!なんと列車が発着するホームがいつの間にか高架になっているではありませんか w(゚ロ゚)w (今年3月17日に高架化完成)。この日は一杯引っ掛けた帰りに、ちょこっと寄っただけだったのですが、その変貌ぶりには思わず酔いが醒めてしまうほどでした(笑)。夜は撮影に向かないので、その駅の様子は翌日に撮ることとし、駅前のビジネスホテルにチェックイン。

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大分駅改札前に新たにできた「豊後にわさき市場」。
土産店や飲食店がいろいろと並びます。

 

4月28日(土)

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前日の駅構内散策で「豊後にわさき市場」に
博多で人気のクロワッサンの名店「ミニョン」を発見!
朝食用に「めんたいクロワッサン」を購入しておきました。
コレ、マジウマです・・・☆☆☆☆☆

朝早い初発電車などで出ることも多い私の場合、あまりホテルでの朝食付きプランは選びません。この日はそれほど早い出発時間ではありませんでしたが、いつものように前もって買っておいたパン( ↑ )と飲むヨーグルトで軽く朝食を済ませて出発。まずは列車に乗る前に、前日は暗くて撮れなかった旧・大分駅構内などを少し撮影します。

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前出の府内中央口を入ると、
地平の旧ホームがまだそのまま残されています。
乗り潰し旅をしていた頃は
幾度となくこのホームに降り立ったものでした・・・。
左上に見えるのが新しい高架ホーム。
12.4.28 日豊本線 大分

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大きくリニューアルされた上野の森口(南口)。
ガラス張りの立派な高架駅はまるで新幹線駅のようです。
12.4.28 日豊本線 大分

高架化で大きく変わってしまった大分駅。もちろんきれいで新しい駅は地元の利用者からしてみたら便利で嬉しいでしょうし、駅ビルやショッピングモールが併設された駅は街の活性化にも繋がることでしょう。でも、久しぶりに訪れた旅人からしてみたら、知っているはずの駅風景が消えてしまい、ちょっぴり寂しさも感じます。地平ホームだった頃の大分駅を行き来していた、485系「にちりん」やキハ58「火の山」、寝台特急「富士」「彗星」などが懐かしい (´∀`* )・・・。な~んて、いつまでも遠い思い出にふけていても仕方がないので、さっそくリニューアルとなった大分駅の新・ホームから、旅を始めることにしましょう。

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真新しい高架ホームに停車中の列車たち。
左の真っ赤な列車は豊肥線のキハ200で、
手前が私の乗る日豊線の815系普通列車。
12.4.28 日豊本線 大分

さて、今回の撮影ターゲットとなる臨時の485系「にちりん」は、大分と小倉の間を二往復する運用。まずは上りの「にちりん82号」を狙います。しかしこの「82号」は午前中に大分から小倉へ向けて北上する列車で、杵築や立石と言った有名撮影どころでもあまり光線状態が良くない。編成全部とは言わないまでも、せめて「にちりん」のマークを掲げた顔だけでもきれいに光が当たるところは無いのだろうか・・・と、地図を広げて見てみると、湾曲した別府湾沿いに走る日豊本線のうち、豊後豊岡から日出(ひじ)の先までのわずかな区間だけ上り線が東を向いて敷かれています。とくに南東方向を向く日出駅周辺が良さそう。日出で降りたことは一度もなく、抜けの良い撮影地などあるのかどうか解りませんでしたが、最悪駅撮りでもいいやくらいの軽い気持ちで下車してみることにしました。

大分0748-(日豊628M)-日出0815

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初めて降り立った日出(ひじ)駅
線路下の地下道から階段をのぼったところに駅舎がある
ちょっと変わった構造の駅でした。
12.4.28 日豊本線 日出

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駅北側の高台に出たところで、
883系の特急「ソニック」がやってきました。
この883系、JR九州初の振り子特急と言うことで、
本来は881系と名乗る予定でしたが、
形式ロゴを貼付ける際にデザイナーさんから
「直線的な「1」よりも曲線の「3」の方が美しい」
と言う理由から、883系になったのだそうな。
12.4.28 日豊本線 日出付近(後追い)

順光の撮影地を求めて線路沿いの道を歩いていると、傍らを特急「ソニック」が高速で通過。この写真は下り列車の後追いですが、思惑どおりに上り方の顔には日が当たっています。あとはもう少しスッキリと撮れるところを探したい。さらに歩みを進めて途中で何カ所か撮影地の目星をつけ、最後に駅から20分ほどのところにあるカーブ脇の踏切へとやってきました。上り列車はこのカーブで大きく進行方向を変えて北側を向いてしまうので、言わばここがこのあたりで最後の順光ポイントとなります。ちょうど踏切が鳴ったので、ためしに一枚撮ってみると・・・

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まず現れたのは、415系の普通列車。
ここを通過する普通列車の大半は先ほど乗ってきた815系で、
415系は意外と貴重だったりします。
でも正面気味に撮ると、幕板部の青ラインが見にくくて
まるでちょっと前の常磐線を撮っている気分・・・(^^;)。
12.4.28 日豊本線 日出-大神

お、いい感じ。カーブをゆく列車を正面気味に捕らえる、なかなか迫力のあるカットになりました。背景も緑一色に埋まるので悪くない。斜めに横切るケーブルの影がややウザイけど、この辺はずっと順光側に架線柱があるのだから致し方ありません。まあコレくらいは目をつぶりましょう。最初の「にちりん82号」はここで撮ることに決定です。まだ通過までは一時間ほどありますが、日豊本線は特急列車の本数が多く、魅力的な車両が次々にやってくるので退屈はしません。

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振り子列車らしく、車体を傾かせて走り抜ける
883系の「ソニック」、通称「青ソニ」。
強い光に照らされて、メタリックブルーが輝きます。
サンバイザーの「SONIC」ロゴもカッコイイ (・∀・)!!

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こちらは885系「ソニック」、通称「白ソニ」。
個人的に885系は「ソニック」よりも
長崎本線の「かもめ」という印象が強いです。
窓の縁取りも青より黄色の方が好きだったな・・・。
あ、よく見るとサンバイザーは「KAMOME」のままだ (^^;)

415系、883系、885系と、どれも同じアングルに見えますが、架線ビームの影落ちを嫌って、微妙に立ち位置をずらしています。この他にも783系「ハイパーサルーン」などもやってきたものの、見事に影落ち撃沈でした。485系では影落ちなんていう失態は絶対にしたくないところ。慎重に位置を決めて、いざ本番。

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カーブの奥から姿を見せたのは、懐かしい国鉄色485系の特急「にちりん」。
奇抜なスタイルの後輩たちに混じって、最南端の国鉄特急型がここに健在!
日豊本線の特急には、「にちりん」マークを掲げた485がいちばん似合います。

念願の国鉄色485系「にちりん」を撮れた~ヽ(´▽`)ノ 。まさに一年越しの願いが叶った感じです。国鉄色の485系、最近では信越線の「北越」などでも撮影していますが、やはり九州の485系と言うと、ひと味違った魅力があります。網目のタフォンカバーなんて、いかにも九州らしくていいじゃないですか。それにしても気になるのはその痛み具合。しばらく野ざらしにされていたせいか、雨による水垢汚れや屋根の退色など、かなり激しくて痛々しい (´;ω;`)。アップで撮るのはコレ一枚にしておいた方が良さそうですね・・・。でも何にせよ、とりあえず485系「にちりん」の一本目は大満足の結果となりました。

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実は本番を撮ったカーブとは別にもう一カ所、
この直線ポイントのどちらで撮ろうか悩みました。
でも485系の通過時間には、
まだ左側面まで光が回らなさそうだったので、
カーブからの正面を選択。
帰り際に883系を撮ってみましたが、
やはりサイドに光は回っていませんでした。
12.4.28 日豊本線 日出-大神(後追い)

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ちなみにこの撮影地付近は道路の拡張工事(?)が行われていて、
近い将来にはスッキリ撮れなくなってしまうかも・・・?
12.4.28 日豊本線 日出-大神

さてお次は、今の折り返しとなる下りの「にちりん83号」を撮るために撮影地を移動。日出駅から再び日豊本線の上り列車へと乗り込みます。

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日出駅に入ってきた815系。
一編成二連のローカルタイプで、車内はロングシートのみ

乗り心地は悪くないけれど、ちょっと味気ない電車なんだよなぁ。。

12.4.28 日豊本線 日出

 


・・・後編へ続きます。



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