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ONE-shot 95 奇跡の離合!! [PICK UP ONE-shot]

PICK UP ONE-shot 95 奇跡の離合!!
 
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狙いは上り線を走ってくる485系の「ムーンライトえちご」。しかし直前になってその視界を下り列車が遮ります。「やられた~!カブられた・・・orz」。 手前の列車が10連、15連の普通列車ならば完全にアウトのタイミング。ところが驚いたことに、やってきた下り列車は6連の183系。集中を切らさずにファインダーを覗き続けると、やがて再び視界は開け、そこには本線上ですれ違う国鉄形特急同士の共演が繰り広げられていました。信じられない一瞬の出来事。

そもそも偶然に偶然が重なったような不思議な日でした。
まずは早朝。熱帯夜であまりの暑さに目を覚まし、時計の時刻を見ると午前5時前。そういえばこの日はロンドン五輪の開会日で、たしか開会式が日本時刻の早朝だったような・・・おぼろげにテレビのチャンネルをN〇Kに合わせます。すると、華やかなセレモニーの端に「群馬県北部に大雨洪水警報」のテロップが流れていました。群馬県北部というと上越国境あたり。これは上越線を通る夜行列車に遅れが出ているかもしれないと、スマホでJRの運行状況を確認すると、案の定、夜行快速の「ムーンライトえちご」と寝台特急「あけぼの」に遅れが出ている模様。さらに続けて趣味系の目撃掲示板を見てみると、なんと5時の時点でまだ両列車とも上りは越後湯沢で抑止中とのこと。災害を引き起こしかねない大雨という状況や、抑止中の列車に長時間も閉じ込められている乗客の方のことを思うと不謹慎かもしれませんが、これは両列車を撮る絶好のチャンスです。とくに「えちご」の方は新宿5時09分が定時着で、通常ならウチからだと初発列車に乗っても新宿入線くらいしか撮れません。それがこの遅れによって、明るい時間帯に沿線での走行写真が撮れるかもしれない・・・。そう思うと、もう居ても立ってもいられなくなりました。顔も洗わず、寝癖のついた頭を隠すためにボールキャップをかぶり、大慌てでカメラバックを抱えて駅へと向かいます ε=ε=ε=┏(;゚Д゚)┛。
問題はどこで撮るべきか・・・。新宿行きで貨物線(湘南新宿ライン)を通る「えちご」と、本線(東北線)で上野へ向かう「あけぼの」、できればその両方をスッキリと撮りたい。そう考えると本線と貨物線が分岐する大宮より北の高崎線区間がいい。しかし先々週に訪れた「オカポン」まで行くのはリスクがありすぎる。万が一途中ですれ違っちゃったり、撮影地へ向かって歩いている間に通過してしまっては、元も子もありません。そこで私が降りたのは高崎線に入って最初の駅・宮原。ここは駅近くに線路端から編成写真を撮ることができるお手軽ポイントがあり、今の時期は定時でも「あけぼの」などが撮りやすくて、人気のある撮影地です。しかし意外にも先客はゼロ。大幅遅延の情報で、もう撤収しちゃったのかな・・・? いつ来るかわからない遅延列車を待ち続ける・・・まるでこの前の「やまばと」を思い起こさせる状況ですが、今回は大きく天気が崩れるようなことはなさそうださし(暑いけれど・・・)、なによりもありがたいのは、乗客と思われる方が逐一、列車の位置を掲示板にアップしていてくれたこと。その情報によると「えちご」は7時過ぎに高崎を出たらしい。そうすると宮原通過は8時半前くらいか。のんびりと211系や貨物列車などを撮りつつ、通過するその時を待ち続けます。撮影地に着いてから一時間半ほどの時間が流れ、そろそろ来るかな・・・と思われた頃、少し離れた位置にひとりの同業者が現れました。しかしその方は私とは逆の下り線を狙っています。下りにも何か来るのか?と思いつつも、私は上り線に集中。やがて踏切が鳴り、遠くに普段は見られない高い日の光を浴びた「えちご」の姿が見えてきました。手持ちカメラのファインダーからは目を離さず集中していると、不意に背後から轟音と共に下り列車が・・・Σ(゚д゚;)ナヌ!?  ああ、カブられた・・・いや、抜けた! な、並んだ~!! ・・・通過直後は「やったー嬉しい!」というよりも、ボー然・・・(*゚o゚*)~゚ 。え?いったい何が起こったの??って感じでした。
  
右は実に4時間遅れの485系(K2)「ムーンライトえちご」。かたや左の183系(OM101)はというと、私的にはまったくのノーマークでしたが通過後に雑誌で調べてみると、この列車は大船発横川行きという変わった設定の臨時快速「みなと碓氷」号で、こちらは定時通過(宮原8時27分)。下り向きで構えていた同業者の方はコレ狙いだったのですね。それにしても貴重な国鉄色の国鉄形特急同士の離合。これが駅での停車などではなく本線上の走行中に撮ることができるなんて・・・こんなことがあるものなんですね~。「奇跡(キセキ)」というフレーズは先月の「ONE-shot」でもタイトルに使ったばかりなのですが、今回のこれはまさに奇跡的といってもいい光景で、ボキャブラリーの貧困な私には他に言葉が思い浮かびませんでした。
  
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さらにその直後にも国鉄形同士の離合シーンが・・・いや、これはカブられたというべきか・・・(^^;)。 この後「あけぼの」の方も無事に撮影することができましたが、その写真はいずれまたの機会に。
  
12.7.28 高崎線 宮原-大宮


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ONE-shot 94 トラス橋 [PICK UP ONE-shot]

PICK UP ONE-shot 94 トラス橋
 
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鉄骨を組み合わせて三角を形成した構造の「トラス橋」。
__△▽△▽△__
パッと思い浮かぶ鉄橋の代表的なスタイルで、
ドラマや漫画などの鉄道シーンや
模型のレイアウトには欠かせないアイテムだと思います。
しかし、以前にもちょこっと書いたように
このトラス橋はまわりを鉄骨で覆われているため、
橋の外側から列車の、とくに編成写真を撮るには不向きで、
私もあまり好んでトラス橋を撮ることはしませんでした。
情景っぽく引きで撮ったり、シルエットにしたり、
流し撮りで鉄骨を目立たなくするなど、
トラスはトラスなりの撮り方はいくらでもあるのですけれどね。
 
武蔵野線の三郷駅先端は、
そんなトラス橋を内側から撮れる貴重な場所。
珍しく頭の中に撮りたい画のコンテを浮かべながら、
トラス橋を行く583系の「わくドリ(回送)」を狙ってみました。
でも、橋を目立たせようとして列車の置き位置が半端だったのか、
イマイチ、パッとしない結果に・・・。
やっぱりトラス橋は表現が難しいです。(>_<;)
 
12.7.21 武蔵野線 三郷


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高崎・信越本線・・・特急「そよかぜ」撮影記 [鉄道写真撮影記]

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2012.07.15
高崎・信越本
復活!夏の「そよかぜ」撮影
  

ブームなのか、最近JR東日本で頻繁に運転されている「リバイバル特急」。前週の大雨(+信号機故障)に祟られた「やまばと」に凝りもせず、今週日曜日にも懐かしい列車名を追い求めて、撮影へと繰り出してしまいました。昨年運転された「ひばり」「やまびこ」にしかり、また、リバイバルでは無いものの国鉄色485系で運転されている「北越」「にちりん」など、どうしてそこまで国鉄形特急に魅せられてしまうのか・・・。それは私の中にある一種の「憧れ」的存在がそうさせているのだと思います。その昔、私が学生の頃にはまだ、東海道新幹線は開業していたものの東北・上越新幹線は無く、上野駅には多種多様な特急列車が顔をそろえていました。しかし当時、一眼レフカメラはとても高価で学生の小遣いで買えるような存在ではなく、かろうじてお年玉で買った簡易コンパクトカメラ(いわゆるバカ〇ョン)を首から提げて上野駅へと通う日々。当然コンパクトも今のような高性能ではなく、走行写真を撮ればブレブレになってしまう代物。私もいつか一眼レフを持ち、雑誌に載っているような蓮田や大河原で走っている特急列車を撮りたい・・・そう思い続けるも、残念ながら私が一眼レフを手に入れる頃には東北・上越新幹線が開業し、並行する大半の在来線特急は姿を消してしまいました。それが今、リバイバルという形で、デジタル一眼レフという当時では考えられなかった機材で国鉄特急の走行写真が撮れる・・・これは私にとって、まさにその頃の夢を叶えてくれるイベント列車であるといっても過言ではないのです。
そんなリバイバル特急シリーズ、今回運転される懐かしい列車は、特急「そよかぜ」。「そよかぜ」はかつて、上野と信越線の軽井沢(中軽井沢)を結んでいた列車で、同区間を定期で走っていた特急「あさま」(上野~長野)の補完的な役割が強く、夏季の行楽シーズンにのみ運転されていた臨時の特急。私の中では夏臨の「そよかぜ」、冬臨の「新雪」ってイメージがありました。夏の「TUBE」、冬の「zoo」みたいなもんか・・・(zooって、それも懐かしいな・・・^^;)。しかし以前にも書いたように、現在の信越線・横川~軽井沢は長野新幹線開業で分断され、在来線でダイレクトに上野から軽井沢へ行くことはできません。そこで今回の運転区間は上野~横川。先日の仙山線経由で運転予定だった「やまばと」といい、かなり無理のある設定なのですが、あくまでもリバイバルなので細かいことにツッコミは入れないことにしましょう。そもそも今回の「そよかぜ」は車両自体が私の知っている189系や489系ではなく、157系を模した、例の「あまぎ色」185系で運転されるので、列車名以外に懐かしいという感情はあまり無さそうですし・・・(157系時代を知る方にとっては、懐かしさを感じられるのかな)。

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国鉄時代に上野駅で撮った、489系の特急「そよかぜ」。
85.7 東北本線 上野
 


7月15日(日)
上野~横川を走る特急「そよかぜ」。はじめはちょっと気合いを入れて、信越線の安中あたりまで行って撮ろうかと考えていたのですが、実はこの日の高崎・信越線には「そよかぜ」の他にもう一本、快速「EL&SL碓氷」号という臨時列車も設定されていました。「SL碓氷」号は信越線の高崎~横川で定期的に運転しているD51 498牽引のSL列車で、それがこの日は中央線の甲府まで延長運転され、甲府~高崎を電気機関車(EL)のEF65 1118が牽引を担います。「そよかぜ」と「碓氷」号、せっかく同日の同路線に二本の臨時列車が走るのならば、そのどちらも撮りたいところ。はじめに計画していた安中でも両列車を撮ることはできますが、信越線区間の「碓氷」号はD51の牽引。D51の「碓氷」号は以前にも一度撮影しているし、SLよりもEL派の私としては1118の方が撮りたい。「そよかぜ」と1118「碓氷」の両方が撮れるところとなると、自ずと撮影地は高崎線内に絞られます。そこで向かったのは、高崎線でいちばん有名な撮影地とも言える、岡部~本庄の通称「オカポン」。相変わらず私は撮影地のボキャブラリーが少なく、高崎線の下りと言うと、ここくらいしかパッと思い浮かびませんでした・・・。

赤羽0523-(高崎821M)-岡部0632

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高崎線の有名撮影地「オカポン」の下車駅となる岡部駅。
素朴な平屋作りの駅舎です。
高崎線 岡部

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撮影地まで線路沿いの道を歩いていると
踏切が鳴って、やってきたのはEF65 1075の貨物。
最近はロクヨンを見かける機会が多かったので、
PFの貨物は久しぶりに見た気がします。
ロクゴは更新色でも貴重な存在になりつつあるのかな・・・?
高崎線 岡部-本庄

有名ポイントのオカポンですが意外と駅からは遠く、岡部駅から撮影地までは徒歩で30分近い道のり。朝7時前にも関わらず、気温・湿度共に高くて、歩いているだけでも汗びっしょりです。しかも撮影地に着く頃には小雨が降り出してきてしまいました。雨で汗が流せていいのではないかって? いや、むしろ汗なのか雨なのか、濡れたシャツが肌に張り付いてキモチワルイ・・・(´Д`;)。撮影地にはすでに大勢の方がスタンバイしていましたが、ここはキャパが広く、場所は難なく確保できました。

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撮影地に着いてのファーストカットはEF210-148の貨物。
このEF210、ついにセノハチへの投入(300番台)も発表されましたね
JR貨物のリリースより PDF注意)。
高崎線 岡部-本庄

天気はドン雲り。でも晴れると高崎線の下りは順光ポイントがほとんど無く、このオカポンも逆光となるはずなので、列車をキッチリ見せたいのならば曇りがベスト。しかし時折、雲の隙間から薄日が射したり、かと思えば雨も降り出してくるという、何とも変な天気です。

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まったくのノーマークでしたが、上り線を国鉄色183系の団臨が通過。
このときはちょっと薄日がサイドに当たっています。
高崎線 岡部-本庄(後追い)

それでも「やまばと」の時のように大荒れとなるようなことは無く、まずは私的に本命の「そよかぜ」を迎えます。157系時代を模したという今回の「そよかぜ」、注目すべきはそのヘッドマークです。リバイバルにありがちなシール式の文字マークなのか、それとも・・・やがて見えてきた「あまぎ色」185系に掲げられていたのは、シールではなく高崎支社お得意の「羽根マーク」(゚∀゚)! しかし、同時に背後からは不穏な足音が・・・

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羽根の付いた大型の「そよかぜ」マークを掲げ、
157系を彷彿とさせる走りを見せる「あまぎ色」の185系。
高崎線 岡部-本庄

ああぁぁぁ、裏カブリ・・・orz...。走行する下り線側から撮っているので、完全に見えなくなるわけではありませんが、何ともスッキリしない写真となってしまいました。このあたりの高崎線は20~30分ヘッドで、決して本数が多いわけではないのになぁ・・・う~ん、ツイてない (´・ω・`)ショボーン 。でも、羽根マークの「そよかぜ」はいい雰囲気で、なかなかカッコよろしゅうございます。同じく羽根マークで運転された3月の「上州踊り子」は遠景での撮影だったので、しっかりと羽根マークが解るアングルで「あまぎ色」を撮れたのは素直に嬉しい。
続いてはその「そよかぜ」の通過から約30分後。今度は同じ線路上に真っ赤な機関車が見えてきました。

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元「レインボー」専用機こと虹ガマの
EF65 1118が牽引する、快速「EL&SL碓氷」号。
その派手な出で立ちとは裏腹に、
最近は配給や工臨など地味な運用が多かった同機。
今回の抜擢は久しぶりの晴れ舞台です。

さすがに二度目はカブられることも無く、スッキリと撮影することができました (^_^)。ネタモノに疎い私にとっては久々となる1118との対面。実は今回の「碓氷」号では、この1118が普段は入線することがほとんどないと思われる、中央山線(高尾以西)に入ったと言うところにも注目が集まり、本来ならその貴重な中央線でのシーンを撮るべきだったのかもしれませんが、やはり私は「そよかぜ」を捨てきれず、無難にオカポンでの撮影を選んでしまいました(1118「碓氷」号の運転は翌日にもありましたが、さすがに連日に早朝撮影する気力はありませんでした・・・)。

これで狙いだった二本の臨時列車は撮影終了。しかし、本命だった「そよかぜ」を裏カブりされてしまったのが残念でなりません。この「そよかぜ」は横川到着後に一旦高崎まで引き上げ、午後に再び高崎から横川へ送り込まれて、上り列車として運転されます。オカポンでの撮影がウマくいけばこれで撤収予定でしたが、ここはリベンジとばかりに上り列車を撮るべく、送り込み回送も走る信越線区間まで足を伸ばすことにしました。結果的にいちばんはじめに考えていた、安中へと行くことになろうとは・・・(-_-;)ウーム。

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岡部からの下り列車は211系。
撮影地ではあまり来てくれなかった211系ですが、
乗ろうとすると現れたりするもので・・・。
高崎線 岡部

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高崎に着くと、ちょうど横川から引き上げてきた
「そよかぜ」の回送列車が停車中でした。
羽根マークを掲げた姿をじっくりと眺めることができます。
157系時代もこんな立派なマークだったのかなぁ・・・?
信越本線 高崎

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「そよかぜ」を撮っていたら、接続する信越線が出てしまいました。
次の列車は一時間後・・・それまでは115系ウォッチングで
時間を潰しまつ。。。パチリ (*・_[[◎]]o
高崎地区は今も115系王国で、並びも日常茶飯事。
右は上越線、左は両毛線・・・あれ?逆だったかな?
信越本線 高崎

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私が安中まで乗った信越線の横川行きも115系でした。
信越本線 安中

岡部0951-(高崎3921M)-高崎1015~1121-(信越133M)-安中1133

安中で降りるのは今年1月以来。スキー臨の「シーハイル上越」を撮りに上越線へ向かおうとしたところ、大雪で「シーハイル」がウヤ(運休)となり、やむを得ずこの安中で前述の「SL碓氷」号を撮影したのでした。今回はその時SLを撮った田園地帯ではなく、SLだと煙が巻いちゃうからと避けていた鉄橋アングルの方へと向かうことにします。しかし、ここも駅から徒歩30分くらい。相変わらずの曇り空で日差しは弱いものの、午後になって気温はさらに上昇し、息苦しいくらいの暑さに。何よりもまったく風が吹いていないのが辛い。まさに風が恋しい「そよかぜ」撮影・・・アヂィ(;;-_-;;)ヾ(´-`*)ダイジョブヵ?。 途中の大型スーパーで休憩を入れてから、撮影地へ。

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ガーダー橋で碓氷川を渡る信越線の115系。
かつては特急「あさま」や「白山」、
そして「そよかぜ」なども走っていたこの場所も、
今では定期の特急は無く、普通列車が一時間に一本程度。
信越本線 群馬八幡-安中

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ここは下り線オンリーの撮影ポイント。
上り線はこんな具合に・・・。

通称・安中鉄橋(安鉄)と呼ばれるこの場所は、ガーダー橋を渡る列車をきれいに編成を入れて撮ることができる好撮影地で、臨時列車などが走るときには大勢の同業者で賑わいます。しかしこの「そよかぜ」の送り込み回送は、比較的鉄の数が少なめ。というのも、ここは午前順光で、午後は晴れると顔にしか光が当たらず、手前サイドは潰れてしまうのです。でも、この日は朝からずっと曇り空。薄日が射すことはあっても、完全に晴れることは無いだろう・・・そう思っていましたし、実際に前走りとなる上の115系もいい塩梅で撮れていました。ところが、「そよかぜ」が高崎を発車する頃から徐々に雲が切れはじめて、なんと通過時には・・・

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「そよかぜ」のマークをそのままに、
乗客の待つ横川へと送り込まれる185系「あまぎ色」。

ぐわああぁぁぁ━━━━ヾ(゚Д゚;)ノ━━━━っ!! 晴れちまったああぁぁぁ・・・⊂⌒~⊃。Д。)⊃ ギャフン。  これがバリバリの順光ポイントならば、奇跡的に雲が抜けた!・・・って大喜びなのですが、今回ばかりは(今回も?)雲にしてやられました・・・ ・゚・(ノД`)・゚・タイヨーノバカァ...。やっぱりこんなこともあるのだから、晴れだろうと曇りだろうと常に順光のポイントで狙うべきなのですが、なかなかそんな都合にいい場所って無いものなんですよね・・・。せっかく安中まで追いかけてきたのにこの結果、暑さもあって、ドッと疲れがでてしまいました。この40分後にはすぐに上りの「そよかぜ」が安中を通過するのですが、もはや上りの撮影地を探す気力が沸きません。どうせこのあたりは上りが逆光になるし・・・。ということで、最後はお手軽に安中での駅撮り。それでも順光となる後追いをメインとするために、上り方のホーム先端でカメラを構えることにします。

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定刻に安中駅を通過する「そよかぜ」。
むしろ完全逆光の方が、車体に明暗が無くてスッキリしているかも・・・?
信越本線 安中

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信越線がまだ特急街道だった頃に存在した待避線の跡(手前)を
横目に、上野を目指して走る2012年の特急「そよかぜ」。
まるで単線を走っているような情景です。
信越本線 安中 (後追い)

日の当たっていないサイドを目立たせないように、望遠レンズで力まかせに撮ったような編成撮り。でもヘッドマークがよく解るし、そんなに悪くない撮り方だったかな。これで「そよかぜ」の撮影は終了です。それにしても、私とこの「あまぎ色」との相性の悪さと来たら・・・初顔の「上州踊り子」はまだしも、GWの「草津」では晴れてほしい俯瞰撮影で曇って、半逆光の編成撮りでは晴れ。そして今回も、オカポンでは裏カブりされて、曇り狙いの安中鉄橋では直前に晴れてしまった。どうもスッキリと撮らしてくれません。「そよかぜ」はもう一度、9月にも運転予定があるので、今度こそリベンジを!? でも、次は一体ドコで撮ろうか・・・(^^;)

安中1516-(148M)-高崎1528~1530-(942M)-赤羽1701

 



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成田線・・・「アンパンマン・トロッコ」撮影記 [鉄道写真撮影記]

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2012.07.08
成田
「アンパンマントロッコ」撮影
  

「被災地の子供たちに笑顔を!」という趣旨で、東日本大震災の被災地を中心に運転されてきた「アンパンマントロッコ」は、JR四国が所有するトロッコ車両をJR東日本が運用し、車両の輸送をJR貨物が担うという、JR三社の共同プロジェクト。四国の車両が東日本管内を走るというだけでもファンにとっては堪らない貴重なシーンなのに、その運転理由が復興支援とは、また素晴らしい企画じゃないですか。3月の石巻線を皮切りに、東北本線・気仙沼線・大船渡線・釜石線・山田線・八戸線(運転順)と東北地区をまわり、先月には茨城の常磐線・水郡線でも運転された「アンパンマントロッコ」。できれば私も東北地区まで出向いて、トロッコ列車の撮影がてら被災地を応援したかったところなのですが、なかなか都合がつかずにずるずると、気がつけば運転日程も最終盤まできてしまいました。「アンパンマントロッコ」の復興支援行脚、最後の運転は千葉の総武本線・成田線。千葉が被災地という意識は薄い方も少なくないのではないかと思われますが、あの大地震で千葉の震度は6弱。800棟近い建物が全壊し、太平洋に面した旭市などでは津波が押し寄せ、県内で20人の方が犠牲となってしまいました。しかし、東北地区の被害があまりにも甚大すぎるために、なかなか千葉や茨城では声を上げて被災地とは言いにくい実情があるそうです。そんななかで今回、「アンパンマントロッコ」の運転計画に千葉や茨城が含まれたことは、個人的に嬉しく感じました。東京で生まれたものの幼少の頃からずっと千葉の柏で過ごし、千葉県出身と言っても過言ではない私。東北へは行けなかったけれど、私はこの千葉で「アンパンマントロッコ」を撮影するべきなのかもしれません。そこで運転最終日となる8日の日曜日、成田線へと出かけてみることにしました。


7月8日(日)
前日の大雨に見舞われた「やまばと」撮影での疲れが多少残っていますが、この日に成田線で運転される「アンパンマントロッコ」の時刻は銚子12時24分発~成田15時10分着なので、成田近辺で撮影ですれば家をゆっくりと出ることができます。しかし連日の撮り鉄でキビシいのは、体よりも懐具合。関東近郊とはいえ、前日の蒲須坂往復はかなりの出費(片道2000円強・・・)だったので、ここは少しでも運賃を押さえたいところ。そこで今回は時間に余裕があることから、JRよりも運賃の安い、京成を使って成田へ向かうことにしました。ちょっと乗り換えの手間はかかるけれど、乗り鉄的にも変化が付いて楽しいかも知れません。

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まずは新宿から都営新宿線で京成との乗換駅である本八幡へ。
新宿駅に入ってきたのは、京王線から直通してきた
京王9000系の急行・本八幡行き。
東京都交通局新宿線 新宿

京成へ乗るのならば、日暮里や船橋でJRから乗り換えるって手もあるのですが、スマホでウチの最寄り駅から成田までの最安ルートを検索してみたところ、意外にも新宿から都営新宿線経由で本八幡と出てきたので、素直にそれに従ってみることにします。個人的に乗る機会が少ない都営新宿線。新宿から本八幡までの端から端を乗り通したら、かなり時間がかかるのでは無かろうかと思っていたのですが、急行は思ったよりも停車駅が少なくて(今さらながら九段下を通過したのにはビックリ。例の「壁」が撤去されたら停車するようになるのかな・・・?)、わずか30分ほどで本八幡まで行くことができました。う~ん意外と使えるな、都営新宿線。

(新線)新宿0922-(都営新宿線急行)-本八幡0951

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新宿線の本八幡駅と京成八幡駅は目と鼻の先。
工事中のビルには来年度に京成の本社が移転予定。
京成本線 京成八幡

本八幡から京成八幡へと出て、今度は京成のホームで成田方面の下り列車を待ちます。京成で成田と言えば、先月の海外出張帰りに空港特急の「スカイライナー」へ乗ったばかりですが、あれはスカイアクセス線経由で、この京成本線に乗るのはかなり久しぶり。たしかここ八幡は、特急の成田空港行きが停まったハズ・・・と、時刻表を見ると、ちょうど特急は出たばかりで、次の優等列車は快速の佐倉行き。この佐倉行きでは成田まで行けませんが、入ってきた列車を見たら車内がガラガラだったので、とりあえず乗って先へと進むことにします。12分後に来る次の特急まで八幡で待っていてもツマラナイですし。

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京成八幡付近のカーブを行く3700形の快速・佐倉行き。
京成本線 京成八幡

次の特急へ乗り継ぐために快速を降りたのは、京成津田沼。ここは京成本線の他、京成千葉線や新京成電鉄が発着しています。ウマい具合に待ち時間で千葉線で運用されているリバイバル塗装の3300形でも来ないかと期待してみるも、停まっていたのは3500形でした。

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千葉線・ちはら台行きの3500形は未更新編成。
貫通扉に掲げられた手差しの種別板が
いかにも京成らしくていい感じです。(^^)
京成本線 京成津田沼

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反対の上りホームには
「花火ナイター号」のマークを付けた3000形が。
花火って、ドコの花火だろう・・・江戸川河川敷かな?

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津田沼から成田まで乗る特急が入ってきました。
車両は先ほど乗った快速と同じ3700形。

津田沼から乗った成田空港行きの特急は思ったよりも混んでいて、座席は空いていませんでした。佐倉行きの快速がガラガラだったことを考えると、やはり成田空港への利用者が多いのでしょうか。ところで、その先行していた快速は津田沼から各駅停車となるので、八千代台あたりでこの特急に抜かれるのかと思っていたのですが、結局佐倉まで追い越すことはありませんでした。こんなことなら佐倉までずっと快速に座っていた方がよかったかな・・・。そしてこの特急も佐倉からは各駅停車となり、成田へ。

京成八幡1000-(京成快速)-京成津田沼1012~1023-(京成特急)-京成成田1055

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京成成田とJRの成田はロータリーを挟んで徒歩数分の距離。
この日はちょうど「成田祇園祭」の開催日で、
JRの駅前には山車の姿が見られました。
成田線 成田

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成田に待機中の209系。
国鉄形王国と言われた千葉地区も、
いまではすっかり209系の天下に・・・。
成田線 成田

都営新宿線と京成を乗り継いで、ようやく成田に着きました。さらにここからJR成田線へ乗り換えて、トロッコ列車の撮影地へと向かいます。成田線(総武本線)の撮影地と言えば、物井~佐倉の通称・モノサクが有名なところですが、今回のトロッコの営業運転区間は銚子から成田まで。回送でモノサクも通るけれど、できれば成田より東側(銚子寄り)で撮りたいところ。でも私はこのあたりで撮影したことがあまり無く、唯一といていい知っている撮影地は、下総神崎(しもうさこうざき)駅周辺の田園地帯くらい。ここもモノサクに劣らないほどのメジャーポイントで混み合うことが予想されますが、キャパが広いので何とかなるでしょう。同ポイントへ向かうと思われる何人かの同業者とともに、下総神崎で下車。新宿、八幡、成田と三回も改札外乗り換えの手間はあったものの、ここまでの合計運賃は1260円(都営360円・京成580円・JR320円)で、JRだけの新宿~下総神崎の運賃1620円よりも360円ほど節約となりました。往復ならば720円。これは決して小さい額ではありません。

成田1141-(成田2533M)-下総神崎1200

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いろいろな路線を乗り継ぐショートトリップを経て、
目的地の下総神崎に到着。
成田線 下総神崎

成田では小雨がぱらつくような曇り空だったのに、下総神崎へ着く頃には天気が好転して青空が覗くようになってきました。日差しはキビシいけれど、やはり前日のことも頭にあって、晴れてくれた方が嬉しい。でも熱中症には注意せねば・・・と、撮影地へ入る前に線路沿いのコンビニに立ち寄って水分を購入していると、そこへ轟音と共にロクヨンの下り貨物列車が通過・・・Σ(゚д゚;)エエェッ。ああ、また貴重な貨物列車を撮り逃してしまったよ・・・(´・ω・`)。まあ、今日の本命は貨物ではなくトロッコなので、気を取り直して定番のお立ち台ポイントへ。

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まずは4連の209系普通列車で試し撮り。
これでだいたい100ミリ程度の画角です。
成田線 大戸-下総神崎(後追い)

本番の「アンパンマントロッコ」は、機関車のDE10、伴走車のキハ185、そしてトロッコのキクハ32の3両編成で、試し撮りした209系よりもさらに一両分短い。とりあえずオーソドックスな望遠系の編成写真で撮ってみたものの、編成が短いと何とも絵にしづらい・・・。そこで、ちょっとレンズを交換。

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次にやってきた普通列車は211系の5連。
今度は少し広角気味で、35ミリ程度。
成田線 大戸-下総神崎

中望遠で撮った209系と広角気味に撮った211系。共通しているのは緑に染まった田んぼを少し多めに入れてみたというところですが、ほぼ同じ立ち位置でもレンズの違いでずいぶん雰囲気が変わるものです。個人的には後に撮った211系の方が絵に広がりがあってスキかも。でもこの画角だと、トロッコよりも牽引機のデーテン(DE10)だけが大きく目立っちゃいそうだなぁ・・・。それにせっかくのトロッコをフツーの編成写真で撮っちゃうのは、ちょっともったいない気もしてきました。ならばいっそのこと、思いっきりサイドから空や田んぼを大きく入れた情景っぽい画にしてみるか。幸い、青空も安定してきたことだし。

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編成写真の撮れるお立ち台から離れ、
サイドから風景を広く入れて撮ってみた209系。
成田線 大戸-下総神崎

列車自体は小さくなっちゃうけれど、青空と田んぼの色合いがきれいで、これは案外悪くないかもしれません。ここまできたら中途半端なサイドではなく、完全な真横アングルでトロッコを迎えることとしました。ちょうど架線柱を真ん中に配したシンメトリーとなる構図にカメラを構えて、いざ本番。

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緑の絨毯と化した田園風景の中を
軽やかに駆け抜けてゆく、
復興支援の「アンパンマントロッコ」。
被災地で募集された子供たちが、
忌まわしいあの地震を一時でも忘れて、
心地よい風を感じてくれたら嬉しいですね。(^^)

踏切が鳴って列車が来る直前の最後の最後まで、青空と田んぼのどちらを大きく入れるべきか悩みましたが、画的に安定感を感じられた田んぼの方を選択。きれいに晴れ渡ってくれたおかげで光線状態も申し分無く、満足のいく撮影ができました~・・・って、あれ? 撮影後に確認のプレビュー画面をよく見てみると、なんだかデーテンの前に大きな黒いゴミが写り込んでいる!? Σ(゚д゚;)ナヌ!? ひょっとしてコレはセンサーに付いたホコリか? 焦って拡大してみると・・・

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上写真の拡大。
デーテンの前にあるのはホコリ? それとも・・・?

なんと写っていたのは、トンボでした (^▽^;)。まあこればっかりは写り込んでも、しゃーないわね。コレも夏の風物詩の一つとして考えることにしましょう(笑)。今回のトロッコは前日に総武本線経由で往路となる成東~銚子で運転されていて、この日の成田線は復路のようなもの。なので撮影はこの一本だけで終了です。

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撮影の順番は異なりますが、
トロッコを待っている間には原色(青プレ)の
ロクヨン(1012)が通過。
前日のカマスに続いての原色降臨ですが、
残念ながら単機でした・・・。
成田線 大戸-下総神崎

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帰りは211系に乗車。
房総の211系も置き換えやら転属やらの噂が絶えませんが、
果たして真相はどうなのでしょうね。
成田線 下総神崎

下総神崎から乗った帰りの電車は、総武線に直通する千葉行き。このまま千葉まで乗り通して総武快速線に乗り継げば、帰りは楽だなぁ・・・と、思うも、やはり今回は節約ルートを堅持。往路と同じように京成へ乗り換えるために成田で千葉行きを下車します。すると反対側のホームには、さきほどの「アンパンマントロッコ」がまだ停車していました。乗客はすでに下車した後でしたが、これは思いがけず、じっくりと車両を眺められるチャンスです。

下総神崎1521-(450M)-成田1542

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DE10 1202に牽かれた「アンパンマントロッコ」編成と、
ちょうどその横を通過してゆくE259系「NEX」のコラボカット。
千葉で運転されたという、いい記録になりました。
成田線 成田

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伴走車として四国から同行してきたキハ185-26。
今回の運転では、このキハ185が付いてきたというところも、
鉄的に興味深かったところではないでしょうか。

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そしてトロッコ車両のキクハ32-502。
被災地の子供たちに大きな夢と勇気を与えてくれた
「アンパンマントロッコ」はその使命を終え、
この運転を最後に四国へと帰ってゆきます。
♪ ああアンパンマーン、やーさしい君は、
行け!みんなのゆーめ、まーもるため~・・・♬

約四ヶ月にわたり、被災地をまわり続けた「アンパンマントロッコ」。できることなら子供たちの笑顔が解るような写真を撮りたかったところでしたが、そんな状況はなかなか難しく、最後の運転を爽やかな青空の下で撮れただけでもヨシとすべきでしょう。発車してゆく「アンパンマントロッコ」を見送って、私も成田を後にしました。(*゚▽゚)ノ~~~アリガトー、アーソパーソマーソ!!

京成成田1608-(京成特急)-京成八幡1652...本八幡1708-(都営新宿線)-新宿1748

 

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今回のJR区間で使ったオレカは
「アンパンマントロッコ」と四国繋がりってことで、
「2000年記念④ 2000系特急「しまんと」 」。
00年02月発行 予讃線高松駅にて購入。
JR四国では現在でも新規にオレカの発行をしています。



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東北本線・・・485系特急「やまばと」撮影記 [鉄道写真撮影記]

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2012.07.07
東北本
最低最悪の七夕・・・(-"-;)
485系 特急「やまばと」撮影
  

海外出張の後処理もようやく一段落した、七夕の週末。久々に撮り鉄に出かけたい・・・と、考えていた頃合いを見計らうように、ちょっと魅力的な団体臨時列車の設定がありました。それは東北本線をリバイバル列車として走る、485系の特急「やまばと」。「やまばと」はかつて東北新幹線開業以前に、上野~山形を東北・奥羽本線経由で結んでいた特急列車で、wikiなどによると運転開始当初(1964年)はキハ82などが使用されていたようですが、私の世代としては、やはり485系での活躍が印象的。紺一色のイラストマークを掲げた「やまばと」は、王道の「はつかり」や「ひばり」などとはまた一味違った魅力があったものです。しかし列車そのものは、同区間を走る特急「つばさ」(上野~秋田)の補完的な役割が強かったせいかあまり目立つ存在ではなく、さらに奥羽本線の標準軌化などもあって、近年のリバイバル特急ブームでもなかなか復活運転の対象とはなりませんでした。そんな「やまばと」が今回、仙山線経由ながらも久々(27年ぶり!?)に走る・・・これはぜひとも撮影して、往年の姿を懐かしみたい。梅雨まっただ中で天気が気になるものの、折り畳み傘一本を携えて撮影へと出かけることにしました。まさかあんなことになろうとは思いもせずに・・・。

7月7日(土)
まずは上野発の宇都宮線・宇都宮行き快速列車で北上。天気は曇り空ながらも、予報によるとなんとか午前中は雨は降らずに持ちそうとのこと。予定している撮影ポイントの「やまばと」通過は11時過ぎなので、ギリギリ大丈夫かな・・・。
ところで、昨年の「やまびこ」を撮ったときにも感じたのですが、やはりリバイバルとは言え485系6連ではちょっと短い・・・。いまや国鉄色485系は数えるほどしか編成数が残っておらず、最長でも6連なのだから仕方のないことですし、短いながらもこうやってリバイバル列車が運転されるのは、とてもありがたいことだと思います。でも、どうしても物足りなさを感じてしまうんですよね・・・。そこで今回は、全編成をキッチリ入れた編成写真ではなく、カーブから正面気味にアップで狙おうと考えました。そのヒントとなったのがこのオレカ。

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アウトカーブから正面がちに捕らえた、
まさに当時の特急「やまばと」が図柄の
「奥羽本線福島~米沢間100周年記念」オレカ。
99年11月発行 東北本線仙台駅にて購入。

こうすれば編成の短さは気にならないし、懐かしい「やまばと」のヘッドマークもハッキリ解る。しかし、ウマイ具合にこんな感じで撮れる手頃な撮影地などあるのか・・・? オレカの撮影地は20年以上も前に撮られた南福島~金谷川の有名なカーブで、今回とは逆の上りアングル。下りの撮影地で有名なアウトカーブと言えばワシクリ(東鷲宮~栗橋)がありますが、あそこはあまりにもメジャーすぎて、混雑が予想されます(車窓から見ていても、やはりワシクリカーブはかなりの人出でした)。アウトカーブのマイナーポイント・・・実は私には一カ所だけ心当たりがありました。それは蒲須坂~片岡にある「お立ち台」の逆アングル。「カマスのお立ち台」と言えば、誰もが知る有名な上り列車をストレートで撮れるメジャーポイントで、私も何度か撮影したことがあります。たしかその逆アングルがカーブになっていて、印象は薄いけれど、下り列車をきれいに撮れたハズ・・・。何とも頼りない、あやふやな記憶ですが、ものはためしと蒲須坂を目指してみることにしました。

上野0649-(快速ラビット)-宇都宮0818~0820-(東北1535M)-蒲須坂0841

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蒲須坂駅から徒歩で10分程度のところにある
「カマスのお立ち台」。
ここが上り列車の定番ポイントです。
東北本線 片岡-蒲須坂

撮影地に着いたと同時に踏切が鳴ったので、まずは挨拶代わりにお立ち台の定番位置から一枚。やってきたのは5連×2=10連の211系でした。東海道から引退し、宇都宮・高崎線での置き換えも計画されている211系。この宇都宮線北部は当分安泰なのでしょうけれど、こういうモノは撮れるときに撮っておきたいものです。さて、そのお立ち台から少し奥へと進んだところが、考えていたアウトカーブの下りポイント。果たして撮影できるのかどうかというと・・・こんな感じ。

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5連の211系がカーブをきって走り抜けてゆきます。
雑草さえなければ、ヨコ位置でもいけそうなところ。
ただし晴れると、終日逆光になります
(お立ち台が順光だからね・・・)。
東北本線 蒲須坂-片岡

手持ちだったので、とりあえずヨコ位置で撮影。上下線間の雑草がボーボーでかなりウザい状態ですが、タテ位置の正面重視で構えれば、それほど気にならなそうです。意外にもあっさりと撮影地決定。あとはセッティングして「やまばと」の通過を待つだけ・・・って、実はあと二時間もあります。もしここがダメだった場合に移動することも視野に入れての時間配分だったのですが、ちと早すぎたかな・・・。そこで、カメラを三脚には据えずに、上りアングルのお立ち台と下りのカーブポイントを行ったり来たりしながら、適当に来る列車を撮影することにしました。とはいえ、旅客列車は211系くらいしか来ませんので、ここでの狙いは貨物列車。相変わらず貨物に関しては運用も何も調べておらず、来るのかどうかさえも解らない状態ですが、「貨物来い、貨物来い・・・(;`-ω-´)人~~~」と念じていると、遠くに機関車らしき姿が! カモレキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

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EF64 1048に牽引されたコンテナ満載の貨物列車。
やっぱりこのお立ち台からは、長い編成が絵になります(^^)。
東北本線 片岡-蒲須坂

しかも現れたのは、なんと原色のEF64 1048でした!ヽ(^◇^*)/。何も調べず、何も知らず、突然現れた原色のロクヨン。貨物ビギナーにとって、これは嬉しい収穫です。尻切れや串パンを意識したらかなりカツくなってしまいましたが、まあ手持ちならこんなもんではないでしょうか。このときは今日はツイてる!って思ったんだけどなぁ・・・(意味深 ^^;)。思いがけず原色のロクヨンが撮れたことで大いに気を良くし、お立ち台からカーブポイントへと戻って、カメラを三脚にセット。これで「やまばと」へ向けての臨戦態勢は万全ですが、その頃になると小雨が降り出してきました。雨のリバイバルというと、前述の「やまびこ」を思い出します。あの時は台風直撃でずぶ濡れになりながら撮ったんでしたっけ。今回は本降りになる前に来てくれるとイイなぁ・・・。鉄道誌(DJ)によると、蒲須坂の一つ手前にある氏家の通過が11時19分なので、だいたいここは25分くらいかと予測していると、ほぼ定刻に下り列車の通過を知らせる踏切が鳴り出しました。レリーズを握る手にも思わず力が入ります。ところがファインダーに飛び込んできたのは・・・あれ?ロクヨン?

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EF64 1038が牽引するタキ貨物。
今度は通称「牛乳パック」と呼ばれる更新機でした。
東北本線 蒲須坂-片岡

「やまばと」は遅れているのかな・・・? イヤな予感がしてスマホでJRの運行状況を調べてみると、「宇都宮線は、野木~間々田間の信号装置故障の影響で、上野~宇都宮間の下り線の一部列車に遅れがでています」 との情報が。私が乗ってきた快速列車は順調だったので、その後にトラブったのか・・・。それでも単なる信号トラブルならば、せいぜい20~30分程度の遅れだろうと軽く考えていました。しかし「やまばと」は30分経っても、一時間経っても、一向にやってきません。そうこうしているうちに小降りだった雨はやがて本降りに。いつやってくるのか解らない列車を雨の中で待ち続ける・・・クルマなどの逃げ場が無い徒歩鉄にとって、これほど辛いことはありません。スマホで目撃系掲示板を眺めていると、ようやくでてきた「やまばと」情報は「12時ちょうどに久喜を発車」というもの。ク、クキ!?Σ(゚д゚;)  まだ久喜ですと!? 久喜からカマスまではまだ一時間以上もかかります。このままだと通過は13時過ぎ、定刻の二時間遅れってところか・・・ε-(≡Д≡;)ハァァ。それでも動きはじめたのならば、待ち続けるしかありません。

1007.jpg

雨の中、
やってくるのは
ニゲゲ(211)なり。。。
あおたけ、涙の俳句・・・('A`;)

さらに激しさを増した雨の中、ひたすら耐え続けること一時間強。もうそろそろ来てもいい頃なのに、まったく鳴らない踏切・・・。そこへ入ってきた(目撃)情報は、「やまばと、古河で再び抑止」・・・orz。これで心がポッキリ折れました・・・。・゚・( ノД`)( ノД`)( ノД`)・゚・。モゥダメポ。台風並みの暴風雨で、もうシャツからジーンズ、靴下や財布に至るまで、全身ずぶ濡れ。これ以上は精神的にも体力的にも待ち続けられません。雨に濡れた機材の方も心配ですし・・・。ここは勇気ある(?)撤退を決断。まわりには雨を凌げる店や施設は無さそうなので、とりあえず蒲須坂駅へと引き上げます。片道2000円以上もかけてカマスまで来たのに、この結果とは・・・。まあ、原色のロクヨンカモレを撮りに来たと思えば・・・いいのか?

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激しい雨が打ち付ける蒲須坂駅のホーム。
この雨の中でよく耐えましたが、限界です。
(`;ω;´) タイリョクノゲンカイッ!!
東北本線 蒲須坂

しかし、ここまで来てまったく「やまばと」の姿すら見られないのは、あまりにも悔しい。もう駅撮りでもいいから、どこかで撮れないものだろうか・・・。蒲須坂の駅先端は、上写真のように屋根が無くてちょっとキビシい。そこで、すぐにやってきた上りの普通列車に乗って向かったのは、二駅先の宝積寺。ここは対向式ホームなのでなんとか編成が撮れるし、上り方ホーム先端付近には跨線橋が架かっているので、雨も凌げます。

蒲須坂1349-(1552M)-宝積寺1358

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宝積寺に到着した211系。
大雨と信号機故障の余波で、宇都宮線北部も若干のダイヤ乱れ・・・。

ここでしばらく・・・いや、「やまばと」が来るまで待ち続ける覚悟でしたが、そのお目当ての「やまばと」は、なんと私が宝積寺に着いてから15分ほどで、いともあっさりと姿を現しました。もう少しカマスで頑張るべきだったかな・・・いや、やはりアレが限界です。

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待ちこがれた懐かしい紺色のマークを掲げて
宝積寺を通過する、485系の特急「やまばと」。
東北本線 宝積寺

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大雨のなか、去ってゆく「やまばと」・・・。
東北本線 宝積寺(後追い)

実にこの時点で2時間50分の遅れ。団臨ではなく通常の特急列車だったら、間違いなく特急券払い戻しの対象です。結局、編成が短いからと嫌っていた編成撮りで撮影することになってしまった「やまばと」ですが、この状況では撮れただけマシだと考えるべきでしょうか。それにしても、事故や地震などの影響ならまだしも、信号機故障で約三時間の遅れとは、一般の利用者からしても堪ったものではありません。今回のことに対しては一言「ホントにしっかりしてよ!JR東日本!!ヾ(#`Д´)ノ」と、言いたいところです・・・。ちなみにこの「やまばと」は信号機故障と大雨の影響で、山形まで辿り着けずに郡山で運転打ち切りとなったそうな・・・。撮影者だけでなく、「やまばと」の旅を楽しんでいた乗客の皆様もとんだ災難でした。。。

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宝積寺と言えば烏山線。
本来ならこの日、余裕があれば「やまばと」撮影後に
ちょっと立ち寄ろうかと考えていましたが、
国鉄色を見ても、とてもそんな気力がありませんでした。
東北本線 宝積寺

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ここまで来たら、宇都宮餃子をヤケ食いじゃ~。
(・・・って、焼き二皿、水一皿と、
プレモル二杯だけでしたが・・・^^;)

 

宝積寺1419-(1554M)-宇都宮1430
宇都宮1554-(1230Y)-新宿1807
(信号機故障の影響により20分遅延)



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懐かしの撮影記・・・早朝の福島駅「あけぼの」編 [あおたけ的 懐かしの撮影記]

あおたけ的、懐かしの撮影記
嗚呼、白帯の24系・・
早朝の福島駅 ED75重連「あけぼの」


先々週が多客臨の急行「平泉・いわて物語」号、そして先週は団体列車として、週末に二週連続で東北本線を走ったED75牽引の24系客車(いわゆるブルートレイン)。前者はちょうど海外出張と重なり、後者は走ることすらまったく知らず、私はそのどちらも撮ることはできませんでした。私的にこの鉄道趣味を楽しむポリシーとして、「深追いするようなムリはせずに自分のできる範囲で乗り・撮りを楽しみ、状況や結果であまり他人を羨まない」ということを頭に入れています。しかし今回運転された二本の24系臨時列車は、今どきED75がブルトレを引くこと自体が貴重なのに加え、なんと24系客車も編成全部が白帯車で統一されたというこだわりよう。これは正直言って撮影された方が羨ましくないはずがありません。私も時間が合えば、情報があれば、東北へ行って撮影したかったところです。そこで今回は負け惜しみというわけではありませんが、私が過去に撮ったことのあるED75牽引のブルトレの中から、白帯車がきれいにそろった、この写真をピックアップしてみました。

時は90年夏。本格的に始まった山形新幹線直通化による改軌工事によって、奥羽本線の福島~米沢の名所である「板谷峠の連続スイッチバック」は廃止目前。夏休みや盆休みには、その終焉を記録しようと全国から「乗り鉄」「撮り鉄」がこぞって板谷へと集まり、かくいう私もその一人でした。日中はスイッチバックの各駅を巡って、EF71・ED78が牽引する50系客車の普通列車や485系の特急「つばさ」を撮影し、夜はホテルなど泊まらずに福島駅で一夜を明かすというスケジュール。これは宿泊費を浮かせるためではなく、深夜から早朝にかけて福島駅へやってくる夜行列車を撮影するのが狙いでした。今ではどうか解りませんが、当時の福島駅は深夜2時頃に停車する急行「津軽」などの利用者のために終夜営業していて、ずっとホームの待合室にいても追い出されることはなかったのです。

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EF71 5牽引、14系座席車の急行「津軽」。
前面が真っ暗だったせいか、ピンボケ。
さらに右上には同業者の腕が入ってしまっています・・・。

ところが思うことは皆同じで、深夜の福島駅は鉄が大集結。ホーム上には早くから三脚の林が出来上がっています。ここまでして撮りたい一番の狙いは、早朝に上がってくる寝台特急「あけぼの」。実は件の工事ではスイッチバックの廃止だけでなく、板谷峠を通っていた「あけぼの」も、福島~新庄がこれまでの奥羽本線経由(福島~米沢~山形~新庄)から、東北本線・陸羽東線経由(福島~仙台~小牛田~新庄)へと変更を余儀なくされ、板谷峠用交流電機のEF71・ED78は「あけぼの」牽引からの撤退が決定。徹夜をしてまで早朝の福島に多くの鉄が集まったのは、そのEF71・ED78最後の特急牽引という勇姿を記録するためでした。しかし、当時の私はすでに出来上がっていた三脚の林に怖じ気づいて場所取りには参加せず、お目当てのEF71重連は編成の入らない位置での撮影となってしまいました。

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EF71 3先頭、EF71重連の「あけぼの」。
奥羽線の板谷峠で活躍したEF71は、
同線の標準軌化によって全機が引退してしまいました。

ここ福島で機関車が付け変えられるため、早々と切り離されてしまった重連のEF71(写真にも切り離し作業の係員が写っていますね)。変わりにこの先の福島から黒磯までを牽引する、ED75が入ってきました。もうこうなると林と化していた三脚は次々と撤収してゆき、撮影場所にもいくらか余裕ができてきます。今でこそ超貴重なED75牽引のブルトレですが、当時はまだED75ならいくらでも撮れるという状態だったのですね(ルート変更後も「あけぼの」は、黒磯~小牛田、新庄~青森で、引き続きED75牽引でした。その後、秋田新幹線開業に伴い、現在の上越・羽越経由へと変化)。

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ED75 734先頭、ED75重連の「あけぼの」。
現在でも数機が活躍するED75ですが、当時とは全面窓の白Hゴムや
運転席窓のサッシ化などの変化が生じています。

それでも連結されたED75は、当時としてもちょっと嬉しい重連でした(「あけぼの」のED75が重連になることは少なくなかったものの、通常は単機牽引)。しかもよく見れば、先頭は700番台ですが、後ろはデカパン・ヒサシ付きの0番台じゃないですか。EF71では撮れなかった編成の入るアングルから眺める、ED75重連牽引の白帯24系10連。堂々たる寝台特急「あけぼの」の姿です。

先日運転されたED75が牽引する白帯24系。その姿にかつての寝台特急「北星」や「ゆうづる」を思い浮かべた方も多いと思いますが、撮影された皆さんの力作、秀作を拝見して、私が真っ先に思い浮かんだのは、この福島で撮った「あけぼの」の姿なのでした。ちなみに写真がモノクロなのは懐かしさを強調するためのデジタル加工ではなく、この頃はフィルム代や現像費を浮かすためにモノクロフィルムで撮影して、自分で現像していたのです。トライXのD76現像、ちょっと粒子が粗いかな?

写真はすべて90年8月30日、東北本線・福島駅にて撮影。



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