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スイスⅣ 02・・・ベルンでちょい鉄 撮影記 [あおたけ的 SWISS紀行]

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2012.06.18~06.24 スイス 02
鉄神降臨?
ベルンでちょい鉄 撮影記

仕事で訪れているスイス。前回の続きです。
今回の出張は前回紹介したイヴェルドンを基点に、何軒かの訪問先をクルマで巡るもので(もちろん私ではなく、コーディネーターの運転)、その途中に線路と並行して走ったり、駅をチラッと見かけはするものの、ネタになりそうな鉄分はほとんど得られませんでした。そんな中で迎えた終盤の五日目。この日はちょっと遠出をして、首都ベルン(Bern)へと向かう日程。しかし移動はやはりクルマなので、あまり鉄分の期待はしていなかったのですが、思わぬところで「鉄の神様」が降臨してくれました。

6月22日(金)
早朝にイヴェルドンのホテルを出発。本来イヴェルドンからベルンまではアウトバーン(高速道路)で一時間ほどの距離なのですが、今回は途中でヌーシャテル(Neuchatel)に住む現地スタッフを拾っていくことになっているので、少し遠回りして向かいます。でもそのおかげで、高速を降りて一般道を走っていると、ウマい具合にクルマがローカル線の踏切に引っかかりました。まずは一つ目の「鉄神降臨」(^^)。以前にも書きましたが、コッチの踏切は鳴ってから列車が来るまで余裕があるので、クルマを降りてカメラを構えます。単線のローカル線、一体どんな列車が来るのでしょうか。

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踏切で足止め。
鉄にとっては嬉しいタイミングです。(^^)

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朝の麦畑を走り抜けてゆくのは、
ちょっと変わった紅白の塗り分けをしたこんな電車。
ジキルとハイド・・・?
いや、最近では「いぶたま」っぽいと言うべきか。(^^;)
スイス TRN Sugiez-Ins

麦畑の向こうから現れたのは、SBB(スイス国鉄)ではなく、ヌーシャテル地域交通(TRN)という私鉄の電車でした。ただし塗り分けは違うものの、車両自体は前回イヴェルドンの跨線橋で撮ったSBBのRABe523形とほぼ同形。最近はこの流線型をした低床タイプの電車を、スイス各地で多く見かけるようになりました。まあ同じ新世代車両でも、ステンレスが主流の日本よりはちょっとオシャレに見えるかな・・・。撮影後は踏切が開き切る前に急いでクルマへと戻ります。

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ヌーシャテル湖とムルテン湖を結ぶカナル川。
大きな湖が多いこのあたりは朝靄が発生しやすいとのこと。

ムルテン(Murten)付近で再び高速へ乗ったあたりから、私は睡魔に襲われてウトウト・・・(´-ω-)。o◯ 滞在五日目で時差ボケは解消されつつあるも、異国での仕事疲れと朝7時出発ではムリもありません。しばらくして気がつけば、クルマは先ほどののどかな雰囲気と打って変わって、賑やかな市街地を走っていました。どうやらいつのまにかベルンの街に入ったようです。

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中世ヨーロッパの面影が色濃く残る、美しいベルンの街並み。

スイスの首都・ベルン。チューリッヒ、バーゼル、ジュネーヴに次ぐ第四規模の都市で、湾曲するアーレ川に囲まれた土地をいかして古くから発展し、大聖堂や時計塔、彫像が美しい泉などが現在も多く残る旧市街は、世界文化遺産に登録されています。またアインシュタインが特殊相対性理論などの論文を執筆した場所(アインシュタイン・ハウス)であることでも有名な街。
そんな歴史や文化に富み、美しい街並みを誇るベルンですが、スイスの都市の中でも私はあまり縁がない方で、過去に一度、夜遅く着いて翌朝早くに出発する、腰掛け程度でしか訪れたことがありません。今回も仕事で郊外には行くものの市内は素通りかと、ちょっと残念に思っていました。ところが、訪問先の方がとても親切で、なんと仕事の合間のランチにベルン市内のレストランを予約していてくれたのです。しかもその予約時間まで少し時間があるからと、ついでにこんな名所にも連れて行ってくれました。

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赤いトロリーバスが走るベルンの街。
一見何の変哲も無い街角風景に見えますが・・・
おや?何やら左上の方に不思議なモノが・・・?
( ゚д゚)・・・(つд⊂)ゴシゴシ・・・(;゚д゚)

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クマ━━━━ヽ( ・(ェ)・ )ノ━━━━!?

街中に突如現れた、電線をアルクマ・・・いや、歩くクマ。もちろん本物ではないユニークなオブジェですが、なぜゆえにクマなのか? それはベルンという街の語源が熊(独語のBar)からきていて、市の紋章にもなっているシンボルなのです(1191年にこの街を つくったツェーリンゲン家のベルヒトルト5世が狩りで最初にしとめた 動物が熊だったらしい・・・^_^;) 。そしてこの電線グマのすぐ横にあるのが、その名も「熊公園 (BARENGRABEN)」。

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本物のクマを見ることができる、ベルン市内の熊公園。

ここはガラス越しに間近でクマの姿を見物することができる人気スポットの一つで、この日も観光客や親子連れが多く見られました。でも、実は私がここでクマ以上に感激したのは、なんといってもその公園内の高台から見た眺め。アーレ川越しにベルンの旧市街が一望できるのです!

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湾曲したアーレ川とその向こうに広がる旧市街地。
これぞ世界遺産・ベルンを象徴するような景色です。

うーん、まさに絶景!!これはクマよりも眺望の良さをウリにした方がいいのではないかと思うほど。クマのことなど忘れて、しばし景色に見入ってしまいます。これでどこかに列車の姿でもあれば最高なんだけどな・・・と目を凝らすも、ご覧のとおり旧市街は建物が密集していてよく解らず、大聖堂の左へと伸びている高いアーチ橋はバスやトラックが遠目にも確認できる道路橋。残念ながら鉄道橋ではない・・・と思いかけた瞬間、なんとそのアーチ橋上を赤い電車が走ってゆくではありませんか!

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街や川を見下ろすように架けられた高いアーチ橋、
「キルヒェンフェルト橋」を渡る赤い電車。
・・・って、いちおうクリックで拡大するケド、
ちょっと小さくて解りづらいですよね。(^^;)
スイス ベルン市内

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そこで、橋の部分をズームアップ。
たしかにアーチ橋の上を電車が走ってゆくのが解ります。

道路を走る電車、どうやらこれはトラム(路面電車)のようです。でも一両や二両編成ではなく、広島電鉄の「グリーンムーバー」のように長い編成のトラムなので、それなりに電車としての存在感があります。何よりも、たとえ路面電車であれ、この美しい景色のなかで「鉄道写真」が撮れたのですから、鉄としては嬉しい収穫です。これでこの日二つ目の「鉄神降臨」。それにしても、まさか「熊公園」で撮り鉄ができるとは思わなかったなぁ・・・。

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もう一枚、今度はスイスで一番の高さを誇る、
ベルンのランドマーク、大聖堂を大きく入れてみました。
修復工事中だったのが残念・・・(>_<)
正午の鐘が街に響く頃、トップライトに照らされた
トラムの屋根がキラリと光りました。

クマ見物に連れてきたのにクマの檻には近づかず、高台から遠くのトラムばかりを撮っていた客人をちょっと複雑そうな目で見つつ、先方の方は続いて旧市街中心部のレストランへと案内してくれます。その道すがら旧市街へ入ると、先ほど遠目に見ていたトラムを間近で見ることができました。

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旧市街中心部を走る、真っ赤なベルン市電。
広電「グリーンムーバー」などと同じ低床の関節式連節車ですが、
7車体(7連)とは、これまた長いトラムですね~。(^^)
スイス ベルン市電  Bern Zytglogge付近

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先方がランチに連れて行ってくれたのは、
「コルンハウス・ケラー(Kornhaus keller)」という
穀物庫を改造した有名なレストラン。
高い天井と両側に突き出たバルコニーが
まるで劇場のような内装です。w(゚ロ゚)wオォォー!!

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私はためしに「シェフのオススメランチ」をチョイス。
メインは牛のテールシチューっぽい感じでした。
日本人としてはパンよりもゴハンが欲しくなるお味で、
付け合わせがリゾットだったのも納得??
☆☆☆・・

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デザートは杏のパンナコッタ。
パンナコッタを食べた後に下の杏を食べると、
かなり酸っぱく感じますが、
一緒に食べるとほどよい酸味となって美味でした。
☆☆☆・・

Restaurant Kornhauskeller(コルンハウスケラー)

ランチタイムを終えてレストランを出ると、今度は先方の方がちょっと先で手招きして呼んでいます。どうやらレストランのすぐ脇にある、橋の上からの景色を私に見せたいらしい。きれいな景色なら、もうさっきの熊公園でじゅうぶんと思いつつも、後に付いていってみると・・・なんとそこで、またしても「鉄神降臨」!!

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新緑の木々に囲まれて、美しいアーレ川を渡るのは、
SBBのRe460形に牽引された客車列車。
スイス スイス国鉄 ベルン付近 (Bern-Bern Wankdorf)

レストランと同じ「コルンハウス」という名前の橋(Kornhaus brucke)から見た景色。先ほどの熊公園と同じくアーレ川を渡る列車の姿が見えますが、今度はトラムではなく、もっと嬉しいSBBの列車です! まさか食事をしたレストランから徒歩3分もかからないところで、こんな素晴らしい鉄道撮影スポットに巡り会えるなんて・・・鉄神に、いや、これはもう食事に連れて行ってくれた先方の方に感謝感激雨あられです!d(≧▽≦)b グッジョブ!

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続いてやってきたのは、オール二階建て客車のIC2000形。
一見電車のように見えますが、先頭車で制御ができる客車列車で、
後方には一枚目の列車同様にRe460が連結されています。

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今度はタテ位置でカメラを構えていると、
SBBとは異なる黄緑ラインの列車が現れました。
これはベルンを中心に運転されている、BLSという私鉄の列車。

美しい景色のなかを次々やってくるSBBやBLSの列車たち。ここならば一日中いたって飽きそうにありません。しかし無情にも仕事で来ている我が身に与えられた時間はわずか5分のみ。名残惜しいところではありますが、後ろ髪を引かれるような思いで橋を後にします。それでもここで三本もの列車を撮ることができたのですから、満足しなくてはいけません。いつかまた仕事でなくプライベートでベルンを訪れることができたなら、そのときにゆっくりと撮影を楽しむことにしましょう。

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ベルンのアンティークショップでつい衝動買いしてしまった
SBBの名機「クロコダイル」ことCe6/8II形の置物(ペーパーウェイト?)。
手前の小さなSLとセットで60スイスフラン(約5000円)でしたが、
はたして高いのか安いのかよくわかりません (^^;)
まあ、ベルンに来た想い出だと思えばいいか・・・
(これでもCHF84から値切ってCHF60にしたのです)。

撮り鉄だけでなく、もちろん仕事の方も滞りなく順調に進み、最後はそのベルンからの帰り道。また朝のように踏切にでも引っかからないかな~なんて思いながらクルマに揺られていると、途中で駅に停車中の列車を追い越しました。そこで、ちょっとドライバーさんにお願いして止めてもらおうとしたら、なんと「この先にいい撮影ポイントがあるぞ」と教えてくれます。この方は鉄ではありませんが、この辺を走り慣れているプロのドライバーさん。小さな川を跨ぐ橋の横にクルマを止めてくれました。そこで撮影できたのが今回のスイス鉄、ラストとなるこのカットです。

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古そうな味のあるトラス橋を渡る、BLSの列車。
スイス BLS Marin-Epagnier-Zihlbrucke

鉄にとってトラス橋は車体が鉄骨に覆われてしまい、意外と敬遠されがち。なので、ここはいかにも非鉄のドライバーさんが選んだポイントだな~って感じがしたのですが、いざ撮影してみると案外悪くない絵になりました。この路線は一時間に一本程度のローカル線ですから、これも鉄神が降臨したといっていいかもしれません(^^)。朝の踏切から始まって、ベルンでの熊公園とコルンハウス橋、そして帰りのトラス橋と、撮り鉄で訪れたわけでないのに、実に四度の「鉄神降臨」に恵まれ、鉄としては最高にラッキーな一日となりました。

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前回のフリータイムと打って変わって、
この5日目は一日中いいお天気でした。
真っ青に染まったヌーシャテル湖を目に焼きつけながら、
宿のあるイヴェルドンへと戻ります。
そして翌日は帰国日・・・。


今回のスイス出張はいつもに比べて移動距離が少なく、またイヴェルドンという比較的小さな街にずっと滞在していたこともあって、ジュネーヴやチューリッヒのような鉄ネタにはあまり恵まれないかなと思っていたのですが、イヴェルドンでのフリータイムでは駅撮りに加えて沿線撮りも楽しみ、そしてベルン往復では「鉄の神様」・・・というより、実際は先方の方やドライバーさんの親切のおかげで、思いがけずいろいろな鉄道シーンに遭遇することができました。今回の「スイス紀行Ⅳ」はこの二回で終了ですが、鉄的な内容は濃かったのではないかと思っています。約一年ぶりに訪れたスイス。景気の問題と私の仕事内容から年々減っているスイス出張ですが、また訪れる機会があることを願って帰国の途へとつきました。

6月23日(土)~24日(日)
GVA1000-(LX2807)-ZHR1100
ZHR1300-(LX160)-NRT0750

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今回、成田からの帰りには初めて
スカイアクセスの「スカイライナー」を利用しました
(往路はNEX)。
座席はNEXよりも若干ピッチが広いものの、ちょっと薄っぺらい印象。
でもシックな装いのNEXに比べて、白とブルーを基調とした
明るいスカイライナーの車内は、とくに朝便で着く者にとっては
気分的に爽やかで、好感が持てました。(^^)
京成スカイアクセス線 成田空港

成田空港0919-(スカイライナー4号)-京成上野1005



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