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わたらせ渓谷鐵道・・・紅葉の「わ鐵」、トロッコ列車撮影記 [鉄道写真撮影記]

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2010.11.13
わたらせ渓谷鐵道
紅葉「わ鐵」トロッコ列車撮影
  

秋本番、木々の葉もだいぶ色づいてきました。こうなると紅葉を背景にした鉄道写真が撮りたくなってくるもの。鉄道&紅葉写真のメッカとされる陸羽東線や只見線などへ行きたいなぁ・・・と思いつつ、今の自分は時間的にも経済的にも、遠征がちょっと厳しい状況 (とくに後者かな・・・(´・ω・`)。 そろそろウチのテレビも地デジ対策せにゃならんし・・・) 。それでも、四季の節目ごとに一枚くらいはその季節を象徴する様な鉄道写真を残したい。適度に近場で紅葉と鉄道の写真が撮れる場所は無いだろうか・・・と考えていたところ、テレビのニュースに紅葉真っ盛りの日光が映し出されました。紅葉前線は北関東まで下りてきたようです。それを見て思いついたのが、群馬の桐生から栃木の足尾(終点は間藤)を結ぶ、第三セクターの「わたらせ渓谷鐵道」・通称「わ鐵」。その名の通り渡良瀬川の渓谷沿いに走り、車窓に豊かな自然が流れるローカルムード満点の路線です。さっそく「わ鐵」のHPで発信している紅葉情報をチェックしてみると、沿線はちょうど見頃を迎えている様子。しかも観光シーズンの今はトロッコ列車「トロッコわたらせ渓谷号」が運転されていて、これがトロッコとは言え、今や貴重なDL牽引の客車列車。この列車の撮影をメインに訪れてみるのも悪くありません。ここならば紅葉と鉄道の撮影が楽しめそうだし、東京からも比較的近いのでおサイフにもやさしい。天気予報によると土曜日は天気が良さそうだったので、紅葉景色を求めて「わ鐵」の撮影へ行ってみることにしました。

11月13日(土
赤羽658-(東北3521M)-小山07530757-(両毛436M)-桐生0853

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小山からの両毛線は、久々に乗った107系。
両毛線 桐生

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桐生駅1番線が「わ鐵」ホーム。隣の115系は両毛線・小山方面ゆき。
待機していた「わ鐵」は丸いライトが特徴のわ89-302
両毛線 桐生

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乗車券はちょっと懐かしいパンチ式の車内補充券。

「わ鐵」へのアプローチは大きく分けて二通り。JR両毛線で「わ鐵」の起点駅・桐生へ出るか、東武桐生線で途中駅の相老で乗り換えるのが一般的。あとは日光方面からバスで足尾へ出る方法もありますが、これは時間的に余裕が無いと厳しい。今回は個人的に両毛線へ乗りたい気分だったので、桐生経由を選択しました。ちなみに東武桐生線は東武の支線ですが、本線にあたる伊勢崎線の浅草から特急「りょうもう」が直通していて、こちらの方が便利で速い。しかし東武経由だと「わ鐵」は途中駅の相老から乗ることになるので、ハイシーズンともなると座席の確保が難しいかもしれません。今回も相老から車内はかなり混雑しました。相老から足尾まで一時間以上立ちっぱなしということもありえますので、座席を確実に確保したいのなら桐生から乗車した方がよいかも。座席は渡良瀬川の眺めが良い、進行方向右側がおススメです。

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車窓から眺めた渡良瀬川と紅葉した木々。
美しい眺めですが、曇りがちの天気が気がかり・・・。
わたらせ渓谷鐵道 上神梅-本宿(車内から)

二連の715D、ラッキーなことに私が乗った先頭車両は転換クロスシートが並ぶわ89-302でした(後部はセミクロスの-311)。「わ鐵」の車両形式は平仮名の「わ」が用いられるユニークなもの。後に続く半端な数字の「89」はJR足尾線を引き継いで「わたらせ渓谷鐵道」として開業した1989年を意味します。私はその89年、JR足尾線の最終日に初めて桐生~間藤の全線を完乗。その後「わ鐵」として00年に同区間を乗りなおして以来、三度目の乗車になります。撮影主体で訪れるのは今回が初めてなので、あらかじめ本やネットで撮影地を調べ、ピンポイントでそこを目指すことにしました。桐生から45分、渡良瀬川沿いの小さな無人駅・小中で下車。

桐生0930-(わたらせ渓谷715D)-小中1016

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小中を発車する715D。第四種踏切がいい感じ♪
わたらせ渓谷鐵道 小中

小中駅から神戸(ごうど)方面へ少し歩くと渡良瀬川にかかる橋があり、この上から川沿いを走る「わ鐵」を見下ろすことができます。ここが目的の撮影地。駅から近いお手軽ポイントですが、なかなか眺めのいい所です。それにしても気になるのは天気。晴れ予報だったのに曇り空が広がっています。これではせっかくの紅葉も濁ってしまうのではないかと心配・・・。まずは先ほど乗った715Dと隣の神戸で交換してくる716Dから撮影開始。

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紅葉した木々の間を縫って走る単行のレールバス。
わたらせ渓谷鐵道 神戸-小中

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同じ橋の上から川下の方を振り返って後追い。
紅葉はあまり入りませんが、こちらものどかな景色が広がります。
わたらせ渓谷鐵道 小中-神戸(後追い)

ぽつねんと走る単行のわ89-200がいい感じです。バスのような側窓配置のレールバスタイプは全国的に貴重になりつつあるので、ここで撮影できたのはちょっと嬉しい。「わ鐵」にも来年は新型車両の導入が計画されているので、このタイプが見られるのもあとわずかになるのかも。
紅葉の発色具合は思ったほどは濁らずにまずは一安心。でも、やはり晴れた状態の紅葉が見たい・・・。恨めしそうに空を眺めていると、念が通じたのか徐々に雲の切れ間から青空が覗くようになってきました。

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日が差した状態で通過した717D。今度はわ89-310二連。
わたらせ渓谷鐵道 神戸-小中(後追い)

先程より少し川を多めに入れたアングルで撮影。きれいな順光に照らされましたが、どうなんだろう・・・何となく個人的には曇り空の方がしっとりとした、いい雰囲気だったように感じます。
さて次は本命のトロッコ列車。午前中のトロッコは下り列車なので、上写真とは逆にまずは川下の方から狙います。静かな山間にDLの唸り音と客車のジョイント音が響いてきました。やがて姿を現したDL・・・そこにちょっとしたサプライズが!

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「トロッコわたらせ渓谷号」
この日先頭に立ったのは国鉄色のDE10! 
わたらせ渓谷鐵道 小中-神戸

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ゆっくりと通過する「トロッコ」。朱色のDE10がいいアクセントです。
わたらせ渓谷鐵道 小中-神戸

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上流方の紅葉とトロッコ。
窓が無く、風を感じられるのがトロッコの醍醐味

気持ち良さそうですね~。
わたらせ渓谷鐵道 神戸-小中(後追い)

なんと牽引機が国鉄色のDE101678でした~ \(^o^)/。「わ鐵」のトロッコ列車には客車と同色の専用機・1537号機があり、国鉄色の1678号機は言わば予備的な存在(だったと思います)。当然この日も専用機が牽引してくるものだと思っていた私はビックリ。専用色と国鉄色、果たしてどちらがアタリなのかは人それぞれでしょうが、国鉄色好きの私にとってはこちらがアタリだったのは言うまでもありません。それに茶色い専用色もいい色なのですが、紅葉の景色に映える色合いは朱色の国鉄色の方。紅葉と絡めて撮れる午後の復路が楽しみです。

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同ポイントから今度は望遠レンズでもう一枚。
紅葉のトンネルをくぐる、わ89-310。
わたらせ渓谷鐵道 神戸-小中

午後のトロッコ列車が折り返してくるまではしばらく時間があるので、少し周辺をぶらぶらしてみることにしました。まずはトロッコ列車の背景に写っていた建物の近くへと行ってみます。実はこれ、廃校になった小学校。ここには懐かしい木造校舎が今でもそのまま残されていて、この「わ鐵」有名撮影地のいいエキストラとして列車と共に写真に納まっている姿をよく見かけます。校庭だった場所には学校らしく桜の木が植えられており、満開の桜の下を走る列車の写真は「わ鐵」の春の風物画とされています。秋の紅葉と同様に一度は撮影してみたい画なのですが、満開の桜は紅葉以上に時期の読みが難しいんですよね・・・。来年タイミングが合うようならば、トライしてみたいところ。そんな廃校舎ですが、やはり関係者以外の立ち入りはできず、敷地外からしか眺めることができません。

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木造の廃校舎。子供の声が聞こえてこない小学校はどこか寂しげ・・・。

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石造りの門柱に校名が掲げられていることから
ここが正門だったと思われます。
木が倒れ、今では通ることすらできない状態・・・。

私が通った小学校にもかつて木造校舎があり、軋む床板が「学校の怪談話」の格好のネタにされていたことを思い出します。この「わ鐵」沿線には、悲しいかな廃校になった学校が多いらしく、一部では旧・花輪小学校のように記念館として一般に開放されている所もあるそうです。学校を後にしてさらに周辺を散策。

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小中駅近くの第四種踏切
裏山の紅葉がきれいだったので列車を入れてみましたが
紅葉の半分以上が車両で隠れてしまったので、
列車が写って無い方がいいみたい。
わたらせ渓谷鐵道 小中付近

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見事に黄色く染まった木の下を駆け抜ける「わ鐵」。
こういう写真って、列車の位置を決めるのが難しい・・・。
わたらせ渓谷鐵道 小中-中野 (WB日陰モード)

紅葉を撮影しながらぶらぶらしていると案外あっという間に時間は過ぎて、トロッコが折り返してくる時間になりました。実は散策中にどこか他にもいい撮影ポイントは無いものかと探していたのですが、ココという所は見当たらずに午前中の橋へと戻ってきました。上りのトロッコもここで狙うことにします。

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紅葉と国鉄色DE10
やはりこういう情景には国鉄色が似合います。
鼻の短い②エンド側先頭が何とも愛らしい。
わたらせ渓谷鐵道 神戸-小中

同じアングルばかりでは面白くないので、先程よりも少しサイドから色付いた木々と川を入れてみることにしました。でもそうすると列車は二両分しか見えずに肝心のトロッコ車がほとんど目立たないのですが、実はそれも狙い。京王5000系から改造されたトロッコ車は面白い車両なのですが、形的にはちょっと不恰好なんですよね・・・(^^;)。編成が解る写真は往路で撮ったことだし、せっかくの国鉄色DE10牽引なので、かつてのタカ座B「くつろぎ」っぽい茶色の旧12系客車との組み合わせだけで決めたいと思ったのです。国鉄色DE10と紅葉の組み合わせ、自分的にはじゅうぶん満足の行く写真が撮れました。これにて撮影終了。

この渡良瀬が例年に比べてどうなのかわかりませんが、全国的に今年の紅葉は猛暑の影響で色づきが良くないのだとか。それでもやはり秋という季節が見せてくれる木々の紅葉は、美しくて癒されます。国鉄色DLというサプライズにも恵まれ、いい撮影ができた一日でした。

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帰りの列車は大混雑。
でも特等席からは可愛いお顔が覗いていました~┗(^▽^)(^▽^)┛
わたらせ渓谷鐵道 小中

小中1612-(わたらせ渓谷724D)-桐生1704
桐生1713-(両毛464M)-高崎18051815-(高崎2300Y)-新宿2006

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帰りは高崎線ルートで東京へ。
桐生から乗った両毛線464Mは、群馬DCマーク付き115系。
上越線 高崎



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