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スイスⅡ 07・・・ライン・フォール まさかの鉄道撮影記 [あおたけ的 SWISS紀行]

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2011.01.23~29 スイスⅡ 07
ライン・フォール まさかの鉄道撮影

出張で訪れているスイス、06からの続きです。
しばらくチューリッヒ中央駅の散策&撮影記を続けてきましたが、日程的には終盤の五日目を迎えました。前日から滞在地をジュネーヴからチューリッヒへと移し、この日はちょっと国境を越えてドイツでのお仕事。ただドイツと言っても、チューリッヒから小一時間ほどの国境近くにある小さな工業都市なので、ほとんどスイスのようなもの。変化と言えば、町に掲げてあった国旗が三色になったことくらいでした。スイスからドイツへ、せっかくならばバーゼル経由の「ICE」などに乗りたかったところですが、残念ながらこの日もクルマ移動。さらに目的地も鉄道の不毛地帯で、鉄的な収穫は得られないと諦めていました。しかし、その帰り道に寄ったスイスの街で、偶然にもなかなか面白い鉄道写真を撮ることができたのです。

1月27日(木)
この日の仕事は順調に進み、予定よりもかなり早く終了。このまま滞在地のチューリッヒへ戻れば、浮いた時間でまた中央駅での撮り鉄ができる・・・と、私は密かに目論んでいました。ところが、コーディネーター兼運転手のスイス人・マティスが「時間ガアルノデ、スコシ寄り道シマショウ、OKネ(片言の日本語&英語)」と言って、我々をどこかへ連れて行こうとします。「どこへ行くの?」と尋ねると、「フォール(fall=滝)」とのこと。「滝なんか別に見たくない。私は早くチューリッヒに戻って、駅へ行きたいんだ~!」と心の中で叫びつつも、私以外の同行者はマティスに賛同。さらに近辺で遅めのランチも食べようなどと盛り上がってしまったので、そこに水を差すわけにはいきません。仕方なく「それはいいね」と、顔で笑って心で泣いて・・・渋々やってきたのは「ライン・フォール(Rheinfall)」。その名の通り、欧州屈指の大河・ライン川にある滝です。「コノ『ライン・フォール』ハ、ライン川ニアル唯一ノ滝デ、ヨーロッパ最大級ノ規模・・・」 などと、丁寧に説明してくれるマティスの話を適当に聞きながら、ぼーっとその滝を眺めていると、滝の向こうに橋が架かっているのが見えます。しかもよく見ると、その橋には架線柱らしきものが並んでいる・・・!? 「マティス、ヒョットシテアレハ『とれいん』ジャ、アーリマセンカ?」 と、一変して興奮気味に尋ねると、「YES。コノ近ク二、『シャフハウゼン(Schaffhausen)』トイウ街ガアリ、ソコカラTrainガ、ヤッテキマース」 という嬉しい答え。急いでクルマに戻ってデジカメを取り出し、滝の入るアングルで列車が来るのを待ちます。いつやってくるのか解らずに運を天に任せると、やがて滝の向こうに白い列車の姿が見えてきました!

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名瀑「ライン・フォール」をかすめて走る、SBBの近郊電車RABe514。
スイス国鉄 シャフハウゼン(Schaffhausen)付近
(Neuhausen-Schloss Laufen am Rheinfall)

曇り空のお天気が残念ですが、願っても無かったライン・フォールと列車のコラボカットが撮れたのはとても嬉しい!\(^o^)/ 渋々付いてきたことを反省し、マティスには感謝しなくてはなりません。それにしてもこのライン・フォール、たしかに広くてスゴい水量の滝だけど、欧州最大級にしてはちょっとショボイような・・・。この時期は水量が最も少ない時期で、雪解け水が集まる春先から初夏に訪れるのがベストなのだそうですが、やはり滝の迫力は「幅」よりも「高さ」にあるのではないかと感じてしまいました(「スゴイデショ」を連呼していたマティスには内緒の話...^^;)。でもここは鉄道撮影地としては面白く、さらにもう一本くらい列車が撮れないかと周辺をウロウロしていると、不意に背後から列車の音が聞こえてきます。焦って振り返ると、なんと今度はライン・フォールとは逆側の築堤上を列車が走って行くではありませんか。

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ライン・フォールの公園を見下ろすように駆け抜ける、Re420牽引の「IR」。
滝は写真右手後方にあるので、列車からの眺めは抜群かも。
スイス国鉄 シャフハウゼン付近
(Neuhausen-Altenburg Rheinau)

ドイツ国境に程近いシャフハウゼンは小さな街ながらも交通の要所で、ライン川沿いに各方面から路線が集まって来ます(ライン・フォール付近の地図を添付しました。周辺に何本もの路線が確認できると思います)。

先ほどの滝の向こうに見えた列車はシャフハウゼン発・ヴィンタートゥール(Winterthur)方面へのSバーンで、築堤上を走って行ったのは同駅発・ビューラッハ(Bulach)経由チューリッヒ行きの「IR(急行)」。ということは、チューリッヒから急行列車でシャフハウゼンに来ると、車窓右手にこのライン・フォールを眺めることができるのですね。これは乗り鉄的にも良さそう。さらに、少し高台にある丘にも上がってみると、そこからはもう一線、シャフハウゼンへ乗り入れるドイツ国鉄(DB)の路線も見ることができました。

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シャフハウゼンの街を見下ろしながら進む、赤いDBの列車。
この路線は非電化で、列車もディーゼルカー(DC)です。
ドイツ国鉄 シャフハウゼン付近
(Schaffhausen-Neuhausen Bad Bf)

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これもDBのDC。
DCとは思えないモダンな形をした車両ですね・・・。
(トリミング済み)

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高台の同じ場所からは、先ほど「IR」が走っていたSBBも見下ろせます。
ライン川沿いを走るのはSBBの子会社「Thurbo」のRABe523。
スイス国鉄 シャフハウゼン付近 (Schaffhausen-Neuhausen)

ライン・フォール周辺は公園が整備されており、今回は行くことができませんでしたが、最初のSバーンが走っていた橋には歩道が併設されていて列車を間近に見ながら渡ることができたり、滝の真ん中にある岩山へも船で行くことができるので、一日かけていろんな角度から列車とライン川を狙ってみると楽しそうですね。いつか個人で再び撮影に訪れてみたいところ。

ライン・フォールを後に、続いては街の方へ。ここシャフハウゼンは古くからライン川の交易で栄えたスイス最北の街で、旧市街には中世の建物が立ち並びます。チューリッヒから列車やクルマで40~50分程度で来られるので、じゅうぶん日帰りできるお手軽観光地です。

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味のある建物が並び、雰囲気のいいシャフハウゼンの旧市街。

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シャフハウゼンの名物は何と言ってもこの「出窓」。
美しい装飾が施された出窓を、街のあちこちで見ることができます
(タイトル写真も参照してください)。

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旧市街の中心に立つ「騎士の家」。
壁にはローマの歴史と神話をテーマにした繊細な壁画が描かれています。

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ドイツに隣接するこの街で食べるのは、やっぱりソーセージ♪
デミグラスソースがかかった、ちょっとオシャレなソーセージは、
付け合わせのマッシュポテトとの相性抜群!☆☆☆☆・

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そしてデザートに出てきたのがコレ。
一見プリンのようですが、下のカスタードは液体。
冷たいカスタードのスープにメレンゲが浮いていて、
その上にメープルシロップがかけられています。
とても甘そうですが、メレンゲには味が無いのでそれほどでもなく、
カスタードを染み込ませるとちょうどいい甘さに。
これが不思議な食感で、なおかつオイシイ!
スイーツには詳しくないのですが、
これって結構スタンダードなモノなのでしょうか・・・?
☆☆☆☆・

はじめは寄り道に乗り気ではなかった私ですが、ライン・フォールでは予想外の「撮り鉄」ができ、さらに美しい街の散策&美味しいランチと、存分にシャフハウゼンの街を堪能してしまいました。やはり人の厚意ある提案には素直に従った方が良いみたいですね・・・(^^;)。あらためて「アリガトウ・マティス!」。 

 

・・・続きます



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