夏休み2011 その5・・・KTR 由良川橋梁 撮影記 [鉄道旅行記]
夏の休暇を利用しての鉄道旅、前回からの続きです。
福知山線で特急「こうのとり」を撮影後は、福知山で一泊。前回綴ったように、福知山へ来たのは予定外の流れ的に・・・というか、ぶっちゃけ行き当たりばったりで、先のことはほとんど考えていませんでした。福知山からスタートする三日目はどこへ行こう・・・二日目同様に「こうのとり」や「きのさき」の183系を重点的に撮影する「撮り鉄」か、それとも山陰本線を北上して、まだ架け替え後に渡ったことが無い「新・余部橋梁」を「乗り鉄」するか。いや、せっかく福知山にいるのなら「KTR」へ・・・。酒を片手に時刻表とにらめっこ。でも、こういう作業は楽しいもので、あっという間に夜が更けてゆきます。そこで決定した三日目の行き先とは?
8月1日(月)
もちろんこの日も「青春18」にスタンプを押してもらってからスタート。まずは山陰本線の「上り」普通列車へと乗車。餘部とは逆方向へ進みます。
福知山から乗った普通列車は113系。
今旅はJR形の転換クロス車への乗車が続いていたので、
ちょっと懐かしい感じ。
11.8.1 山陰本線 福知山
この普通列車の20分後に続行で追いかけてくるのは、183系の特急「きのさき2号」。もちろん撮りたい衝動に駆られますが、私が乗った列車は途中の綾部で「きのさき」の走る山陰線と分かれ、舞鶴線へと入って行きます。目的が「余部」でも「183」でもないとすると、残るは・・・そう「KTR」。三日目に向かったのは、KTRこと「北近畿タンゴ鉄道」でした。乗ってきた舞鶴線をKTRの乗換駅・西舞鶴で下車。
福知山0541-(舞鶴321M)-西舞鶴0614
西舞鶴には、特急「まいづる」の287系が停泊中。
右の方が、KTRホームです。
11.8.1 舞鶴線 西舞鶴
北近畿タンゴ鉄道は、未成線だった国鉄宮福線計画を引き継いで新規に開業させた宮福線(宮津~福知山)と、旧・JR宮津線を継承した宮津線(西舞鶴~豊岡)からなる、第三セクター方式のローカル線。今回のように福知山からKTRの旅をスタートするならば、そのままダイレクトに宮福線へ乗れば良さそうなものですが、この宮福線の初発列車は福知山発6時54分と遅く、これから行こうとしている目的地へは舞鶴線を経て西舞鶴から宮津線へと乗り継ぐ方が早く着くのです。そんな宮津線、時刻表によると次に乗るのは普通列車・豊岡行きのはず。ところがホームに停まっていたのは特急用のKTR8000形・・・。
KTRの特急用車両 KTR8000形。
「タンゴディスカバリー」の名は廃止されましたが、
現在でも「まいづる」や「はしだて」として
山陰本線の京都方面へ直通運転しています。
11.8.1 KTR宮津線 西舞鶴
コイツはJRに入って行く特急かな・・・? と、行き先を見ると「豊岡」の文字が。お、これはひょっとして、特急用の間合い運用ってヤツ!? 念のため車掌さんに確認すると、間違いなく普通列車とのこと。これはちょっとラッキー! 乗り心地のよいリクライニングシートに身を委ねて、宮津線の車窓を楽しみます。乗車時間はわずか20分弱なのですが・・・。
宮津線の車窓に見えてきたのは、由良川。
11.8.1 KTR宮津線 東雲-丹後神崎(車窓から)
西舞鶴から二つ目の東雲を出ると、列車は由良川に沿って走ります。由良川はこの先で日本海へと流れ、その河口付近に架けられているのが、宮津線屈指の撮影ポイント・由良川橋梁。ここが今回の目的地です。
由良川橋梁を渡るところを、列車の最後部から眺めてみました。
11.8.1 KTR宮津線 丹後神崎-丹後由良(車窓から)
西舞鶴0624-(KTR宮津線613D)-丹後由良0642
由良川の西岸にある駅、丹後由良。
11.8.1 KTR宮津線 丹後由良
丹後由良で下車して歩くこと10分、すぐに由良川のほとりに出ることができました。広い川幅に合わせ、まっすぐに伸びる由良川橋梁。552メートルものプレートガーダー橋は迫力があり、ここを渡る列車を一度は撮ってみたいと思っていたのでした。ただしこの場所、午前はド逆光。ちょっとキビシい条件だけれど、果たして絵になるのかしら・・・?
広大な由良川を跨ぐ由良川橋梁。
西舞鶴へ向けて走って行くのは、KTR800形の普通列車。
11.8.1 KTR宮津線 丹後神崎-丹後由良(後追い)
順光できれいに撮れるのが理想ですが、シルエット気味に写った長い鉄橋は、思っていたほど悪くないかも。しかし同じようなアングルの逆光写真は量産するものでもないので、河原ではこの一枚だけ撮って、次の場所へ移動することにしました。続いて向かったのは、俯瞰気味に由良川橋梁と日本海を一望できる、小高い丘の上にある公園。
遠景で、真横から眺めた由良川橋梁。
その奥には日本海が広がります。
11.8.1 KTR宮津線 丹後神崎-丹後由良
もちろんここから狙ってみても、今の時間帯は列車に光は当りません。それでもなかなかスケールの大きな、気持ちのよい撮影地です。難を言うならば、車両と奥の陸地(?)のシルエットは重ねたくないところ・・・。もう少し裏山の崖を上ってタッパを稼げば、クリアできるか?
穏やかな丹後の朝。日本海を望みながら、
二両編成の特急車両が長い鉄橋を渡ります。
手前の木々はちょっと重たくなってしまったけれど、車両の輪郭はスッキリ。しかもやってきたのは、宮津から特急「たんごリレー」となるKTR8000形でした。偶然ながらも、沖に見える船の向きも整ったし、由良川橋梁らしい一枚になったのではないでしょうか。ちなみに由良川から日本海へとそそぐ、その河口はというと・・・こんな感じ。
車両はスッキリ抜けるけど、国道沿いの家々や電柱の処理が難しいですね。やはりKTR8000形を撮ったあたりがベストなのかな・・・。
短時間ながらも普通列車と特急というバリエーションが見られ、なかなか充実した撮影ができた由良川橋梁。これで撮影地を後にして丹後由良駅へと戻り、ここからは少しKTRの「乗り鉄」を楽しむことにします。
丹後由良からは野田川行きの普通列車に乗車。
夏休みですが、列車には少年たちの姿が・・・部活かな?
11.8.1 KTR宮津線 丹後由良
日本三景のひとつ「天橋立」を沿線に擁する宮津線。
車窓にも日本海の青い海が広がります。
なかなかの絶景路線。(^^)
11.8.1 KTR宮津線 丹後由良-栗田(車窓から)
栗田湾沿いの美しい景色を横目に進み、列車は宮津へ。ここで同じKTRの宮福線へ乗り換えます。接続時刻表を見てみると次の宮福線の列車は、特急「たんごリレー6号」。ということは、先ほどと同じKTR8000形か・・・と思いきや、入ってきたのは「タンゴエクスプローラー」!
宮津で接続するKTR001形の特急「たんごリレー」(左)。
右は丹後由良から乗ってきた野田川行き。
11.8.1 KTR宮津線 宮津
つい興奮して「タンゴエクスプローラー」と言ってしまいましたが、今年の春の改正でJRに直通していた特急「タンゴエクスプローラー」は廃止(287系「こうのとり」への置き換えという形)になったんだっけ・・・。「タンゴエクスプローラー」用だったKTR001形、今ではこのようなKTR線内の特急として細々と使われているのですね。
天井まで回り込んだ大きな窓、ハイデッカー構造のKTR001形車内。
バブル期に製造された(90年製)車両っぽい内装ですね。(^^;)
今度は正式な「特急」ですから、別途に料金がかかります。
宮津~福知山の特急券(630円)を車内で購入。
せっかく窓の大きなKTR001形に乗ったのですが、海景色が広がっていた宮津線とは異なり、内陸部を走る宮福線は、大江山などが見えるものの、車窓風景は単調でトンネルも多い。ちょっとウトウトしながら揺られていると、特急は快調に飛ばし、宮津から30分で終点の福知山に到着。KTRをミニトリップして、朝スタートした福知山へ戻ってきました。
福知山のKTRホームに到着した「たんごリレー」。
11.8.1 KTR宮福線 福知山
丹後由良0855-(KTR宮津線321D)-宮津0907~0909-(たんごリレー6号)-福知山0942
「たんごリレー」の隣に停まっていたのは、
183系の特急「きのさき10号」。
11.8.1 山陰本線 福知山
こちらも183系で運転されていた「こうのとり1号」。
11.8.1 山陰本線 福知山
さて、旅も残すところあとわずか。ここからは東京へ向けての帰路になります。青春18を使っている以上は当然、東京まで普通・快速列車のみ・・・? それはさすがにちょっとキツいので、青春18のゴールを最初にスタンプ(入鋏)を押した名古屋に決めました。ラストは山陰本線と東海道本線の乗り継ぎ旅です。
山陰線の立木付近で車窓に寄り添う川は、
先ほど撮影した由良川の上流です。
11.8.1 山陰本線 立木-安栖里(車窓から)
途中の園部で乗り換え、221系の快速で京都着。
11.8.1 東海道本線 京都
東海道線の米原から先は東海管内。関西線以来の313系です。
11.8.1 東海道本線 米原
二日前に快速「みえ」でスタートした、
名古屋へ戻ってきました~。
11.8.1 東海道本線 名古屋
福知山0954-(山陰1134M)-園部1112~1115-(快速2214M)-京都1151~1200-(新快速3448M)-米原1253~1259-(216F)-大垣1332~1341-(新快速2334F)-名古屋1413
福知山から約4時間で名古屋に到着。ちなみにこのまま東海道を上り続けると、さらに6時間半かかって、東京には20時53分着。まだ倍以上も乗らなくてはならないことを考えると、やはり東海道は長いんだなぁ・・・。青春18のヘビーユーザーの方々からはお叱りを受けそうですが、私は名古屋で離脱。新幹線へと乗り換えます。
今旅のラストランナーはN700系「のぞみ」。
東京までは1時間40分・・・新幹線は速い!
11.8.1 東海道新幹線 名古屋
名古屋1630-(のぞみ34号)-東京1813
これで今年の夏休みに回った鉄旅は終了です。目的が散漫で、とくに後半は行き当たりばったりの無計画な旅でしたが、それなりに鉄分が濃くて、鉄の方には楽しんでいただけたのではないでしょうか。でも、むしろ鉄要素が強すぎて、観光はおろか名物料理などもほとんど食べない、余裕の無い旅だったようにも感じています。しゃかりきに鉄道を追いかけるのもいいけれど、次回はもう少し「大人の旅」にしたいところですね・・・(^^;)。