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小湊鐵道・・・桜花爛漫!春の小湊撮影記 (前編) [鉄道写真撮影記]

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2012.04.12
小湊鐵道
桜鉄2012
桜花爛漫!春の小湊 撮影記 (前編)
  

千葉県の房総半島中央部を横切るように走る中小私鉄・小湊鐵道に、飯給(いたぶ)という桜で有名な小駅があります。ここはまわりを山や田畑に囲まれ、乗降客も少ないので、ひっそりと佇むローカルムード満点の無人駅。ところがこの飯給駅、最近やたらとテレビやネットニュースなどのメディアに取り上げられているではありませんか。桜の季節だからかと思いきや、どうやらそれだけではなく、なんとこの観光地とはまったく無縁の小さな無人駅のまん前に先日、「世界一大きなトイレ」なるものができて注目を集めているらしい。市原市が観光地整備事業の補助金・約一千万円を活用し、新進気鋭の若手建築家に依頼して作ったというこのトイレ。税金をくだらないオモシロイことに使うなあ・・・とは思うも、別にトイレのことなど私にとってはどーでもよく (どうせ女性専用なので、私は入れないしね )、気になるのは映像でそのトイレの背景に写る、桜と飯給駅の様子。春もたけなわとなり、都心では見頃を過ぎつつある桜ですが、この飯給は今がまさに満開状態(10日火曜日の時点で)。ああ~いいなぁ、撮影に行きたいなぁ・・・(´・∀・`*) と、思わず撮り鉄の虫がウズウズしてしまいます。小湊鐵道と桜といえば、昨年に撮影へ訪れてみたものの、残念ながら私が行ったときにはすでに散り際でした。それだけに今年こそは小湊で満開の桜を撮りたいという気持ちも強い。しかし週間天気を見ると、14日土曜日の関東はまたしても雨予報。ホントに最近の土曜は天気に恵まれないよなぁ・・・(-"-;) 。しかもこの雨は花を落としてしまう「花散らしの雨」になるのではないかという。日曜は晴れ予報だけれど、花はそこまで持たないかも・・・そう考えると、もういてもたってもいられない。そこで急遽、「母方の兄の従兄弟の嫁さんのおじいちゃんの又従兄弟が危篤で・・・」などと古い手で・・・なく、ちゃんと会社に有給休暇を申請し、晴れが期待できる12日の木曜日に小湊鐵道へ行ってみることにしました。


4月12日(木)

新宿0722-(中央658T)-御茶ノ水0732~0742-(総武616B)-錦糸町0751~804-(総武快速741F)-千葉0838~0847-(内房149M)-五井0904

もう何度も訪れている小湊鐵道。今回はさっそく列車に乗車するところからはじめましょう。予報どおり青空が広がる好天に恵まれたこの日、お花見やハイキングにへ向かうと思われる観光客の姿が目立ちます。とはいえ平日ですから、年齢層はかな~り高め。同業者の姿もチラホラと見受けられますが、桜の季節の小湊ということを考えるとその数は休日に比べてずっと少なく、二両編成の車内はまったりムード。

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内房線と接続する五井が小湊鐵道への入り口。
窓口でJRの運賃を精算して、一日フリー乗車券を購入します。
平日でも一日券が使えるのは嬉しい (^^)。
小湊鐵道 五井

ところで、昨年に小湊を訪れた際、一番後ろの車掌室かぶりつきの席から後方に流れる景色を桜の咲く駅ごとに記録して、その様子をブログに載せたら、「実際に乗っているみたいで楽しい」との声をいただきました。幸い今回もこの「特等席」に座ることができたので、昨年同様に今年も後方展望を撮ってゆきたいと思います。まさにこれこそ、現地まで鉄道を利用した「徒歩鉄ブログ」の醍醐味(^^)。ちなみに本当の特等席は前方の運転席かぶりつきじゃないの・・・?と、思われるでしょう。でも、前方の展望は当然競争率が高いし、たとえ座れても場合によっては撮影が運転の妨げになりかねない。一方、ワンマン運転ではない小湊の列車は後方にも車掌が乗務しますが、発車前に一言断れば、だいたい撮影は大丈夫 (もちろん業務に支障を与えてはいけません。また、乗務員を撮るのは絶対にNG)。しかも午前中の下り列車は、前からよりも後ろの方が順光でキレイな写真が撮れるのです。

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それでは今年もご一緒に、後方展望を眺めていきましょう。
小湊のキハ200は助手席側に壁は無く、開放感も満点!

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この日は抜けるような青空。
海士有木の手前では、うっすらと富士山が見えました(左上)。
「富鐵百景」のbooさんは、もう小湊で撮影したかな・・・?

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小湊の桜、最初は上総三又のしだれ桜。

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上総山田では上り列車と交換。
あちらは単行でした・・・。う~ん、のどかだ (´∀`)。

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馬立の桜は満開!
隣駅の上総牛久までは比較的本数が多いので、
この馬立駅は小湊の中でも手軽に桜鉄が楽しめそうです。

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途中の主要駅である上総牛久でも、ちょこっと桜が見られました。
ホームにいる列車は交換待ちではなく、上総牛久止まり。
この上総牛久を境に列車の本数は激減し、
30分に一本から二時間に一本となるので、徒歩鉄泣かせです・・・。

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上総川間では桜と共に、ホーム脇の白い花(椿?)も見頃。

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味のある木造駅舎と桜のコラボが楽しめるのは上総鶴舞。

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秋には見事な紅葉を見せる大銀杏で有名な上総久保にも桜があります。

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交換設備の跡が残る高滝も桜が満開。
現在の上総牛久~上総中野はスタフ閉塞式で、
途中で交換する列車はありません。

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里見八犬伝で有名な豪族、里見氏に由来しているといわれる里見。
ホームに立つ一本桜が見事です。

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小湊沿線は桜だけでなく菜の花も楽しめます。
春ですね~(^^)
(里見~飯給の車窓から)

馬立からは一駅も漏らさずに載せてみた、春の小湊鐵道後方展望。ご覧のようにすべての駅で桜を楽しむことができます。まさに春爛漫、花街道。満開の桜もここまで見事だと各駅で降りて撮影したくなってしまいますが、一度降りると次の列車は二時間後・・・徒歩鉄としてはツラいところです。でも、この春景色を走る列車から眺めることができるなんて、乗り鉄冥利には尽きるかな。そして列車はお目当ての飯給へと到着。三脚やカメラバックを抱えた同業者が何人も降りてゆきました。しかし私はここでは降りずに、もう少し先へと進みます。再び後方展望を続けましょう。

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飯給では期待通り、見事な満開の桜が出迎えてくれました~ \(^o^)/

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ホームの両側に桜が咲き誇る月崎も人気の撮影スポット。

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大きな桜の木が立つ上総大久保。ここで列車を降ります。
小湊鉄道 上総大久保

五井0922-(小湊13)-上総大久保1018

飯給からさらに二つ進んだ上総大久保で下車。上総大久保は昨年にも訪れており、そのときは散り際にかろうじて桜が撮影できた唯一の駅でした。でも前回と違い、今回は各駅で桜が満開状態。なのに、またも同じ駅で撮るとは芸が無さ過ぎる・・・? 実はこの上総大久保、駅に大きな桜の木があるのは知っていたのですが、それを近くの山から俯瞰撮影している写真を最近見かけたのです。小湊で桜というと、とくに私のような徒歩鉄の場合、どうしても駅近くで桜と列車を絡めた画になりがち。一枚くらい変化をつけたいと考え、その俯瞰ポイントから狙ってみたくなりました。しかし、上総大久保を出てすぐのカーブを撮る定番の俯瞰ポイントとはちょっと違い、細かな撮影場所が解りません。狙いは私の乗ってきた下り列車が終点の上総中野で折り返してくる40分後の上り列車。地図で大体の目安はつけてきたし、40分もあれば何とかなると思ったのですが・・・。

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俯瞰ポイントを目指して歩きます。
まずはトンネルを抜け・・・。

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急坂の林道を登る・・・。

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え~っと、こっちかな?
林道・・・というより、もはや山道。
これはなかなかキツイ・・・。

急坂が続く林道をひたすら進み、かなり高いところまで上がってはきたものの、木々に遮られてスッキリと駅や桜を見下ろせない。もう少し奥? いや、さっきの獣道を上がるのか? ドッチ?<(゚Д゚lll)>≡<(lll゚Д゚)>コッチ?  うわ~、行き止まりだ! (;;;´Д`)。・・・などと迷い続け、列車の通過時刻は刻一刻と迫ってきているのに一向に撮影場所へ辿り着くことができません。目指す俯瞰ポイントではどれくらいの焦点距離が必要なのかわからず、持ってきたのは望遠二本を含めたレンズ四本のフル装備と三脚。その荷物がずしっと重くのしかかります。獣道を上っては下り、上っては下りを繰り返しているうち、ついに遠くの方からキハの警笛が聞こえてきてしまいました・・・(小湊は遮断機が無い第四種踏切などが多いので、よく警笛を鳴らします)。

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咄嗟に木々のスキマから狙うも・・・駅も桜も見えません。
かろうじて通過してゆく列車がチラリ? ・・・ドコニアルンダヨ (゚Д゚;)?
小湊鐵道 上総大久保付近

結局、間に合わなかった・・・orz←まさにこんな形でその場にへたり込んでしまいました。やっぱり写真を見ただけじゃ俯瞰ポイントの特定は難しかったか。汗だくになりながら登ってきたのに、無駄足となっちゃったなぁ・・・ (´;ω;`)。仕方なく重い足取りで、来た道を駅へと戻ることに。ここまで苦労してきたわりにはやけにあっさりと引き返しますが、実は次の下り列車は駅近くで桜と撮影し、その折り返しの上りで次の場所へ移動したいと考えています (下り13列車で上総大久保1018着→俯瞰ポイントへ移動して1057の上り24列車を撮影→駅へ戻って1157の下り17列車を撮影→上り28列車で上総大久保1217発・・・という計画でした)。次の下り17列車は隣の養老渓谷止まりなので、さきほどの13列車(上総中野ゆき)よりも上総大久保へ折り返してくるまでの時間が短く(20分)、俯瞰ポイントは諦めざるを得なかったのです。それでも、駅の桜は見事に満開。俯瞰から撮ることはできませんでしたが、気を取り直して次の列車を待ちます。

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里山の春。桜が咲き誇る小さな無人駅に、
ツートンカラーのディーゼル列車がやってきました。
小湊鐵道 上総大久保

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桜に見守られて出発。
この日の「懐石料理列車」はまさに動くお花見状態で、
乗客も大喜びだったのではないでしょうか。(^^)

やっと満開の桜とキハのコラボが撮れました。やっぱり桜の下を行く列車の姿ははイイですね~(^▽^)。停車時間を利用してちょっと移動し、欲張って正面気味からも狙ってみましたが、これは昨年撮ったのとほぼ同じアングルになってしまいました。列車も同じ「懐石料理列車」で、個人的にはマーク無しのオーソドックスな姿が撮りたかったところ・・・なんて、この桜満開という好条件で撮ることができたのですから、細かい文句を言ってはバチがあたるというものですね。

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乗車する上り列車が入ってきました。
ホームで駅名板と桜を入れて一枚・・・。
レトロな手書きの駅名板ですが、小湊ではコレが普通スタイルです。
小湊鐵道 上総大久保

 

・・・後編へ続きます。



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