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久留里線・・・国鉄色キハ30撮影記 [鉄道写真撮影記]

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2011.12.17
久留里線
念願の国鉄色キハ30 撮影
  

一度はキッチリ撮りたいと思いながらも相性が悪くてなかなか撮影できなかった、久留里線の国鉄色キハ30。過去、京葉線201系小湊鉄道撮影などのついでに、久留里線の始発駅・木更津まで行ってみるものの、三両あるキハ30はいつも車庫でお休み中でした。前日の目撃情報などを参考にすれば、ある程度の運用は掴めるらしいのですが、私にはどの運用がどう繋がるのかサッパリ解りません。でも、誕生から半世紀近くが経ち、いつ引退してもおかしくないキハ30。そろそろ決着を付けたいな・・・と思っていた矢先、ついに「久留里線に新型車両E130形導入」のニュースが飛び込んできました。キハE130は水郡線でも使用されているステンレス製の最新気動車で、久留里線へは来年秋ごろから導入し、既存のキハ30・37・38をすべて置き換えるとのこと。さらに、それよりも前に行われる来春のダイヤ改正では、久留里線の名物的存在であった「タブレット閉塞(へいそく)方式」の廃止も発表されました。タブレット閉塞方式とは、線路を一定区間に区切り(閉塞区間)、その区間には「タブレット」、いわゆる「通行票」を持った車両だけが走行できるという単純な運行システム。現代では大半の鉄道が自動化された信号機により運行されていますが、久留里線では昔ながらのこのタブレット方式が残り、今でも交換駅では人力によってタブレットの受け渡しが行われているのです。もちろん安全性の向上を考えれば、タブレットを廃止して特殊自動閉塞方式の信号機に切り替えられるのは当然の流れですが、ローカル線らしい、懐かしさを感じる情景が無くなってしまうのは、やはり寂しいもの・・・。もうこうなると、キハ30の撮影にばかり固執していられません。たとえキハ30が動いていなくても、国鉄型のキハ37・38やタブレットが残る今の久留里線を記録しておきたいと思い、さっそく発表のあった翌々日に今冬二回目の「青春18きっぷ」で千葉へと向かいました。

12月17日(土)

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千葉から乗った内房線は、
すっかり千葉ローカルの顔となった209系。
総武本線 千葉

キハ30が動いていなくても・・・とは言ったものの、できることならばやはりキハ30を撮りたいのが本音。そこで通勤・通学対応で編成が増結される土曜朝の時間帯を狙ってみることにしました。両運転台構造のキハ30は増結要員としての稼働が高いらしく、朝夕が狙い目。しかし通勤時間帯の久留里線を撮ろうとするならば、都内のウチを出るのは夜明け前になります。さすがに内房線に乗った途端、睡魔に襲われてうつらうつら・・・(ー_ー).。o○  ハッと気づくと、列車はまさに木更津に停車中でした。うはっアブナイ、アブナイ。

新宿0522-(総武414B)-千葉0632~0638-(内房133M)-木更津0718

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木更津に停車中の久留里線・上総亀山行き。
ブラックフェイスのこの車両はキハ38です。
内房線 木更津

慌てて飛び降りたホームの反対側には、既に接続する久留里線の923D列車が待機しています。あ~、今回もまたキハ38だったか・・・(・ω・`) と、思いきや、前の方へ進むと見えてきたのは、懐かしいツートンカラーの車体!

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上総亀山寄りの先頭車はキハ30 98でした~\(^O^)/

四両編成の最前部のみですが、ようやく運用に就くキハ30に出会うことができました(後部三両はいずれもキハ38)。このキハ30を含む先頭の二両は朝のみの増結運用。やっぱり早起きは三文の徳ってことですね。この久留里線としては長い四両も連なる923Dはキハ30が増結される可能性の高い列車なのですが、必ずキハ30というワケではないらしく、日によってはキハ38のみの四連や、キハ30が中間に組み込まれてしまうこともあるのだとか。そう考えると、この日はラッキーです。

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先頭となるキハ30の運転席には
しっかりと「タブレット」が置かれていました。
ちなみに「久留里線」の路線名が書かれた方向幕には
タブレットのイラストが描かれています。

念願のキハ30が目の前に・・・。しかし当然ながら、徒歩鉄の私にはこの列車を先回りして撮影することはできません。なので、まずはこの列車に乗って撮影ポイントまで行き、折り返しの上り列車を後追いで狙うことにします。「乗ったら撮れない」は、毎回感じる徒歩鉄のジレンマですね・・・(^^;)  でも、懐かしいキハ30に乗れるのだから、それはそれで楽しい鉄道旅です。

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土曜朝の下り列車は人影まばら。
期末試験が終わったこの時期に車内でお勉強とは、受験生かな?
ガンバレ受験生!p(`・ω・´q)

木更津を出た久留里線は大きくカーブして内房線と分かれ、房総半島の内陸部にある上総亀山を目指します。しばらく車窓に広がるのは田園地帯の単調な景色で、特にコレと言った見所はありません。ただ、この久留里線や近くを走る小湊鉄道、いすみ鉄道などは、首都圏近郊にありながらも単線・非電化という、いかにもローカル線らしい素朴さが最大の魅力です。そして、その魅力をさらに高めてくれるアイテムが件の「タブレット」。木更津を出て20分、列車は間もなく最初の交換駅・横田に着きます。まずはこの横田で下車して、タブレット交換の様子を眺めることにしました。

木更津0721-(久留里923D)-横田0743

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横田に到着し、交換列車を待つ923D。
眩しい朝日が国鉄色のキハ30を照らします。
久留里線 横田

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まずは乗ってきた、下り923Dの運転士が
木更津~横田のタブレットを駅員へ手渡します。
国鉄色キハとタブレットを受け取る鉄道員。
う~ん、いい光景だなぁ・・・(´∀`*)

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交換列車の上り924D(左)が入ってきました。
先ほどのタブレットは、この列車の運転士に渡されます。
(開いている構内踏切から撮影)

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逆に924Dから受け取った横田から先のタブレットを
待機している923Dの運転士に手渡します。

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これでタブレット交換完了。
晴れて923Dは先へと進むことができるのです。
駅員さんの合図で出発進行!

一連のタブレット交換の様子を国鉄色のキハ30と絡めて撮影できるなんて、もう感動モノです! でも撮った写真を見返してみると、渡しと受け取りのシーンが同じようなアングルになっていました。撮っているときは受け渡しの一瞬を逃さないように構えていたので余裕がなかったのですが、もう少し画に幅が欲しいところでしたね・・・。それでも、青空ときれいな光線状態、そして何よりも国鉄色キハという願ってもないシチュエーションに恵まれ、思っていた以上にいいシーンを撮ることができました。

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途中下車した、横田駅。
今は交換のために駅員が配置されていますが、
タブレット交換廃止、さらにキハE130が導入されて
ワンマン化が実施されるようなことになると、
ここは無人駅となってしまうのでしょうか・・・。
久留里線 横田

タブレットの交換を撮るために降りた横田でしたが、ここで乗ってきた列車を見送ってしまった以上、他に移動手段はないので、先ほどのキハ30を連結した列車の折り返しとなる928Dは、この横田周辺で撮影することにしました。幸い駅の東側には田畑が広がり、列車の編成写真を撮るのには悪くなさそう。適当な農道にポジションを取り、お目当てとなる928Dの通過を待ちます。でもその前にもう一本、途中の久留里発の上り列車926Dがあるので、まずはそちらを狙うことに。すると、見えてきたのは・・・この編成!

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926Dはキハ37を先頭にした三両編成。
おや?後部の二両は・・・キハ30 (゚∀゚)!!
久留里線 東横田-横田

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雲ひとつ無い青空の下を行くのはキハ30×2+キハ37の嬉しい編成。
後追いですが、こちらは完全順光のいわゆる「バリ順」です!
久留里線 横田-東横田(後追い)

なんと926Dにはキハ30が二両も連結されていました~ヾ(≧∇≦*)〃ヾ(*≧∇≦)〃。コアなファンからしてみたら、キハ37が邪魔でキハ30のみの国鉄色編成がベストだと思われるでしょうが、異形式併結の「珍ドコ編成」好きの私としては、この編成はたまりません。二扉のキハ37と三扉のキハ30が組むなんて、いかにも久留里線らしくて面白いじゃないですか(^^)。

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上の926Dと横田で交換した925Dがすぐにやってきました。
こちらはキハ38の二連。
このあたりの畑で栽培されているのは白菜。
霜や冷たい風に耐えて結束するこの時期の白菜は
とても美味しいんですよね~。
久留里線 横田-東横田

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当初の予定通り、
先ほど私が乗ってきた列車の折り返し928Dも撮影。
このキハ30+キハ38×3の四連も、なかなか良い「珍ドコ」ぶりです。
久留里線 横田-東横田(後追い)

わずかな時間で二本のキハ30連結列車を撮影できるとは、今までの相性の悪さがまるでウソのよう。編成的にもそれぞれ面白くて、満足のいく撮影ができました。

ところで、日中は二両編成が基本の久留里線。紹介してきた上り列車たちは木更津到着後、木更津寄りの二両を残してあとは切り離されてしまいます。つまり今撮ったキハ30+キハ38×3の928Dは、残念ながら後ろのキハ30+キハ38を木更津で切り離して、キハ38の二連のみで折り返し運用に入ります。でもその前の926Dはと言うと、後ろのキハ30一両を落としてもキハ30+37の編成が残ることに。これは朝の増結時間帯が終わっても、まだまだキハ30の撮影が楽しめそうです。とりあえず次に下ってくる927Dが926Dの折り返し運用なので、キハ30を先頭にやってくるはず(スミマセン、今回は列車番号での説明が多くて、ちょっと読みづらいですね・・・^^;)。もちろんそれは撮影したいけれど、同じ場所ばかりではつまらく、できればそろそろ移動もしたい・・・。撮ってからすぐに列車移動をするとなると、やはり駅撮りがベスト。撮影地を探しながら歩いていたら、はじめに降りた横田よりも隣駅の東横田の方が近くなっていたので、東横田駅で927Dを待ってみることに。

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東横田の駅先端で狙うと、背景には富士山のアタマが!
思いがけずキハ30と富士山のコラボを撮ることが出来ました。
久留里線 東横田(トリミング済み)

東横田からまっすぐ伸びる線路の先に、なんと富士山を拝むことができました。今回は久留里線というローカル線での撮影なので望遠レンズ系はあまり持ってきておらず、70~200ミリのズームレンズに2×のテレコンを咬まして無理矢理撮影し、さらにトリミングもしていますが・・・画質ワルっ(汗)。こんないい画が撮れるのだったら、単焦点の望遠レンズを持ってくれば良かったな・・・と、ちょっと後悔。ちなみによく見ると、線路上には横田で交換した先ほどの928Dの姿も見えます。東横田ではなく横田へ戻っていればキハ30同士の交換が見られたわけで、それもなかなか魅力的なシーンでしたね・・・(惜しいことしたかな?)。入ってきた927Dは運用どおり、926Dの三連からキハ30一両を落としたキハ30+37の二連でした。撮影後、そのままコレに乗り込みます。

東横田0935-(927D)-久留里0956

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久留里線の主要駅、久留里でもタブレットの交換が行われます。
駅員さんが肩にかけた飴色のキャリアーが、なかなかいい感じです。
久留里線 久留里

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久留里で交換したキハ38の930D。
その脇には横を向いた真新しい信号機が見えます。
これが稼動するとき、タブレットの役目は終わりということに・・・。

次に下車したのは久留里。本格的に久留里線を撮るのは今回が初めての私は撮影地などあまり知りません。でも、たしか久留里には駅から徒歩数分程度のところに、鉄橋を渡る有名な撮影地があったはず。そこから今の折り返し列車となる923Dを狙ってみようという考えだったのですが・・・。

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久留里線の有名ポイント、小櫃川沿いに架かるガーダー橋。
久留里線 平山-久留里

う~ん、光線状態や時期的なものもあるのでしょうが、思っていたよりも画にしづらい。そこで、もう少し橋に近づいたり、河原に下りてみようかと周囲を歩いてみたものの、河原へ続く道がわからずに右往左往。さらに俯瞰狙いで高台に上がってみるも抜けがイマイチ。そうこうしているうちに時間は過ぎ、まもなく923Dの通過時刻・・・。ああ、どうしよう、撮影地が決まらないっっ ヾ(;´Д`●)ノぁゎゎ

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真っ青な空を背景に、築堤上をゆく二連のキハ。
どんな撮り方でもやはり国鉄色は美しい・・・。
久留里線 久留里-平山(後追い)

とりあえず咄嗟に順光の場所を選んで撮ってみましたが、なんとも中途半端な結果に。せっかく久留里まで来て捕らえたキハ30だったのに、勿体ないことしちゃったなぁ・・・。次にキハ30が折り返して久留里へ戻ってくるのは約二時間後の931D。正直、二時間も久留里で時間を潰すのはツライけれど、このまま不完全燃焼で終わるのは悔しい。やはりもう一発待ってみることにしました。今度はしっかりと撮影ポイントを見定め、さらに余った時間で久留里の町を散策して時間を潰します。

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清澄山系から地下の水脈を通って湧きでてくる久留里の水は
百選に選ばれるほどの名水。町のいたるところに井戸が見られます。

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水のきれいなところに、いい酒あり。
久留里には名水を使った造り酒屋が多く、
名水と伝統的手法にこだわった日本酒は絶品だそうな。

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もうひとつ、水のきれいなところには、うまい蕎麦あり。
久留里の名水で打った手打ち蕎麦は、喉越し良くて美味しい!
天ぷらをつまみに地元の日本酒をキュッとやりたいところですが、
キハ30の撮影が控えているので、ここはガマン(^^;)
☆☆☆・・

散策やお昼ゴハンを食べていると案外早く時間は過ぎてゆき、931Dの時間が近づいてきました。ひとつ不安だったのは、ちゃんとキハ30が戻ってきてくれるかというところ。先ほどのような上総亀山発の上り列車には間違いなく下りの折り返し編成がそのまま入りますが、下り列車は基地のある木更津で車両変更される可能性もあります。実際、以前に訪れた烏山線でもそうでしたし・・・。撮影地で線路の先を凝視して待っていると、現れたのは・・・キハ30。ホッ、よかった~。

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澄みきった冬空に映える、ツートンカラーのキハ30。
ローカル線にそぐわないロングシート、隙間風の入る外吊りドア、
飾り気のない箱型車体・・・と
酷評されてきたキハ30も、走り続けて半世紀。
懐かしい国鉄色に戻された今、キハ30は最後の輝きを放っています。
久留里線 久留里-平山

慎重に引き付けて、シャッターを切る・・・ずっとフラれ続けたキハ30ですが、ようやく納得のいく一枚が残せました。一枚でもしっかりと撮れていると、次へ来たときに撮影の幅が広がるように思います。今回は列車写真を中心に狙ってきましたが、次回はもう少し情景的な写真も撮りたいところですね。これでキハ30の撮影は終了です。

さて、この後はどうしよう・・・。ここでクルマがあれば、いすみ鉄道のキハ52などへ転戦できるのですが、公共交通機関を利用すると、久留里線からいすみ鉄道は近そうに見えてかなり遠い。当初は久留里線でここまで粘らずに、久留里からバスで安房鴨川へ出て、外房線でいすみ鉄道の起点・大原へ向かうことも考えていたのですが (久留里1148-(日東バス)-安房鴨川1233~1250-(外房266M)-大原1356)、久留里で二時間も待ってしまったため、このルートだと大原発14時半のキハ52「急行4号」にはもう間に合わない (ルートのひとつとして、久留里は小湊鉄道の月崎駅に近いので(約7キロ)、12時36分発の931D撮影後にタクシーで移動すれば、月崎1313-(小湊21)-上総中野1329~1400-(いすみ20D)-上総中川1429 と、上総中川あたりで「急行4号」が撮れたのですが、やはりタクシー代がもったいなくて諦めちゃいました)。そこで他線への転戦はせず、せっかくここまで来たのだから、久留里線の終点・上総亀山までの乗り鉄を楽しむことにしました。ただし亀山方面の列車は、今撮影したキハ30の931Dが行ったばかりですから、また二時間待ち・・・。さすがにもう久留里で二時間も待っていられないので、一旦上り列車に乗って、木造駅舎が残る馬来田(まくた)駅をたずねてみることに。

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久留里発の上り936Dは女性車掌さんでした。
指差確認がビシッと決まっています!
久留里線 久留里

久留里1330-(936D)-馬来田1347

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味のある木造駅舎の馬来田駅。
馬来田は本来、駅員無配置の無人駅ですが、
ボランティアグループによる簡易委託駅で、窓口には人の姿があります。
待合室のベンチに腰掛けて木製ラッチなどをぼーっと眺めていると、
なんともゆったりとした時間が流れてゆきます・・・。
久留里線 馬来田

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20分ほどの滞在したのち、今度は下り列車で馬来田を後にします。
こうやって乗り降り自由なのも「青春18」旅ならでは。
久留里線 馬来田

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上総亀山行きの935Dは久留里でほとんどの客が降りてしまいました。
これがローカル線末端部の悲しい現実・・・。
久留里線 久留里-平山(車内から)

馬来田から乗った下り列車は、久留里を経て上総亀山を目指します。平坦な田畑が広がっていた車窓は久留里で一変して山間地へ。小櫃川の急な流れを横に見ながら進み、久留里から20分ほどで終点の上総亀山に到着。

馬来田1405-(935D)-上総亀山1442

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西日が差し込む上総亀山駅。
到着した列車は静かに折り返しの時を待ちます。
久留里線 上総亀山

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久留里線は建設当初、木原線(現・いすみ鉄道)と結ばれて
房総半島を横断する計画でしたが、
実現せずに、ここが終端となっています。
手前の道に農機具を持ったおばあさんでも歩いてくれば
いい画になったのですが、人っ子ひとり通りませんでした・・・。
久留里線 上総亀山

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折り返し列車の発車まで一時間半もあるので、
駅前の錆びれた観光案内板にあった亀山湖まで歩いてみました。
千葉県一の貯水量を誇るダム湖ですが、観光施設も充実している様子。
でも久留里線に乗って訪れる人は少ないかな。

久しぶりに訪れた上総亀山。乗り潰し目的で訪れた前回は、もうかれこれ20年以上も前のことになります。関東近郊の千葉にありながら、そんなにもご無沙汰だったんだなぁ・・・。その頃の記憶があまり鮮明ではないので、変化があるのかどうか定かではないのですが、当時は亀山からバスで安房鴨川へと抜けた覚えがあります。今の亀山駅前のバス停には地域のコミュニティバスの時刻しか載っておらず、鴨川行きは亀山駅を通らなくなってしまったようです (帰ってから調べてみると、現在では駅から徒歩数分の「亀山・藤林大橋」バス停から鴨川方面行きのバスに乗れるとのこと)。亀山湖などを眺めてから駅へと戻り、待合室で缶コーヒーを飲んで待っていると「車内の方が暖房利いていますから、車内へどうぞ」と、運転士か車掌に声を掛けられました。発車までまだ30分以上もあるけれど、こういう心遣いは嬉しいですね。冬の陽は傾くのが早く、発車する頃には既に夕暮れ時。列車は数人の乗客を乗せて、上総亀山を後にしました。

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朝に訪れた横田で、ちょうど日が沈みました。。。
久留里線 横田

上総亀山1601-(942D)-木更津1705~1720-(内房1120M)-千葉1759~1812-(総武快速1858F)-東京1855



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ONE-shot 77 Xmas Express 2011 [PICK UP ONE-shot]

PICK UP ONE-shot 77 Xmas Express 2011

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『まばゆい光を放つ大都市から、あなたが待つ町へ一直線。
新幹線は大事な日に大切な人を届けます。』

90年代に流れていたJR東海のCMが今でもあったなら・・・
と、イメージして、毎年この時期に撮影している
「Xmas EXPRESS」。
一昨年昨年と有楽町・交通会館で撮影してきましたが、
さすがに今年は変化をつけたい。
でもクリスマス・イルミと新幹線が組み合わせられる場所って
なかなか見当たらないものなんですよね。
そこで今年は、街の明かりをイルミネーションに見立てて
高層ビルの展望台から夜の新幹線を流してみました。
(ちょっとムリがあったかな・・・^^;)

今年のクリスマスは三連休。
みなさん、楽しい週末をお過ごし下さい ☆.。・:*:・゚。
        
11.12.17 東海道新幹線 東京-品川


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伊豆急・・・復活!伊豆急100系 撮影記 [鉄道写真撮影記]

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2011.12.10
伊豆急
復活!伊豆急100系 撮影
  

静岡・伊豆半島の東岸、伊東と下田を結ぶ伊豆急行は今年で開業50周年を迎え、各種のイベントが催されています。そのなかでも鉄的に注目なのは、何と言っても旧型車・100系の営業運転復活。伊豆急100系は、1961年(昭和36年)の伊豆急開業時から40年間もの長きにわたり使用されてきた、伊豆急生え抜きのオリジナル車。しかし老朽化による後継車への置き換えにより、2002年に全車が営業運転を離脱し、かろうじて両運転台構造のクモハ103のみが、車両基地の構内入換用として残されていました。そんな事業用車として細々と余生を送っていたクモハ103に、なんと伊豆急50周年記念イベントの目玉として、営業運転の復活が決定。大掛かりな整備・修繕の末、ついに先月から、あの懐かしい「ハワイアンブルー」の名車が本線上へと帰ってきたのです。これはぜひとも撮影して私も復活を祝いたい。そして、やはり伊豆急を撮るのなら青い海と絡ませたいもの。復活した100系は週末を中心に伊豆高原~伊豆急下田を一往復、事前募集制の団体列車として運行されています。100系の運転、青い海が見られる晴天、そして私の都合が合う日・・・それらが一致したのが先週末、10日の土曜日でした。折しもその12月10日は、今年で50回目を迎える伊豆急の開業日。それにあわせた「鉄向け」イベントも企画されているようなので、そちらも合わせて楽しんで来ようと思います。

12月10日(土)
ウチの最寄り駅から伊豆急へ行く場合、本来は新宿から小田原まで小田急を経由した方が安くあがるのですが、ちょうど今は「青春18」シーズン。普通運賃で最寄り駅から伊東までJRで行くと2210円かかるところ、往復で2300円(5回使用分11500円の1回分計算)になります(小田急経由だと、最寄り駅から伊東は片道1710円)。ただし冬の18は有効期間が一ヶ月と短いので、残り4回も使い切れるか少々不安もあるのですが、まあ年末年始休みや「初詣臨」撮影などで使い切るでしょう。

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まずは東海道線で熱海へ向かいます。
乗るのは特急型車両373系が使用されることで有名な、
「おトク普通列車」静岡行き321M。
東海道本線 東京

東京5時20分発、373系の「おトク普通列車」で東海道を下ります。何もこんなに早い時間の電車に乗らなくても100系の運転時刻には間に合うのですが、東海道本線で横浜以遠へ行くのはかなり久しぶり。何となく嬉しくて、朝イチのこの電車に乗りたくなったのです。乗り心地の良い373系のリクライニングシートに揺られ、手には「青春18きっぷ」・・・このまま静岡まで乗り通したい衝動をグッとこらえ、予定通り熱海で下車。

東京0520-(東海道321M)-熱海0710

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熱海からは伊東線へ乗り換え。
伊東線と言っても、乗るのは伊豆急に直通する伊豆急下田行き。
伊豆急8000系と東京から乗ってきた373系が並びました。
東海道本線 熱海

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伊豆急8000系は元・東急8000系ですが
海側の座席はクロスシート化されています。
一見リクライニングシートに見えますが、座席は固定。
ちなみに反対の山側は種車のままのロングシートが並びます。

熱海で乗り換えた伊豆急下田行きは、元・東急8000系の伊豆急8000系。またしても東急からの譲渡車に出くわしました。ホント、最近はいたるところで元・東急車の姿を見かけますね。かつてはハワイアンブルーの100系や2100系「リゾート21」など面白味のあった伊豆急の車両も、今ではこの中古ステンレス車の8000系が主力。塩害などを考えると、海沿いを走る伊豆急にステンレス車は打ってつけなのだろうけど、やっぱりちょっと味気ないんだよなぁ・・・。

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もちろん車窓からは海景色が望める伊東・伊豆急線。
若干、雲が流れているものの、この日は予報通り快晴のようです。
伊東線 来宮-伊豆多賀(車窓から)

熱海0723-(伊東・伊豆急5627M)-伊豆稲取0830

伊東で伊豆急へ入り、熱海から約一時間。やってきたのは伊豆稲取。風光明媚な伊豆急の沿線にはいくつもの撮影地が点在しています。はじめは駅近くで雄大な俯瞰写真が撮れる伊豆大川や北川(ほっかわ)あたりを考えていたのですが、今月号の鉄道雑誌に撮影地として紹介されていたことから、混み合うかも知れないと考え、撮影地紹介には掲載されていなかった稲取を目指してみました。ただし雑誌に載らなかったから「穴場ポイント」というわけではなく、ここも昔っからの有名撮影地。むしろメジャーすぎて、今さら雑誌で紹介されるまでもなかったのかもしれません。

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漁港が近い伊豆稲取駅。
稲取温泉の最寄り駅で、特急「踊り子」も停車します。
伊豆急行線 伊豆稲取

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撮影地までの道のりは、海を見ながらハイキング気分。
風はちょっと冷たいけれど、天気が良くて気持ちイイ!

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駅から20分ほどで撮影地到着。
カメラを構えて最初に来たのは・・・いきなり「黒船」襲来(笑)
伊豆急行線 今井浜海岸-伊豆稲取

ここは浜辺と列車が俯瞰撮影できる私好みの撮影地。列車の顔に光は回らないものの、サイドはきれいに日が当たるので、ほぼ順光と言っていいでしょう(ただし太陽は画面の左から右へ進むので、順光時間帯は午前中のみ)。それにしても、下田に来航した黒船に見立てた「黒船」塗装のリゾート21(2100系)だと、遠景にあまり映えませんね (^^;)

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次に現れたのは、特急「スーパービュー踊り子 2号」。
明るいカラーリングの251系はいい感じ♪
まさに伊豆急っぽい画が撮れました。

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長い10連の「SVO」。
ここまで引き付ければきれいに編成が入りますが、
海の面積が少なくなってしまいます。
個人的には、編成が抜けなくても海が多く入る方が好みかな。

この撮影地、「スーパービュー踊り子(SVO)」のような長い編成だとサマになりますが、お目当ての100系は前述した通りクモハ103の一両のみ。現役時代の最盛期には私鉄では珍しい「グリーン車」まで組み込まれ、長編成を誇った100系も、たった一両しか生き残らなかったのですから仕方ありません。単行に対応すべく、岬の先まで広く入れていた画角から少しズームアップして、100系の通過を待つことに。やがて遠くからトンネルに入る100系の警笛が聞こえてきました。

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穏やかな伊豆の海を横目に
たった一両の「ハワイアンブルー」が走り去る・・・。
伊豆急行線 今井浜海岸-伊豆稲取(後追い)

ファインダーのなかに飛び込んできたのは、まるで鉄道模型のようなカワイイ電車・・・。現役時代の100系を知る者としては物足りないと感じる方も多いでしょうし、実際に私も実車を見るまではそう思っていました。しかし、たとえ単行であっても復活した「ハワイアンブルー」の美しさは色褪せず、伊豆の青い海にマッチした素晴らしい情景を繰り広げてくれました。この電車の復活に尽力された伊豆急行の方々には本当に感謝です m(_ _)m
ところで、事前情報ではこの日の100系は50周年を記念した特別装飾が施されると聞いていましたが、ここから見たかぎりでは特に何もないみたい。どうやら写真とは反対側の顔にヘッドマークが掲げられていたようです。ま、遠景だからいいか・・・。

お目当ての100系は通過してしまいましたが、もう少しここで撮影を続けます。次の狙いは185系の特急「踊り子」。特にまだ置き換えや引退のアナウンスなどはされていませんが (私の知るところでは)、国鉄型の185系も撮れるときに撮っておきたいところです。

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再び「SVO」を撮った引き気味のアングルで「踊り子105号」を。
緑とオレンジの「湘南色パッチワーク」が
今の185系田町車の標準塗装。

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そして、続く「踊り子107号」は・・・
///の復刻色(A8) キタ━━(゚∀゚)━━ッ!!
やっぱり185系と言えば、この斬新な斜めラインですよね!

すでに日が当たらない時間になってしまったのは残念でしたが、海沿いの撮影地で復刻色の185系を撮れたのは嬉しい収穫。この斜めラインが復活して、ようやく初撮影となりました。もっとも、この日の「107号」は「東京~伊豆急下田間 直通50周年記念列車」と銘打たれていたので、復刻色が使用されるのはあらかじめ知っていたのですが。
これで稲取での撮影は終了です。

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このあたりは好撮影地が点在。
先ほどの場所からもう少し河津よりに進むと
こんなアングルも楽しめます(写真はSVO 3号)。
伊豆急行線 今井浜海岸-伊豆稲取(後追い)

再び徒歩で伊豆稲取駅へと戻り、次に向かうのは伊豆急の終点・伊豆急下田。100系と185系復刻色が相次いで下っていったことでお解りのように、この日の下田ではそれらを並べた撮影会が催されるのです。ただし折り返しの運用がある都合から、撮影会の開催時間は13時半から14時10分までの40分間だけ。これは一刻も早く下田に行きたいところ・・・。そこで稲取~下田の短区間ですが、特急「踊り子」に乗っちゃいました。伊豆急線内の自由席特急料金は一律400円。

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伊豆稲取に入ってきた特急「踊り子」。
わずかな区間ですが、これで下田へと向かいます。
伊豆急行線 伊豆稲取

伊豆稲取1257-(踊り子109号)-伊豆急下田1316

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伊豆急の終点で伊豆観光の拠点となる、伊豆急下田駅。
伊豆急行線 伊豆急下田

私が乗った「踊り子109号」は、13時16分というちょうどいい頃合いに下田へと到着。開門を待つファンの列に少し並んだのち、すんなりと撮影会場へと入ることができました。ファンの数もそれほど多くはなく、互いに譲り合って思い思いのポジションで撮影を楽しみます。

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伊豆急下田駅に隣接する電留線に並べられた豪華な顔ぶれ。
左から251系・185系(復刻色)・伊豆急100系。
南端の下田駅は光線状態も最高です!
伊豆急行線 伊豆急下田

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100系・クモハ103は、伊豆急開業時の祝賀電車装飾。
本線運転でも下り方はこのマークが掲げられていたもよう。
50周年の記念列車でこのマークとは、なかなかニクい演出ですねぇ(^^)

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先ほどの遠景では気づきませんでしたが、
この復刻色185系も「東京~伊豆急下田間 直通50周年記念」の
特別マークでした。

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今回の主役、記念列車二種の並び。
国鉄色185系と伊豆急100系、今はともに復刻版ですが
一昔前にはごくふつうに見られた顔合わせです。

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ちょうど私が乗ってきた「踊り子」が折り返してゆきます。
こうやってみると、右の現行色より復刻色の方が
明るい緑色なんですね。

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251系と185系の「踊り子」並び。
251系もリニューアルで塗装が変更されて、登場時とは異なります。
こちらもいつかは登場時の「ブルーグレー」が復刻なんてことに
なったりして・・・(^^;)

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この撮影会は伊豆急の新制服お披露目会も兼ねていました。
いちばん右が伊豆急開業時の制服で、真ん中が先日までの制服。
左がこの日、10日から着用している新制服だそうです。

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さらに営業運転中の「リゾート21(黒船)」も並べられましたが、
文字通り黒い色の「黒船」は露出を合わせるのが難しい・・・。

撮影会も終盤に差し掛かった頃、185系のお顔に架線柱の影がかかり始めたので、私はそこで撤収。きれいに並べられた車両たちに大満足の撮影会でした。うーん、下田まで来てヨカッタ・・・(*´∀`*)。

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ホームに戻って一枚。この方が「黒船」はいいかも。
伊豆急行線 伊豆急下田

さて、このあとを撮り鉄的に考えれば、撮影会終了後に間もなく折り返し運転される100系の復路を撮影に行くところなのですが、そうすると今すぐに出る上り列車に乗らねばなりません。せっかく下田まで来たのに滞在40分で、しかも駅の撮影会に参加しただけ・・・。鉄道撮影が趣味とはいえ、それはあまりにも切なすぎる。。。実は前日に会社の同僚へ「明日は伊豆に・・・」って話をしかけたら、「温泉で忘年会?いいなぁ~!」なんて言われ、返す言葉が無くなってしまいました。何も温泉に入りたいとか、寝姿山に登りたいとまでは言わないけれど、せめて駅前食堂で刺身やヒラキでの一杯くらいは楽しみたい。でもそうすると100系は撮れない・・・。
(´へ`;ウーム どうするか・・・



Σ(°□°*)ハッ 気がついたら目の前にお銚子が!

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伊豆近海産の金目鯛の煮付けは絶品です。
さらにカニ汁、イカの塩辛付きの豪華定食。
黄色いゴハンはクチナシの実で色をつけ、
めでたい行事に食べるご当地の縁起物だそうです。
☆☆☆☆・

100系よりも金目の煮付けに惹かれてしまった・・・。でも、100系は往路で満足のいく写真が撮れたし、撮影会でも満喫した。それに考えてみたら、このところ新潟や青森遠征では駅弁ばかりで、秩父や千葉でもコンビニのオニギリ程度。鉄に集中するのもいいけれど、もう少しご当地の美味しいモノを食べる「オトナ旅」をしてもいいのではなかろうか・・・など、言い訳がましい自問自答をしつつ、「お銚子もう一本・・・あ、次は冷やで」と酒は進み、結局正規乗車券と「青春18」の差額分をゆうに越える飲み代を払って、下田をあとにするのでした・・・。(^^;)ホントニ ソレデヨカッタノカナァ

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今回使ったのは、おなじみの「青春18きっぷ」。
伊豆急は普通乗車券で伊東~下田、片道で1570円。
実はJRより伊豆急の方がずっと高かったのでした。

伊豆急下田1608-(伊豆急・伊東5662M)-熱海1743~1748-(東海道922M)-平塚1838~1847-(湘南新宿2760E)-新宿1952

それにしても、今年は例年に比べて地方の中小私鉄を尋ねる機会が多かったように感じます。小湊、上信、いすみ、伊賀鉄、北近畿タンゴ、関鉄、流鉄、秩父、十和田、そして今回の伊豆急。これは自分の趣向が変わったというよりも、いろんな催しや工夫で地方私鉄が面白くなってきたのではないかと思っています。いすみのキハ52上信のデキ、この伊豆急100系など、決して余裕の無い地方私鉄がファンのために車両を復活運転させるなんて一昔前では考えられなかったことではないでしょうか。でもこれってファンにとっては嬉しいし、少しでも地方私鉄の増収入に繋がるのならばいい事ですよね。今年行けなかった地方私鉄にも、まだまだ魅力的な路線・車両はいっぱいあります。来年以降も当分は地方私鉄行脚が続くことになりそうです



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京成・・・BR受賞! 「スカイライナー」撮影記 [鉄道写真撮影記]

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2011.12.04
京成
AE形「ブルーリボン賞」受賞!
「スカイライナー」撮影
  

今年のトレイン・オブ・ザ・イヤーこと「ブルーリボン賞」を受賞したのは、京成「スカイライナー」の新AE形。なのに私ときたら、前回受賞決定時のように「ローレル賞」を受賞した東京メトロ16000系の方へばかりスポットを当てています。いくら16000系が愛着のある千代田線の車両だからって、ちょっと贔屓目すぎやしないか・・・? とのお声が聞こえてきそう・・・(^^;)。 確かに、考えてみたら新AE形を撮影したのは昨年7月のスカイアクセス開業初日、乗り潰しついでに駅撮りした程度。あの山本寛斎氏が手がけたという、鋭角的で奇抜なデザインは面白くて、いつかじっくりと撮影してみたいと思いつつも、いつでも撮れるという緩慢な思いから、なかなか足が向きませんでした。しかし今、その新AE形には「ブルーリボン賞」受賞記念のスペシャルマーキングが施されています。これはぜひとも撮影しておきたい。そこで今回は満を持して・・・というよりも、マーキング目的の完全に「ネタ鉄」的な考えで、ようやく新AE形の撮影へと向かうことにしました。ちなみに私は初代のAE形も知る世代なのでつい「新」AE形と呼んでしまいますが、初代を知らない世代の方も多いと思われますので、ここからは正式なAE形と呼ぶことにしましょう。

12月4日(日)
今回のターゲットとなるAE形「スカイライナー」は、ご存知、都心の上野・日暮里と成田空港を「成田スカイアクセス線」経由で結ぶ、空港アクセス特急。もちろん京成なら都内でも撮影はできるのですが、せっかく最高速度160キロ運転が自慢のAE形を撮るのなら、スピード感を強調した流し撮りなどをしてみたい。
先月の「お召し列車」でもトライした流し撮り。決してマイブームというわけではなく、以前からこの「スカイライナー」を撮る機会があれば、あの先頭部を流したいと思っていたのです。そこでカーブが連続する都内の京成線内よりも直線区間が長く、速度が上がる北総・スカイアクセス線内の撮影地を目指してみました。都営浅草線からの直通列車に乗って、やってきたのは北総線の白井(しろい)。

浅草橋0907-(都営・京成・北総直通)-白井0957

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千葉ニュータウンの西側に位置する白井。
延伸を重ねてきた北総(開発)鉄道のなかでも
最初期に開業した駅のひとつです。
北総鉄道 白井

同じ千葉北部の柏に実家がありながら、あまり利用機会はなく、個人的に馴染みの薄い北総線ですが、撮影するのは今回が初めてではありません。前回は五年前、引退が近づいていた「ゲンコツ電車」こと北総7000形を撮りに来ています。そのとき訪れたのがこの白井駅界隈で、跨線橋上から掘割のなかを走る列車をきれいに抜くことができる好撮影地が点在していました。

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五年前に撮影した北総7000形。
北総開発鉄道の開業と同時に投入された北総のパイオニア的存在で、
独特な前面形状に「ゲンコツ電車」の愛称が付けられていました。
実はこの電車も「ローレル賞」受賞車両です(80年度)。
07年に惜しまれつつ引退。
06.06.27 北総鉄道 白井-西白井

でも今回頭の中に描いていたのは、上のような編成写真ではなく、流し撮り。オーソドックスな流し撮りをするには、ある程度サイドに引きが欲しいところなのですが、この付近の掘割はかなり広めに幅がとってあり、流し撮りをするのにも適しています。白井駅から徒歩で10分程の跨線橋に目星をつけて、まずは試しに一枚。

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初めにきたのは、京成3700形ベースの北総7300形。
7000形が面白い電車だっただけに、コレがデビューしたときは
ちょっと期待はずれだった感がありました・・・。
北総鉄道 白井-小室

午前順光となる下り方ですが、すでに顔には光が回っていません。10時じゃ、ちょっと遅かったみたい。まあ、流線型のAE形ならば、少しは前面にも光が回るかな・・・。流すタイミングは合ったけれど、駅を出たばかりでスピードの乗り切っていない各駅停車では、あまり参考にならないかも。それでも決して本数の多くない北総線では、画角や露出の決定に貴重な列車と言えるでしょう。さあ、次は本命の「スカイライナー」。最高速度の160キロには及ばないものの、このあたりでも120~30キロは出ていて、じゅうぶんに速いはず。その高速性能の実力とはいかなるものか、振り遅れないよう慎重に挑みます。

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シャープなノーズで風を切る「スカイライナー」AE形!
「ブルーリボン」に相応しい、比類なき流麗なスタイルです。

鼻っぱしらの「Biue Ribon」の文字をファインダーで追い続けてシャッターを切る・・・なんとか狙い通りの角度で止まってくれました~\(^o^)/ 。ちょっと残念なのは、サイドにも貼られてる「ブルーリボン」のステッカーが露出オーバーでぶっ飛んでしまったこと。でもサイドの白に露出を合わせると前面の紺が黒く沈んでしまうので、仕方のないところか・・・。それにしても、正直言って今までは日暮里などでたまに見かけても、それほど魅力的な車両には感じなかったAE形。しかし、ここでは高速で走るという本質に触れることができたような気がして、考えを改めさせられました。やっぱりこの電車、カッコイイ (゚∀゚)!! 目的の流し撮りは成功したけれど、もっとAE形を撮影したくなりました。

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ひょっとしたらこのスタイルは、
半逆光の方がきれいに浮き出るかも・・・と思い、
今度は反対サイドから流し撮り。
先頭部はいい感じだけど、サイドの暗部が多すぎてイマイチか・・・。
北総鉄道 白井-小室

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ならば先頭部のみをクローズアップしてタテ位置流し。
さらにスピード感を強調するために、もっとSSを落として
・・・って、さすがに振りが合いませんでした(^^;)
でもこの角度はいいかもしれません。
もっと修行して再チャレンジかな~。
北総鉄道 白井-小室

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もう一度、オーソドックスに順光側から。
やっぱりフツーに撮った方が成功率が高いみたいです。
こちらの上り方先頭車には乗務員扉背後にスペースがないので、
サイドの「BR」ステッカーは見られません。
北総鉄道 小室-白井

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オマケで、上の「スカイライナー」と同ポイント、
同シャッタースピード(1/60sec)で撮った北総9000形。
柵や道床の流れ方で「スカイライナー」の速さが
感じられるかと思います。

スミマセン、調子に乗って流しすぎました・・・。こうも流し撮りの写真ばかりを並べられると気持ち悪くなっちゃいますよね (´Д`)。ここからは同撮影地で撮った編成撮りもご紹介しておきましょう。(なお、今回は時系列に沿った撮影順ではない構成になっています。光線状態などを参考にされる方はその点をご留意下さい。このポイントは基本的に午前が下り、午後は上りが順光です)。

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これはスカイアクセス用の京成3050・・・
かと思いきや、北総の7500形でした。
最近は似たような車両が多くて、よく解らなくなってきた・・・。
北総鉄道 白井-小室(後追い)

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んで、こちらがその京成3050形「アクセス特急」。
ブルーの帯色だとあまり京成っぽくないですね・・・。
北総鉄道 西白井-白井(後追い)

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浅草線から直通してくる都営5300形。
アクセス特急の運用は持たずに、乗り入れも印旛日本医大まで。
北総鉄道 小室-白井(後追い)

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赤い車体が鮮やかな京急1000形。
こちらはアクセス特急にも使用され、成田空港まで直通します。
北総鉄道 白井-小室

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面白い形の北総9100形。「C-Flyer」の愛称が付けられています。
この9100形と先に紹介した9000形は北総で管理されていますが、
実際には千葉ニュータウン鉄道が所有する車両。
私には「千葉ニュータウン鉄道」というより、事業移行前の
「公団線(住宅・都市整備公団線)」の方がしっくりきます。
北総鉄道 西白井-白井

京成・都営・京急・・・いろいろな車両が乗り入れてくる現在の北総線。「スカイライナー」の待ち時間も決して退屈はしません。できることなら京成3300形をリースしている北総7260形の姿も見たかったところですが、さすがに一編成だけだと出会うのは難しいところでしょうか。ここで最後にもう一本、「スカイライナー」をビシッと編成撮り。

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美しい調和のとれた編成美をみせる「スカイライナー」
編成撮りもまた格別です(^^)
北総鉄道 西白井-白井

流し撮り、編成撮りと「スカイライナー」を満喫し、これで撮影は終了です。今回はエクステリアデザインのカッコよさに改めて惹かれたAE形「スカイライナー」。今度は乗車してみて、インテリアの方も楽しんでみたいものですね~。

ところで、北総と言えば運賃が高いことで有名な路線。来るときは時間の関係から、いちばん早いルートで白井まで来ましたが、浅草橋から都営・京成経由で960円。そのうち高砂~白井が北総分なのですが、17.8キロで650円!(JRの東京電車特定区間だと290円)。スカイアクセス開業で少しは値下げしたのですが、それでも高い・・・(´へ`;)。帰りはどうしようかと考えながら、ふと白井の駅前を見ると、路線バスが止まっているではありませんか。

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白井駅前に止まっていたのは「ちばレインボーバス」

行き先は「西船橋駅」。西船橋はJR総武線、京葉・武蔵野線、東京メトロ東西線などが集まるターミナル。このバスに乗って、西船まで200~300円程度で行ければこの方が断然に安い。しかしこの辺のバスは都内と違って一律料金制ではなく、整理券方式による距離別運賃制。念のため運転手に「西船までいくらですか?」と尋ねてみたところ・・・なんと620円 Σ(゚Д゚;) とのこと。 確かに白井から西船は距離がありそうだとは思っていましたが、620円とはこれまた高い。北総に乗るのとそう変わらないじゃないか・・・。仮に白井から新宿まで行くとして、バスで西船へ出た場合は620円+西船~新宿(JR)の450円で1070円。行きと同じ北総利用、浅草橋乗り換えだと白井~浅草橋960円+浅草橋~新宿160円で1120円。では、i-Phoneの路線検索を料金の安い順で調べてみると、出てきた答えは、白井-(北総・350円)-新鎌ケ谷-(新京成・190円)-松戸-(JR・450円)-新宿で・・・990円!(あくまでも路線検索で出てきた答えです。区間の最安値かどうかは解りません)。結果的には行きと130円しか変わらないのだけれど、1000円を切ったことが嬉しく、しかも新鎌ケ谷~松戸で新京成に乗るなんて、なんだかちょっとシビれる検索結果ではありませんか。時間はかかるけれど、帰りはこのルートを楽しむことにするのでした。(^^)

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久しぶりに乗った新京成。
新京成らしいカーブを切って、新鎌ケ谷に入ってきたのは
8800形の松戸行き。
新京成電鉄 新鎌ケ谷

白井1314-(北総)-新鎌ケ谷1319~1327-(新京成)-松戸1346~1400-(常磐2386M)-日暮里1416~1420-(山手)-新宿1440



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