SSブログ

関鉄・・・常総線キハ350撮影記 [鉄道写真撮影記]

2000.jpg
2011.09.18
関東鉄道
秋晴れ!の常総線 キハ350撮影
  

前回からの続きです。
磐越西線で485系「あいづライナー」を撮影後、郡山まで戻ってきました。このまま上りの新幹線へ乗れば一時間強で東京へ戻ることができますが、今回使っているきっぷは土日・二日間有効の「ウィークエンド・パス」。都内~猪苗代往復で元が取れているとはいえ、このまま帰っちゃうのは勿体ない。同じくGWに磐西へ来た時は郡山で一泊して、翌日は烏山線へと寄っています。せっかくの連休だし、とりあえず今回も郡山か会津若松あたりに泊まって、翌日もどこかで「鉄」するか・・・と考えていました。ところが、例の「LIVE福島(前回参照)」が開催されたせいか、郡山や若松はどこも満室御礼。周辺都市で宿に空きがあるのは、福島か白河といったところ。ここで翌日の撮影のために私が選んだ宿泊地は・・・白河でした。

郡山1821-(東北2150M)-新白河1900

9月18日(日)
思い出してみると、GWのときにも新白河で一旦下車してE5系「はやぶさ」を撮ったんだっけ。毎回同じような行動パターンとは、ホントに芸がないなぁ・・・(^^;)。しかし、今回の狙いは新幹線ではありません。東北線上りの初発列車で新白河を出て、向かった先は二つめの黒田原。

新白河0523-(2120M)-黒田原0537

2001.jpg

なかなか味のある佇まいをした駅舎の黒田原駅。
東北本線 黒田原

栃木と福島の県境近くの小駅へわざわざ早朝の5時半に来たのは、この近くの「お立ち台」と称される有名撮影地で、寝台特急「カシオペア」と「北斗星」を撮ってみたいと思ったからでした。以前、熊谷で「あけぼの」を撮ったときにも同じようなことを書きましたが、クルマを持たない「徒歩鉄」の私には、地元駅を初発電車で出かけても、夜行列車を撮影できる範囲は限られてしまいます。この「カシオペア」や「北斗星」の場合、蒲須坂あたりが限界。そうなると、どうしても「ヒガハス(東大宮~蓮田)」や「ワシクリ(東鷲宮~栗橋)」辺りでの画が多くなってしまいます。それならそれで自分の撮れる範囲で楽しめばいいのですが、たまには違う場所で撮って変化をつけてみたい。そこで今回は白河で泊まり、この黒田原へと寄ることにしたのです。

2002.jpg

お目当ての「お立ち台」は、線路脇にある小高い丘の上。
先人が切り開いた獣道がそこへと続きます。
こんなところを登っていくなんて、やっぱり鉄の行動力はスゴいなぁ・・・。

2003.jpg

息を切らしながら一気に丘の頂上まで上り詰めると、
そこに広がっていたのは・・・こんな景色。

初めて訪れた黒田原のお立ち台。たしかに見晴らしはいいのですが・・・斜面には背丈ほどもあるススキが群生。もっと広角で広々とした画が撮れるところだと思っていたのに、ススキをカットするには望遠系で狙わなくてはなりません。いっそのことススキを入れて秋を演出するって手もあるけれど、できればブルトレは奇をてらわずにキッチリ押さえたい。ギリギリ、ススキが見切れるアングルでセッティングします。

2005.jpg

まずは「カシオペア」の前走り、719系4連(2122M)で試し撮り。
東北本線 豊原-黒田原

薄日ながらも、朝日が719系のステンレス車体を照らしてくれました。しかし上空は、ほぼドン雲り。結果的にはこの試し撮りがいちばん良い光線だったという、もはや「お決まり」のパターン(TT)トホホ。残念ながら再び日がさすことは無く、シャッタースピードの上がらない露出に苦労しながら迎えてしまった、二本の寝台特急・・・。

2006.jpg

黒田原のお立ち台に躍り出た「カシオペア」。
この日は専用機でなく、青い508号機が牽引。
雄大なこの場所は、長編成の寝台列車を撮るのに相応しい撮影地です。

2007.jpg

続いて20分後の「北斗星」。
こちらはキッチリとブルーの編成美が整いました。(^^)

全く同じ画では面白くないので、「カシオペア」はズームレンズの150ミリ相当、「北斗星」の方は単焦点の300ミリと、それぞれレンズを変えて撮影。きれいな朝日を浴びる姿・・・というわけにはいきませんでしたが、念願のお立ち台でブルトレが撮れたので、じゅうぶんに満足です。これでお立ち台での撮影を終えて、黒田原から再び東北線の上りに乗車。

黒田原0751-(2126M)-黒磯0801~0818-(1532M)-宇都宮0909~0914-(やまびこ358号)-小山0925

2008.jpg

節約のため、普通列車を乗り継いできましたが、
時間の都合で宇都宮~小山の短区間だけ新幹線でショートカット。
そのまま宇都宮で普通列車に乗り継ぐと小山着は9時35分。
わずか10分の差ですが、実はこれが大きい。
東北新幹線 小山

普通列車と新幹線を乗り継いで小山へ。実はここで二つの選択肢に迷いました。ひとつは小山から両毛線で高崎へ出て、上信電鉄で運転される旧型機関車「デキ」のイベント列車を撮るというもの。でも、上信のデキは一度GWに撮影しているし、イベントは人が多そうだなぁ・・・ということで、もうひとつの方を選択。小山から次に乗ったのは両毛線ではなく、水戸線でした。

2009.jpg

小山の水戸線ホームには、415系1500番台が停車中。
次の水戸線・友部行きは9時34分発。普通列車の乗り継ぎだけでは、
わずかの差で乗り継ぎできなかった・・・というワケ。
東北本線 小山

東北本線の小山と常磐線の友部を結ぶ水戸線。水戸の手前の友部までしか行かないのに水戸線とは、ちょっと腑に落ちない無い線名ですが、元々水戸線の前身である水戸鉄道は、その名の通り小山と水戸の間に開業し、水戸に初めて到達した鉄道でした。しかしその後、東京方からの常磐線が友部まで延伸された際に友部~水戸は常磐線に編入され、小山~友部がそのまま現在の水戸線として残ったというわけ。ちなみに現在でも常磐線に直通して水戸まで行く運用は多く存在し、形態的には水戸線の名で正しいのかもしれません。そんな水戸線を途中駅の下館で下車。下館は真岡鉄道と関東鉄道・常総線の接続駅。真岡鉄道ホームに目をやると、そこにはシブい、くろがねの機体が!

2010.jpg

黒煙を上げて待機していたのは、
C12 66が牽引する真岡鉄道のSL列車。
小型のC12ですが、やっぱり生きたSLは迫力あります!
真岡鉄道 下館

そうか、下館へ来たのはこのSLが目的か! ・・・と思ったみなさま、ゴメンナサイ。今回は真岡鉄道ではありません。連休で大勢のギャラリーを集めるSLを横目に、私が向かったのは人気の少ない関鉄(関東鉄道)ホーム。

2011.jpg

下館の関東鉄道・常総線ホーム。
停車しているのは、今や関鉄の主力となった
キハ2000シリーズの単行タイプ、キハ2200。
関東鉄道常総線 下館

2012.jpg

関鉄の窓口で購入した「常総線1日フリーきっぷ」(1500円)。
上部には「さようならキハ350形記念」と書かれています・・・。

一日乗車券の図柄にもなっているように、今回の目的はこの関鉄・常総線を走るキハ350です。廃車になった元・国鉄キハ35を国鉄清算事業団から購入したという経歴を持つキハ350。一時は常総線の主力車両として活躍してきましたが、下館で撮影したキハ2000シリーズやキハ5000(後出)の投入により順次置き換え。キハ350最後の一本となったキハ358+3511の二両も8月の末を持って引退する予定でした。惜別マークを掲げたキハ350のことは私も気になっていたものの、8月中に撮影へ行くことができず、キハ350は撮れずじまいに終わった・・・と思っていました。ところが、キハ350を撮りに来るファンで増収に繋がったからかどうかは解りませんが、キハ350の惜別運転は「好評」につき、期間を一ヶ月延長。かくして、一度は諦めていたキハ350を引退前に撮れることとなったのです。関鉄のHPに掲載されていたキハ350の運転時刻と照らし合わせながら、下館からの列車に揺られ、駅前に撮影しやすそうな田園が広がる大宝で下車。

下館1038-(常総線3070)-大宝1055

2013.jpg

縁起がいい駅名の大宝。
無人駅ですが、立派な瓦屋根の待合室があります。
関東鉄道常総線 大宝

2014.jpg

大宝付近の田園地帯をゆく単行列車は、新型のキハ5000。
パッと見、先ほどのキハ2200と変わらないように見えますが、
最新形の環境対応エンジンを装備し、騒音の削減、燃費の向上が
図られているのだそうな。
関東鉄道常総線 大宝-下妻

朝のブルトレ撮影ではドン曇りだった空も、すっかり秋晴れに。このあたりでは既に稲刈りが済んでしまって、景色的には少々寂しい気がしますが、贅沢はいえません。農作業をするおじさんにひと言断って、農道でカメラを構えます。おじさんは「邪魔かい?」なんて言ってくれますが、とんでもない。むしろ邪魔をしているのは私のほうですよね・・・(^^;)。

2015.jpg

長閑すぎない、住宅と田園が混在するような郊外を走る姿が、
このキハ350(国鉄キハ35)には似合う気がします。
幌の付いたコチラ側はマークなしのオーソドックスな姿。
関東鉄道常総線 下妻-大宝

2016.jpg

ゆっくり走るキハ350。
カメラを振って、農作業のおじさんと一緒に一枚。
おじさん、なかなか味のあるトラクターに乗っていますね~!

2017.jpg

振り返って、メインとなるはずのヘッドマーク側は・・・
影落ちドボーン (T□T)。
もう、ここだけ曇るって、どういうこと!?
関東鉄道常総線 大宝-下妻(後追い)

本命のキハ350は定刻どおりに現れました。かろうじて前からのカットは無難に撮ることができたのですが、ヘッドマークの付いた後ろ側は流れてきた雲に日が遮られて撃沈。ハァ・・・どうも今回は天気にツキがないなぁ。(´・ω・`)  もちろんこのままでは終われません。気を取り直して、今度は今の折り返しを狙います。ヘッドマーク側を前にして走る次こそが本命中の本命。折り返しもこの大宝のポイントで撮ることができるのですが、なんとなくイヤな流れを払拭したかったので、撮影地を変えることにしました。

大宝1122-(2074)-三妻1146

次の撮影地は南石下~三妻のほぼ中間点。ここも大宝同様に周囲には田園地帯が広がっていますが、背景に筑波山を入れることができる、常総線随一の有名撮影地。しかし筑波山を入れるには、かなりサイド寄りから列車を撮らなくてはなりません。やはり今回はヘッドマークを強調したいので、筑波山を入れずに列車主体で狙うことにします。空は先ほどにも増して青くなり、どうやら今度こそ日を遮る邪魔者も無さそうです。

2020.jpg

快晴の青空の下、大きなヘッドマークを掲げて最後の走りを見せるキハ350。
塗装こそ違えど、かつての相模線や八高線での活躍が脳裏に蘇る光景です・・・。
関東鉄道常総線 南石下-三妻

今旅初の晴天順光撮影!やっと気持ちのよい一枚を撮ることができました~v(≧∇≦)v  これで先ほどの影落ちドボーンも帳消し。いや、むしろその失敗があったぶん、この一枚が撮れた時の嬉しさはいつもの三割増しでした(笑)。キハ350はこの一往復の運転を終えると一旦車庫に入ってしまい、次の出番は夕方の取手~水海道間。なので、もうここにキハ350は来ないのですが、もう少しだけ撮影を続けます。キハ350が去ってから30分後に現れたのは、コイツ。

2021.jpg

筑波山を背景に走るのは、懐かしいタラコ色の単行キハ。
関東鉄道常総線 南石下-三妻

タラコ色のキハ30・・・もとい、キハ101。このキハ101も元・国鉄キハ30ですが、先ほどのキハ350と違って単行仕様。スカートを取り付けられているのが残念とはいえ、ほぼキハ30そのままに朱色の首都圏色(通称・タラコ)が塗られた懐かしい姿です。最近になって、久留里線を走る本家のキハ30がツートンの国鉄色に復元されて活躍していますが、私にとってのキハ30・35は、相模線や八高線で見かけたタラコ色がいちばんしっくりきます。このキハ101と同僚のキハ102(こちらは常総筑波鉄道時代のクリーム&紺のツートン)は、まだ引退しませんが、機会があれば一度は撮りたいと思っていた車両。せっかくなので、キハ101は少しサイド寄りから筑波山を入れた常総線らしいアングルで撮影してみました。これで常総線での撮影は終了です。キハ350、キハ101とも、最終的には青空に恵まれて、大満足の結果となりました。

2022.jpg

三妻駅のホーム脇に咲き誇るのは、見事なコスモス。
普段はあまり「花ボケ」って撮り方はしないのですが、一枚だけパチリ。
関東鉄道常総線 三妻

2024.jpg
2025.jpg

途中の水海道にある車両基地には、役目を終えたキハ350の姿が・・・。
上のブルーは映画撮影用に塗り替えられた「京浜東北線」を模したもの(笑)
国鉄色に近い、ツートンのキハ353+354も見られました。
関東鉄道常総線 水海道-小絹(車窓から)

三妻1345-(2090)-水海道1354~1413-(1094)-取手1444

常総線で終点の取手へ。取手は常磐線との乗換駅です。そして、今の常磐線といえば・・・やはり引退間近の203系を無視するわけにはいきません。前週にも203系狙いで常磐線へと来たのに、午前中のみの運用で不完全燃焼。今度こそマーク付き203系を順光で記録したいところです。南柏で途中下車して、午後順光になるいつものポイントへ。

取手1534-(常磐1540S)-南柏1548

2027.jpg

夕日を浴びて走る、マーク付きの203系マト55。
その活躍もあとわずか・・・。
常磐線 南柏-北小金

しかし、この日の29K運用で順光の上り列車となるのは、南柏午後5時通過の1628K。なんとか顔には光が当たったものの、後部はマンションの影が落ちてしまいました・・・いい光線だっただけに残念。でも、まあ記録できただけでもヨシとしますか。実家のある南柏ですが、さすがに二週連続で帰っても用が無いので(親不孝者?^^;)、今回はそのまま都内へ・・・。以上で今旅の行程はすべて終了です。

南柏1714-(1736S)-松戸1726~1737-(1784H)-上野1756

連休を利用した二日間のショートトリップ、今回の旅は本当に天気に左右されたように感じます。関鉄キハ350が晴天で撮れたのはよかったけれど、やはり前回の「あいづライナー」は、稲穂の色付きがよかっただけに曇り空は残念でした。でも、どんな結果にせよ、やっぱり鉄道旅は楽しいですね。暑さも和らいで、これからが秋本番。今度は紅葉を求めて、どこか遠征に出たいところです



共通テーマ:趣味・カルチャー