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関東鉄道・・・常総線キハ100 撮影記 [鉄道写真撮影記]

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2012.05.26
関東鉄道・常総線
タラコツートン キハ100撮影
  

先週、とある鉄道趣味系HPを眺めていると、「関東鉄道・常総線の騰波ノ江(とばのえ)駅で、"鉄コレ" 発売イベントを開催」という告知がありました。鉄コレとは鉄道コレクションの略で、大手玩具メーカーが出している鉄道車両のディスプレイモデル (展示模型) 。「鉄道は模型よりも実車派!」の私(・・・というと聞こえはいいですが、元来手先が不器用なのと、模型に費やす資金が乏しいのが実情・・・^^;)、鉄コレにもとくに食指は沸かないのですが、そのイベントのひとつである「当日11時54分、騰波ノ江駅でキハ101・102号が同時停車」の方に目が留まりました。
関東鉄道(関鉄)キハ100は元・国鉄のキハ30の払い下げ車で、国鉄首都圏色・通称「タラコ色」のキハ101と、関鉄の前身である「常総筑波鉄道」時代のクリーム&紺のツートンカラーに塗られたキハ102の二両が、常総線北部の水海道~下館で活躍しています。ただし車齢の高いキハ100が運転されるのは現在、どちらか片方を使った一日一往復のみ。とくにツートンのキハ102の方は通常だと、平日の月・火曜日にしか運転されていないのです(運行情報は関鉄のHPを参照)。私は常総線へ昨年の9月に訪れて、タラコのキハ101は撮影済み。しかしキハ102の方はまだ撮影したことがありませんでした。
そこで、この「鉄コレ発売イベント」。騰波ノ江で同時停車ということは、当然キハ101と102の両方が運転されるということになります。これはキハ102を撮る絶好のチャンス。お天気もまずまずのようなので、イベントが開催される26日の土曜日に常総線へと行ってみることにしました。


5月26日(土)

茨城県の南部、取手から守谷、水海道、下妻を経て下館までを結ぶ、関東鉄道・常総線。東京のウチから鉄道を使ってこの路線へアクセスするには、大きく分けて三通り。一つめは上野から常磐線で取手へ。二つめは秋葉原からつくばエクスプレス(TX)で守谷へ。三つめは少し遠回りで、東北線で小山か、常磐線で友部へ出て、小山と友部を結ぶ水戸線で下館へ。前回訪れた時は福島の磐越西線撮影から流れてきたので、小山から水戸線を経由して下館へ入りましたが、普通に考えれば前者二通りのどちらかになります。同じ秋葉原発で考えた場合の運賃は、JRの取手までが690円で、TXの守谷までは800円( Σ( ̄ロ ̄;)高っ!)。常総線内は乗り降り自由な一日乗車券を使う予定なので、単純にJR経由の方が110円ほど安い。しかし、柏の実家へ帰るときにしょっちゅう乗っている常磐線に対し、TXの方はかなりご無沙汰。ここは110円高くても、久しぶりにTXへ乗ってみたくなりました。

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今回は秋葉原から「つくばエクスプレス」で出発。
つくば行きの快速列車に使われるのは、交直両用のTX-2000系です。
首都圏新都市鉄道(つくばエクスプレス) 秋葉原

時速130キロの高速運転が醍醐味のTX。ここは前面展望でその迫力ある走りを楽しもうかと思い、先頭車へ行ってみると、運転室のかぶりつきはすでに子供たちでいっぱい。さすがに人気があるのね・・・。一本あとの列車でも常総線の接続は間に合うけれど、そこまでして前面展望を見る気はなかったので、ここはふつうに席へ座って過ごすことに。

秋葉原0830-(TX快速3009)-守谷0902

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乗換駅の守谷では少し時間があったので、ホームでTXウォッチング。
秋葉原は地下駅かつホームドアでウマく撮れませんでしたが、
守谷ではスッキリと列車を撮ることができました。
これは私が乗った快速の続行で来た、普通列車のつくば行き。
つくばエクスプレス 守谷

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同じTX-2000系でも前面窓下に赤帯が入った二次車。
個人的にはこちらの方が締まりがあって、カッコイイように感じます。
つくばエクスプレス 守谷

秋葉原から快速で30分の守谷でTXを下車。ここで目的路線の常総線へ乗り換えます。守谷は高架駅のTX、地上駅の関鉄、どちらも二面二線の立派な造りの駅構造。TXはもちろんのこと、常総線もこのあたりは複線区間で、東京近郊の大手私鉄と変わらない様相を呈しています。しかし常総線は全線に渡って非電化路線。ホームにはカラカラとアイドル音を立ててディーゼルカーが待機し、油の匂いが漂っていました。

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TX守谷駅とアンダークロスしている、常総線の守谷駅。
私が乗る今度の下館行き下り列車は、単行のキハ2200でした。
関東鉄道常総線 守谷

下館行きの単行列車は、立ち客が出るほどの乗車率で守谷を発車。普段の常総線、とくに北部はそれほど混雑する印象が無かったので、これはひょっとして例の「鉄コレ・イベント」の影響か・・・? と、一瞬は思うも、よく見ると一番人数の多い集団は年齢層が高めで、どう見ても鉄では無さそう。大声で話す話の内容からすると、この集団は常総線で下館に出て真岡鉄道へ乗り継ぎ、焼き物で有名な益子に向かうらしい。私はというと、イベントのある騰波ノ江ではなく、そのずっと手前にある三妻で下車。

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ちょっぴり車内が賑やかだった列車を三妻で見送り。
そういえば、「みつまJAPAN」って名前の芸人がいたな・・・
(この三妻とは関係はないらしいケド)。
関東鉄道常総線 三妻

守谷0920-(常総線5047)-三妻0941

三妻は、昨年のキハ350「さよなら運転」を撮ったときにも訪れた駅。この駅の北側、隣駅の南石下までの間には広大な田園地帯が広がっていて、天気のいい日には筑波山の姿を拝むことができる、常総線屈指の有名撮影地です。本来なら今回はイベントの行われる騰波ノ江でキハ101とキハ102の貴重な交換シーンを狙うべきなのかもしれませんが、私のような列車利用で徒歩鉄の場合、駅での交換を撮ってしまうと他の場所で走行写真を撮るのが難しくなってしまいます。私的にはやはり沿線で走っているキハ102の姿が撮りたい・・・。それに、イベントの行われる騰波ノ江は同業者で混雑することが予想されるので、ここはあえて交換シーンではなく、キハ101とキハ102、それぞれの走行写真をこの三妻周辺で撮ることにしました。

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本命撮影ポイントへ行く道すがら、線路端から撮ったキハ5000。
以前にも書きましたが、私の乗ってきたキハ2200とこのキハ5000、
外観上はほとんど見分けがつきません・・・(^^;)
関東鉄道常総線 南石下-三妻

まずはすぐにやってくる、上りの水海道行きを撮影。この日、騰波ノ江で11時54分に並ぶ二両のキハ100は、『水海道1032-(5057)-下館1128~1143-(3080)-騰波ノ江1154~57-水海道1236』と『水海道1120-(5065)-騰波ノ江1154~56-下館1220~1234-(1086)-水海道1322』の二運用に入るのは確実。でもひょっとしたら、その前にもキハ100が運用に入っているかも・・・などと、関鉄素人の私は単純に考えて、前運用となりそうな列車を撮るために少し早めに現地入りしてみました。しかし、現れたのはキハ5000。そんなに甘くないのが関鉄です・・・(^^;)

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続いてやってきたのはキハ2400。
関東鉄道のキハ2000系列は、仕様ごとに
2000・2100・2200・2300・2400と
細かく形式分けされていますが、素人目にはよく解らず、
ウィッキー(Wiki)さんによると、このキハ2400は、
「基本仕様はキハ2200に準ずるが、キハ2300で導入した
電気指令式ブレーキや変速機自動切換えなどを引き続き採用し、
キハ2300の両運転台仕様となった」・・・とのこと。
関東鉄道常総線 南石下-三妻

駅から歩くこと15分ほどで、前回訪れたときにタラコ色のキハ101を撮った、筑波山バックの定番ポイントへとやってきました。しかし、本来なら上写真のキハ2400の右後ろに見えるはずの筑波山が、モヤっていてハッキリしません。筑波山が見えないのなら、あまりここで撮る意味は無く、やっぱり騰波ノ江で交換を狙うべきだったかなぁ・・・(-ω-;)ウゥム…。 少し後悔の念が頭を過るも、もう一本目のキハ100が通過するまであまり時間はありません。周囲をウロウロしつつ、たどり着いたのは線路を大きく跨ぐ道路橋。筑波山が見えない苦し紛れの選択ともいえるところだったのですが、ためしに橋へ上ってみると、そこに広がっていたのは思わず息を呑むような景色・・・。

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どこまでも続く広大な田園地帯の中央をまっすぐと延びる線路。
やがてそこをツートンカラーのキハ102がトコトコと走ってきました。
関東鉄道常総線 三妻-南石下

あたり一面に広がる田植えが終わったばかりの水田は、まさに毛足の短い緑の絨毯。感覚的にこの跨線橋上から撮れることは何となく解っていたのですが、実際に上がってみて目にした光景は「絶景」とはいかないまでも、想像以上に雄大でした。そんななかまず最初に現れたのは、本命だったツートンのキハ102。筑波山バックではないけれど、これは結果オーライで大満足です v(*'-^*)b。 実は直前まで、半逆光になる正面側と順光になる後追い側のどちらで撮ろうか悩んでいました。というのも、この跨線橋の車道は意外と交通量が多く、クルマが来るタイミングによっては前か後ろのどちらかしか撮れない可能性があったのです。でもこの景色を見比べたら、やはり田んぼの広がりがある正面に重点を置いて良かったと思っています。結果的にはクルマが来なくて後追いも撮れたし。

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車道を慎重に確認して橋の反対側へと渡り、後追い。
光線状態はこちらの方が順光になります。
小さな踏切を横切るキハ102、なんとも模型チックな情景です。(^^)
関東鉄道常総線 南石下-三妻(後追い)

これはなかなかいいぞと、続いて50分後にやってくるタラコ色のキハ101も同様に撮るつもりだったのですが、もう正午近くのこの頃になると太陽の位置は真正面へと回り、田園の広がる正面側は半逆光ではなく完全なド逆光。試し撮りしたキハ2400が黒く潰れてしまっていたので、今度のタラコは順光となる後追いのみを狙うことにしました。

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国鉄首都圏色、通称・タラコ色を纏ったキハ101。
街並みを遠くに望む、郊外の田園を走る姿は、
八高線や相模線で活躍したキハ30を彷彿とさせます。
関東鉄道常総線 南石下-三妻(後追い)

う~ん、確かに顔は順光ですが、左右どちらのサイドにも日が当たらない、いわゆる「面順」状態。ま、正面がド逆光ならば、当然反対側はそうなるわな・・・(´∀`;)。この二本目となる下り5065列車は、普段の日もキハ100で運転されているスジなので、夏場は晴れると光線状態がキツいということを頭に入れておこう・・・。
ところで、上写真のタラコを撮りながらふと気づいたのですが、背景の街並みのなかに、小~さくお城のような建物が写っています(キハのちょうど真上あたり)。

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ズームしてみると、確かにお城のようです。

歴史にはそれほど詳しくないけれど、こんなところにお城があるなんて話は聞いたことが無いなぁ・・・しかも真っ白で、なんだか胡散臭い。ラブホか? それにしては立派すぎるよね。いったいあれはなんJARO?ってことで、スマホを取り出してJAROに電話・・・ではなく、マップ機能で検索をしてみると、石下駅付近に「豊田城」なるものがあります。やっぱりお城なのかと思いきや、これは戦国時代にこの地にあった豊田城を模した、常総市の「地域交流センター」で、中はホールや図書館になっているのだとか。ずいぶんと立派な公共施設ですね~。ちなみに実際の豊田城はこんな立派な天守閣ではなく、カヤ葺きの城だったらしい・・・(^^;)

さて、そんなことをスマホで調べたりしながら時間を潰していると、一本目に行ったツートンの折り返してくる時刻が迫ってきました。相変わらず上空は晴れたり曇ったりでスッキリしないお天気ですが、先ほど見た時よりは筑波山の姿がうっすらとながら見えてきていたので、筑波山バックの定番位置へと移動します。あのツートンカラーは「常総筑波鉄道」時代のリバイバルですから、やはり一枚くらいは筑波山と絡めた絵が欲しいところ。

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筑波山を背景に走る、常総筑波鉄道カラーのキハ102。
国鉄風にいうと、スカ色を纏ったキハ30って感じですが、
意外とこの色は似合っている気がします。
関東鉄道常総線 南石下-三妻

霞んではいるものの、なんとか筑波山のシルエットが出てくれました~(^▽^)。空はどんより雲だったので、水田を多めに入れたアングルで撮影。週末にはなかなか撮ることができないキハ102ですから、こんな状態でも贅沢はいえません。
ところでこのキハ102、水海道に終着するともうこの日の運転は終わりなのかな? ひょっとしてさらに折り返し運用なんかに就いたりしないかな・・・なんて、朝と同じように淡い期待を持って折り返し運用となりそうな時刻の列車を待ってみるも、現れたのはキハ2400でした。やはり、そんなに甘くないのが関鉄です・・・(^^;;)

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水海道12時50分発の1082列車は、キハ2400。
今度は先ほどの跨線橋のアプローチ部分から、
俯瞰気味に筑波山と絡めてみました。
関東鉄道常総線 南石下-三妻

ラストはタラコの折り返し。タラコの方は前回来たときに晴天順光で筑波山バックが撮れているので、今回は再び先ほどの跨線橋へと上り、往路はド逆光で撮れなかった水田が広がる上り方のアングルでカメラを構えます。この頃になると日はだいぶ西側へと移動し、ド逆光は免れるようになりました。今度は車道を渡るリスクを冒さず、後追い一発で狙います。

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広大な田園地帯をゆく単行のタラコ。
とても都心から一時間ほどの風景とは思えないのどかさです。
関東鉄道常総線 三妻-南石下(後追い)

日の向きに合わせて、往路のツートンとは逆サイド(西側)から撮ったタラコ。薄雲で日差しは弱くなってしまいましたが、そのぶん顔が潰れずに済んだので良かったのかな
前週に行ったヒガハスなどでもそうですが、最近は減反なのか各地で休耕田が目立つような気がしていました。でもここは見渡すかぎりの田んぼに水が張られ、しっかりと苗が植えられています。これから稲が生育して緑一色となる夏場や、金色の稲穂が輝く秋口などに訪れても、壮観な眺めが楽しめそうですね。またそのころにでもキハ100を撮りに訪れたいと思います。

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地図を見ると、行きに降りた三妻よりも
隣の南石下の方が近そうだったので、帰りはそちらの駅へ。
無人で簡素な造りの南石下ですが、
いちおう簡易PASMO改札機が設置されています。
関東鉄道常総線 南石下

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南石下に入ってきた、キハ2400形の守谷接続・取手行き。
常総線の大半は水海道か守谷で南北の運転形態が分けられますが、
短時間の接続で乗り継げるようにダイヤが組まれています。
関東鉄道常総線 南石下

ツートンとタラコ、二両のキハ100がいる常総線。今回いちばんの狙いはツートンのキハ102の方だと書いてきましたが、正直言うと、元・国鉄キハ30のキハ100はタラコの方が馴染みがあるので、今までツートンの方は何が何でもというよりは、撮れる機会があればいいな・・・程度にしか思っていませんでした。しかし実際に見てみると、案外このツートンもいい味を出していて、今さらながらすっかり気に入ってしまいました。JRからはついに久留里線キハ30の引退が決まり、この常総線に残った二両のキハ100は、ますますその価値を高めるものと思われます。そう考えると、たとえ一日わずか一往復の運転であっても、末長い活躍を願うばかりです。

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常総線で使用した「常総線一日フリーきっぷ」1500円。
でも今回は、普通乗車券だと守谷~三妻が600円、
南石下~取手が960円の合計1560円で、
わずか60円しかオトクにならなかった・・・(^_^;)

南石下1340-(2090)-守谷1405~1409-(1092)-取手1427

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取手からのJRは、今回も「オレカ」を使います。
「スーパービュー踊り子」用の251系が図柄のこのカード、
何の記念かと言うと・・・なんと「宇都宮線開業110周年記念」。
宇都宮線の記念でなぜ251系? と、思わず突っ込みたくなりますが、
これは当時、臨時列車で運転されていた「ビュー日光号」です。
それでも、宇都宮線の記念カードには相応しくないですよね・・・。
95年7月発行 宇都宮駅で購入。
ちなみに取手から210円区間は実家のある南柏までのきっぷ。
せっかくなので帰りはちょっと実家へ顔を出してきました。

取手1440-(常磐2394M)-我孫子1447~1453-(1426K)-南柏1502

 



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