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青森04・・・祝・東北新幹線 新青森開業! 初列車乗車記 [鉄道旅行記]

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2010.12.02~04 青森04
東北新幹線 新青森開業! 初列車乗車記
  

前回からの続きです。
東北新幹線・新青森開業の初乗車を兼ねた鉄道旅。いよいよ開業当日の朝を迎えました。前日はちょっとツイていない一日でしたが、何と言っても今旅一番のメインはこの初列車への乗車。気を取り直して新青森駅へと向かいます。

12月4日(土)
朝5時に目覚ましをセットしておいたのですが、緊張でほとんど眠れませんでした。というのも実は以前、同様に仙台空港アクセス線の開業初列車を目指して前日に仙台入りしていたものの、名物の牛タンを肴にちょっと多めの酒を飲んだら、翌日は見事に朝寝坊。初列車乗車を逃してしまったという、情けない前科が私にはあるのです。今回は仙台空港線とは比べ物にならない、東北新幹線の開業。これは何が何でも寝坊するわけには行きません。そう思うと、なかなか寝付けなかったのです。それでも、初列車に乗れる期待感からか眠気はほとんど無く、むしろテンションは高いくらい。そこでまずは新幹線初乗車の前に早朝の青森駅で一仕事。前日は撮り逃した、夜行急行「はまなす」を撮影します。

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青森に到着した、札幌からの急行「はまなす」。
嬉しいことにED794は、パンタが下枠交差(PS103)タイプでした。
10.12.04 奥羽本線 青森
(余談ですが、12/4からJR青森駅の所属路線は奥羽本線になりました)

5時40分着の「はまなす」を撮影後、すぐに乗らなくてはいけないのが、青森5時46分発 奥羽本線・秋田行きの特急「つがる2号」。青森から東北新幹線へ乗るには、隣駅の新青森まで奥羽線で移動しなくてはなりません。新幹線上り初発の「はやて12号」に接続する青森発の列車は、この「つがる2号」か後続の普通列車632M。「つがる」の方は特急ですが、新青森~青森のみの利用には自由席に限り特急料金は徴収されず乗車券のみで乗ることができるので(指定席の場合は指定席特急料金が必要)、乗るならやはり632Mよりも「つがる」を選びます。

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発車を待つ「つがる2号」。
この日から使用車種が485系3000番台になりました。
10.12.04 奥羽本線 青森

ところが、この日の「つがる2号」自由席は大混雑。それもそのはずで、純粋な弘前・秋田方面への乗客の他に、新青森から新幹線に乗り換える接続客と開業の様子を見に行く見物客たちが、たった二両の自由席車両へ押し寄せているのです。列車はデッキ・通路までぎゅうぎゅう詰め。今回ばかりは仕方なく指定席車のデッキまで開放して、なんとか青森を発車することができました。それにしても、今改正でなぜかE751系6連(自由席3両)から、485系3000番台4連(自由席2両)へ車種変更された「つがる」。これではどう考えても、グレードと輸送力が改正前よりも低下しているのだが・・・(謎)。

青森0546-(つがる2号)-新青森0551(数分の遅れあり)

新青森までは5分ほどですが、混雑で出発に手間取ったため数分遅れで到着。しかしこの新青森で今度は降りるのに一苦労です。一両に一箇所ずつの細い出入口しか無い485系では、一列になって一人ずつ順番に降りてゆくしかありません。さらに降りたホームでも大混雑。「つがる2号」の新青森停車時間はわずか一分なのですが、とてもそれではさばき切れず、かなりの遅れが出た模様。まあ、この混雑は開業初日特有のもので、普段は自由席2両でも事が足りるのかもしれません。しかし帰省ラッシュなどの混雑期には同様の事態がありえるかも知れないので、臨時列車の増発や車両の増結などで混雑緩和に対応して欲しいところ。

ようやく降り立った新たな青森の玄関口、新青森駅。今まで特急はおろか快速すら停まらなかった無人駅が、一気に新幹線接続駅へ昇格です。奥羽線ホームと新幹線改札はエスカレーターと短いコンコースで結ばれており、混んでいなければ数分程度のスムーズな乗り換えができそう。この日はそのコンコース手前で「乗客」と「見物客」に分けられていました。見物客の方は一旦在来線の改札を出て、新たに入場券を買い直さなくてはならないのです。連絡改札を通れるのは乗客のみ・・・。イヤミですが、指定券を持っている私はちょっと優越感があります。

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新幹線への連絡改札。
こちらには「はやて12・14号」の乗客が誘導されます。
10.12.04 東北新幹線 新青森

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乗車するのは6時31分発「はやて12号」。
開業日のこの日は団体列車も多数運転されていた様子。
(電光掲示板の左側参照)

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新幹線改札を抜けると、さらに12号と14号に振り分けられます。
(ただし指定券のチェックなどは無く、14号の乗客でも
ホームへ上がることはできました)

さあ、お待ちかねの新幹線ホームへ。一番列車が出る11・12番ホームには、基本的に12号か14号の指定券が無いと入れないようになっており、この時間帯は列車の発着が無い13・14番ホームが見学者用に割り当てられていました。そんな乗客のみに許された11番線へのエスカレーターを上がってゆくと、新しいニオイのするホームにE2系新幹線が出発準備を整えて停車中でした。入場を乗客のみに規制したせいか、ホーム自体はさほど混雑はありません。しかし、出発式が行われている先頭1号車付近には人垣ができています。人垣の向こうに「祝・新青森駅出発式」のボードと金色のくす玉がチラッとみえましたが、規制と混雑で近づくことができず、なんとか腕を伸ばしてノーファインダーで写真を撮るのが精一杯(この写真は12/5のブログで先行公開しています)。ひょっとしたら、出発ホームよりも見学者用ホームの方がよく見えるのではないかと思い、急いで反対の13番ホームへ(乗客はどちらのホームにも行き来ができます)。

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新青森駅11番ホームで行われている、初列車 「はやて12号」の出発式。
今回は見学用の13番線側から見た様子です。
10.12.04 東北新幹線 新青森

う~む・・・、ボードやくす玉は見えるけれど、ホームドアや太い柱が邪魔でイマイチよく見えません。出発式や乗客たちの臨場感は、先行公開した出発ホーム側から撮った写真のほうが伝わりやすいですね。
そんな感じでホーム上をウロウロしていたら、あっという間に発車の時間が迫ってきました。再び出発ホームへ戻り、ようやく指定された席へと座ります。私の席は2号車のA席。残念ながらホームとは逆の窓側でしたが、窓側の席が取れただけ良しとしましょう。幸い先頭に近い2号車の前寄りだったので、座席にいながらでも出発式の様子は司会者の声で何となく解ります。「発車、一分前です。ご来賓の皆様、くす玉のご準備をお願いいたします!」 そして鳴り響く発車ベル。お、いよいよか・・・ちょっと胸がドキドキ・ワクワク。やがて扉が閉まると、前の方で「パアァァァン」と、おなじみのタイフォンが高々と鳴り響きました。私からは見えませんでしたが、おそらく同時にくす玉が割られたのでしょう。ホーム側の席からは「おお~!」という感嘆の声が上がります。そしてゆっくりと動き出す車窓・・・。定刻6時31分、ついに東北新幹線・新青森発上り一番列車が発車しました。

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まだ夜が開けきらぬ、薄暗い新青森付近の車窓。
10.12.04 東北新幹線 新青森付近

新青森を出ると、興奮気味だった車内が落ち着いてきました。列車は前日に私が訪れた青森県立美術館付近を通ったかと思うと、さっそく最初のトンネルへと入ります。今回開業した八戸~新青森は総延長81.8キロ、そのうち約六割の50キロ近くはトンネルに覆われていて、実に19本ものトンネルがあります。なかには陸上の複線トンネルでは世界最長・全長26キロの「八甲田トンネル」があり、さすがに新線とはいえ真っ暗のトンネルが長く続くと退屈。そこでちょっと車内を見渡してみましょう。今回の初列車に使用された車両は従来からの「はやて」でおなじみ、E2系(1000番台)。本来東北新幹線全通の目玉とされるべき新型車両E5系(タイトル写真のボードに描かれているヤツです)は今回の開業に間に合わず、来年3月にあらためて「はやぶさ」の名でデビューが予定されています。できればこの開業日にE5を間に合わせて欲しかったところですが、E5の製造や運転開始が遅れたのではなく、新青森開業の方が当初の予定を前倒ししたという裏事情があるのだから、仕方が無いと考えるべきか。それでも、開業一番列車という栄誉ある列車に選ばれたこの日のE2系はE2のなかでも最新のJ75編成。JRなりに一番列車への敬意が伺えます。ちなみに東京発下り初列車「はやて11号」にも、同様のJ74編成が使われたらしい。

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新青森開業の文字を流すJ75編成の案内表示器。
従来のE2から若干のマイナーチェンジが行われ、
案内表示もフルカラー化されています

長かった八甲田トンネルを抜けると、新線区間唯一の中間駅「七戸十和田(しちのへとわだ)」を通過。「七戸」といって思い浮かぶのは、やはり「南部縦貫鉄道」。東北本線(当時)の野辺地と七戸を結んでいた中小私鉄で、素朴で自然豊かな沿線風景と味のある小さなレールバスがマッチした、鉄に大人気のローカル線でしたが、惜しくも97年に営業休止、そして02年には廃止となってしまいました。実は南部縦貫と東北新幹線はこの七戸十和田で接続する計画があったようなのですが、南部縦貫が廃線となってしまい、七戸十和田は幻の接続駅となってしまいました。新幹線からレールバスへ、こんなすごいギャップのある乗り継ぎを体験してみたかったものです。

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「はやて12号」は新駅・七戸十和田を通過。
10.12.04 東北新幹線 七戸十和田付近

さて、「はやて12号」に乗っている私。このまま乗り続けていれば9時51分には東京へ着いてしまいます。いくら初列車の乗車だからって一気に東京まで戻ってしまってはもったいない。今回開業したのは八戸~新青森。八戸まで乗車すれば晴れて東北新幹線の完乗になります。青森から東京まで3時間20分(JRが謳っているこの最速時間は今乗っている「はやて12号」のものなんです)、その速さも実感したいところでしたが、私は次の八戸で降りることにしました。もちろんこの八戸で下車することは初めから計画通りで、初列車の指定券もあらかじめ八戸までしか取っていませんでした。新青森からわずか30分足らずで八戸着。

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八戸到着直前、トンネルを抜けると車窓に見事な朝焼けが広がっていました。
10.12.04 東北新幹線 七戸十和田-八戸

新青森0631-(はやて12号)-八戸0654

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八戸に到着した「はやて12号」。最新のJ75編成でした。
10.12.04 東北新幹線 八戸

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これが今回使用した上り初列車「はやて12号」の指定券と乗車券。

東京へと向かう「はやて12号」を見送り、八戸の改札を出ます。八戸といえばB級グルメでもトップクラスの「せんべい汁」が有名なのですが、当然朝7時ではお店がまだ開いていませんでした・・・。

・・・続きます



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