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東北本線・・・485系特急「やまばと」撮影記 [鉄道写真撮影記]

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2012.07.07
東北本
最低最悪の七夕・・・(-"-;)
485系 特急「やまばと」撮影
  

海外出張の後処理もようやく一段落した、七夕の週末。久々に撮り鉄に出かけたい・・・と、考えていた頃合いを見計らうように、ちょっと魅力的な団体臨時列車の設定がありました。それは東北本線をリバイバル列車として走る、485系の特急「やまばと」。「やまばと」はかつて東北新幹線開業以前に、上野~山形を東北・奥羽本線経由で結んでいた特急列車で、wikiなどによると運転開始当初(1964年)はキハ82などが使用されていたようですが、私の世代としては、やはり485系での活躍が印象的。紺一色のイラストマークを掲げた「やまばと」は、王道の「はつかり」や「ひばり」などとはまた一味違った魅力があったものです。しかし列車そのものは、同区間を走る特急「つばさ」(上野~秋田)の補完的な役割が強かったせいかあまり目立つ存在ではなく、さらに奥羽本線の標準軌化などもあって、近年のリバイバル特急ブームでもなかなか復活運転の対象とはなりませんでした。そんな「やまばと」が今回、仙山線経由ながらも久々(27年ぶり!?)に走る・・・これはぜひとも撮影して、往年の姿を懐かしみたい。梅雨まっただ中で天気が気になるものの、折り畳み傘一本を携えて撮影へと出かけることにしました。まさかあんなことになろうとは思いもせずに・・・。

7月7日(土)
まずは上野発の宇都宮線・宇都宮行き快速列車で北上。天気は曇り空ながらも、予報によるとなんとか午前中は雨は降らずに持ちそうとのこと。予定している撮影ポイントの「やまばと」通過は11時過ぎなので、ギリギリ大丈夫かな・・・。
ところで、昨年の「やまびこ」を撮ったときにも感じたのですが、やはりリバイバルとは言え485系6連ではちょっと短い・・・。いまや国鉄色485系は数えるほどしか編成数が残っておらず、最長でも6連なのだから仕方のないことですし、短いながらもこうやってリバイバル列車が運転されるのは、とてもありがたいことだと思います。でも、どうしても物足りなさを感じてしまうんですよね・・・。そこで今回は、全編成をキッチリ入れた編成写真ではなく、カーブから正面気味にアップで狙おうと考えました。そのヒントとなったのがこのオレカ。

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アウトカーブから正面がちに捕らえた、
まさに当時の特急「やまばと」が図柄の
「奥羽本線福島~米沢間100周年記念」オレカ。
99年11月発行 東北本線仙台駅にて購入。

こうすれば編成の短さは気にならないし、懐かしい「やまばと」のヘッドマークもハッキリ解る。しかし、ウマイ具合にこんな感じで撮れる手頃な撮影地などあるのか・・・? オレカの撮影地は20年以上も前に撮られた南福島~金谷川の有名なカーブで、今回とは逆の上りアングル。下りの撮影地で有名なアウトカーブと言えばワシクリ(東鷲宮~栗橋)がありますが、あそこはあまりにもメジャーすぎて、混雑が予想されます(車窓から見ていても、やはりワシクリカーブはかなりの人出でした)。アウトカーブのマイナーポイント・・・実は私には一カ所だけ心当たりがありました。それは蒲須坂~片岡にある「お立ち台」の逆アングル。「カマスのお立ち台」と言えば、誰もが知る有名な上り列車をストレートで撮れるメジャーポイントで、私も何度か撮影したことがあります。たしかその逆アングルがカーブになっていて、印象は薄いけれど、下り列車をきれいに撮れたハズ・・・。何とも頼りない、あやふやな記憶ですが、ものはためしと蒲須坂を目指してみることにしました。

上野0649-(快速ラビット)-宇都宮0818~0820-(東北1535M)-蒲須坂0841

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蒲須坂駅から徒歩で10分程度のところにある
「カマスのお立ち台」。
ここが上り列車の定番ポイントです。
東北本線 片岡-蒲須坂

撮影地に着いたと同時に踏切が鳴ったので、まずは挨拶代わりにお立ち台の定番位置から一枚。やってきたのは5連×2=10連の211系でした。東海道から引退し、宇都宮・高崎線での置き換えも計画されている211系。この宇都宮線北部は当分安泰なのでしょうけれど、こういうモノは撮れるときに撮っておきたいものです。さて、そのお立ち台から少し奥へと進んだところが、考えていたアウトカーブの下りポイント。果たして撮影できるのかどうかというと・・・こんな感じ。

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5連の211系がカーブをきって走り抜けてゆきます。
雑草さえなければ、ヨコ位置でもいけそうなところ。
ただし晴れると、終日逆光になります
(お立ち台が順光だからね・・・)。
東北本線 蒲須坂-片岡

手持ちだったので、とりあえずヨコ位置で撮影。上下線間の雑草がボーボーでかなりウザい状態ですが、タテ位置の正面重視で構えれば、それほど気にならなそうです。意外にもあっさりと撮影地決定。あとはセッティングして「やまばと」の通過を待つだけ・・・って、実はあと二時間もあります。もしここがダメだった場合に移動することも視野に入れての時間配分だったのですが、ちと早すぎたかな・・・。そこで、カメラを三脚には据えずに、上りアングルのお立ち台と下りのカーブポイントを行ったり来たりしながら、適当に来る列車を撮影することにしました。とはいえ、旅客列車は211系くらいしか来ませんので、ここでの狙いは貨物列車。相変わらず貨物に関しては運用も何も調べておらず、来るのかどうかさえも解らない状態ですが、「貨物来い、貨物来い・・・(;`-ω-´)人~~~」と念じていると、遠くに機関車らしき姿が! カモレキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

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EF64 1048に牽引されたコンテナ満載の貨物列車。
やっぱりこのお立ち台からは、長い編成が絵になります(^^)。
東北本線 片岡-蒲須坂

しかも現れたのは、なんと原色のEF64 1048でした!ヽ(^◇^*)/。何も調べず、何も知らず、突然現れた原色のロクヨン。貨物ビギナーにとって、これは嬉しい収穫です。尻切れや串パンを意識したらかなりカツくなってしまいましたが、まあ手持ちならこんなもんではないでしょうか。このときは今日はツイてる!って思ったんだけどなぁ・・・(意味深 ^^;)。思いがけず原色のロクヨンが撮れたことで大いに気を良くし、お立ち台からカーブポイントへと戻って、カメラを三脚にセット。これで「やまばと」へ向けての臨戦態勢は万全ですが、その頃になると小雨が降り出してきました。雨のリバイバルというと、前述の「やまびこ」を思い出します。あの時は台風直撃でずぶ濡れになりながら撮ったんでしたっけ。今回は本降りになる前に来てくれるとイイなぁ・・・。鉄道誌(DJ)によると、蒲須坂の一つ手前にある氏家の通過が11時19分なので、だいたいここは25分くらいかと予測していると、ほぼ定刻に下り列車の通過を知らせる踏切が鳴り出しました。レリーズを握る手にも思わず力が入ります。ところがファインダーに飛び込んできたのは・・・あれ?ロクヨン?

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EF64 1038が牽引するタキ貨物。
今度は通称「牛乳パック」と呼ばれる更新機でした。
東北本線 蒲須坂-片岡

「やまばと」は遅れているのかな・・・? イヤな予感がしてスマホでJRの運行状況を調べてみると、「宇都宮線は、野木~間々田間の信号装置故障の影響で、上野~宇都宮間の下り線の一部列車に遅れがでています」 との情報が。私が乗ってきた快速列車は順調だったので、その後にトラブったのか・・・。それでも単なる信号トラブルならば、せいぜい20~30分程度の遅れだろうと軽く考えていました。しかし「やまばと」は30分経っても、一時間経っても、一向にやってきません。そうこうしているうちに小降りだった雨はやがて本降りに。いつやってくるのか解らない列車を雨の中で待ち続ける・・・クルマなどの逃げ場が無い徒歩鉄にとって、これほど辛いことはありません。スマホで目撃系掲示板を眺めていると、ようやくでてきた「やまばと」情報は「12時ちょうどに久喜を発車」というもの。ク、クキ!?Σ(゚д゚;)  まだ久喜ですと!? 久喜からカマスまではまだ一時間以上もかかります。このままだと通過は13時過ぎ、定刻の二時間遅れってところか・・・ε-(≡Д≡;)ハァァ。それでも動きはじめたのならば、待ち続けるしかありません。

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雨の中、
やってくるのは
ニゲゲ(211)なり。。。
あおたけ、涙の俳句・・・('A`;)

さらに激しさを増した雨の中、ひたすら耐え続けること一時間強。もうそろそろ来てもいい頃なのに、まったく鳴らない踏切・・・。そこへ入ってきた(目撃)情報は、「やまばと、古河で再び抑止」・・・orz。これで心がポッキリ折れました・・・。・゚・( ノД`)( ノД`)( ノД`)・゚・。モゥダメポ。台風並みの暴風雨で、もうシャツからジーンズ、靴下や財布に至るまで、全身ずぶ濡れ。これ以上は精神的にも体力的にも待ち続けられません。雨に濡れた機材の方も心配ですし・・・。ここは勇気ある(?)撤退を決断。まわりには雨を凌げる店や施設は無さそうなので、とりあえず蒲須坂駅へと引き上げます。片道2000円以上もかけてカマスまで来たのに、この結果とは・・・。まあ、原色のロクヨンカモレを撮りに来たと思えば・・・いいのか?

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激しい雨が打ち付ける蒲須坂駅のホーム。
この雨の中でよく耐えましたが、限界です。
(`;ω;´) タイリョクノゲンカイッ!!
東北本線 蒲須坂

しかし、ここまで来てまったく「やまばと」の姿すら見られないのは、あまりにも悔しい。もう駅撮りでもいいから、どこかで撮れないものだろうか・・・。蒲須坂の駅先端は、上写真のように屋根が無くてちょっとキビシい。そこで、すぐにやってきた上りの普通列車に乗って向かったのは、二駅先の宝積寺。ここは対向式ホームなのでなんとか編成が撮れるし、上り方ホーム先端付近には跨線橋が架かっているので、雨も凌げます。

蒲須坂1349-(1552M)-宝積寺1358

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宝積寺に到着した211系。
大雨と信号機故障の余波で、宇都宮線北部も若干のダイヤ乱れ・・・。

ここでしばらく・・・いや、「やまばと」が来るまで待ち続ける覚悟でしたが、そのお目当ての「やまばと」は、なんと私が宝積寺に着いてから15分ほどで、いともあっさりと姿を現しました。もう少しカマスで頑張るべきだったかな・・・いや、やはりアレが限界です。

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待ちこがれた懐かしい紺色のマークを掲げて
宝積寺を通過する、485系の特急「やまばと」。
東北本線 宝積寺

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大雨のなか、去ってゆく「やまばと」・・・。
東北本線 宝積寺(後追い)

実にこの時点で2時間50分の遅れ。団臨ではなく通常の特急列車だったら、間違いなく特急券払い戻しの対象です。結局、編成が短いからと嫌っていた編成撮りで撮影することになってしまった「やまばと」ですが、この状況では撮れただけマシだと考えるべきでしょうか。それにしても、事故や地震などの影響ならまだしも、信号機故障で約三時間の遅れとは、一般の利用者からしても堪ったものではありません。今回のことに対しては一言「ホントにしっかりしてよ!JR東日本!!ヾ(#`Д´)ノ」と、言いたいところです・・・。ちなみにこの「やまばと」は信号機故障と大雨の影響で、山形まで辿り着けずに郡山で運転打ち切りとなったそうな・・・。撮影者だけでなく、「やまばと」の旅を楽しんでいた乗客の皆様もとんだ災難でした。。。

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宝積寺と言えば烏山線。
本来ならこの日、余裕があれば「やまばと」撮影後に
ちょっと立ち寄ろうかと考えていましたが、
国鉄色を見ても、とてもそんな気力がありませんでした。
東北本線 宝積寺

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ここまで来たら、宇都宮餃子をヤケ食いじゃ~。
(・・・って、焼き二皿、水一皿と、
プレモル二杯だけでしたが・・・^^;)

 

宝積寺1419-(1554M)-宇都宮1430
宇都宮1554-(1230Y)-新宿1807
(信号機故障の影響により20分遅延)



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