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夏休み2012 その2・・・広電宮島線 乗車記 [鉄道旅行記]

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2012.07.30~08.01
夏休み
02
安芸の宮島を目指して・・・
広電宮島線 乗車
  

夏の休暇を利用しての鉄道旅、前回からの続きです。
今旅いちばんの目的だったセノハチのEF67撮影、月曜日で荷が少ないというちょっと寂しい結果ではあったものの、念願のセノハチで何本かのEF67が後押しする貨物列車を撮ることができ、自称「貨物オンチ」の私にしては、まずまずの成果が得られたのではないかと思っています(時刻が載っていた雑誌のおかげだけどね)。当初の予定では一日かけてセノハチをじっくりと撮るつもりでしたが、あまりの暑さと水分不足に耐えかねて予定よりも早めに撤退。そういえば、朝の羽田でサンドウィッチを食べただけなので、だいぶ腹も減ってきました・・・。そこで、EF67を撮影した中野東から山陽線の下り列車で、次に向かったのは広島。

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岩国行きの普通列車に乗車して広島へ。
12.7.30 山陽本線 中野東

中野東1425-(山陽355M)-広島1441

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中国地方一の大都市・広島市の中心駅である広島駅。
山陽新幹線、山陽本線のほか、三次方面への芸備線。
さらに、呉方面の呉線と可部方面の可部線が、
それぞれ山陽本線に乗り入れる形で当駅発着となっています。
12.7.30 山陽本線 広島

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そして広島で忘れてならないのが、この広電こと広島電鉄の存在。
市内中心部を縦横無尽に7路線8系統が運行されている、まさに広島市民の足。
12.7.30 広島電鉄 広島駅

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単車(単行)に連接車、古いのから新しいのまでと、
バラエティに富んだ広電の電車たち。
街中で走る姿を眺めていると、飽きることがありません。
上は元京都市電の1900形(左)とグリーンムーバー5000形、
下は元西鉄の3000形(左)と3900形のすれ違い。
鉄としてはやっぱり古い電車を見るとシビれますね~。
12.7.30 広島電鉄 広島駅付近

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広電自慢の最新型低床式連接車5100形「Green mover max」は、
まるで欧州のトラムみたいなスタイルです。
12.7.30 広島電鉄 広島駅

広島名物と言えば、お好み焼き、カキ(牡蠣)、もみじまんじゅう・・・? でも、このうだるような暑さの中で鉄板を目の前にお好み焼きを食べる気はしないし、カキは秋から冬がシーズン。もみじまんじゅうは、お土産に買うもの。では一体何が食べるべきか・・・。実はもう一つ、鉄的にも忘れてならない名物があるのです。さっそくそれを食べにいくため、乗り込んだのは広電の2系統・宮島線。

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連接車で運転される宮島線。
低床車のグリーンムーバー系を期待していたのですが、
やってきたのは3800形でした・・・。
12.7.30 広島電鉄 広島駅

宮島線は、路面電車(軌道線)としての色合いが濃い広電の中にある唯一の一般鉄道線で、専用軌道(いわゆる路面ではないフツーの線路)が敷かれた広電西広島(己斐)から広電宮島口までが正式な路線区間。ただし運転形態はほとんどが軌道路線の市内線へと直通しており、現在では広島駅から市内線を経て宮島口へと至る2系統を総称して宮島線と呼ぶことが一般的のようです。そんな宮島行きの2系統、まずは広島駅を出ると、道路との併用軌道区間で繁華街の相生通りを走り抜けてゆきます。この先にはかの有名な原爆ドームが車窓左手に見えてくるはずなのですが、私の乗った電車は強い日差しを遮るために左右すべてのカーテンが下ろされていて、車窓風景などまったく見ることができません。途中下車して見学しようかとも考えましたが、躊躇している間に扉は閉まって発車してしまいました。まあ、原爆ドームや平和記念館は過去に何度も見ているので、今回はいいか・・・。

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三年前、出張のついでに訪れた時の原爆ドーム。
広電の原爆ドーム前駅から、すぐのところにあります。
原発問題もあり、今一度「核」について
考えさせられるときですね・・・。

広電西広島から専用軌道の鉄道線へと入り、一気に速度を上げる宮島線の電車。小さな車体を左右に大きく揺らして走るスピード感はハンパではありませんが、実際には所々で並走する山陽線の列車と比べると、まったく勝負になりません (^^;)。五日市、廿日市の住宅街を山陽線に沿ってしばらく走り続け、地御前付近で山陽線と離れると、やがて車窓左手には瀬戸内海が迫ってきます。まだ目的地ではありませんが、天気がいいことだし、ちょっとこの辺で途中下車してみましょう。

広島駅1503-(広電宮島線)-阿品東1607

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瀬戸内の青い海に沿って走る、広電5000形「グリーンムーバー」。
ちょっと電柱がウルサイけれど、ここは広電を海バックで撮れる
貴重なポイントです。
12.7.30 広電宮島線 阿品東

阿品東の駅前にかかる跨線橋からは瀬戸内海と広電が一望できます。広電というと、紙屋町あたりの繁華街や原爆ドームを背景にした写真がよく見られますが、こういう広々としたところで撮る広電もまたいいですね。海には牡蠣筏(かきいかだ)が広がっていて、これも広島らしい景色と言えるかもしれません。牡蠣筏は竹を格子状に組み合わせ、そこに吊るしたホタテの貝殻にカキの幼生を付着させる養殖法だそうで、成長して収穫するまでには2~3年もかかるのだそうな。それにしても、海景色よりもカキの方にばかり目がいってしまうほど、空腹度はMax・・・(´ρ`)ハラヘタヨー。ここでは上下二本づつだけを撮影して先へ進みます。阿品東から再び下り電車に乗って、終点の広電宮島口へ。宮島口が目的地ならば、中野東から乗った岩国行きの山陽線に乗り続けたほうがずっと早く着くことができたのですが、そこはやはり鉄として広電の方を楽しみたかったのです。ちなみに広島(駅)~宮島口の所要時間は山陽線で約30分、広電宮島線だと倍の一時間ちょっとかかります。

阿品東1634-(宮島線)-広電宮島口1639

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二面三線もある広い広電宮島口駅ですが、
平日の夕方はガランとしていました。
私が乗ってきた3900形だけが折り返しを待っています。
12.7.30 広電宮島線 広電宮島口

日本三景の一つ宮島への入り口に当たる宮島口。ここまで来るとカンのいい方ならもうおわかりでしょう。そう、私が目指していたのは、広島名物・・・というよりも、宮島口名物の「あなごめし」。宮島へのフェリーのりばを横目に、さっそくあなごめしの名店「うえの」さんの暖簾をくぐります。このうえのは、1897年(明治30年)の山陽線宮島口駅開業時から駅弁としてあなごめしを売り続けた老舗として、鉄的にも名の知れたお店。ならば本来はその名物駅弁を買って列車内で食べるべきなのですが、今回は焼きたての穴子をじっくりと味わいたかったので、ゆっくりとくつろげる店内でいただくことにしました。

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まずは「あなごの白焼き」で一杯。
山椒やワサビをちょこっとだけつけて、
穴子本来の旨味を味わいます。
これはのんべえにはたまらない一品・・・
.:。+(′▽`*)シヤワセ...+。:.゚。
駅弁もウマいんだけど、ここへ来るとどうしても
この白焼きが食べたくなってしまいます。
☆☆☆☆☆

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続いては名物の「あなごめし」。
タレに付けて香ばしく焼かれた穴子が
どんぶりにまんべんなく乗っかっています。
あなごめしのサイズは大・中・小とありますが、
先に白焼きを食べたこともあって、小を選択。
それでもボリュームは満点でした。
個人的に鰻は関東風の蒸して焼く方が好きですが、
穴子は関西風の焼きのみの方が歯ごたえがあって好みかも。
☆☆☆☆☆

白焼き、あなごめしと、穴子料理を存分に堪能。白焼きには冷酒が合うとお店の方には勧められたものの、外の暑さに負け、のどごしの爽快感を優先してビールにしてしまいました。やはりツウなら冷酒で白焼きを味わうものなのかもしれませんね・・・(^^;)。白焼き1050円、あなごめし(小)1260円、ビール二本1050円の合計3360円。豪勢な食事に見えるけれど、飲みとしてはそれほどお高くありませんでした。

じっくりと時間をかけて味わったつもりでも、食事に費やしたのは正味一時間ほどで、お店を出ると外はまだ全然明るい。時刻は5時半。お店が空いている時間を狙ったとはいえ、ちと早すぎたかな・・・。このあとは先ほど乗った広電か、山陽線で宿泊先である広島へ戻ることくらいしか考えていなかったのですが、せっかくここまで来たのならば、宮島行きの宮島航路(フェリー)へと乗ってみることにしました。といっても、宮島観光や厳島神社へと行くのではなく、酔い覚ましにちょっと海上を往復するだけ。このゆるさが一人旅のいいところだったりします (^^)。

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JR西日本系列が運行する宮島航路のりば。
山陽線宮島口駅から徒歩5分程度のところにあり、
先ほどのあなごめし・うえのは、そのほぼ中間に位置します。
12.7.30 宮島航路 宮島口

時刻も調べずに、ふらふら~っと桟橋へ向かうと、銅鑼・・・ではなく、鉄道駅のような発車ベルが鳴り響いており、窓口の係員に「乗られますか?急いでください!」とせかされます エッo(゚д゚o≡o゚д゚)oエッ  。船は15分間隔で出ているので次の便でもよかったのですが、わざわざ待ってくれているようなので、とりあえず切符も買わずに飛び乗ってしまいました(本来は当然、切符(乗船券)を買ってから乗るものですが、このように時間のないときや、また、ICOCAなどのIC乗車券を使用する場合は下船時に清算するようです)。

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乗船したのは「みせん丸」。
「みせん」とはなんぞや?と思ってスマホでちょいと調べたみたら、
弥山(みせん)という宮島にある山が由来になっているとのこと。
乗船時は慌てていたので、これは下船時に撮ったものです。
12.7.30 宮島航路 宮島

宮島口と宮島(厳島)を結ぶこの宮島航路は、88年の青函連絡船・宇高連絡船の廃止以降、唯一残されたJRの鉄道連絡船で、JR西日本の子会社であるJR西日本宮島フェリーが運営する現在でも、JR線の一路線として扱われています。ただし宮島に鉄道路線が存在するわけではないので、実際には宮島への観光船といった要素が強く、下りの航行ルートでは厳島神社の大鳥居を間近に見られるといったサービス(大鳥居便というらしい)まであり、並行する同業船(宮島松大汽船、こちらは広電グループ)に対抗しています。しかし私の乗った17時半の便はもうその大鳥居便が終わっていいて、遠目からしか大鳥居を見ることはできませんでした・・・(大鳥居便は16時10分発まで)。

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サービスルートの大鳥居便ではない
直通ルートの船上からみた厳島神社の大鳥居はこんな感じ。
ちょっと小さいけれど、コレはコレでいい眺めです。
海上に浮かぶ大鳥居は、まさにEF67と同じ「もみじ色」(^^)
12.7.30 宮島航路 宮島口-宮島(船上から)

宮島口1740-(宮島航路145)-宮島1750

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宮島航路の宮島駅(宮島桟橋)。
鉄道連絡船の駅らしく、自動券売機や窓口で
JRへの連絡乗車券を購入することができます。
12.7.30 宮島航路 宮島

夕方の心地よい潮風を受けながら、10分ほどの船旅で宮島着。ここで一旦下船して改札を抜けるも、そのまますぐに折り返しの船に乗って宮島口へと戻ります。すでに厳島神社の参拝時間は終わっているし、今回は単に船旅を楽しみたかっただけなのでこれでじゅうぶん。往復340円、20分ほどのクルージングでした。宮島口から今度は山陽線の方に乗車して広島へ。

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宮島航路への連絡駅、山陽本線宮島口駅。
かつては寝台特急「あさかぜ」なども停車していましたが、
現在この区間の山陽線に優等列車は走っておらず、
宮島口に停車するのも普通列車と通勤用の快速のみ。
12.7.30 山陽本線 宮島口

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宮島口に入ってきた広島方面行き上り列車は、
おなじみの115系でした。
12.7.30 山陽本線 宮島口

宮島1755-(宮島航路48)-宮島口1805~1811-(山陽574M)-広島1838

セノハチのEF67と宮島・・・いや、「あなごめし」を堪能した初日が終了。炎天下でのセノハチ撮影に力を使い切ってしまい、午後はなんともゆるゆるな行程となってしまいましたが、撮影だけでなくご当地の美味しいモノを食すのも、旅の醍醐味ですよね (^^)。


・・・続きます



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