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青森05・・・祝・全線開業! 青い森鉄道乗車記 [鉄道旅行記]

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2010.12.02~04 青森05
全線開業! 青い森鉄道乗車記
  

前回からの続きです。
東北新幹線・新青森開業の初乗車を兼ねた鉄道旅。新青森から上り一番の「はやて12号」に乗り、短い区間ながらも開業初列車なるものを堪能しつつ、新規開業区間を完乗。八戸で下車して「はやて」を見送りました。

12月4日(土)
八戸で降りたのは名物の「せんべい汁」が食べたかったからというわけではなく、旅客鉄道路線の全線完乗を目指す「乗り鉄」にとって、もうひとつ乗っておかなくてはならない路線がここにあるからでした。それは「青い森鉄道」の新規開業・・・というか、新たなJRからの移管部分。元々青い森鉄道は東北新幹線の盛岡~八戸延伸(02年)に伴い、平行在来線の旧・東北本線(盛岡~八戸)を引き継ぐ形で岩手県側のIGRいわて銀河鉄道(盛岡~目時)と共に目時~八戸で開業した青森県の第三セクター鉄道。その青い森鉄道は今回の東北新幹線・八戸~新青森の開業により、新たに旧・東北本線の八戸~青森もJRから移管されることになり、いちおうこの日で目時~青森(121.9キロ)全線開業という形になりました。まあ、平行在来線沿線の過疎化や本数削減・運賃の値上げなど、深刻な問題が新聞やニュース上で危惧されていて、諸手を上げて開業を喜ぶといった感じではないのですが、まずは新たなスタートを切った青い森鉄道に乗って、乗り鉄なりのエールを送ろうではありませんか。

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ポスターでは ゆるキャラ「モーリー」が
青い森鉄道の魅力体験ツアーを宣伝していました・・・が、
イラストの車両、どうみても某市営地下鉄なんですけれど・・・^^;

さっそく青い森鉄道へ乗るために改札へと向かいます。そこで乗車券を購入するのですが、この日青い森鉄道では全線開業記念にユニークなきっぷを発売していました。なんと名物の「南部せんべい」でできた、その名も「せんべいきっぷ」。

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「青い森鉄道全線開業記念ふりーきっぷ」は、
南部せんべいに直接プリントしてある「せんべいきっぷ」。
開封したり、せんべいを食べた場合は無効(笑)
10.12.04 青い森鉄道 八戸

何とも楽しい「ふりーきっぷ」。このきっぷは値段の方も大盤振る舞いで、本来は八戸~青森片道だけでも2220円かかるところが、4・5日の二日間全線乗り放題で1500円。これはかなりオイシイきっぷです (⌒▽⌒) 。これを購入し、せんべいを駅員さんに見せて改札通過。何とも不思議な気分・・・。その足でホームへ降りてみると、そこに止まっていたのはJR東北本線でおなじみの701系でした。これはJRからの譲受車で、JR時代の塗装(っていうか、ラインカラー)のまま、青い森鉄道の社名とキャラが貼り付けられています。

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停車中のJR色701系。ここでは「青い森701系」というのが正式な形式名です。
本当はの青い森オリジナルカラー車に乗りたかったけど、
いずれはこんな暫定色の姿が貴重になるのかも。
10.12.04 青い森鉄道 八戸

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ここ八戸では青い森鉄道の出発式が行われるらしく、
ホーム上で式典の準備中でした。
式は私の乗った一本後の503Mで行われたらしい。

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隣のホームからはJR八戸線が発車。
実は八戸線は私が国鉄・JR完乗を果たした思い出深き路線なんです。
ちなみに完乗駅は八戸線の終点・久慈でした。
10.12.04 八戸線 八戸

701系の車内は座席がほぼ埋まっている程の乗車率ですが、二両編成と考えると、決して多い数ではないのかも。そんな青森行きの567Mは定刻に八戸を発車。
新規乗り潰し対象とはなったものの、乗っているのは今までに何度も通ったことがある旧・東北本線。路線が移管されても車窓風景が変わるわけではありません。青い森鉄道になって変わったことと言えば、駅名表が青い森鉄道のものになったことと、時折すれ違う列車が短編成の701系か貨物列車のみになってしまったことくらいか。かつてはグリーン車や食堂車を連結した長編成の特急列車がひっきりなしに往来していた区間だったことを考えると、ずいぶんと寂しくなりました。

さて、乗り降り自由の「ふりーきっぷ」があるので、初めはどこかで途中下車をする予定でした。三沢の十和田観光電鉄を久しぶりに訪ねてみようかなあ・・・・などと考えていたのですが、今回の旅では青森にひとつ心残りがありました。この旅日記をずっと読んでいただいている方なら察するかと思いますが、前日に見られなかったヤツ・・・そう青森県立美術館の「あおもり犬」。鉄なのに十和田観光電鉄と犬を秤にかけて犬の方に傾くか・・・と言われそうですが、「あおもり犬」を知るきっかけになったのが、首都圏の駅に掲示してあった新幹線開業告知ポスターで、自分の中ではまさに今が旬。その興奮冷めやらぬうちに、どーしても実物を見ておきたかったのです。そんなわけでツマラナイ乗り鉄旅ですが、そのまま乗り通して青森着。これで青い森鉄道も完乗です。

八戸0735-(青い森567M)-青森0906(強風の影響で30分ほど延着)

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青い森の文字通り、青森駅への乗り入れが始まった
青い森鉄道の車両。青森駅1・2番線が青い森鉄道ホームです。
10.12.04 青い森鉄道 青森

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定番の青森ベイブリッジと青い森701系。

青森駅前から前日同様にバスで美術館へと向かうのですが、その前に同じ失敗を繰り返さないよう、美術館へ電話で確認してみます。「今日は常設展示は見られるのでしょうか?」 「はい。ご覧いただけます」 「あおもり犬は・・・?」 「はい。こちらも大丈夫です。」 ・・・ヨカッター、今日は「あおもり犬」に会えるぞ~! \(*T▽T*)/ バスに飛び乗り、再び20分の道のりを経て美術館へ。

青森駅1000-(青森市営バス)-県立美術館前10199

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連日の青森県美術館訪問。
確かに入り口には「ジブリ展」の案内が掲げられています。


はやる気持ちを抑えつつ館内へ入り、今度こそちゃんと常設展の入場券(500円)を購入。でも、まずはやっぱり屋外展示の「あおもり犬」の元へ向かいます(ちなみに「あおもり犬」だけならば、入場券を買わずに無料で見ることができます)。案内図を手渡され、建物裏手の連絡通路へ。これが思っていたよりもややこしい道のりで、確かに降雪期には滑って危ないのかも。

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えーと、まずはこっちね・・・。

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この中の細い階段を上る・・・。

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テラスから伸びる橋状の通路・・・。

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え?非常階段の裏・・・?

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細~い路地裏のような道を抜けると・・・。

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どーんと「あおもり犬」キタ━━(゚∀゚)━━!!!

ようやく会えた、念願の「あおもり犬」。大迫力の巨大さ(8.5メートル)にそぐわない、脱力系の表情が何とも言えず素晴らしい! ぼーっと眺めているだけで癒されます。小雨が降っていたせいか他に見学者は無く、しばし「お犬様」と二人きり。近づいて触ってみると、コンクリ製なので当然硬くて冷たいのですが、なんだか目に見えないパワーをいただける錯覚に陥ります。ああ、やっぱり会いに来て良かった・・・。
その後館内へと戻り、常設展を見学。一度見てみたかった奈良美智作品のオリジナル作品がインスタレーション形式で展示してあり、かなり楽しむことができました。他にも棟方志功や寺山修司の作品など見所が多く、美術館を存分に堪能。もうこれで今回の青森旅に思い残すことはありません。

県立美術館前1149-(青森市営バス)-青森駅1210

美術館を後にして青森駅に戻ってきました。あとは東京へと帰るのみ。帰路には先ほどの「せんべい一日乗車券」を使えば八戸までの料金はかからないのですが、どうやら強風の影響で青い森鉄道に大幅な遅れが出ている様子。ならばちょっと勿体ないけれど、新青森へ出て新幹線で一気に東京を目指すことにしました。考えてみたら朝の一番列車では慌ただしく八戸で降りてしまったので、本当の意味で新青森開業を体感するには、やっぱり東京まで全線を乗り通してみるのがよいのかも。

青森1245-(奥羽656M)-新青森1250

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奥羽線ホームとクロスする形の新青森・新幹線ホーム。
そんな説明カットを撮っていたら、入線して来たのは・・・。
10.12.04 奥羽本線 新青森

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何と異端車785系NE-303編成の「スーパー白鳥」。
元々道央の「スーパーホワイトアロー」などで活躍していた車両ですが、
このNE-303のみ789系「スーパー白鳥」の増結車に改造されたのでした。

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789系と785系の連結部分。
こちら側の785系は運転台が撤去されています。

新青森での奥羽線から東北新幹線への乗り換え、朝は連絡改札を通ってしまい、新青森駅では下車できませんでした。そこで今度は時間に余裕があったので一旦在来線改札から外へ出てみることにします。するとそこでは開業を祝う、イベントなどが繰り広げられていました。

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東北新幹線が開業した新青森駅。
ガラス張りの大きな建物が新幹線駅で左の入り口が在来線。
10.12.04 奥羽本線 新青森

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コンコースには青森の「ゆるキャラ」が勢揃い。
いろんな種類がいるんですね~。

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改札前ではこんな垂れ幕を掲げていました。
「よぐ来たねし 青森」

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「ミスねぶた」のおねーさんも新幹線の乗客を笑顔で歓迎。
お願いして一枚写真を撮らせていただいたら、
手に持っていた袋をひとつくださいました~。ありがとー!

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その袋の中身は・・・青森のパンフレット類と新幹線時刻表、
さらにE5系のキーホルダーとリンゴが入っていました。
キーホルダーも嬉しいけど、やっぱりリンゴが青森らしくてnice!

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さらに地元紙もこの日は無料配布。開業記念号は永久保存板ですね。

新幹線で新青森に到着する人たちへの歓迎ムードは最高潮。やっぱり開業初日は下り列車に乗って、到着後に熱烈歓迎を受ける方が感動できたのかも知れませんね。ところが、その歓迎すべき乗客が一向に現れない様子。垂れ幕の人や「ミスねぶた」さんもちょっと手持ちぶさた(だから写真に応えてくれたのかも)。どうやら開業早々、新幹線が強風の影響で止まっているらしい。

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時刻は13時20分ですが
まだ12時28分発の「はやて26号」が発車していません・・・。

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私の乗る「はやて30号」も抑止中。
10.12.04 東北新幹線 新青森

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その「はやて」の車内で駅弁を広げます。
新青森駅で買った新商品「せんべい汁弁当」。

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どのへんが「せんべい汁」なのかというと、
付属のだし汁を具のカップに注ぎます。これが「せんべい汁」。
汁が冷たいのが残念だけど、味はしっかりしていてなかなか美味しい。
☆☆☆・・

私の乗車列車14時28分発の「はやて30号」は、抑止解除後すぐに発車となったため、新青森発は数分遅れで済みましたが、その後も強風や列車間隔調整のため所々で停車。古川・福島・郡山・宇都宮で運転停車し、もはや「はやて」というより「やまびこ」状態。新青森~東京三時間半がウリだったのに、結局東京到着は70分遅れで、所要時間は4時間40分。これじゃあ開業前の八戸接続と変わらないじゃないか・・・ (-"-;)。まあ、強風という自然現象相手では仕方ないところですが、どうも今回は最後までグダグダ続きの旅でした。

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福島停車中の「はやて」の車内から・・・。強風のため通過線で抑止中です。
10.12.04 東北新幹線 福島付近

新青森1428-(はやて30号)-東京1808(強風等のため70分延着)



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