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しなの鉄道・・・169系 急行「志賀」 撮影記 [鉄道写真撮影記]

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2013.01.27
しなの鉄道
 見えるか!? 浅間山!
 169系 急行「志賀」 撮影記

 

休日を犠牲にしてきた仕事が一段落し、給料日を迎えて財政危機もとりあえずは脱した(万年ボンビーなのは変わらないけれど・・・^^;)。そこで今回はちょっぴり奮発して、新幹線でお出かけです。新幹線といっても東海道や東北ではなく、乗るのは比較的短距離な長野新幹線。

1月27日(日)

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赤い帯が特徴のE2系「あさま」号。
今旅は久しぶりに長野新幹線でスタートです。
東北新幹線 東京

このブログではよく、485系や583系に代表される国鉄特急型を残り少ない貴重な車両と紹介してきましたが、それ以上に貴重で、今や絶滅寸前にまで追い込まれているのが国鉄急行型車両。かつて日本全国に存在した急行列車はその名のとおり速達性を担う、特別料金(急行券)が必要な優等列車でした。しかし特急列車の多様化や、特別料金を必要としない快速列車の速度向上などにより、徐々に急行列車の存在意義が薄れて衰退。現在のJR線上には、定期の急行が客車列車の「はまなす(青森~札幌)」を残すのみとなっており、もはや急行型車両など必要としないのが実情です。そんな活躍の場を失った急行型を譲り受けて運転しているのが、長野県の第三セクター路線「しなの鉄道」。この鉄道ではかつて信越本線の急行「信州」や「志賀」などで活躍した、169系急行型電車が現役で運転されています。しかし誕生からすでに40年以上が経ち、さらに保安設備上の都合から運転範囲が限定される(JRへ乗り入れられない)などの不都合が生じた169系。残念ながらこの貴重な急行型の生き残りも、ついに今年4月を持って引退することが決定してしまいました(定期運用は3月まで)。

その引退を前にしなの鉄道では様々なイベントが計画されており、27日の日曜日には、かつて信越線と長野電鉄を直通して上野~湯田中を走っていた169系の急行「志賀」が、屋代~軽井沢でリバイバル運転されます。その急行「志賀」こそが今回のターゲットで、私は朝イチの長野新幹線へと乗り込んだのでした。

東京0624-(あさま501号)-軽井沢0732

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雪積もる軽井沢で、しなの鉄道へと乗り換え。
軽井沢駅には碓氷峠越えの補機として活躍した、
EF63 2が保存されています。
しなの鉄道 軽井沢

旧・信越本線こと、しなの鉄道を私が訪れるのは一昨年の12月末以来で、ほぼ一年ぶり(しなの鉄道の簡単な概要などについては、その記事を参照ください)。そのときの狙いも今回と同じ湘南色に復刻された169系(S52編成)で、平原駅付近の跨線橋から浅間山をバックに撮影しています。そこで前回とは撮り方に少しでも変化をつけようと、出発前にいろいろな撮影地を模索したものの、やはりしなの鉄道を撮るなら浅間山は無視できず、結局目指すは浅間山バックの定番中の定番、御代田。この日は朝から快晴で、その雄大な眺望にも期待が持てます。しかし・・・

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車窓から見えるハズの浅間山は・・・orz
しなの鉄道 信濃追分付近(車窓から)

ご覧のとおり、浅間山は見事に雲隠れ。そう、たとえ晴れていたって、山がキレイに見えるとは限らない。そんなことは過去の経験から十も百も承知の助。でもドン雲りならキッパリ諦めがつくけれど、まわりが晴れていて、浅間山だけに雲がまとわりついているというのは、なんだかなぁ・・・(´・ω・`) ショボーン。それでも御代田周辺にはスッキリとした直線や大きなカーブ、跨線橋からの俯瞰など、いろいろな撮り方ができる撮影地が点在しているので、とりあえず予定通り下車。

軽井沢0740-(しなの鉄道753M)-御代田0754

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浅間山の麓にある御代田町(長野県北佐久郡)の御代田駅。
駅舎内には地元ケーブルテレビ局が併設されています。
しなの鉄道 御代田

浅間山が見える(ハズの)撮影地までは、徒歩で15分ほどの道のり。路面には数センチほどの積雪があり、慌てず慎重に歩みを進めます。でもこのあたりの雪は粉雪であまりすべらず、先日に都心で降ったような湿って重たい雪よりもずっと歩きやすい。ただし吹き付ける風はとても冷たく、やはり高原の冬を実感します。やがて線路脇に同業者のものと思わしき数台のクルマが止まっているのが見えて、撮影地に到着。しかし定番撮影地に同業者の姿は無く、あたりを見渡すと、あちこちにカメラを持った方がウロウロしています。どうやら皆さんも浅間山が見えないことでアングルを決めあぐねている様子。

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本来ならキレイに浅間山が見えるハズの
ポイントを行く115系普通列車。
しなの鉄道 御代田-平原

ためしに私も定番位置から普通列車を撮ってみましたが、車窓から見た先ほどにも増して雲が低く立ちこめ、もはや山の存在すら感じさせない、単なる中途半端な引きの編成写真になってしまいました。こりゃダメダメだ・・・(´д`;)トホホ…。

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どうせ列車主体に撮るのなら、
冬枯れの木々が背景の方が、高原らしくていいかな・・・。
台車に雪を抱えた115系、なかなかいい感じです。
ファンの間ではあまり評判の良くないとされる
しなの色115系ですが、私は意外とキライじゃありません。
しなの鉄道 平原-御代田

まあ幸い、浅間山が雲隠れしている以外はきれいな光に恵まれていて、列車主体の編成写真を撮るのには問題無さそう。いちおう上写真の冬枯れバックを無難な候補として考え、まだ時間に余裕があるので、もう少し近辺を歩き回ってみることにしました。そこでいったん今いた撮影地を離れ、あぜ道から舗装道路へ出たところで何気なく来た道を振り返ると・・・なんと今の撮影地の向こうに、雄大な山脈が見えるではありませんか!o(゚∀゚)o オッ!

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遠くに見える北アルプスの山々を背に、
しなの色115が走り抜けてゆきます。
しなの鉄道 平原-御代田

方角的にこの山脈は北アルプスだと思われますが、長野県南部の御代田からこんなにクッキリ見えるとは、ちょっとビックリです。それにしても実はこの場所、線路脇にある資材置き場を見ても解るように、ひとつ前に撮った写真(冬枯れバック)と列車の止め位置はほぼ同じなんです。先ほどは寄り過ぎていてまったく山に気付きませんでしたが、少し目線を変えるだけでこんなにも違った景色にになるとは、驚き・・・というか、落ち着いて周りを見ない、自分の視野の狭さを痛感します。この北アルプスバックで湘南色の169系を撮れれば、なかなかいい絵になりそう。ところが、ところが・・・私はほぼこのアングルで決定し、同業者も各々の場所で構え始めた本命列車・急行「志賀」通過の約20分前。このころになると、あれほど雲に覆われていた浅間山が姿を現し始めたのです!Σ(゚□゚*)ナヌッ!? そして逆に北アルプスには流れ雲が・・・Σ(゚□゚*)エェッ!?

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雲が流れて姿を見せた浅間山。

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いっぽう、少し雲が多くなって来た北アルプス・・・。

しかし浅間山周辺の雲は完全に取れたわけではなく、まだ不安要素を残しています。通過直前にまた、雲に隠れてしまうかも知れない。悩んでいる間にも時は進み、「志賀」の通過まであと15分・・・ ドースル!?o(゚д゚*三*゚д゚)oドースル!? 葛藤の末、やっぱり当初のアタマの中にあったように、好条件で撮れるのならばここは浅間山バックを優先したい。残り10分となった時、もう浅間山に雲がかかることは無さそうだと、思い切って移動を決断! ε=ε=ε=┌(;゚口゚)┘イソゲッ  カメラをセットして数分後、澄んだ冬の空気に169系の重い唸り音が鳴り響いてきました。果たしてその結果は・・・

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真っ青な雪晴れのもと、浅間山麓を快走する
湘南色169系の急行「志賀」。
しなの鉄道 御代田-平原(後追い)

晴天順光で浅間山バックの169系が撮れました~ヽ(´▽`)ノワァーイ♪ 。 浅間山バックとはいいながら、実際は右の浅間山よりも手前中央の石尊山が目立っちゃうような角度ですが、個人的には左の剣ケ峰まで入れた三つの山並みがバランスよく入っている方が好みなので、あえてこの角度でカメラを構えてみました(列車の背後にある農機具小屋も隠したかったし)。やはり雪を抱いた信州の山々と信越線時代を彷彿とさせる湘南色の急行電車は似合いますね~! 移動して正解、大満足の結果が得られました (^^)。

続いては、今の軽井沢へ向かった急行「志賀」が一時間後に折り返して戻ってくるので、それを狙いたいと思います。な~んだ、二回も撮影チャンスがあるのなら迷うこと無いじゃん・・・と思われそうですが、変わりやすい山の天気では折り返しの列車まで浅間山に雲がかからないという保証は無く、撮れるときに撮っておきたいもの。それに今回の運転は通常の普通列車ではなく、イベント列車の急行「志賀」。往復のどちらかでは「志賀」のヘッドマークや急行幕が解るように撮りたい。最初の一枚目で浅間山バックが撮れたことにより、今度は心置きなく列車中心に狙うことができるというものです (・・・なんだか、理屈っぽいね ^^;)。そこで折り返しの二本目は、線路端からキッチリと編成写真を押さえることとしました。

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うっすらと雪化粧した顔に「志賀」のマークを掲げた169系S52編成。
その走りには往年の急行列車を彷彿とさせる力強さを感じました。
しなの鉄道 御代田-平原

う~ん、やっぱり急行幕の湘南色169系はカッコイイ・+。:.゚(´∀`。).:。+゚。せっかくの快晴で浅間山がクッキリ見えているのに、オーソドックスな編成写真とはもったいないっっっ(≧ω≦;)・・・って声も聞こえてきそうですが、引退前に一度はヘッドマーク付き、急行幕の169系をしっかり撮っておきたかった。これはもう電車好きのこだわり・・・というか、自己満足でしかありません。でも結果的には往復で引きと寄りのバリエーションが撮れたので、よかったかな? 風は冷たくても日が照っていたぶん待ち時間もそれほど辛くはなく、結果が伴った気持ちの良い撮影ができました。撮影地をあとにして御代田駅へと戻ります。

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御代田ではちょうど上下の列車が並びました。
私が乗るのは手前の下り小諸行き。
しなの鉄道 御代田

御代田からは再びしなの鉄道の下り列車へ。この日の急行「志賀」は、午前と午後に一往復ずつ屋代~軽井沢を往復する運用。では今度は午後の一往復を撮るため撮影地を移動・・・するのではなく、もうこれで169系の撮影は終了です。

実は今回の旅、当初の予定では土日の一泊二日で、東京→上越新幹線→上越線「シーハイル上越」撮影→越後川口から飯山線乗車→長野(泊)→しなの鉄道「急行 志賀」撮影→長野新幹線→東京 という、撮り鉄と乗り鉄を効率よく組み合わせたルートで計画を組んでいました。ところが週末は新潟県をはじめとした日本海側が暴風雪の荒天となり、新潟県内の鉄道路線は相次いで運休。乗車予定だった飯山線も金曜の時点で早々と翌日土曜の運休が決定してしまい、やむなく日曜のみ日帰りのしなの鉄道撮影に切り替えたのです。この初めの計画では、スキー臨時列車「シーハイル上越」や急行「志賀」の撮影がメインではあったけれど、昨年秋の青森遠征以来、久々に地方ローカル線への乗り鉄となる、飯山線乗車を楽しみにしていました。撮り鉄であるとともに元々は乗り鉄気質のある私。豪雪路線として知られる飯山線の車窓を眺めながら駅弁で一杯やるなんて、もうサイコーじゃないですか。しかしいくら雪見列車といえど、運休となってしまってはどうしようもありません・・・。日帰りと縮小された今旅、それでも急行「志賀」を撮りにせっかく長野県まで来たのなら、単純に長野新幹線で往復してしまうのはつまらない。そこで午後は、飯山線に比べるとローカル度合いは薄れますが、小諸から分岐する小海線の乗り鉄を楽しむことにしました。午前の急行「志賀」が思いっきり撃沈写真だったら午後も撮影にあてるつもりでしたが、自分的には午前中に撮れた二枚で、もうじゅうぶんです。

御代田1153-(しなの鉄道763M)-小諸1202

んじゃあ、小諸で駅弁とビールでも買って、小海線へ・・・と、いきたいところですが、なんと私が乗って来たしなの鉄道の763M列車と、次に出る小海線132D列車の接続時間はわずか4分しかありません!(゚∇゚ ;)エッ!? その4分間で駅弁とビールを買い、跨線橋を渡って小海線ホームへ行き、ブログ用に小海線の列車も撮らにゃ・・・いや、小海線の座席確保が先か!? アワワ ヽ(´Д`;≡;´Д`)丿 アワワ… でもとにかく、まずは駅弁の調達を・・・と、しなの鉄道ホームの売店(というか、立ち食い蕎麦スタンド)を覗くも駅弁は無く、店のオバチャンに尋ねると駅弁は駅舎脇の売店にあるのだと言う。駅舎は跨線橋を小海線ホームとは反対方向へ進んだ先にあり、4分・・・いや、もう残り2、3分で買って、再びホームへ戻って来る余裕はありません。空きっ腹にビールをだけを流し込んでもウマくないし、列車の発車時刻が迫っていることから、結局何も買わずに待機していた小海線へと乗り込みました。待ち時間が長いのは困るけれど、接続が良すぎるのも考えものですね・・・ (;´д`)=3ハァァ…。

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小諸で出発を待つ小海線のキハ110。
小海線 小諸

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小諸を発車した小海線の上り列車はしばらく、
今乗って来たしなの鉄道の上り方向と並行します。
その並行区間には東小諸と乙女の二駅がありますが、
どちらも小海線の列車しか止まらず、
しなの鉄道側にはホームがありませ

(右の複線がしなの鉄道)

小海線 東小諸/乙女(後方の車窓から)

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乙女を出ると、右へ大きくカーブして
しなの鉄道と分岐します。
小海線 乙女-三岡(後方の車窓から)

小海線は中央本線の小淵沢を起点とし、八ヶ岳東麓の野辺山高原から千曲川の上流に沿って佐久盆地の小諸までを結ぶ、全長78.9キロの非電化ローカル線(今回は終点側の小諸から小淵沢方向へ進んでいます)。小海線といえば、何といっても鉄道最高地点(標高)で知られる野辺山や清里を通る日本屈指の高原路線として知られ、愛称は「八ヶ岳高原線」。驚くべきことに、国内の鉄道路線(普通鉄道)で標高の高い駅ベスト9までが小海線にあります。

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小諸から15分ほどで長野新幹線との接続駅、佐久平。
地平の新幹線ホームの上に小海線高架ホームがあるという
新幹線駅としてはちょっと珍しい構造になっています。
駅舎の向こうに見えるのは、先ほど撮影していた浅間山。
小海線 佐久平付近(車窓から)

そんな高原路線の小海線ですが、小諸側から乗るとしばらくは佐久盆地の平坦な車窓が続きます。でも一気に高度を上げてハイライトを迎えてしまう小淵沢側からの下り列車に乗るよりも、盆地を抜けて徐々に高度を上げ、やがて高原へと車窓が変化する上り列車の方が個人的には好みかも。

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途中の中込でワンクッション。
左の132Dから右の230Dへ乗り継ぎます。
せっかくならばハイブリッドのキハE200を期待するも、
230Dも同じキハ110でした。
小海線 中込

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中込駅の跨線橋からは小海線のキハと浅間連峰を
きれいに写し込むことができました。
本当にこの日はいい天気です(^^)。
小海線 中込

比較的首都圏から近く、両端を中央本線と長野新幹線・しなの鉄道が接続している小海線は手軽に乗ることができるローカル線で、私も幾度となく乗車しています(前回は05年だから8年前か・・・)。しなの鉄道がまだJR信越本線時代には、中央線~小海線~信越線で大回り(もしくはその逆まわり)するというのが青春18きっぷビギナーの定番コースでしたが、しなの鉄道がJRではなくなり、横川~軽井沢の碓氷峠区間もバス路線となってしまったため、今では青春18だけで大回りすることができなくなってしまったのは残念。ちなみに青春18の時期ではないものの、今旅も途中の軽井沢~小諸にしなの鉄道が入っていることで大回りの片道普通乗車券は作れず、それぞれの区間で個々に切符を買っています(首都圏から長野新幹線で佐久平を経由して小海線、中央線へ抜けると、今でも片道乗車券が有効)。

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適度に空いた車内に暖かな日差しが注がれます。
ローカル線旅としては最高の条件。
ああ、これで駅弁と酒があればなぁ・・・(^^;)

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車窓に千曲川が沿うようになると、
やがて列車は上り勾配へとさしかかります。
(後方から眺めているので下っているように見えますが・・・^^;)
小海線 小海-松原湖(後方の車窓から)

乗り継ぎをした中込を出ると、列車は千曲川に沿って走るようになります。このあたりから徐々に勾配を上げ始め、標高865メートルの小海まで来ると車窓はすっかり高原の景色となりました。ここからが「八ヶ岳高原線」である小海線のハイライトで、全国の駅(普通鉄道)標高9位の松原湖(967.2m)、8位の海尻(1034.8m)、7位の佐久海ノ口(1039.3m)、5位の佐久広瀬(1073.5m)、4位の信濃川上(1135.3m)を経て、いよいよ第一位、標高1345.67mの野辺山へと到達します。

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海尻駅に掲げてあった小海線の路線図。
フツーはその駅からの所要時間などが書かれるものですが、
ここでは小海線各駅の標高が表示してあります。
小海線 海尻(車窓から)

でも小海線の場合、確かに数字だけ見ると標高の高いところを走っているのは解りますが、以前に紹介した西日本の標高第一位の木次線や九州の高原路線と知られる肥薩線豊肥本線などと違って、スイッチバックを駆使したり、見晴らしの良いところへ一気に躍り出るわけではなく、ずっと八ヶ岳東麓の高いところを走っているので、それほど高さを実感しないのが正直なところ。あまりピンと来ないまま「標高日本一の駅」野辺山に到着。ここでは交換列車行き違いのため、3分ほどの停車時間がありました。せっかくなのでホームへ出て記念の標柱などを写真に収めます。

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野辺山の手前では視界が開け、
確かに高いところを走っているのは解りますが、
日本一の標高・・・というほどの眺望ではありません。
そもそもこのあたりの町や集落は
全体的に標高が高く、
小海線だけが眺望の良いところに敷かれているわけではないんですよね。
小海線 信濃川上-野辺山(車窓から)

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それでもやはり野辺山駅ホームにある
JR線最高駅の標柱を見ると、ちょっと嬉しくなります (^^)。
ちなみに駅前の標柱にはいまだに「国鉄」最高地点の文字が・・・。
小海線 野辺山

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その野辺山で交換した列車は、ハイブリッドのキハE200。
発電用ディーゼルエンジンで発電した電気と、
蓄電池に充電した電気を効果的に利用して走行する
環境にやさしい車両です。
今回はこのキハE200に乗りそびれてしまいましたが、
同様のシステムを搭載したHB-E300系には、
五能線の「リゾートしらかみ」で乗車しています。
小海線 野辺山(後方の車窓から)

ところで、駅としてはこの野辺山が全国一位の標高にありますが、鉄道路線の最高地点は野辺山を出てから清里方向へしばらく進んだ地点になります。そこには線路端に「鉄道最高地点」などと書かれた大きな標柱が立っていたハズで、できれば鉄道乗車記的にその標柱を写真に収めたいところ。しかし久々に乗る小海線、果たしてどちら側の車窓からその標柱が見えるのかイマイチ自信がありません(以前乗った時はブログで写真を紹介することも無く、あまり関心が無かったし・・・)。でもたしか進行右側(上り列車)だった気がするので、うろ覚えながらもカメラを構えていると・・・あっ見えた (゚∀゚)!

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車窓から見えた「鉄道最高地点」の標柱。
その標高は1375メートル!
小海線 野辺山-清里(車窓から)

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鉄道最高地点では標柱ばかりに目が行きがちですが、
この付近の車窓からは八ヶ岳連山がきれいに見渡せます。
でもこの日は雲がかかっていて、ちょっと残念。
小海線 野辺山-清里(車窓から)

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野辺山の次駅は高級別荘地として有名な清里。
80年代には第二の軽井沢として、ブームになりましたよね。
ちなみに標高は全国第二位の1274メートル。
小海線 清里(車窓から)

最高地点の標柱を越えると列車は軽やかに勾配を下り始めます。標高二位の清里(1274.7m)、三位の甲斐大泉(1158.2m)、6位の甲斐小泉(1044.2m)と徐々に標高を下げ、車窓右手に南アルプスの雄大な山並みが迫ってくると、まもなく終点の小淵沢(886.7m)に到着。

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小海線最後の見せ場は小淵沢の手前で広がる、
南アルプスの山並み。
太陽が写っちゃうくらいの完全なド逆光ですが、
シルエットの山容もまたよろし(^^)
手前の電化路線は中央本線です。
小海線 甲斐小泉-小淵沢(車窓から)

小諸1206-(小海132D)-中込1232~1239-(230D)-小淵沢1423

最終盤の清里で多少の客が乗り込んできたものの、立ち客が出るほどではなく、終始まったりとした雰囲気で高原ローカル線の旅を楽しむことができました。返す返す残念だったのは駅弁が買えず、空腹状態であったこと・・・って、(゚o゚;) ハッ!! 駅弁駅弁!! 実はこの小淵沢でも次に乗る中央線との接続時間はわずか7分しかないのです。でも特急「あずさ」も停まる小淵沢は中央線ホームにも駅弁を積んだ売店があり、今度は無事に駅弁とビールをゲットすることができました ε-(´∇`●)ホッ。

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小淵沢で小海線のキハ110(左)から、
中央線普通列車の115系へ乗り換え。
中央本線 小淵沢

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や~っとありつけた駅弁は「やまのごはん」(¥900)。
竹籠の弁当箱にマスの塩焼きや鶏つくね、きゃらぶきなど、
信州らしい山の幸が詰まっています。
ゴハンは一見ふつうのオニギリに見えますが、
クリおこわ、クルミ味噌と、ちょっと凝ったつくりに。
☆☆・・・
小淵沢は駅弁の種類が豊富なのですが、
どれも値段が少し高めで、ほとんどが1000円越え。
この「やまのごはん」は数少ない1000円以下ですが、
それでも内容からすると900円はちょっと高いかも。

小淵沢から乗り継いだ中央線の上り普通列車は高尾行きで、これに乗り続けていれば乗り換えなしで都内へと戻ることができます。ガラガラの115系車内で駅弁をツマミにビール二本を開け、もうすっかり堕落モード。でも今旅の乗り鉄はまだコレでは終わりません。高尾行きの列車をあえて途中の大月で降り、次の列車を待ちます。発車した115系の後を追うように大月のホームへ入って来たのはこの列車。

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夕暮れの大月、富士急からの渡り線を通って来たのは、
183系あずさ色の「ホリデー快速 河口湖」号。
中央本線 大月

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元・特急車両の183系、
自由席の車内には、簡易リクライニングシートが並びます。

乗り鉄らしく最後は車両にこだわり、富士急の河口湖から直通して来た「ホリデー快速 河口湖」号を利用することにしました。この列車に使われている183系の座席には、背もたれが途中で固定できない簡易リクライニングシート、通称「簡リク」が使用されています。今の標準であるフリーストップ・リクライニングシートに比べると乗り心地はあまり良くないけれど、この簡リクは国鉄時代の優等列車を彷彿とさせる、なかなか懐かしいシロモノ。かつての特急車両の乗り心地を楽しみながら、本日三本目のビール(500缶 ^^;)を開け、今旅を締めることとしましょう・・・~(~∀~*)~ウィ~。

小淵沢1430-(中央556M)-大月1632~1649-(ホリデー快速 河口湖2号)-新宿1804

好天に恵まれた一日。本格的な撮り鉄の方からすると、こんな絶好の撮影日和なのに急行「志賀」の撮影を午前中で切り上げちゃうなんてもったいない!・・・と思われるでしょう。でも鉄道利用で撮影地へ向かう私のスタイルとしては、できるだけその行程でも乗り鉄を楽しみたいと思っています。結果的にしなの鉄道では満足のいく169系の撮影ができ、さらに小海線でのんびりとした乗り鉄が楽しめた。当初の一泊二日の旅程とは違っちゃったけれど、大満足の日帰り信州旅となりました。(^^)

 

余談・・・この旅の翌日には東京・神保町で開かれている、ソネブロ仲間sonicさんの個展へとお邪魔いたしました。そこでsonicさんに「実は昨日、しなの鉄道の169系を撮りに行って来たんですよ~」とお話しされたところ、間髪入れず「ええっ!169系も引退するんですか!?」との返しが・・・。ただ「撮って来た」と言っただけなのに「引退」の二文字が浮かんじゃうとは、う~ん、私はすっかり葬式鉄化しているなぁ・・・f(^_^; ポリポリ。



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