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ONE-shot 100 最後の一線。 [PICK UP ONE-shot]

PICK UP ONE-shot 100 最後の一線。
 
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長年の夢だった国鉄・JRの全線完乗を果したのは
今から14年前になる98年12月の事。
最後の一線は青森の八戸線で、
記念すべき完乗日を自分の誕生日に設定したものです。
   
その後、完乗の目標は私鉄へと移行。
大都市近郊の大手私鉄、地方のローカル私鉄、
地下鉄、新交通、モノレール、路面電車に至るまで、
鋼索線(ケーブルカー)を除く全路線をこつこつと乗り潰し、
ついに04年の5月、万葉線の越ノ潟駅へ降り立った時点で、
残るは青森の津軽鉄道ただ一線となりました。
しかも未乗なのは、金木~津軽中里のわずか7.9キロだけ。
  
しかし、女々しいというか、往生際が悪いというか、
この最後の一線がもったいなくなってしまい、
今までどうしても乗れずにいたのです。
のちに新規開業や延伸した路線は真っ先に乗り潰し、
津軽鉄道はずっととっておいたまま・・・。
いつかは乗り潰そうとは思うものの、
なんだか踏ん切りがつかない。
もう誕生日がめでたいなんてトシでもないですし。
 
でも、まあ慌てる必要は無く、そのうちに・・・
なんて悠長な事を考えていたのですが、
その考えを改めさせられたのが昨年の大震災。
大切なものが一瞬にして失われてゆく様を目の当たりにしました。
ここでは津軽鉄道が地震などで・・・という
縁起でもないことを言うつもりは毛頭無く、
むしろ自分自身がこの先どうなるか解らない。
そう考えると、やはり完乗だけは果しておくべきかと
思うようになりました。
   
そんななか、手前味噌ながら巡ってきたのが
弊ブログの一枚写真コーナー「ONE-shot」の#100。
ぶっちゃけ、「ONE-shot」の番号にあまり意味はなく、
初めの頃に何となく勢いで付けちゃっただけ。
それでも何かのキッカケを求めていた私にとってはいいタイミングで、
思い切って乗ってしまう決意が固まりました。
そこで週末は青森へ・・・。
  
  
そんな記念すべき、100記事目の「ONE-shot」。
はじめは終着駅の津軽中里に到着した列車か、
駅舎の外観にしようかと考えていたのですが、
実は完乗することに対していちばん気分が高まったのは、
最後となるこの列車が岩木山をバックに
金木駅へ入って来た時でした。
ああ、コレが最後の未乗区間を走ってくれる列車なのだ
・・・と。
  
停車して扉が開いた津軽中里ゆきへ、
私は一瞬ためらいながら、ゆっくりと乗り込みました。
    
12.10.26 津軽鉄道 金木


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