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内房線・・・「リバイバル・さざなみ」撮影記 [鉄道写真撮影記]

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2012.08.25
内房
晩夏の房総で・・・
「リバイバル・さざなみ」撮影
  

夏休みの中国地方遠征以降、お盆の時期は土日も無いほど仕事が立て込み、それが落ち着きを見せる頃には夏風邪をこじらせてしまって、しばらく非鉄の日々が続いていました。7月まではほぼ毎週末のようにどこかへ出かけていたのに、8月はこの失速ぶり。これではまるで 「夏に弱いどこかのJ2チーム*」 のようではないか・・・^^;( *ジェフ千葉は毎年、開幕からの出足は好調でも夏に失速して昇格を逃しています。今年も7月末は2位に付けて首位争いしていたのに、8月は2分け2敗で勝ち星が無く、一気に昇格圏外へ・・・T□T)。気がつけば処暑も過ぎ、8月も最終週。このままでは夏が終わってしまいます。そこで先週末は体調も戻ってきたことだし、久しぶりに撮影へと出かけてみることにしました。今回のターゲットは内房線を走る「リバイバル・さざなみ」。千葉の内房線くらいなら、病み上がりの復帰にも距離的に適度かもしれません。

8月25日(土)

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千葉から乗った内房線の209系は、
100周年の記念マーク付き編成でした。
これは幸先いいかも。(^^)

東京と房総半島の館山を内房線経由で結ぶ、特急「さざなみ」。現在も255系・E257系で運転されている現役の特急列車ですが、今回「内房線開業100周年記念」と銘打って走るリバイバルには、その先代に当たる国鉄形の183系が使用され、懐かしいイラストマークも掲出されます。これは国鉄特急形ファンには堪らないイベントと言えるでしょう。しかし、何とも不満なのがその運転区間。「さざなみ」と言えばその名が表す通り、内房の青い海を見ながら館山まで運転されるべき列車。ところが今回の「リバイバル・さざなみ」は木更津から東京までの片道運転のみ。回送も含めれば往復運転になるのだけれど、いずれにせよ木更津までじゃ「さざなみ」の魅力は半減してしまいます。撮影地的にも木更津以南ならば上総湊の鉄橋や鋸山バック、保田の東京湾を見下ろす丘など、いくらでも好ポイントがあるのに・・・。それでも以前にも書いたように、リバイバル列車は懐かしい往年の名列車を現代に運転してくれるだけでもありがたいと思うべきで、限られた木更津までの間に撮れる場所を探さねばなりません。そこでネットの撮影地ガイドなどを参考に、目星をつけて内房線の列車を降りたのは袖ヶ浦。

東京0821-(総武快速669F)-千葉0906~0913-(内房153M)-袖ヶ浦0944

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内房線らしい平屋駅舎の袖ヶ浦駅。
駅前に伸びる長い行列は、最近オープンして話題の
アウトレットへ行くバスを待つ人たちです。
内房線 袖ヶ浦

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袖ヶ浦駅の下り方には田園地帯が広がります。
残暑はモーレツにキビシいけれど、
稲穂はすっかり色づき、もう秋の気配・・・。
内房線 巌根-袖ヶ浦

駅を背にキビシい日差しを浴びながら巌根(木更津)寄りへしばらく歩くと、やがて広大な田園地帯へと出ます。ここは宅地や工場の多い木更津以北では数少ない広々とした引き画が撮れるポイント。しかし今回は「さざなみ」のヘッドマークが解らなければ意味がありません。なので、さらに先へと進み、農道と線路がクロスする踏切からかぶりつくような形で編成写真を狙うことにしました。先客の方に挨拶をしてから、まだ「さざなみ」の通過までは余裕があるな・・・と、カメラを出す前にまずは熱中症対策の水分補給。そこで踏切が鳴り、遠くに見えてたのは・・・Σ(゚Д゚) え”!? 国鉄色183系? もう「さざなみ」が来た?? 慌ててカメラをひっぱり出して撮影。

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撮影地に着いてさっそく通過したのは
「団体」表示の国鉄色183系(OM102)。
内房線 袖ヶ浦-巌根

前述したように今回の「リバイバル・さざなみ」の営業運転は木更津から東京への片道なので、送り込み回送にはイラストマークが掲げられないのかとガッカリ。それにしても、雑誌に載っていた通過時刻よりもずいぶん早いじゃないか ・・・(´д`;)  と、雑誌をよく見直すと、今の列車は「さざなみ」の送り込み回送ではなく、純粋な(?)183系の団体列車でした。同じ日に同じ路線で183系の団臨があるなんて、紛らわしい。この183系を見ると光線状態があまり良くありませんが、時間が経つにつれて正面に日が回ってくるハズです。

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113系なきあと、内房線を走るのは、
209系の普通列車とE217系の快速列車。
ギリギリまで引き付けましたが
15連の快速は編成が入り切りませんでした。(^^;)

内房線には貨物列車など走っていないし、普通列車も113系引退後は209系とE217系のステンレス車ばかり。あまり面白味の無い通過列車を反射的に撮影しつつ、じっと「さざなみ」の通過を待ちます。日は正面まで当たるようになってきましたが、サイドはちょっとキビシかったみたい。しかしそんな太陽を隠すように、ここでまたしても本命の通過直前に流れ雲が・・・(#`Д´)マタカヨ!!  夏休みに伯備線で撮ったEF64といい、最近はこんなのばっかりです。でもこの場合は、明暗が分かれているので陰ってくれた方がいいのか? 空の状態が落ち着かない中、やがて陽炎の向こうに青いマークを掲げた183系の姿が見えてきました。

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183系が見えてきた時、手前はまだ影の中・・・
マソダーラ♪ヽ(・ω・。ヽ)(ノ。・ω・)ノマソダー...ラ ?

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いや、雲はスーッと抜けました!
青い海をモチーフにした「さざなみ」マークを掲げる183系(OM103)。
往年の海水浴特急が今夏に復活です!

まさにギリっギリ、マンダーラ回避で「さざなみ」を撮ることができました~(^^)。側面が沈んじゃったり、ケーブルの影落ちがかなり鬱陶しいけれど、やっぱり「さざなみ」は眩しいくらいの日の光に当たっていた方がいいですね。それにしても「さざなみ」のイラストマーク、ステッカー式とはいえ、ちょっと青が濃すぎないか?

この下り回送列車で送り込まれた「さざなみ」は、すぐに木更津で折り返して東京へと上ります。今度は内房線を北へと向かう列車・・・完全な逆光状態です。隣で撮られていた方は光線状態のよくなる総武(快速)線内で駅撮りすると言い、送り込みを撮った後すぐに撤収してゆきましたが、私としてはせっかくここまで来たのなら、光線状態が悪くても内房線内で撮りたい。通過時間までの余裕もあまり無いことから、下りを撮ったポイントから少しだけ移動したところにある手軽なアウトカーブから狙ってみることにしました。

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カーブを切って走り抜ける「リバイバル・さざなみ」。
正面から見た183系は、その精悍さが際立って見えます。
内房線 巌根-袖ヶ浦

ド逆光なので日に照らされた明るさはまったくありませんが、明暗のコントラストや変な影落ちなどが無く、これはこれで悪くないかもしれません。カーブで後方が切れているので、6連という短さも気にならないし、考えてみたら先月の「やまばと」で撮り損なったアングルが、まさにこんな感じだったかも。颯爽と駆け抜けていった「さざなみ」を見送って撤収。日差しが痛いくらいキビシい撮影でした・・・。

袖ヶ浦1430-(181M)-木更津1438

袖ヶ浦から内房線の下り列車に乗り、続いてやってきたのは木更津。光線状態が悪くても総武線へ行かずに内房線へ留まったのは、このあとに木更津から出ている久留里線へ寄りたかったということもありました。以前にも書いたように久留里線には今秋に新型車両のキハE130が導入され、既存のキハ30をはじめとした国鉄形は順次、置き換えられる予定。その前に機会があればちょっとでも撮っておきたいところです。木更津の車庫をパッと見た感じ、三両ある国鉄色キハ30のうち二両は連なって休んでいる姿が確認できましたが、一両は見当たりません。運用に入っているのかな・・・?

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木更津に待機していた上総亀山行きはキハ37+38。
非冷房のキハ30は、夏場にあまり運用されないらしい。
内房線 木更津

とりあえず、すぐに接続した久留里線に乗って横田付近の田園地帯を目指してみます。先ほどの袖ヶ浦付近でも見たように、このあたりの稲はだいぶ黄色くなっていたので、それとキハを絡めて撮ろうという考え。ところが、木更津を出るときには青空が広がっていたのに、列車が進むに連れて徐々に暗雲が立ちこめてきました。不安を感じながら、木更津から20分弱の横田で下車。

木更津1450-(久留里937D)-横田1507

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交換駅の横田でキハ37と38が並びました。
今年三月までこの駅ではタブレットの交換が見られましたが、
現在は信号機の自動化によって廃止されています。
ただしその後も駅員は常駐。
久留里線 横田

沿線の撮影ポイントへ行く前にホームで交換風景などを撮っていると、突然・・・というか、やはり大粒の雨が降り出してきてしまいました。出発を見送ってから急いで構内踏切を渡って駅舎へと逃げ込みます。天気予報では一日じゅう晴れのハズだったので、傘など持ってきていません。さて、どうするかなぁ・・・(´~`;)ウーン。

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降り出した大粒の雨がホームを濡らします。

次の列車は約一時間後。考えている撮影地までは歩いて15分もあれば到達できるので、しばらく駅の待合室で雨やどりしながら空の様子をうかがうことにしました。地方の山奥にあるような秘境駅ではないけれど、聞こえてくるのは屋根に打ち付ける雨の音だけ・・・なんだか悪くない雰囲気です。やがて降りはじめから30分ほどが経った頃、雨音は聞こえなくなりました。

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突然の雨でしたが、屋外の撮影地などではなく、
立派な駅舎で雨宿りができたことに感謝。
久留里線 横田

「さざなみ」を撮っていた頃に比べると、雨が降ってくれたことで、だいぶ暑さがやわらぎました。涼風を感じながら雨上がりの路地裏を抜けて、目指していた撮影地へ。雨宿りで時間を費やしてしまったこともあり、次の列車はすぐにやってきます。

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頭を垂れて黄金色に染まった稲穂を横目に走る
久留里線のキハ37+38。
この二形式にとっても、最後の夏が終わろうとしています。
久留里線 横田-東横田(WB曇天モード)

残念ながらこの列車にもキハ30は連結されていなかったので、この日キハ30は一台も動いていなかったということになります(日中の久留里線は三本の編成で補っているため)。結局、姿が見えなかったもう一台は、木更津で検修庫の影にでも隠れていたのかな・・・? それでも見事に黄金色となった稲穂とキハの組み合わせが撮れたので満足です (^^) 。この情景は晩夏と言うより、もはや秋景色。天候が不安定なのも夏の終わりを告げているのかもしれませんね。猛暑と雨、天気に振り回された房総の一日でした。

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行きに乗った編成が上総亀山で折り返して戻ってきました。
再びコレに乗って、帰ることにしましょう。
久留里線 横田

横田1706-(942D)-木更津1723

 

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撮影後のお楽しみ~(^^)
木更津と言えばやっぱり名物、浜屋のバーベキュー弁当!
以前にも紹介したように、今では駅弁じゃありませんが、
やはり木更津へ来たら買わずにはいられません。
☆☆☆☆☆
奮発してグリーン車で一杯!(*´▽`)=3 プハァー


 
木更津1743-(総武快速1772F)-東京1901


あ、そういえば「夏に弱いジェフ」、ようやく昨日の水戸戦は勝ちました・・・^^;。



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夏休み2012 その6・・・伯備線・EF64貨物 撮影記 [鉄道旅行記]

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2012.07.30~08.01
夏休み
06
帰り道に、ちょこっと・・・
伯備線 EF64貨物 撮影
  

夏の休暇を利用しての鉄道旅、前回からの続きです。
初日は広島のセノハチで撮影。二日目は芸備線・木次線を乗り継いで広島から島根へと入り、バタデンの鳥居アングルを撮影。そして旅の最終日となる三日目の朝は松江で迎えました。ここまで来たのなら、最終日くらいゆっくりと松江や出雲観光でもして、出雲空港から一気に飛行機で帰京・・・といきたいところですが、時間があれば一路線でも乗りたい、一カ所でも撮影ポイントをまわりたいというのが鉄の悲しい性。それに往路が広島まで飛行機だったので、復路はなるべく鉄道を利用して帰りたい。そこでこの日のルートに選んだのは、山陰線の伯耆大山(ほうきだいせん)から分岐する伯備線。松江からはそのまま直通する普通列車に乗ることができました。

8月1日(水)

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松江から乗るのは、山陰線の出雲市始発で、
途中の伯耆大山から伯備線へと入る普通列車282M。
二両の黄色い115系でした。
12.8.1 山陰本線 松江

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この電車は短編成化改造によって、前後で顔が異なります。
これが115系と言われるとちょっとビックリですが、
単色化で103系っぽい顔立ちになって、
個人的にはなかなかニクめない魔改造車です。(^^;)
12.8.1 山陰本線 松江

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この日はさっそく発車とともに駅弁を開きます。
松江駅でチョイスしたのは「およぎ牛 弁当」。
隠岐島の島から島へ草を求めて泳ぐ
「およぎ牛(島根和牛)」に因んで作られた弁当だそうです。
肉は柔らかく、味付けも上品でおいしいけれど、
もう少しおかずなどに変化が欲しかったところ・・・かな?
☆☆☆・・

山陽本線の倉敷から新見を経て、山陰本線の米子にほど近い伯耆大山までを結ぶ伯備線は、中国山地を越えて山陰と山陽を結ぶ鉄道路線、いわゆる陰陽連絡線の基幹的存在で、唯一の電化幹線。岡山と松江(出雲市)を結ぶ特急「やくも」も高頻度で運転されいて、陰陽を縦断するにはもっともポピュラーな路線と言えるでしょう。ちなみに、私が前日に芸備・木次線経由で6時間半もかけて乗ってきた広島から宍道までのルートをパソコンなどでふつうに検索すると、『広島-(山陽新幹線)-岡山-(伯備線・特急「やくも」)-宍道』 と出てきて、所要時間は3時間半。距離的には芸備・木次線が196.4キロに対して新幹線・伯備線は366.3キロと170キロ近くも差があるのに、所要時間は約半分です・・・(^^;) そんな陰陽のメインルートである伯備線ですから、私も過去に乗る機会は何度もあったし、松江から東京への帰京ルートとしてはあまり面白味がありません。しかし今、この伯備線には撮り鉄的にちょっと注目を集めている列車があるのです。

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松江を出た山陰線の列車は、間もなく米子に到着。
車窓右手には旧米子機関区(現・後藤総合車両所検修科)の
扇形機関庫が見えてきました。
12.8.1 山陰本線 米子付近(車窓から)

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山陰本線、境線、伯備線の列車が乗り入れる米子。
山陰線の鳥取方面は非電化のためDCがメインで、
車両基地にはタラコ色のキハ47が集い、
ホームではキハ6連などという迫力のある編成も見られました。
12.8.1 山陰本線 米子

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そして、ホーム脇の留置線に停留していたのは、
久しぶりにその姿を見たEF64の0番台。
手前が51号機で、奥が59号機。
12.8.1 山陰本線 米子

私が松江から乗った普通列車は、途中の米子で22分ほど停車します。そのホームから見やすい位置に停まっていたのが今回のターゲット、EF64の0番台。

かつては中央線や篠ノ井線などで活躍していた山岳線区用の電気機関車EF64も、後継となるEH200などに置き換えられて徐々に活躍の場を減らし、とくに0番台は風前の灯状態。イベントや波動用で東日本の高崎に数両が残っているものの、伯備線の貨物列車牽引が最後の定期運用となっています。そこで今回は、伯備線で帰り道となる上り方面に向かいつつ、どこかでこのロクヨン・ゼロが牽引する貨物列車を撮ろうと考えたのでした。

長時間停車ののち米子を出た列車は、二つ目の伯耆大山から伯備線へ。

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山陰線と伯備線との分岐駅・伯耆大山付近の車窓からは、
雄大な大山の山容を眺めることができます。
12.8.1 山陰本線 伯耆大山付近(車窓から)

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山陰線と別れた伯備線は、しばらく日野川に沿って南下。
徐々に山々が迫ってきて、このあたりからカーブがきつくなります。
12.8.1 伯備線 伯耆溝口-江尾(車窓から)

ところで、私が乗っているこの普通列車。山陰線の出雲市を始発駅に松江を経て、伯耆大山から伯備線へ入って来ましたが、この先さらに岡山から赤穂線へと直通して、最終的には兵庫の播州赤穂まで行くなかなかの長距離列車です。島根・鳥取・岡山・兵庫の四県を跨ぎ、その運転時間は実に6時間57分(出雲市0908発、播州赤穂1605着)。目立たないけれど、今でもこんな陰陽を縦断して走る普通列車があるものなんですね~。乗り鉄的にはずっと乗り通してみたいところですが、撮り鉄としてはロクヨンの貨物を捨てるわけにも行かず、途中の黒坂で下車。

松江1005-(山陰282M・伯備824M)-黒坂1202

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小さな無人駅ながら交換設備のある黒坂。
駅前には日野町営バスのバス停があり、
根雨と生山の間を伯備線に沿って走るので
徒歩鉄としては利用価値がありそうだと思ったものの、
本数は一日に上下4本ずつ・・・。
12.8.1 伯備線 黒坂

自称・貨物オンチの私、当然ながら伯備線を走る貨物列車の詳しい時刻など知りません(今月のDJ誌に載っていたけど、ひと月遅かった・・・(>_<;) )。でもこの伯備線貨物はロクヨン・ゼロ最後の貨物として注目度が高く、HPやブログに情報を公開されている方も多いので、ちょっと調べると大まかな通過時刻は掴むことができました。さらに、伯備線で撮影するのは初めての私でしたが、時刻と同様に撮影地の情報も同好のHPなどを参照し、徒歩でアクセスしやすい場所と言うことから、選んだのがこの黒坂。撮影地は駅から徒歩20分ほどのところにある県道とのオーバークロスで、ここはソネブロ仲間で同じ徒歩鉄派(チャリ鉄派?)のやまびこさん以前に訪れていたポイントです。

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まずやってきたのは、伯備線のエース・特急「やくも」(9号)。
内装がリニューアルされ、外装も赤系に塗り替えられていますが、
電化開業時から走る国鉄形の381系が今でも頑張っています。
12.8.1 伯備線 黒坂-上菅(後追い)

山あいの集落にある田園をかすめてカーブを横切る特急列車。伯備線らしい、いい撮影ポイントです。しかし光線状態を読み違えて、列車の側面には光が当たっていません。陰陽を南北に縦断する伯備線、てっきり午後の上り列車には向かって左サイドに日が回ると思っていたのですが、後から地図を見てみるとこのあたりは、アタマを西に向けて走るので、左側面は日の当たらない北側になっちゃうのですね。ここは午後の遅い時間が順光らしい。

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続く上りの「やくも16号」は貫通扉の付いたクモハが先頭。
・・・あ、陰った。
12.8.1 伯備線 黒坂-上菅

でもこの日は、直撃しないものの台風が近づいているらしく、強風に雲が流されて晴れたり陰ったりを繰り返しています。今撮った「やくも16号」のようにいっそのこと陰ってくれた方が明暗の差が出なくていいか・・・でも、田んぼの緑は晴れている方がずっときれい・・・。悩みどころですが、どっちにせよ天気は自分の意志で変えることはできません。まあ、最悪マンダーラにならなければ、どちらでもいいや・・・なんて思っていたのですが・・・。

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上空には流れ雲がいっぱい。
「これで陰られなければ、おめでとうってところだな・・・。」
(Byリュウさん ^^;)

やがて山あいにこだまするように、重々しい機関車のブロア音とそれに続く貨車の音が聞こえてきました。あきらかに電車とは違うこの音は緊張感が高まります。ファインダーに集中しながらその列車が見えてくるのを待ちますが、その間も晴れたり陰ったり・・・露出は自分にしては珍しく、カメラ任せのオートに設定。

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ズームレンズを装着していたので、
まずは緑の絨毯のように広がる田んぼを手前に配して、
奥のガーダー橋を渡るところを切り取ってみます。
やがて鉄橋上にはEF64が姿を現しました。
12.8.1 伯備線 黒坂-上菅

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ズームリングをまわし、引き付けて定番位置で撮影。
コンテナ満載の貨物をロクヨン・ゼロが力強く牽いてゆきます。
カマは先ほどの米子で手前に停まっていた51号機でした。
12.8.1 伯備線 黒坂-上菅

だああぁぁぁ━━ヾ(゚Д゚;)ノ━━━っ!やっぱり、マンダーラに・・・orz...。
マソダーラ♪ヽ(・ω・。ヽ)(ノ。・ω・)ノマソダーラ♪ アイノークニー、マソダーラ...(´;ω;`)
最初に撮った鉄橋を渡っている頃にはまだ全体に日が当たっていたのですが、列車が近づいてくるに連れて雲も流れてきて、ちょうど編成の前半分が陰ってしまいました。田んぼもまさにまだら・・・。それでも薄雲だったのか、かろうじて機関車の前面には日が当たり、路盤にも影が落ちています。厚い雲でクッキリ明暗が別れなかっただけでもヨシとすべきかな・・・。それにしても、やっぱりロクヨン・ゼロは均整がとれていて、カッコイイ機関車ですね。ロクヨンは1000番台もキライじゃないんだけれど、個人的には左右対称の機関車が好きだったりします。貨物オンチの貨物撮影第二弾(第一弾はセノハチのEF67ね)は、これにて終了。

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黒坂駅からは再び普通列車で伯備線を南下します。
乗るのは先ほどと同じ黄色い115系ですが、
今度の行き先は伯備線内の新見止まり。
12.8.1 伯備線 黒坂

岡山へ向けて、伯備線の旅を続けます。中国山地を越える伯備線は木次線のようにスイッチバックなどを駆使して峠を越えるわけではなく、並行して流れる川に沿って、大きくカーブを描きながら山あいを抜けてゆきます。そのため、特急の「やくも」に使用される381系にはカーブでも速度を落とさずに走ることができる「振り子機能」が搭載されているのですが、私が乗っている普通列車の115系にはそんな機能はなく、ゆっくりと時間をかけて進みます。でも、川沿いの景色のいいところを走る伯備線の車窓はこのくらいのんびりと眺める方が楽しいかもしれません。

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鈍足の普通列車は特急の通過や交換待ちで
長時間停車もしばしば。
この826Mは上菅で5分、生山で9分、上石見で10分、
そして新郷では6分停車で特急に道を譲ります。
新郷で交換したのは「やくも13号」。
12.8.1 伯備線 新郷

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分水嶺を越えて岡山県へ入ると
今度は瀬戸内海へ流れる高梁川水系の
西川に沿って走ります。
12.8.1 伯備線 新郷-足立(車窓から)

新郷で岡山県へと入り西川沿いにしばらく走ると、やがて右の方から合流してくる線路が見えてきます。これは私が前日に広島から乗った芸備線で、木次線との乗換駅・備後落合からさらに東へ進むと、この伯備線との分岐駅である備中神代に到達します。

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車窓右手、西川を渡るもう一本の鉄橋は芸備線のもの。
伯備線と芸備線は新見の手前にある備中神代で合流します。
12.8.1 伯備線 上・足立-備中神代/下・備中神代(車窓から)

伯備線と芸備線の正式な分岐駅は備中神代ですが、芸備線の列車はそのまま伯備線へ乗り入れて、二駅先の主要駅・新見を発着駅としています。ここまではローカル線ならよくあること。しかしここが面白いのは、その備中神代と新見の間にある駅、布原の存在。布原は伯備線の路線上にありながら、停車するのは芸備線へ直通する列車のみと言う変わった駅で、伯備線の列車はすべて通過します。以前にも書いたように新見~備後落合の芸備線は極端に本数が少なく、布原に停まるのも一日わずか5往復。何とも不遇な駅です・・・。その布原を通過すると、新見着。

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伯備線上にありながら、
芸備線の列車しか停まらない面白駅・布原。
もちろん私の乗った伯備線の普通列車は通過します。
12.8.1 伯備線 布原(車窓から)

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新見は伯備線のほか、前述の芸備線、
そして姫路方面へ伸びる姫新線との分岐駅。
細かい分岐の多い中国地方の路線は本当に複雑です。
私の乗っていた黄色い115系は新見止まりなので、
さらに先へ進むにはここで乗り換えです。
待機していたのは・・・お、湘南色115系 (゚∀゚)!!
12.8.1 伯備線 新見

新見から先の車窓に沿って流れる川は高梁川の本流。かつてこのあたりの伯備線は蛇行する高梁川に沿って線路が敷かれていましたが、複線化による高速化に伴い、現在のトンネルを抜ける経路へ架け替えられました。それでも車窓からは変わらず高梁川の渓谷を眺める車窓が続いています。もっとも、私は路線変更後の伯備線にしか乗ったこと無いのですが。

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高梁川沿いを行く伯備線の車窓。
私はとくに川好きというわけではないのですが、
山あいを行く路線は川沿いに敷かれていることが多く、
どうしてもその車窓を撮ると川の写真が
多くなってしまいます・・・(^^;)
12.8.1 伯備線 井倉-方谷(車窓から)

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総社では反対のホームに吉備線のDCが停車中。
吉備線は岡山と総社を備中高松家湯で結ぶローカル線で、
非電化ながら運転本数が多く、距離も短いので、
岡山出張のついでなどに何度か乗車したことがあります。
12.8.1 伯備線 総社(車窓から)

備中高梁を過ぎ、山あいを流れてきた高梁川の川幅が広くなってくると、やがて列車は吉備線や井原鉄道との分岐駅・総社を経て、倉敷市内へ。ここまで来ると伯備線は岡山都市圏への近郊電車の様相になり、乗客の数も多くなってきました。ガラガラ続きだった今回の旅も、最後は立ち客が出るほどの混雑ぶりで、岡山に到着。

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新見から乗った湘南色で岡山に着きました。
列車はこのあと赤穂線へと入って、備前片上まで行きます。
12.8.1 山陽本線 岡山

黒坂1431-(826M)-新見1549~1550-(856M)-岡山1725


夏の休暇を利用しての鉄道旅は、岡山から東京行きの新幹線「のぞみ」に乗って終了です。実は出発直前までセノハチのEF67を撮ることくらいしか決まっていなかった今旅ですが、終わってみれば「撮り鉄」「乗り鉄」ともに案外充実した旅となりました。ただ、バタデン(一畑電車)などはフォトジェニックないい路線にも関わらず、無理矢理立ち寄った感が強く、もう少し時間に余裕を持って鳥居アングル以外の場所でもじっくりと撮影してみたかったところです。いったん旅に出ると一カ所に腰を据えるよりも、あれこれ欲張っちゃうタチの私。「撮り」「乗り」どちらをメインにするにしても、もっと落ち着いた旅にするべきなのかもしれませんね。(^^;)

 

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ラストはN700系の「のぞみ」で一気に東京へ。
東京行きの新幹線に乗った時点で
「旅が終わったな~」って気になります。
12.8.1 山陽新幹線 岡山

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今回はあまり駅弁を食べる機会が無かったけれど、
最終日は新幹線で二つ目の駅弁を。
岡山で購入した「たこめし弁当」。
山陽沿線には明石や三原など多くのたこ系駅弁がありますが、
それらと比べるとコレはちょっとおとなしめかな・・・?
味は可もなく不可もなくだけど、メインのタコがちょっと寂しい。
☆☆・・・

岡山1814-(のぞみ50号)-東京2133



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夏休み2012 その5・・・一畑電車 鳥居ポイント撮影記 [鉄道旅行記]

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2012.07.30~08.01
夏休み
05
神話の里の京王線?
一畑電車大社線 鳥居ポイント撮影
  

夏の休暇を利用しての鉄道旅、前回からの続きです。
旅行二日目は、広島から芸備線と木次線を乗り継いで中国山地を縦断。島根の宍道(しんじ)へと抜けました。この日は松江に宿をとっており、宍道から山陰線の上り列車に乗れば宍道湖の南岸沿いに走って30分弱の距離。しかし私には投宿する前にもう一箇所、島根に来たならば、ぜひ寄りたいと思っていた所がありました。そこで松江行きの上り列車ではなく、下りの浜田行き快速「アクアライナー」に乗り、向かったのは出雲市。

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キハ126で運転されている快速「アクアライナー」。
山陰本線の高速化のために島根県と鳥取県の
資金援助を受けて製造されたという、このキハ126。
私は今回初めて乗りましたが、
暖色系でまとまられた室内にボックスシートがズラリと並び、
乗り心地のいい、好感触の車両でした。
12.7.31 山陰本線 宍道

宍道1544-(山陰3457D)-出雲市1601

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出雲大社をイメージした立派な駅舎の出雲市駅。
かつてはここから出雲大社最寄りの大社駅まで
国鉄・JRの大社線という短い路線が伸びていましたが、
90年に廃止され、今では出雲大社のアクセスはバスか、
後述する一畑電車になっています。
12.7.31 山陰本線 出雲市

出雲市といえば真っ先に思い浮かぶのは、縁結びの神・福の神として名高く、また近年ではパワースポットとしても注目されている「出雲大社」ではないでしょうか。でも当然ながら鉄である私の目的は出雲大社自体よりも、その大社への足として知られる「一畑(いちばた)電車」、通称「バタデン」の方。バタデンは、山陰線との接続駅である出雲市(電鉄出雲市)から、その名の由来となった一畑薬師(一畑口)を経て、宍道湖の北岸沿いに松江(松江しんじ湖温泉)へと至る33.9キロの北松江線と、途中の川跡(かわと)から分岐して出雲大社前までの8.3キロを結ぶ大社線の二路線からなる島根県東部の中小私鉄です。

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こちらはJR出雲市駅に隣接している、
一畑電車の電鉄出雲市駅。
一畑電鉄から一畑電車へ社名変更(分社化)
されても、ここは「電鉄」の名が冠されています。
12.7.31 一畑電車北松江線 電鉄出雲市

そんなバタデン沿線のとある撮影ポイントが今回の目的地。そこは「バタデンの鳥居アングル」というだけでピンと来る方も多いと思われるほど有名な撮影地なのですが、私的なキッカケはソネブロ仲間で「ソニーな、お店が大阪にあった!」のyasさんが以前にそこを訪れており、神話の里・出雲らしいステキなカットを撮られていたのを見て、機会があれば私もその場所へ行ってみたいと思うようになったのです。

目指すそのポイントは大社線の高浜と遥堪(ようかん)の駅間にあり、今いる出雲市から行くには、バタデンの北松江線でいったん川跡へ出て、大社線に乗り換えるのが鉄としては一般的。しかし地図をよく見てみると、出雲市駅から県道をまっすぐ北上すると高浜駅へとあたります。その間約3キロといったところ。高浜から撮影地まで歩くことを考えても、ここは一気に出雲市からタクシーでショートカットする方が効率がよさそうです。そもそも私はその撮影地となる神社の詳しい場所を知りませんし・・・(わかっているのは神社名だけという、下調べ不足... ┐(´д`;)┌)。

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付近の地図。
バタデンは川跡駅を通るので「く」の字ルートになりますが、
道路は出雲市駅から高浜駅までまっすぐ(青いルート)。

そこで、出雲市の駅前にいるタクシーの運ちゃんに「高浜駅と遥堪駅のあいだにある、稲生神社って言う鳥居がずらっと並んだ神社へ行きたい」とお願いしてみました。まあ、有名な撮影地らしいし、地元の方ならすぐに解ってくれるだろうと思ったのです。ところが、「そんな神社、知らないなぁ・・・」との答え。他の運転手仲間にも聞いてみてくれたのですが、やはり誰も知らない。とりあえず高浜から遥堪へ向けて、バタデンの線路沿いを走れば解るはず・・・ということでクルマを出してくれました。結果的には高浜駅からものの数分程度のところに、目的の神社は難なく見つけることができましたが、意外と地元の方も知らないものなのですね。有名だと思っているのは鉄だけなのかも・・・。ちなみにタクシー運賃は出雲市駅から1200円ほど、バタデンなら電鉄出雲市~高浜は310円でした。

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ここが目指していた「鳥居アングル」。
細い参道にズラッと並んだ20本もの鳥居。
その先にある本殿との間をバタデンの線路が横切っています。
でもまわりは住宅地で、たしかに解りづらいかも。

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参道を進むと見えてくるのが「稲生神社」の本殿。
狐が祀ってある、お稲荷さんです。
撮影前に参拝を済ませておくのが礼儀ですよね。
二礼二拍一礼。いい写真が撮れますように・・・(-人- )

参拝を済ませ、さっそく鳥居越しに撮影を開始。できればこのズラッと並んだ鳥居を全部入れて、迫力ある画を撮りたい・・・なんてあれこれ模索するも、なかなかこれが難しい。多くの鳥居を入れようと端の方から広角で撮れば背景に住宅などが入ってしまうし、かといって望遠で圧縮して鳥居の一部を切り取るのは何となく罰当たりな気がします。しかもすでに夕方で、上写真を見ても解るように手前の方の鳥居は住宅の影になって日が当たっていません。ここは鳥居の数が半分くらいになっちゃうけれど、日の当たっているところだけを狙った方がいいかな・・・。そうこうしているうちに踏切が鳴り、やがて列車の近づいてくる音が聞こえてきました。まずは最初の一本目。

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西日に照らされて、
赤みを増した鳥居の列を横目に走るのは、
見覚えのあるクリーム色の電車・・・!?
12.7.31 一畑電車大社線 高浜-遥堪

ぬをっ!け、京王線!? ∑(゚ロ゚屮)屮 エエェッ!!  なんとやってきたのは、京王5000系のリバイバル色に塗り替えられた、現・一畑2100系でした。今のバタデンの主力車両は元・南海21000系の現・3000系と、この元・京王5000系の2100系・5000系。そのうち3000系の方は少し前に一編成が南海色へリバイバルされたと聞いていましたが、2100系も京王色へ塗り替えられた編成があったのですね~。アタマの中ではてっきり黄色いバタデンカラーの電車が来るものだとばかり思っていたので、これは意表をつかれたサプライズでした。それで焦ったというわけではないのですが、編成長を見誤ってしまい、カッツカツに・・・(見切れている?)。もう少し右に振りたいところだけれど、そうすると鳥居の左が切れちゃうしなぁ・・・ちょっと工夫が必要のようです。

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列車の通過直後には
おじいちゃんとお孫さんの二人のり自転車が
参道にふら~っと現れました。
ウマく電車と絡められれば面白い写真になったのにね。

大社線は基本的に、毎時一・二本程度の運転頻度で線内を折り返し運転していて(一部、松江方面へ北松江線との直通がアリ)、多少のバラつきはあるものの、上りの川跡方面へ行った列車はだいたい20分後に、下りの出雲市方面へ行った列車は40分後に、折り返してこの鳥居ポイントへ戻ってきます。今行った列車は川跡方面へ向かったので、次は20分後の下り列車。今度は編成が切れないようにとシャッターの切り位置を見定めて、こんな感じにまとめてみました。

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折り返してきた京王色の同編成が、
今度は出雲大社を目指して走り抜けてゆきます。
これぞ撮りたかった出雲の国らしい鉄道風景。。:゚+(´∀`〃).+゚*。

列車がいちばん手前の鳥居とクロスしたところでパチリ。好みの別れるところだと思いますが、この方がバランス的にいいかもしれません。光線状態は列車の手前サイドに光が当たっていないので決していいとは言えないけれど、夏の夕方っぽいアンニュイな雰囲気は出てくれたかな・・・? ちなみにデジカメのホワイトバランスは日陰モードにして、よりアンバーを強調しています。

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今度は逆側から来る列車(川跡行き)を。
こちらは完全逆光となりますが、
むしろ車両的には明暗の差が出なくていいかも。
かつては東京の都心で活躍していた京王5000系も、
今ではこののどかな景色と妙にマッチしているように感じます。

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ラストはちょっと目線を変えて、
真っ正面から合わせ鏡のような感じで構えてみます。
ここへ来たならば誰もが一度は試してみたいと思う
アングルなのでは無いでしょうか(笑)。

右から、左から、正面から・・・角度を変えつつ、鳥居と列車を絡めて何カットか撮影。きっともっとウマい撮り方があるのでしょうが、私としてはじゅうぶんに満足のいく撮影ができました。でも、同じ列車が往復していたので、結局撮れたのは京王色の5000系・・・もとい、2100系だけ。これではバタデンを撮りに来たのか京王を撮りに来たのか解らないケド・・・ま、いっか (^^;)。

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帰りは高浜駅からバタデンへ乗車。
ホームへ入って来たのはもちろん京王色の2100系(2101F)。
近くで見るとなおさら懐かしさがこみ上げてきます。
12.7.31 一畑電車大社線 高浜

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高浜から北松江線との接続駅・川跡までは一駅。
ここで京王色とはお別れです。
よく見るとこちら側の先頭車(2111)の帯は「ヒゲ」付き。
なかなか凝っていますね~(^▽^)。
ちなみに右隣に入ってきた現・5000系も元は京王5000系です。
12.7.31 一畑電車大社線 川跡

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川跡からは本線にあたる北松江線へ乗り換え。
接続した松江しんじ湖温泉行きの列車は、
元・南海21000系の3000系でした。
これも名車なのですが、かなり痛みが激しい・・・(´;ω;`)。
12.7.31 一畑電車北松江線 川跡

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3000系の車内。
ロングシート車ですが、南海伝統の
荷棚下に装備された読書灯が健在でした。
平日夕方の上り列車はガラガラ。
この日(二日目)乗った列車はどれも極端に空いていたなぁ・・・。

私にとって今回初めて沿線で撮影したバタデンですが、過去何度か乗りには来ていて、北松江線も大社線も全線完乗しています。この路線の車窓風景でとくにきれいなのは、何と言っても宍道湖の北岸に沿って走るあたりで、今の私が乗っている上り列車で言うと、途中の園(その)からスイッチバック駅の一畑口を経て、終点の松江しんじ湖温泉までのけっこう長い区間で宍道湖の景色を楽しむことができます。

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バタデンの車窓から眺めた宍道湖。
上空にはきれいな月も見えていました。
12.7.31 一畑電車北松江線 一畑口-伊野灘(車窓から)

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一畑口でスイッチバックした列車の
後方から眺めた夕日と宍道湖畔。
列車に揺られ続けた一日が終わろうとしています。。。
12.7.31 一畑電車北松江線 伊野灘付近(後方の車窓から)

宍道湖沿いを走り続け、ちょうど日が沈む頃に松江しんじ湖温泉着。そういえば、私が前回乗りに来たときはまだ「松江温泉」と言う駅名だったので、「松江しんじ湖温泉」になってからは初めて訪れたことになります。改名が02年の事ですから、10年前。ということは、バタデンも10年以上もご無沙汰だったんだなぁ・・・。久しぶりに訪れたかつての松江温泉駅は、当時の面影が感じられないほどきれいにリニューアルされていました。

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ガラス張りの立派な駅舎になっていた、
バタデンのターミナル・松江しんじ湖温泉駅。
12.7.31 一畑電車北松江線 松江しんじ湖温泉

高浜1803-(一畑大社線)-川跡1806~1808-(一畑北松江線)-松江しんじ湖温泉1856

 

 

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今宵は宍道湖産のシジミで一杯。
安来の純米酒「月山」を選んでみました。
滑らかな口当たりで、飲みやすかったです(^^)。

   

 

・・・続きます。



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夏休み2012 その4・・・木次線「奥出雲おろち号」乗車記 [鉄道旅行記]


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2012.07.30~08.01
夏休み
04
芸備線から木次線へ・・・
トロッコ列車「奥出雲おろち号」乗車
  

夏の休暇を利用しての鉄道旅、前回(夏休み03)からの続きです。
広島で迎えた二日目、まずは朝連と称して山陽本線・天神川駅でEF67が補機につく貨物列車を何本か撮影。前日の月曜日と違ってコンテナは満載、さらに3号機が稼動しているのを見て、もう一度セノハチへ撮影に向かうべきか・・・と、心を揺さぶられましたが、やはりこの日は当所の予定通り「乗り鉄」の方を楽しむべく、広島へと戻ってきました。

この旅で久しぶりに訪れることになった広島・・・というより、中国地方。仕事の出張で岡山や広島の都市部へピンポイントで来たり、九州へ行き来する際に新幹線で通過することはあっても、ゆっくりと立ち寄る機会はなく、乗車がかなりご無沙汰になっている路線も多い。とくに中国山地を縦断するローカル線は複雑に入り組んでいるうえ運転本数も極端に少ないので、なかなか気軽に乗りに行くことができず、私が国鉄・JRの全線完乗を目指したときも最後の方まで完乗に手間取ったのがこの地域でした。しかし閑散なローカル線ほど車窓風景は自然に富んでいて美しく、機会があればもう一度乗ってみたいと思う路線ばかり。そこで今回はそのうちの二路線、芸備線と木次線を乗り継いで中国山地を縦断してみたいと思います。

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広島駅在来線ホームのいちばん北側にある
8・9番ホームが芸備線のりば。
入ってきたキハ47は、タラコ色の国鉄色 (゚∀゚)!
・・・って、一瞬喜びましたが、
実は例の「単色化」計画で、この地域の気動車は
オレンジ一色に塗られるんでしたっけ・・・。
12.7.31 山陽本線 広島

芸備線は、岡山県にある伯備線との分岐駅・備中神代を起点に中国山地の山間を走り、三次を経て広島へと至るローカル線(地方交通線)。全長159.1キロもの長い路線ですが全線を直通して運転される列車は一本も無く、実際の運転系統は途中の備後落合と三次でそれぞれ切られ、三分割されています。運転本数が少なく、接続の悪い区間もあるため、全線を乗り通すのは意外と容易ではありません。そんな芸備線に初めて乗ったのは17年前の95年。当時は今回とは逆に備中神代から乗り継いで、広島へと向かう下り列車で完乗を果たしました。あのときは周遊券を使って、キハ58の急行「みよし」に乗ったんだっけ・・・(急行「みよし」は07年に快速「みよしライナーに置き換えられて廃止となり、同時にキハ58も引退)。その後も三江線や福塩線、木次線などを乗り潰す際に何度か部分的に芸備線を経由していますが、それでも最後に三次~広島を乗ったのは00年で、もう12年も前になります。

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17年前、雪の備後落合に停車中の急行「みよし」。
今見ても、このキハ58はあまりパッとしないご当地カラーですね。
「みよし」は備後落合~木次が普通列車扱いだったので、
種別幕に「急行」表示が出ていないのがちょっと残念。
95.12.30 芸備線 備後落合

今の芸備線には急行などの優等列車は無く、今回乗るのはキハ47二連の三次行き普通列車。座席を確保するため、少し早めにホームの乗車口案内へと並びましたが、案ずることもなく車内は座席が半分埋まる程度の乗車率でした。定時の9時ちょうどに広島を発車。

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芸備線の列車は広島の市街地を抜けると、
大田川に沿って走ります。
しかし車窓から見えるのはずっと堤防の高い土手ばかりで、
川面はほとんど見えません。
別に川萌え趣味はないけれど、なんだかツマラナイ・・・(´-ω-)=3
12.7.31 芸備線 安芸矢口-玖村(車窓から)

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ようやく上深川あたりで車窓からも川景色が見えるようになりました。
でも、この川は先ほどの大田川ではなく支流の三篠川。
ここから見る限りはなかなかの清流です。
芸備線はこの先、三篠川に沿って東へと進路をとります。
12.7.31 芸備線 上深川-狩留家 (車窓から)

広島から30分ほどの狩留家までは広島への通勤圏にあたり、芸備線の中では比較的利用者も列車の本数も多い区間なのですが、狩留家を過ぎると車窓風景はのどかな田園風景となり、車内も閑散としてきました(前回の「ONE-shot」を撮ったのはこの辺です)。一ボックスを独占できる体勢は乗り鉄にとって最高のカタチ。とはいえ、鉄道愛好家としては利用者の少なさを喜ぶべきではないのかもしれませんね・・・(^^;)。このあたりは車窓右手を三篠川が沿って流れ、左手には中国百名山の一つである白木山が見えてきますが、とくに美景というほどのものでもなく、三次までは淡々とした景色が続いている印象。

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登山やハイキングに人気があり、
駅名にもなっている標高889mの白木山。
12.7.31 芸備線 白木山付近(車窓から)

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三次が近づくにつれ、今度は江の川が見えてきました。
江の川は中国山地を越えて日本海へと注ぐ中国地方最大の大河で、
この川沿いには三次と江津を結ぶ、三江線が走っています。
12.7.31 芸備線 志和地-西三次(車窓から)

しばらく沿っていた三篠川が右へ離れ、変わって今度は江の川が左から近づき、田園ばかりだった車窓風景が街並みに変わると、やがて列車は三次に到着。三次は広島県北部に位置する交通の要所で、乗ってきた芸備線のほか、江津(島根)へ北上する三江線、隣駅の塩町から分岐して福山へと南下する福塩線が乗り入れています。先述したように芸備線の列車も三次を境に東西で運転系統が変わるので、先へ進むにはここで乗り換えなくてはなりません。しかし三次以東の芸備線は運転本数がグッと減り、次の乗り継ぎ駅である備後落合まで行くのは一日わずか5本 w(°o°;)w ワオ!。本来ならこの時間帯は6時56分から13時12分まで実に6時間以上も間隔が空いてしまいます(その間に一本、途中の備後庄原止まりがアリ)。でもこの日は10時47分に 【9/30までの金・土・休日と7/20~9/2運転】 という、意味深な注釈付きの臨時列車が設定されていて、ウマくそれを活用することができました。なぜこんな臨時が運転されているのか・・・その理由は後ほど明らかに。

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三次からは単行のキハ120で先へ進みます。
この紫帯の芸備線用キハ120は
ロングとクロスの座席が混在するタイプ。
といっても、クロスは4ボックスしかありませんが・・・。
12.7.31 芸備線 三次

芸備線は三次を出てもしばらくは平地を走り、備後庄原や備後西城の町を抜けてゆきます。しかし終点の備後落合が近づくにつれて次第に上り勾配がキツくなり、列車は深い山のなかへと入ってきました。このあたりは西条川の清流が臨める車窓風景のきれいな区間ですが、崖っぷちをへばりつくように走るため、大雨などによりたびたび不通になってしまう難所でもあります。そんな山あいの細い路盤を慎重に走りきると、左の方から木次線の線路が合流してきて、備後落合に到着。

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深い山あいを縫うように続く、芸備線の線路。
このあたりは徐行区間が多く、
比婆山から備後落合までの一駅間は5.6キロの距離を
16分もかけて走ります。
12.7.31 芸備線 比婆山-備後落合(前方の車窓から)

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広島から芸備線に乗ること三時間、
備後落合にやってきました。
17年前の雪の日に「みよし」を撮ったのと
ほぼ同じ位置から眺めてみます。
12.7.31 芸備線 備後落合

広島0900-(芸備1854D)-三次1041~1047-(8354D)-備後落合1206

芸備線と木次線の分岐駅である備後落合。本来、多方面からの列車が集まってくる乗換駅と言うものは人の往来があって賑やかなはずなのですが、ここはひっそりとした無人駅で人影まばら。聞こえてくるのは鳥のさえずりくらい・・・。それもそのはず、乗換駅と言ってもこの駅を発車する一日の定期列車は、先述したように芸備線の三次方面が5本、逆方向の備中神代(新見)方面は3本、さらにここから島根の宍道へと伸びる木次線も3本しかなく、ここは日本一乗り継ぎ列車の少ない乗換駅と言っても過言ではありません。なおかつ駅自体も周囲に民家の少ない山あいの一画にあり、まさに秘境度は満点です。

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山間に佇む小さな分岐駅、備後落合。
この駅からは二路線三方向へと線路が延びていますが、
どれも本数は少なく、時刻表もちょっと寂しい。。。
12.7.31 芸備線 備後落合

この駅で私は芸備線から木次線へと乗り換えようと思います。とすると、今は12時過ぎですから、次の列車は約二時間半後の14時41分・・・? しかし突如、駅貼りの時刻表には載っていない時刻に列車の接近を知らせる構内踏切が鳴り出しました。それに合わせてホームへ出てみると、なんともひょうきんな顔の列車がゆっくりとこちらへ近づいてきます。

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私が芸備線で備後落合に着いた15分後、
木次線の線路上に現れたのはこんな列車。
12.7.31 芸備線 備後落合

これは土休日や夏休みなどの繁忙期を中心に木次線の木次~備後落合で一往復運転されている、臨時のトロッコ列車「奥出雲おろち号」。窓の無いオープンデッキから木次線の車窓を楽しめる、人気の観光列車です。

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12系を改造したトロッコ列車「奥出雲おろち号」。
トロッコ列車と控車の二両を
専用色のDE15が牽引(もしくは後押し)して運転します。
備後落合駅ではホームからカマが出ていて、
DE15側は撮ることができませんでした・・・。
12.7.31 芸備線 備後落合

そう、ここからはこのトロッコ列車に乗って、木次線の旅を楽しみたいと思います。本来はこういう類いの観光列車よりも、日常的な普通列車の乗車を好む私にしては珍しい選択ですが、実は現在の木次線を走る普通列車は、すべてキハ120のロングシート車。せっかく景色のいい路線なのに、窓を背にして座るロングシートでは魅力が半減してしまいます・・・。そこで今回は普通列車ではなく、景色の見やすいトロッコ列車の方を選んでみたというわけ(「おろち号」も種別上は普通列車ですが、ここでは区別して表現しています)。ちなみに先ほど三次から乗った芸備線の臨時列車は、この「おろち号」の運転日に合わせて増発されたもので、広島などからのアクセスを考慮したタイミングのいい接続ダイヤが組まれていました。

出発準備を整えて乗客を迎え入れた「おろち号」は、入線して来たときとは逆のDE15側を先頭にした「正向き」で、定刻に備後落合を発車。トロッコとはいえ、もともとは旅客用客車の12系ですから、発車時などの衝撃も少なく、乗り心地は上々(^^)。

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木次行きの上り列車では、トロッコ車が最後部になります。
後方の窓から芸備線との分岐点を撮影。
写真の右(進行方向から見ると左)に分かれてゆくのが、
今まで乗ってきた芸備線の広島方向です。
12.7.31 木次線 備後落合-油木(後方の車窓から)

木次線は宍道湖で有名な山陰本線の宍道(島根)から、木次を経て備後落合へと至る全長81.9キロのローカル線で、中国山地を貫く路線の中でもとくに険しいところを走る、西日本随一の山岳路線です。私はこの木次線に過去一度しか乗ったことが無く、今回が15年ぶり二度目。前回は乗り潰し目的で宍道側から備後落合へと普通列車で抜けています。そのとき乗ったのが、ロングシートのキハ120。当時は乗り潰しが第一目的だったので、とりあえず乗れればどんな車両でもいいやと思ったものでしたが、やはりロングシートの列車ではあまり車窓に集中できなかったのか、私の中で木次線の印象は薄く、機会があればまた乗り直したいと思っていました。

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芸備線と別れた木次線は、
すぐに最初のトンネルへとさしかかります。
トンネル内って、何となく涼しいイメージがあったので
期待していると・・・ぐわあぁ━━Σ(゚Д゚;) ア、アツいっ!!
この辺は上り勾配で、DE15の排気煙がモロに後方へ流れてきます。
SL時代の比では無いのでしょうけれど、けっこうツライ・・・。
12.7.31 木次線 備後落合-油木(車窓から)

ところで、この「おろち号」は普通列車ながらも全席指定。旅のルートに迷っていた私が「おろち号」の乗車を決めたのは三日前のことで、平日とはいえ夏休み期間中の観光列車ですから、指定券が取れるかどうか不安でした。ところが窓口氏は「ドコの席がいいですか? 選び放題ですよ・・・」と苦笑い。とりあえず窓側席ならドコでもいいと指定したものの、実際に乗車してみると・・・なんと乗客は私を含めてたったの4人! ( ̄ロ ̄;)マジ!?  「おろち号」は一枚の指定券でトロッコ車と控車、両方の同じ指定番号座席が使用できるため、実質は客車二両で4人の乗客と言うことになります。窓側席が取れないほどの大混雑は困るけれど、観光列車がこの状態というのはちょっと寂しい。やっぱり「おろち号」の発着駅がアクセスの不便な備後落合や木次ってところがネックなのかも・・・。ちなみに一緒に乗り合わせた他のお三方も、ファミリーなどではなく、鉄道趣味系っぽい方々でした(それぞれ一人旅と二人旅)。

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ガラガラのトロッコ車・・・(・ω・`。)サミチィ 。
人がいないのを狙って撮ったわけではなく、終始こんな状態。
この日がたまたまなのか、いつもこうなのかは解りませんが、
利用者不足で廃止にならなきゃいいけれど。
12.7.31 木次線 油木-三井野原(車窓から)

列車は備後落合から続く勾配をゆっくりと上り続け、県境を越えて島根県へ入ると、やがてJR西日本で最も高い標高726メートルの位置にある駅、三井野原に停車。この三井野原と次の出雲坂根の一駅間には6.4キロで167メートルもの標高差があり、サミットを越えて下り勾配にさしかかった列車は山裾に沿って大きく迂回しながら徐々に高度を下げ、三段式スイッチバックを経て、出雲坂根へと到達します。鉄的には木次線でいちばんの見どころとなるこのあたり。ではいつものように(?)、後方の展望窓から順々にスイッチバックなどを眺めてゆくことにしましょう。

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西日本一標高の高い三井野原を出ると、
視界がパッと開けて、眼下に雄大な景色が広がります。
車窓的にはこのあたりが木次線のハイライト。
右に見える赤い橋は国道314号線の三井野大橋です。
12.7.31 木次線 三井野原-出雲坂根

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二度、進行方向を変える三段式スイッチバック。
左の三井野原方面(上段)からやってきた列車は
スノーシェードに囲まれた分岐点で一時停止。

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列車は進行方向を変えて、右の出雲坂根方向(中段)へ。

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三井野原方向への線路が見えなくなると、
今度はさらに下から八川(宍道)方面への線路(下段)が見えてきます。

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やがて前方にスイッチバック形式の出雲坂根駅が見えてきました。
ここでは備後落合行きの普通列車(1447D)と交換します。

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出雲坂根に到着した、トロッコ列車「奥出雲おろち号」。
ここで、ようやくDE15側の先頭車が撮れました~(^▽^)
12.7.31 木次線 出雲坂根

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出雲坂根は駅舎脇に「延命水」と呼ばれる自然水が湧き出ています。
なんだかドラゴンボールあたりに出てきそうな名前の水ですが、
「寿命100年を越えた古狸が愛飲していたことから、
延命水と名付けられた・・・」とのこと。
あ、だから傍らにタヌキの置物があるのね・・・。

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出雲坂根駅で二度目のスイッチバックをした「おろち号」は、
再びDE15先頭の「正向き」に戻って、先へ進みます。
12.7.31 木次線 出雲坂根-八川(車窓から)

時間をかけてゆっくりと勾配を下る「おろち号」から、三井野原の眺望や三段式スイッチバックを存分に堪能できました。やっぱりスイッチバックのある路線って面白いですね~。実はこの出雲坂根のスイッチバックは山の上から一望できる雄大な撮影ポイントがあるらしく、一度は撮影してみたいとは思うものの、運転本数の少ない木次線を列車利用の徒歩鉄で狙うのはかなりキビシいものがあります。撮影に訪れるとしたら、ここばかりはクルマを借りて来ないと難しいかな・・・。

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まるで出雲大社のような社殿造りの木造駅舎がある出雲横田に停車。
一度ゆっくりと下車して、駅舎を眺めてみたいものです。
12.7.31 木次線 出雲横田

スイッチバックというハイライトも過ぎたことだし、今度は控車の12系の方へ座ってみることにしました。オープンデッキのトロッコがウリの「おろち号」ですが、トロッコ車の座席は木のイスなので、長時間座っているとけっこう疲れてきます。いっぽうの控車は、ボックス形に固定されてはいるものの簡易リクライニングシートで、乗り心地は断然こちらの方が良い。しかも同乗の方たちはずっとトロッコ車の方にいるので、控車は私一人の貸切状態です。ここでそろそろお昼をとりたいところ。木次線の名物というと、全国的にも珍しい手打ち蕎麦の駅弁が亀嵩にあり、事前に電話予約をすると列車まで届けてくれます。しかし残念ながらこの日(火曜日)は定休日。乗換駅だった備後落合は山間の無人駅で食料の調達は困難だったし、観光列車と言うわりに、この「おろち号」には車内販売などありません(乗客が4人だからかな・・・?)。こうなると木次線で唯一食料が手に入る駅は、10分ほどの停車時間がある先ほどのスイッチバック駅・出雲坂根のみで、結局そこで買ったオニギリと焼き鳥で昼食を済ますことになってしまいました(飲み物の自販機は車内にあります)。

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控車の12系から眺めた車窓。
出雲三成付近では、奥出雲の船通山を源流に
日本海へと注ぐ、斐伊川が沿って走ります。
12.7.31 木次線 出雲三成-出雲八代(車窓から)

備後落合から走ること二時間。木次線で最長の下久野トンネルを抜けて、斐伊川沿いにしばらく走ると、間もなく「おろち号」の終点・木次に到着。木次は木次線の路線名にもなっている沿線の代表的な町で、現在は市町村合併によって誕生した雲南市の中心部にあたります。

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木次線の中心駅、木次。
駅に程近い斐伊川の堤防には有名な桜並木があり、
春のお花見シーズンには賑わいを見せるのだとか。
12.7.31 木次線 木次

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木次で左の「おろち号」から右のキハ120に乗り換えて、
宍道へと向かいます。
12.7.31 木次線 木次

ここ木次から宍道までの区間は一時間ないし二時間に一本程度の運転頻度となり、決して本数が多いワケではありませんが、さきほどまでの一日に5本とか3本なんてことを考えると、まだ救われているように思います。乗り換えた宍道行きの普通列車は木次線色のキハ120で、やはりロングシート車でした・・・。木次からさらに北上し、加茂中~南宍道で最後の峠を越えると、やがて山陰本線との接続駅・宍道が近づいてきました。これで木次線の乗り鉄旅は終了です。

備後落合1241-(奥出雲おろち号)-木次1455~1509-(木次1460D)-宍道1542

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宍道に到着した木次線。
左の方には木次線の起点を示す0キロポストがあります。
12.7.31 山陰本線 宍道

広島から6時間42分。芸備線・木次線と乗り継ぎ、中国山地を横断して、日本海側までやってきました。どちらも久しぶりに乗った路線ですが、とくに木次線の方は今回が二度目で、乗り潰し目的でシャカリキになっていた頃の前回よりも、余裕を持ってじっくりと車窓を楽しめたように感じます。芸備線と木次線、今回はずっと乗り続けていただけの旅でしたが、次にまた乗りにくる機会があれば、今度はどこかで途中下車してみたいところですね。

・・・続きます。



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ONE-shot 96 車窓 [PICK UP ONE-shot]

PICK UP ONE-shot 96 車窓
 
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耳に入ってくるのは車輪が奏でるジョイント音のみ。
閑散としたローカル線の車内には、まったりとした時間が流れています。
私には新鮮な旅先の景色も、
毎日列車通学をする彼女にとっては日常の風景なんですよね。

12.7.31 ◯◯線 1854D車内にて
  
 
 
書きかけの夏休み旅行記でもちょっと触れていますが、
私にとってお盆は、夏休みを前倒しせねばならぬほど仕事が忙しい時期。
毎日が残業、残業の日々を送っております・・・。
それでもなんとか合間を縫って旅行記の続きを作成し、
半分ほど書き終えた時点でいったん保存しようとしたところ、
こんなときに限ってパソコンが(ソ◯ットさんが...?)エラーを起こし、
すべてが水の泡に・・・ウワァァ-----。゚(゚´Д`゚)゚。-----ン!!!!
 
そこで今回は、旅行記の本編ではまず使われないものの、
何となく気に入っている一枚で、お茶を濁すことにしてしまいました。
旅行記の続きは、しばしお待ち下さい・・・スミマセンm(_ _)m
今回の写真を撮った路線名は、旅行記の続きで明らかにします
(列車番号で解っちゃうかな?)。



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夏休み2012 その3・・・天神川で朝練! EF67撮影記 [鉄道旅行記]

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2012.07.30~08.01
夏休み
03
天神川で朝練! EF67ちょこっと撮影
  

夏の休暇を利用しての鉄道旅、前回からの続きです。
初日はさっそく
今回の遠征目的であるEF67の貨物列車を狙いに、山陽本線の難所・セノハチ(瀬野~八本松)へ。ところが貨物オンチの私は、月曜日の貨物列車は荷が少ないという貨物撮影の基本をすっかり忘れており、狙いのEF67が後押しする貨物列車はどれもスッカラカンの寂しい状態・・・。その後、気持ちを切り替えて広島電鉄で宮島へと行き、名物のあなごめしなどを満喫したものの、やはり荷の少ないEF67のことが心残りとなっていました。

7月31日(火)
そんななかで迎えた二日目の朝。この日は広島からの乗り鉄で、とあるローカル線を目指す予定です。しかしその出発時間は接続などの関係から9時ちょうどとすこしゆったりめ。本来はのんびりとホテルで朝食を済ませてから出ようと思っていましたが、セノハチ撮影の参考資料(RM誌ね)をよく見てみると、朝方の山陽本線は貨物ラッシュ。EF67が後補機に付く上り貨物も短時間に多数運転されています。前日のように列車とバスを乗り継いでセノハチまでいっている余裕は無いけれど、広島近辺ならば9時の出発までに何本かのEF67を撮ることができそうです。そこで、ホテルでの朝食を諦めて朝6時に向かったのは、広島の隣駅・天神川。

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早朝の広島で発車を待つ115系は、
海田市から呉線へと入る糸崎行きの普通列車。
この電車に一駅だけ乗車します。
12.7.31 山陽本線 広島

広島0604-(山陽926M)-天神川0607

天神川は広島貨物ターミナル(広島貨タ)の東側に隣接した駅で、対向式の旅客線ホームが貨物線と広島機関区を挟むように位置しています。ここでEF67が連結される上り貨物を後追いで撮るには、上りホームの下り方(広島寄り)から狙うのがいい感じ。ただし、ホーム上からの撮影となるので、周りにはじゅうぶんな配慮が必要です。まだ時間帯が早くてそれほど利用者の姿は多くないし、この駅に一箇所だけある改札口への階段は私が立つ下り方とは逆のいちばん上り方(海田市寄り)にあるので、あまり過敏になることはありませんが、それでもホーム上の黄色い線からは出ないなど最低限のマナーは守らねばなりません。

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天神川駅の上りホームから眺めた広島機関区の機留線。
EF200やDE10は見えますが、EF67の姿はありませんでした。
12.7.31 山陽本線 天神川

旅客線と貨物線のあいだにある架線柱がうまく抜けるところを見定めて立ち位置を決め、さっそく撮影開始。まずは広島貨タ・6時17分発、天神川・同20分通過の1050レを狙います。雑誌に各駅の細かい時刻が載っているのはホントにありがたい。定時に本務機のEF210が見えてきました。

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EF210-129を先頭に、広島貨タを発車する1050レ。
こちら側はきれいな順光ですが、
架線柱や信号機などがちょっと目障りです・・・。
12.7.31 山陽本線 天神川

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振り返って、メインとなる後補機のEF67を。
103号機がコンテナ満載の貨物を力強く後押しします。

ご覧のようにEF67側の後追いは、ホーム屋根などの影がマンダーラに落ちていて決していい状態とは言えず、露出の調整が難しいところですが、ここは影の部分になるEF67に合わせてみました。コンテナは飛び気味になってしまったものの、朝の斜光を浴びて緩やかなS字をゆく姿はなかなか悪くありません。そして何よりも嬉しいのは、前日の月曜日と違ってこの日はコンテナが満載\(゚▽゚)/!やっぱり貨物列車はこうでなくっちゃ! 昼間は一時間ないし二時間に一本程度の貨物ですが、この朝方の時間帯は次々にやってきます。続いては11分後の1054レ。

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102号機が補機に就く1054レ。
それにしても、100番台の顔ってどうも野暮ったい。。。o(゚^ ゚)ウーン。
更新工事を受けて角型になった尾灯がカッコ悪いんだよね・・・。
補機にとって尾灯の視認性は重要なんだろうけれど。

似たような・・・というか、まったく同じアングルで恐縮ですが、こちらの貨物にもたくさんの荷が載っかっていました(^^)。荷を満載した貨物を二本も撮ればもうじゅうぶんに満足で、こうなってくるとあとは前日に稼動が確認できた0番台の登場を期待してしまいます。この日も運用に就いてくれればいいのだけれど・・・と、思っていた矢先、下りの単機回送で現れたのは、3号機 (゚∀゚)!

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セノハチでの仕事を終えて、広島へ戻ってきた3号機(単573レ)。

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下り方はちょっとゴチャゴチャしていますが、
デッキのある2エンド側が順光で撮れました。
ちょっと解りづらいけれど、
右奥で待機しているEF210は次の5070レです。

この時間に単回で戻ってきたということは、早朝の2082レで一仕事してきたということ。このままの流れで行くと、今度は二本後になる5074レの補機に再び就くようです。貴重な0番台の3号機。前日のセノハチではアウトカーブから正面気味に撮ったので、ここではしっかりと貨物の編成を入れて撮りたいところ。でもその前にもう一本、5070レがやって来るので待ち構えます。ところが、旅客線の列車も同時進入・・・。

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105系で運転された呉線経由三原行きの622Mと、
その脇をすり抜けてゆく5070レ。補機は105号機でした。

ああ、カブった・・・(´Д`;)。実は先ほどから貨物と旅客はかなり際どいタイミングが続いていました。私が天神川へ来るのに乗ってきた呉線の926Mとほぼ同時刻に貨物の2084レが通過し、最初に撮った1050レの通過一分前には山陽線の1520Mが、二本目の1054レは通過の三分後に呉線の620Mがありました。一分はまだしも、三分もあれば余裕で抜けそうなものですが、広島貨タを出発したててで鈍足の長い貨物は通過に一~二分を要するもの。しかも狙いは最後部のEF67だし。そして今回の5070レと呉線622Mは同時進入・・・。4両編成の105系は短いので丸カブりにはなりませんでしたが、8両の115系だとアウトだったかもしれません。ここは山陽線、呉線の列車が発着する本数の多い区間とはいえ、あまりにも時刻が接近しすぎているように感じます (・.・)ナゼダロ...。次はお目当ての3号機が充当される5074レ。今度は旅客列車との間に5分ほどの差があるので余裕かな・・・。

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朝日に照らされて、後補機の仕事に就く3号機。
峠の補機という地味な仕事に従事してきた「もみじ色の直流機」も、
老朽化による置き換えで、いよいよその終焉が近づいてきました。

運用どおりに入ってくれた3号機を無事にゲット! カブりかけた一本前の105号機を見ると、すでに日差しは機関車のあたりまで延びてきていたので、ここは少しだけ立ち位置を変えてサイド全体に日が当たるようにしてみました。コンテナは満載ってほどではないにせよそこそこ載っており、これでも前日に比べればずっとマシな方です。ここで3号機を撮れたことは満足ですが、本音を言えば、このくらいコンテナが載った状態を前日のセノハチでも撮りたかったな・・・(^^;)。3号機の5074レを見送って撮影終了。お手軽な駅撮りではありましたが、一時間で四本もの貨物列車。そのうち一本は3号機という嬉しい収穫が得られた天神川での朝練でした。

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上下線で改札が離れている、ちょっと変わった構造の天神川駅。
こちらは上りホーム側の東口で、黄色い115系が走るガード下に
下りホーム(西口)へと繋がる一般道があります。
(改札内では上下ホームの行き来ができない)。
昔は武蔵野線の新三郷もこんな感じの構造でしたっけ。
12.7.31 山陽本線 天神川

天神川0755-(2529M)-広島0758

  

・・・続きます



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夏休み2012 その2・・・広電宮島線 乗車記 [鉄道旅行記]

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2012.07.30~08.01
夏休み
02
安芸の宮島を目指して・・・
広電宮島線 乗車
  

夏の休暇を利用しての鉄道旅、前回からの続きです。
今旅いちばんの目的だったセノハチのEF67撮影、月曜日で荷が少ないというちょっと寂しい結果ではあったものの、念願のセノハチで何本かのEF67が後押しする貨物列車を撮ることができ、自称「貨物オンチ」の私にしては、まずまずの成果が得られたのではないかと思っています(時刻が載っていた雑誌のおかげだけどね)。当初の予定では一日かけてセノハチをじっくりと撮るつもりでしたが、あまりの暑さと水分不足に耐えかねて予定よりも早めに撤退。そういえば、朝の羽田でサンドウィッチを食べただけなので、だいぶ腹も減ってきました・・・。そこで、EF67を撮影した中野東から山陽線の下り列車で、次に向かったのは広島。

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岩国行きの普通列車に乗車して広島へ。
12.7.30 山陽本線 中野東

中野東1425-(山陽355M)-広島1441

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中国地方一の大都市・広島市の中心駅である広島駅。
山陽新幹線、山陽本線のほか、三次方面への芸備線。
さらに、呉方面の呉線と可部方面の可部線が、
それぞれ山陽本線に乗り入れる形で当駅発着となっています。
12.7.30 山陽本線 広島

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そして広島で忘れてならないのが、この広電こと広島電鉄の存在。
市内中心部を縦横無尽に7路線8系統が運行されている、まさに広島市民の足。
12.7.30 広島電鉄 広島駅

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単車(単行)に連接車、古いのから新しいのまでと、
バラエティに富んだ広電の電車たち。
街中で走る姿を眺めていると、飽きることがありません。
上は元京都市電の1900形(左)とグリーンムーバー5000形、
下は元西鉄の3000形(左)と3900形のすれ違い。
鉄としてはやっぱり古い電車を見るとシビれますね~。
12.7.30 広島電鉄 広島駅付近

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広電自慢の最新型低床式連接車5100形「Green mover max」は、
まるで欧州のトラムみたいなスタイルです。
12.7.30 広島電鉄 広島駅

広島名物と言えば、お好み焼き、カキ(牡蠣)、もみじまんじゅう・・・? でも、このうだるような暑さの中で鉄板を目の前にお好み焼きを食べる気はしないし、カキは秋から冬がシーズン。もみじまんじゅうは、お土産に買うもの。では一体何が食べるべきか・・・。実はもう一つ、鉄的にも忘れてならない名物があるのです。さっそくそれを食べにいくため、乗り込んだのは広電の2系統・宮島線。

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連接車で運転される宮島線。
低床車のグリーンムーバー系を期待していたのですが、
やってきたのは3800形でした・・・。
12.7.30 広島電鉄 広島駅

宮島線は、路面電車(軌道線)としての色合いが濃い広電の中にある唯一の一般鉄道線で、専用軌道(いわゆる路面ではないフツーの線路)が敷かれた広電西広島(己斐)から広電宮島口までが正式な路線区間。ただし運転形態はほとんどが軌道路線の市内線へと直通しており、現在では広島駅から市内線を経て宮島口へと至る2系統を総称して宮島線と呼ぶことが一般的のようです。そんな宮島行きの2系統、まずは広島駅を出ると、道路との併用軌道区間で繁華街の相生通りを走り抜けてゆきます。この先にはかの有名な原爆ドームが車窓左手に見えてくるはずなのですが、私の乗った電車は強い日差しを遮るために左右すべてのカーテンが下ろされていて、車窓風景などまったく見ることができません。途中下車して見学しようかとも考えましたが、躊躇している間に扉は閉まって発車してしまいました。まあ、原爆ドームや平和記念館は過去に何度も見ているので、今回はいいか・・・。

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三年前、出張のついでに訪れた時の原爆ドーム。
広電の原爆ドーム前駅から、すぐのところにあります。
原発問題もあり、今一度「核」について
考えさせられるときですね・・・。

広電西広島から専用軌道の鉄道線へと入り、一気に速度を上げる宮島線の電車。小さな車体を左右に大きく揺らして走るスピード感はハンパではありませんが、実際には所々で並走する山陽線の列車と比べると、まったく勝負になりません (^^;)。五日市、廿日市の住宅街を山陽線に沿ってしばらく走り続け、地御前付近で山陽線と離れると、やがて車窓左手には瀬戸内海が迫ってきます。まだ目的地ではありませんが、天気がいいことだし、ちょっとこの辺で途中下車してみましょう。

広島駅1503-(広電宮島線)-阿品東1607

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瀬戸内の青い海に沿って走る、広電5000形「グリーンムーバー」。
ちょっと電柱がウルサイけれど、ここは広電を海バックで撮れる
貴重なポイントです。
12.7.30 広電宮島線 阿品東

阿品東の駅前にかかる跨線橋からは瀬戸内海と広電が一望できます。広電というと、紙屋町あたりの繁華街や原爆ドームを背景にした写真がよく見られますが、こういう広々としたところで撮る広電もまたいいですね。海には牡蠣筏(かきいかだ)が広がっていて、これも広島らしい景色と言えるかもしれません。牡蠣筏は竹を格子状に組み合わせ、そこに吊るしたホタテの貝殻にカキの幼生を付着させる養殖法だそうで、成長して収穫するまでには2~3年もかかるのだそうな。それにしても、海景色よりもカキの方にばかり目がいってしまうほど、空腹度はMax・・・(´ρ`)ハラヘタヨー。ここでは上下二本づつだけを撮影して先へ進みます。阿品東から再び下り電車に乗って、終点の広電宮島口へ。宮島口が目的地ならば、中野東から乗った岩国行きの山陽線に乗り続けたほうがずっと早く着くことができたのですが、そこはやはり鉄として広電の方を楽しみたかったのです。ちなみに広島(駅)~宮島口の所要時間は山陽線で約30分、広電宮島線だと倍の一時間ちょっとかかります。

阿品東1634-(宮島線)-広電宮島口1639

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二面三線もある広い広電宮島口駅ですが、
平日の夕方はガランとしていました。
私が乗ってきた3900形だけが折り返しを待っています。
12.7.30 広電宮島線 広電宮島口

日本三景の一つ宮島への入り口に当たる宮島口。ここまで来るとカンのいい方ならもうおわかりでしょう。そう、私が目指していたのは、広島名物・・・というよりも、宮島口名物の「あなごめし」。宮島へのフェリーのりばを横目に、さっそくあなごめしの名店「うえの」さんの暖簾をくぐります。このうえのは、1897年(明治30年)の山陽線宮島口駅開業時から駅弁としてあなごめしを売り続けた老舗として、鉄的にも名の知れたお店。ならば本来はその名物駅弁を買って列車内で食べるべきなのですが、今回は焼きたての穴子をじっくりと味わいたかったので、ゆっくりとくつろげる店内でいただくことにしました。

2007.jpg

まずは「あなごの白焼き」で一杯。
山椒やワサビをちょこっとだけつけて、
穴子本来の旨味を味わいます。
これはのんべえにはたまらない一品・・・
.:。+(′▽`*)シヤワセ...+。:.゚。
駅弁もウマいんだけど、ここへ来るとどうしても
この白焼きが食べたくなってしまいます。
☆☆☆☆☆

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続いては名物の「あなごめし」。
タレに付けて香ばしく焼かれた穴子が
どんぶりにまんべんなく乗っかっています。
あなごめしのサイズは大・中・小とありますが、
先に白焼きを食べたこともあって、小を選択。
それでもボリュームは満点でした。
個人的に鰻は関東風の蒸して焼く方が好きですが、
穴子は関西風の焼きのみの方が歯ごたえがあって好みかも。
☆☆☆☆☆

白焼き、あなごめしと、穴子料理を存分に堪能。白焼きには冷酒が合うとお店の方には勧められたものの、外の暑さに負け、のどごしの爽快感を優先してビールにしてしまいました。やはりツウなら冷酒で白焼きを味わうものなのかもしれませんね・・・(^^;)。白焼き1050円、あなごめし(小)1260円、ビール二本1050円の合計3360円。豪勢な食事に見えるけれど、飲みとしてはそれほどお高くありませんでした。

じっくりと時間をかけて味わったつもりでも、食事に費やしたのは正味一時間ほどで、お店を出ると外はまだ全然明るい。時刻は5時半。お店が空いている時間を狙ったとはいえ、ちと早すぎたかな・・・。このあとは先ほど乗った広電か、山陽線で宿泊先である広島へ戻ることくらいしか考えていなかったのですが、せっかくここまで来たのならば、宮島行きの宮島航路(フェリー)へと乗ってみることにしました。といっても、宮島観光や厳島神社へと行くのではなく、酔い覚ましにちょっと海上を往復するだけ。このゆるさが一人旅のいいところだったりします (^^)。

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JR西日本系列が運行する宮島航路のりば。
山陽線宮島口駅から徒歩5分程度のところにあり、
先ほどのあなごめし・うえのは、そのほぼ中間に位置します。
12.7.30 宮島航路 宮島口

時刻も調べずに、ふらふら~っと桟橋へ向かうと、銅鑼・・・ではなく、鉄道駅のような発車ベルが鳴り響いており、窓口の係員に「乗られますか?急いでください!」とせかされます エッo(゚д゚o≡o゚д゚)oエッ  。船は15分間隔で出ているので次の便でもよかったのですが、わざわざ待ってくれているようなので、とりあえず切符も買わずに飛び乗ってしまいました(本来は当然、切符(乗船券)を買ってから乗るものですが、このように時間のないときや、また、ICOCAなどのIC乗車券を使用する場合は下船時に清算するようです)。

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乗船したのは「みせん丸」。
「みせん」とはなんぞや?と思ってスマホでちょいと調べたみたら、
弥山(みせん)という宮島にある山が由来になっているとのこと。
乗船時は慌てていたので、これは下船時に撮ったものです。
12.7.30 宮島航路 宮島

宮島口と宮島(厳島)を結ぶこの宮島航路は、88年の青函連絡船・宇高連絡船の廃止以降、唯一残されたJRの鉄道連絡船で、JR西日本の子会社であるJR西日本宮島フェリーが運営する現在でも、JR線の一路線として扱われています。ただし宮島に鉄道路線が存在するわけではないので、実際には宮島への観光船といった要素が強く、下りの航行ルートでは厳島神社の大鳥居を間近に見られるといったサービス(大鳥居便というらしい)まであり、並行する同業船(宮島松大汽船、こちらは広電グループ)に対抗しています。しかし私の乗った17時半の便はもうその大鳥居便が終わっていいて、遠目からしか大鳥居を見ることはできませんでした・・・(大鳥居便は16時10分発まで)。

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サービスルートの大鳥居便ではない
直通ルートの船上からみた厳島神社の大鳥居はこんな感じ。
ちょっと小さいけれど、コレはコレでいい眺めです。
海上に浮かぶ大鳥居は、まさにEF67と同じ「もみじ色」(^^)
12.7.30 宮島航路 宮島口-宮島(船上から)

宮島口1740-(宮島航路145)-宮島1750

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宮島航路の宮島駅(宮島桟橋)。
鉄道連絡船の駅らしく、自動券売機や窓口で
JRへの連絡乗車券を購入することができます。
12.7.30 宮島航路 宮島

夕方の心地よい潮風を受けながら、10分ほどの船旅で宮島着。ここで一旦下船して改札を抜けるも、そのまますぐに折り返しの船に乗って宮島口へと戻ります。すでに厳島神社の参拝時間は終わっているし、今回は単に船旅を楽しみたかっただけなのでこれでじゅうぶん。往復340円、20分ほどのクルージングでした。宮島口から今度は山陽線の方に乗車して広島へ。

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宮島航路への連絡駅、山陽本線宮島口駅。
かつては寝台特急「あさかぜ」なども停車していましたが、
現在この区間の山陽線に優等列車は走っておらず、
宮島口に停車するのも普通列車と通勤用の快速のみ。
12.7.30 山陽本線 宮島口

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宮島口に入ってきた広島方面行き上り列車は、
おなじみの115系でした。
12.7.30 山陽本線 宮島口

宮島1755-(宮島航路48)-宮島口1805~1811-(山陽574M)-広島1838

セノハチのEF67と宮島・・・いや、「あなごめし」を堪能した初日が終了。炎天下でのセノハチ撮影に力を使い切ってしまい、午後はなんともゆるゆるな行程となってしまいましたが、撮影だけでなくご当地の美味しいモノを食すのも、旅の醍醐味ですよね (^^)。


・・・続きます



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夏休み2012 その1・・・セノハチのEF67 撮影記 [鉄道旅行記]

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2012.07.30~08.01
夏休み
01
山陽本線 セノハチのEF67 撮影
  

暑中お見舞い申し上げます
ホントにうだるような暑い日が続きますね ε-(´o`;A 。
先週前半、ちょっと早めの夏休みを取りました。私はお盆の時期に休むことができない仕事上の理由から、毎年このタイミングでの夏休み取得となるわけですが、むしろ帰省ラッシュなどで混雑するお盆よりもこの時期はどこも空いていて、旅行へ行くには悪くないタイミングだと思います(お盆の臨時列車は撮りづらいけれど・・・)。そんな夏休みを利用しての鉄道旅、今年はどこへ行こうかな・・・と模索していた矢先、ネット上にJR貨物から「新型機関車の製作について」と題されたニュースリリース(PDF注意)が発表されました。その内容を要約すると「山陽線・瀬野~八本松間の上り勾配を後押しする補助機関車と、北海道新幹線函館開業以降の青函トンネル共用走行に対応した機関車の製作を進めています」といったもの。ここで私が気になったのは、前者の瀬野~八本松に投入されるという補助機関車(補機)の方。

広島県の大山峠越えとなる山陽本線・瀬野~八本松は通称「セノハチ」とも呼ばれ、とくに上り線は最大22.6‰の急勾配が連続する難所。ここを越える長編成の貨物列車は前方で牽引する機関車(本務機)に加えて、後方から後押しする補機を連結しなくてはなりません。現在その補機として活躍しているのが、広島機関区に所属していて、ここでしか見られないという「ご当地機関車」のEF67。しかしこのEF67は元々、EF60・EF65などからの改造によって生まれた機関車で、種車時代の新製からはすでに40年越え。そこで今回、JR貨物主力機関車のひとつであるEF210に押し上げ補機機能を追加した新番台区分(300番台)によって、EF67は置き換えられることに。

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JR貨物のリリースで製作が発表されたEF210-301。
既存のEF210を踏襲したスタイルですが、側面には黄色い帯が入っています。
ちょっと北斗星色のEF510っぽい感じです

(JR貨物リリースより)

峠の補機って響きは、鉄にとって特に魅力を感じるキーワード。SL時代は知らない私ですが、それでもかつて信越本線・横川~軽井沢の碓氷峠で活躍したEF63や、奥羽線・板谷峠のED78・EF71など、その補機という縁の下の力持ちが醸し出すオーラに魅了されてきました。ところがこのセノハチはというと、何度もこの区間に乗車して車窓からEF67の姿を見ているのに、しっかりと撮影したことはありませんでした。それはなかなか撮影にいけない広島という距離の遠さもあるけれど、最大の理由は碓氷や板谷と違って、セノハチで補機が連結されるのが貨物限定だということ。ご存知、貨物オンチの私。旅客列車のように一般の時刻表を見て、旅行ついでにひょいっと手軽に撮ることが難しかったのです。しかしこのままでは一度も撮れないままにEF67は置き換えられて終焉を迎えてしまう・・・。相変わらず貨物の通過時刻などはまったく解らないけれど、ここは現地に行けば何とかなるだろうとの軽い考えで夏休みの広島行きを決意し、飛行機の早割りを予約してしまいました。その後、旅に必要なポケット時刻表を手に入れようと書店に立ち寄ると、なんと最新の鉄道雑誌がセノハチのプチ特集を組んでいて、おおまかな貨物の時刻が掲載されているではありませんか! 雑誌に煽られた典型的な「葬式鉄」のような後ろめたさはあるけれど、助かるのは事実で、この雑誌を即買い(^^;)。RM誌を買うなんて10年ぶりくらいか・・・。

そんなわけで前置きが長くなりましたが、今年の夏休みはセノハチでの撮影をメインに、広島方面へと行くことにしました。貨物オンチの貨物撮影、果たしてどうなることやら・・・ ||q*´□`;)。o○(不安だ...) 。もちろんせっかくなのでセノハチのみならず、撮り、乗り、そして飲み(?)なども存分に楽しんで来ようと思います。それにしてもここ数年、暑いのにも関わらず、夏休みは西へ行くことが多い気がするなぁ・・・(一昨年が四国、昨年は奈良・福知山)。

 

7月30日(月)

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今回はANA便で羽田から広島へ。
ANAの広島便というと最新機種のB787が就航していますが、
今回私が乗った朝イチの便は違う機種でした。

これはB767・・・かな?
12.7.30 羽田空港

前週の週末をくっつければ土曜日から旅行へ出ることもできたのですが、ここはあえて週明けの月曜日に出発。というのも、土日には運休が多いといわれる貨物列車を撮るには平日の方がいいと、私なりに考えたのです。さらに飛行機も週末より平日の方がオトク。私が乗ったこの朝イチの羽田~広島便は早割りで14,170円と、これはANA正規運賃(33,170円)の半額以下で、新幹線「のぞみ」(17,540円)よりも安い

平日のため観光客よりもビジネスマンが目立つ機内は7割程度の搭乗率で、私の隣は空席でした。順調に飛行を続け、羽田から1時間20分ほどで広島空港に定時着。

東京・羽田0650-(NH671)-広島0810

広島空港は広島市中心部から東へ50キロ以上も離れた三原市の山の中にあり、広島市内まではリムジンバスで約一時間と、決して交通の便がいい空港ではありません。しかしここは山陽本線の白市駅に程近く、路線バスでわずか15分ほどの距離。私が目指すセノハチへ行くには広島市内へ出るよりも白市から山陽線に乗っていく方が早く到達できるので、広島行きリムジンバスではなく白市行き路線バスの方を選択。地方空港って意外な駅が最寄だったりするものですよね。

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広島空港のターミナルビルで出発を待つ白市方面行きの芸陽バス。
ステップの付いた高床式のボロいバスですた。(´皿`)
12.7.30 広島空港

広島空港0822-(芸陽バス)-白市駅0836

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山陽線の白市駅。今回はここから鉄道旅が始まります。
この日は移動距離が少ないので、普通乗車券で入場。
12.7.30 山陽本線 白市

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下り方から当駅折り返しの始発列車が入ってきました。
広島色と黄色一色の併結による8連の115系です。
現在115系をはじめとしたこのあたりの近郊型電車は、
コスト削減による単色化で、黄色への塗り替えが進行中。
12.7.30 山陽本線 白市

白市で山陽線の広島行き下り列車に乗り継ぎ、さっそくセノハチの東側にある八本松へと向かいます。ところで、セノハチの急勾配区間は文字通り瀬野~八本松の一駅間だけですが、補機のEF67が連結されるのは機関車の連結・切り離し作業などの都合上、広島駅近くの広島貨物ターミナルからセノハチを越えた西条まで30.2キロの間になります。そこで、切り離しが行われる西条の構内にEF67が一機くらいいないかな・・・などと、注意深く車窓から構内を眺めるも、その姿はありませんでした。まだ、おあずけよって感じか・・・(・_・*)ゞポリポリ。しかし例の雑誌の時刻表によると、八本松では今乗っている普通列車を降りた約20分後に一本、EF67が連結された上りの貨物列車がやってくるらしい。撮影地へ行く前にまずは八本松駅でこの列車を迎え撃ちたいと思います。

白市0849-(山陽1539M)-八本松0904

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待つことしばし・・・
しばらくするとEF200-16牽引の貨物列車(2070レ)

八本松に現れました。
12.7.30 山陽本線 八本松

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すぐに後ろを振り返って、
最後部に補機として連結されているEF67を狙います。
初撮影のEF67は、EF65から改造された100番台の102号機でした。
12.7.30 山陽本線 八本松(後追い)

おお、ホントに時刻どおり貨物列車が来た(゚∀゚)! 時刻表に載っているのだから当たり前なのですが、普段は貨物時刻表などを見ずに行き当たりばったりで貨物を撮っている私からしてみたら、ちょっと新鮮な気分でした。そしてお目当てのEF67を初撮影。駅撮りだからか、かつてのEF63やEF71のような力強さはあまり感じられなかったけれど、もみじ色の機関車が後押しする姿は面白くていいですね。ちなみにEF67は直流機で、本来は青色塗装が国鉄時代からの規定標準色なのですが、運転区間がセノハチに限られているなどの理由により、広島県のご当地カラーである「もみじ色」が特別に採用されています。できれば後継機となるEF210-300にもこのもみじ色を採用してほしかったところですが、EF210-300はセノハチでの補機以外に本務機としての運用も想定しているそうなので、規定外の色は難しかったのかな・・・?

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山陽本線の駅で最も標高が高い八本松駅(海抜255メートル)。
ちょっと変わった簡易橋上方式の駅舎です。
12.7.30 山陽本線 八本松

駅ホームでの撮影を終え、今度はいよいよセノハチの醍醐味である峠越え区間の撮影地へと行こうと思います。しかし目指す撮影地までは片道約3キロ・・・歩けなくはないけれど、夏場にはかなりキツい道のりで、考えただけでもクラクラしちゃいます ~((+o+;;)))~。でもご安心あれ、実はそんな徒歩鉄の強い味方となってくれる「路線バス」が、ここには走っているのです。八本松駅から撮影地付近を通って、瀬野駅、さらには広島バスセンターまでを結ぶ芸陽バス。一~二時間に一本程度と決して本数は多くありませんが、出発前にあらかじめ芸陽バスのHPで時刻を調べておきました。すると上の2070レが通過したわずか5分後に、ちょうど広島BC行きのバスがあるではないですか。なんともいいタイミング! d(・∀・)グッジョブ!!

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時刻どおり八本松駅南口のロータリーに入ってきた広島BC行き。
空港から乗ったのと同じ芸陽バスですが

こちらはノンステップの新しいバス。
12.7.30 芸陽バス 八本松(南口)

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一応、徒歩鉄の参考までに八本松駅のバス時刻表とルートを載せておきます。
便利なのは広島方面行きで、四角い路線図の上辺を直通で走りますが、
バス好きならばぐるりと回る志和循環便に乗るのも面白いかも?

八本松0930-(芸陽バス)-志和南口0934

徒歩だと30分くらいかかりそうな距離をバスは5分ほどで快適に走り抜け、撮影地最寄りの志和南口停留所に到着。ホントに助かる存在の路線バスですが、乗客が私ひとりだったのがちょっと気がかりです・・・。降りた志和南口停留所から八本松方向へ少し戻り、バスが通ってきた国道が山陽線をオーバークロスするあたりが目的の撮影地。国道の陸橋上から俯瞰でセノハチを行く列車を狙います。とりあえずカメラを取り出してアングルを模索していると、まず初めに見えてきたのは下り線を行く単機のEF67。

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軽やかに単機でセノハチを下るEF67 102(単589レ)。
12.7.30 山陽本線 八本松-瀬野

これは先ほど八本松で撮った2070レの補機に使われていたEF67 102の返却回送。ここセノハチで補機が付くのは上りの貨物列車のみで、後押しという役目を終えたEF67は、下りを単機で広島へと戻ります。素人考えというか、趣味的な妄想だと、返却は下り貨物の前補機として連結すれば効率がよさそうだし、絵的にもカッコいいのに・・・なんて、つい思ってしまいますが、現実には連結作業などの手間を考えると単機で返した方がずっと効率がいいのでしょうね。そんなことからEF67の活躍を狙うとすると、必然的に上り列車の後追いがメインということになります。

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下りの貨物列車に補機は連結されません。
豪快にS字を描くのは、EF210-140牽引の貨物列車。
参考にしたRM誌にはEF67の運用しか載っておらず、
下りの貨物列車は列番がさっぱり解りません・・・(^^;)

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ここを走る旅客列車は基本的に115系の普通(快速)列車ばかり。
でも塗装や細部など変化に富んだ車両が多くて、

けっこう楽しませてくれます。
この瀬戸内色の編成は、最後部のみ分散式クーラー搭載という変り種。
黄色化される前に撮れてちょっとラッキーかも(^^)
12.7.30 山陽本線 八本松-瀬野(後追い)

この陸橋下はトンネルになっているので、反対側から来る上り列車は目視で確認できませんが、少し離れたところに踏切があり、列車の接近を容易に知ることができます。雑誌に記されていた瀬野の通過時刻から約10分後、やがて列車の通過を知らせる踏切が鳴り出しました。セノハチの撮影地で迎える一本目の上り貨物、1056レです。天気は晴れたり曇ったりを繰り返していましたが、通過直前に雲が抜けました。曇りより晴れの方が嬉しいけれど、この時間は顔に光が当たりません・・・。

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まずは本務機のEF210-157が眼下を通過。
次位のコキが空なので、後追いでもカマの顔が見えました。
12.7.30 山陽本線 八本松-瀬野(後追い)

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あ、あれ?
次位のみならず、続くコキも空、カラ、KARA・・・∑(゚□゚;)。
これじゃまさにフレートライナーならぬフレームライナー・・・。

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かろうじて後ろから二・三両目には申し訳なさ程度に荷がありました。
補機に付いたのは103号機(1056レ)。

う~ん、見事なまでに空コキのオンパレード・・・orz。これじゃあ補機なんていらないんじゃないかと思わせるくらいの軽っちい編成です(どんな編成でも、運用上必ず補機が付くものなんだろうけれど)。週末は貨物の運休が多いと先述しましたが、休み明けの月曜は運転されても荷が少ないものなのですね。これは貨物撮影の常識ともいえることで、完全に私の貨物オンチによる浅はかさが出てしまった結果。せっかくの雄大な撮影地なのに、なんとも迫力に欠ける寂しい絵となってしまいました・・・(´・ω・`) ショボン。それでも念願のセノハチでEF67を撮れたのだから、満足・・・か?

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大山峠を単機で下ってきた103号機(単591レ)。
もみじ色の機体が山々の深い緑に映えます。
12.7.30 山陽本線 八本松-瀬野

次の上り貨物は40分後の1076レ。実はこの列車こそが休日運休で、これが撮れないとこの間が二時間待ちとなってしまうために週末を避けて月曜に来たのですが、これもあまり荷の積載は期待できないかな・・・? せめて補機のEF67に初期型(EF60改造)の0番台が入ってくれればまだ救われるのだけれど、果たしてどうでしょうか。

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22.6‰の峠越え。
先頭の本務機が見えないほどの長大な貨物列車を
後ろから支えるのは、セノハチの主・EF67。

1076レの補機に就いたのも100番台の104号機でした。車齢が高いため、現在では活躍が減りつつあるという三機の0番台。すでに1・2号機は運用を離脱したとのウワサもあり、もう0番台を撮るのは難しいのかもしれません。そして荷の方も先ほどの1056レよりはマシですが、やはり少なめ。もうこうなったら荷の少なさは諦めて、今度の上り貨物5098レは俯瞰からの編成重視ではなく、陸橋を降りた線路端からEF67の迫力重視で撮ってみることにしました。

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陸橋下の線路端ポイントからは下り列車もきれいに撮ることができます。
踏切が鳴ったのでカメラを構えてみると、
広島カープを応援する、真っ赤な「カープ電車」が走ってきました!
野球には疎い私ですが、この電車が撮れたのはなんだか嬉しい (^^)。
12.7.30 山陽本線 八本松-瀬野

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続いてやってきたEF210-118牽引の貨物列車。
これもスッカラカンのフレームライナーで、
一瞬、単機かと思ったよ・・・(´Д`;)。

それにしても、容赦なく照りつける日差しがキツい。まさに猛暑、いや酷暑・・・。実はこの撮影地へ来るのに、タイミングよくバスが来たこともあって、私は水分をまったく持ってこなかったのです。降りたバス停や撮影地近辺には商店はおろか自販機すら一台も見当たらず、撮影開始から三時間が経って、かなり辛い状況になってきました。このままでは脱水症状を起こして熱中症になりかねません。次の5098レでラストにするかな・・・。しかしそうすると、私にはもうひとつ気になることがありました。それはこの5098レと、次に来るバスの時刻が近接していて、余裕がまったくないのです。雑誌によると5098レの通過時刻は瀬野13時14分、八本松13時28分で、この撮影地は13時22~23分頃といったところ。かたやバスの方はといえば、最寄の志和南口の時刻で八本松方面が13時24分、瀬野方面が13時25分・・・。撮影地からバス停までは徒歩で三分程度ですが、かなりタイトです。決して本数の多くないバスなのに、なぜよりによって上下ともこのタイミングなのでしょう。かといって撮影を諦めて、バス停で5098レを見る鉄というのも、切なすぎます。おそらく5098レが定時通過なら、撮影後に走れば間に合うハズ・・・際どい賭けに出ることにしました。

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上り列車はレンズを長めに換えて後追いをタテ位置で。
5098レの前走りだった黄色い115系(352M)に
大河ドラマ
「清盛」のマークが掲げられていました。
12.7.30 山陽本線 八本松-瀬野(後追い)

5098レの通過時刻が迫り、上り列車の後追い狙いにシフト。ためしに撮ってみた115系もなかなかいい感じです。あとは5098レを待つだけ・・・。13時21分、瀬野方面行きのバスが八本松駅を発車する頃、ようやく上りの信号が青に変わります。直後に踏切も鳴り、下り方のトンネル内から甲高い機関車のブロア音が響いてきました。

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古めかしい石積みの川上西トンネルから姿を現した、
5098レの本務機、EF210-172

通過時刻は13時23分

12.7.30 山陽本線 瀬野-八本松

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後補機のEF67は、嬉しい0番台の3号機が務めていました!
力強く貨物列車を後押ししてゆきます。
12.7.30 山陽本線 八本松-瀬野(後追い)

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私の持っている望遠レンズ(300+1.4X)では
背景にあるバイパス道の橋桁をかわしきれませんでした。
ホントはこのくらいの画角だとスッキリするし、
機関車のインサイドもチラッと見えるのですが、
最低でも500ミリは必要みたい・・・。
(トリミング済み)

なんとここにきて、0番台の3号機に出会えました~\(≧∇≦)/。やっぱりこれぞEF67。もう0番台は運用には就いていないものだと思っていただけにここでの3号機登場は本当に嬉しいサプライズ。コレがもしバス停で見る鉄なんてことになっていたら、泣くに泣けないところでした・・・って、バス!!(゚o゚;) ハッ  余韻に浸っている暇など無いじゃありませんか! 望遠レンズをつけたままカメラをバッグに突っ込み、バス停までダ~ッシュ!これぞひとり五輪!? ε=ε=ε=┏(;;;゚ロ゚)┛ハァハァ  しかし国道へ出る前に、一分だけ先発する八本松方面のバスは走り去ってゆくのが見えました。やはりコッチには間に合わなかったか・・・。では、後発の瀬野方面は? 炎天下の中で全力疾走したものの、バス停に着いたのは定時通過の一分後。バスの姿は見えなかったけれど、もう行っちゃったのか? バスってちょっとくらい遅れてくるもんじゃないのかなぁ・・・。もしこれを逃したとなると、次は一時間半後のバスまで待つか、八本松駅まで30分歩くことに・・・(;´・Д・`)。水分補給ができていない今の私にはそのどちらもキツく、本当に熱中症になってしまいます。祈るような気持ちで待ち続けると・・・定時から5分ほどが過ぎた頃、陽炎の向こうにバスが見えてきました!バスキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! よかった~、やっぱりまだ行っていなかったんだ・・・ ・゚・(つ∀`)・゚・。。

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炎天下の中、まさに天の助け!
ちょっと遅れてやってきた、瀬野駅経由広島BC行きの芸陽バス。
12.7.30 芸陽バス 志和南口

冷房の効いた車内でホッと一息。バスは山陽本線に沿った国道を走り、山深いセノハチの峠を瀬野へ向けて下ってゆきます。さて閑話休題。先ほどようやく撮ることができたEF67の0番台、できれば撮影したのとは逆側にあたる貨物連結面の2エンド側の顔が見てみたいところ。というのも、0番台は前後で異なる顔をしており、2エンド側には小さいながらもデッキが備え付けられているのです(100番台は省略)。デッキといえば旧型電気機関車の象徴のようなもので、有名なところではEF57やEF15、そしてこのセノハチでも先代のEF59(EF53や56からの改造)にも前方に張り出した立派なデッキが備わっていました。EF67のデッキはそれらに比べるとこじんまりしていて、デッキというよりもステップに近いものがありますが、それでもおそらく国鉄・JR電機として最後のデッキ付きであることは間違いなく、このEF67が置き換えられると事実上JRからデッキ付き電機は消滅することになります。そんな貴重なお顔を拝見できるのが、下りの単機回送。5098レでの仕事を終えた3号機が広島へ戻るところを瀬野駅あたりで狙ってみたいと思います。おっとその前に水分補給・・・瀬野に着くや否や、すぐに自販機でスポーツドリンクを購入。今の時期、炎天下の撮影では絶対に水分を忘れてはいけませんね (`・ω・´) 。

志和南口1325-(芸陽バス)-瀬野駅1339

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セノハチの西側にあたる瀬野駅。
北口からはモノレールとロープウェイを組み合わせたような
新交通システム「スカイレールサービス」が伸びています。
駅コンコースの窓からちょっと眺めてみましたが
残念ながら待ち時間内に車両は見られませんでした。
12.7.30 山陽本線 瀬野

今度の狙いは単機だし、外はあまりに暑いので、お手軽に駅のホームからの撮影に妥協しちゃいます。ところが瀬野駅は二面二線構造で、下りの単回が通るのはいちばん外側の1番線。ちょっと撮影には不向きです。これならば暑いのをガマンして、駅近くの踏切から狙えばよかったかと思うも、すでに切符を買って改札内に入ってしまいました。そこで、すぐにやってきた普通列車に乗って隣駅の中野東へ。ここは単純な対向式ホームなので、無難に撮ることができます。

瀬野1357-(353M)-中野東1400

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中野東駅を通過する単機回送のEF67 3(単595レ)。
元々は1964年製のEF60 88で、86年にEF67へ改造。
EF60というと、今も現役の19号機のような一灯ライトが思い浮かびますが、
後期形は二灯で、EF65のような顔立ちでした。
この1エンド側は塗装以外、種車の面影を残していると言えるかもしれません。
12.7.30 山陽本線 中野東

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そしてこちらがデッキの備わった2エンド側。
中央には貫通扉もあり、物々しいスタイルとなっています。
セノハチ名物だった走行中の補機解放に対応するため
連結器の解錠用テコにシリンダを装備しているのも0番台の特徴

EF63などもそうだけど、この連結面の方がごちゃごちゃっとして
いて、
カッチョイイんだよね。
12.7.30 山陽本線 中野東(後追い)

あらためて単機を撮るって、なかなか難しいものですね。どうしても左右どちらかがスカっちゃいます・・・。それでも0番台両側の顔が記録できたので満足です。これでセノハチのEF67撮影は終了。月曜日で荷が少ないという結果はちょっと残念でしたが、置き換え前に雄大なセノハチの撮影地でEF67を記録できただけでも、来てよかったと思います。なんとか貴重な0番台も撮影できたことだし・・・(^^)


さて、セノハチを後にして次に向かったのは・・・?
・・・続きます。



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