中央本線・辰野支線・・・クモハ123「ミニエコー」 撮影記 [鉄道写真撮影記]
鉄にとって毎年、この年末時期に気になることと言えば、来春に行われるダイヤ改正の内容発表。とくに近年は新設列車よりも廃止列車や引退する車両などに注目が集まります。 果たして廃止が危惧されている寝台特急「あけぼの」や夜行急行「はまなす」などは、無事に生き残ることができるのか・・・おそるおそるその内容を見てみると、目立ったところでの廃止列車はない様子。まずはホッと一安心 ε-(´▽`)ホッ。来春の改正は秋田新幹線の新型車両・E6系の運転開始と言った目玉はあるものの、列車の増発や到達時分の短縮、快速の停車駅見直しなど、地域ごとの利便性向上がメインと言ったところで、最近のなかでは比較的おとなしめの改正内容と言えるのではないでしょうか。新型への置き換えなどにより引退する車両はいくつかありますが、上越新幹線の200系や常磐線の651系・E653系、東海道・名古屋地区の117系、北近畿特急の183系など、ある程度は想定内でした。ただし、私的に予想外だったのがひとつだけ・・・それは中央本線の旧線部分(辰野支線)にあたる、辰野~塩尻で運転されていた「ミニエコー」の引退。
中央本線の岡谷~塩尻間は元来、辰野を経由する善知鳥(うとう)峠越えのルートで開業(1906年)しましたが、のちに長大な塩嶺トンネルを抜けるみどり湖経由の短絡線(塩嶺ルート)が開通(1983年)。これにより同駅間は大幅な時間短縮が実現し、あらためて塩嶺ルートの新線が中央本線のメインルートとなり、辰野経由の旧線は支線化。そこで利用者が減った辰野~塩尻間の輸送力適正化を目的として、支線用に荷物電車(クモニ143)から改造された単行形電車が、今回引退発表されたクモハ123系・愛称「ミニエコー」です。
文章だけでは解りづらいと思いますので、
中央本線 岡谷~塩尻の路線図を添付します。
青がみどり湖経由の新線で、現在のメインルート。
赤が辰野経由の旧線で、現在の辰野支線。
「ミニエコー」が運転されているのは支線の
塩尻から辰野の間になります。
種車の新製から34年、改造から26年の立派な国鉄形である「ミニエコー」。そもそも荷物電車から改造されたなどという経緯を考えれば、いつ引退してもおかしくはなかったのですが、使用されていた運転区間が短く、さらにその輸送量に見合ったとされる1M方式両運転台の車両、つまり単行電車の代わりがJR東日本にはなく、新製される可能性も薄いことから、「ミニエコー」をもうしばらくは使い続けるものだとばかり思っていました。しかし今回の発表内容では、辰野支線での単行運転をやめ、大糸線などで使用されている二両編成のステンレス車両・E127系を導入するとのこと。一両のローカル電車が二両編成になることなど、世間一般からしてみたらたいしたことではありませんが、JR東日本唯一の営業用単行電車の引退ともなれば、鉄としては一大事です。そこでさっそく、連休最終日の24日に「ミニエコー」が走る中央本線・辰野支線へと行ってみることにしました。う~ん、我ながら見事な「葬式鉄」っぷりだなぁ・・・(^^;)。
12月24日(月)
信州へのアプローチは
中央東線のエース、特急「スーパーあずさ」で。
中央本線 立川
まずは立川から松本行きの特急「スーパーあずさ5号」へ乗り、中央本線を下ります。今は「青春18きっぷ」の発売シーズン。それなのに、たかだか辰野か塩尻あたりまで行くのに特急利用とは、私にしてはちょっと贅沢・・・? たしかに中央本線の普通列車は本数が多く、しかも長距離区間を運転をしているので、接続さえ良ければ一、二回程度の乗り継ぎで都内から塩尻まで到達することができます(所要時間は、だいたい四時間くらい)。でもたまには、いつも私が乗った普通列車をびゅんびゅん追い越してゆく特急列車の方に乗ってみたい。この日はクリスマスイブだし、特急利用はちょっとした自分へのご褒美と言ったところ。そこでどうせ乗るならばと、速達タイプの「スーパーあずさ」をチョイス。E351系自慢の振り子機能を生かし、カーブでも速度を落とすことなく飛ばしてゆきます。このスピード感、気持ちイイ~。゚+.(・∀・)゚+.゚。中央道がトンネル崩落事故の影響で一部区間通行止めとなり、高速バスの所要時間にも影響が出ていることから、連休の中央線特急は混雑するかと思って指定券を取ったのですが、車内は意外にもガラガラ。これだったら自由席でもヨカッタかな(久々に特急へ乗ったのに、考えがセコいね・・・´Д`;)。立川からの二時間を快適に過ごし、10時22分着の岡谷で下車。もし普通列車でこの時間に岡谷へ着こうとするならば、立川を朝6時半に出ねばならないので、この二時間の短縮はさすが特急と言ったところ。
久しぶりに乗った「スーパーあずさ」は快適でした (^^)。
中央本線 岡谷
岡谷の0番線に停車しているのは、
辰野を通って飯田線へと入る天竜峡行きの普通列車で、
JR東海の313系が使用されています。
中央本線 岡谷
岡谷は先に説明したように、みどり湖経由の本線(新線)と辰野経由の支線(旧線)の分岐駅。ただし支線の岡谷~辰野間は現在では飯田線へ直通する列車が主体で運転されており、中央線の支線と言うよりは飯田線の一部といった感じ。お目当ての「ミニエコー」も岡谷までは来ず、辰野まで行かないと会うことはできません。では次の行程はこの飯田線へ直通する列車で辰野へ出るのかというと、そうではなく、私が乗るのは先ほどの「スーパーあずさ」と同じく本線を経由する松本行きの普通列車。
岡谷から次に乗る列車は、
長野色115系の松本行き普通列車。
中央本線 岡谷
塩尻側から辰野支線へと入るのならば、岡谷ではなく塩尻で「スーパーあずさ」を下りればいいのに・・・と、お思いの方も多いでしょう。でも実は私が目指していた駅は辰野でも塩尻でもなく、本線ルート上にあるみどり湖(駅の位置関係は上記の地図参照)です。日中は二時間に一本程度の運転間隔である辰野支線。徒歩鉄がその列車に乗って沿線の撮影地を訪れるとすると、乗った列車は撮影できず、折り返して来るのを待たねばなりません。これでは本数の少ない辰野支線を撮るのに効率が悪すぎる。そこでまずは支線に乗らなくても撮影でがきる、塩尻付近の撮影地を探すことにしてみました。たしか以前に本線の車窓から、カーブして分岐してゆく辰野支線の築堤が見えて、そこが撮りやすそうだと思ったことがあったのです。そこまで塩尻から歩ける距離か地図で調べてみると、意外にも塩尻よりもみどり湖の方が近そうだと言うことが判明。そんなワケで今回の目的地をみどり湖としたのでした。ただし他の撮影地はあまり調べて来ておらず、ほとんど行き当たりばったり。頼りはスマホの地図だけです。
立川0822-(スーパーあずさ5号)-岡谷1021~1031-(中央431M)-みどり湖1037
本線(新線)の塩嶺ルート上に設けられた唯一の駅、みどり湖。
駅舎はなく、線路を跨ぐ公道上に方向別の入り口がある
ちょっと変わった構造の駅。
中央本線 みどり湖
旧線こと辰野支線の線路を目指し、西へ向かって歩きます。
スマホの地図が示したルートは、こんな未舗装の細い道・・・
(´Д`;)ダイジョブカ?
ちょっと不安に思いつつもしばらく歩くと
山裾の築堤上に、立ち並ぶ架線柱が見えてきました。
次の辰野支線の列車は、塩尻のひとつ手前にある小野を11時11分に出る下りの塩尻行き(159M)。私がみどり湖に着いたのは10時37分ですから、通過まで約30分しか時間がありません。知った道ならばサクサク進めるところですが、何せ初めて行く撮影地。慎重に地図を確認しながら歩いていたら、辰野支線の線路が見えるところへ出るだけで10分近くを要してしまいました。撮影地にと考えていたカーブのポイントまではまだかなりの距離がありそう。地図を見るかぎり、とても残り20分では到達できません。そこでとりあえず次の列車は、間に合う範囲の近場で撮れるところを探すことにしました。とはいえ、峠越えをする支線は勾配を上って、上の写真を見ても解るようにかなり高い位置を走っています。線路脇まで近づけるようなところなどあるのか・・・? スマホの地図と自分の直感だけを頼りに歩みを進めてゆくと、やがて上へと続く急な坂道が見えてきました。その傍らにはクルマへの注意を促す「踏切アリ」の看板が見えます。踏切があると言うことは、線路まで近づけるハズ。
上の方へ伸びる坂道。
右脇には「この先の踏切・小特を除く車両通行禁止」の標識が。
踏切があるのか・・・?
坂を上がりきってみると、ウマく線路際に出ることができました!
でも、あたりを見渡しても踏切らしきものは無いぞ・・・(゚-゚;) ハテ?
積もった雪で足を滑らせないよう慎重に坂を上ってみると、付近に踏切は無かったものの、クルマが転回できるようなちょっとしたスペースが広がっており、嬉しいことにすぐ脇を走る支線を撮るのに都合がよさそう。それにしてもこのスペースは一体ナニ・・・? 実は着いたときはあまり深く考えなかったのですが、あとから調べてみると、ここはかつて本線だった時代に設置されていた東塩尻信号場の跡地だったらしい(83年の新線開業とともに廃止)。この日は雪で埋もれていて確認できませんでしたが、スイッチバック時代の側線なども残されていて、廃線・廃駅巡りとしてはけっこう有名な場所とのこと。見当たらなかった踏切は、その当時に存在していたものなのかも知れないですね。そうとは知らず、私は何だか知らないけれど撮りやすそうなスペースを発見!と、喜んでいたのでした。さっそくここでカメラを構えてみます。カーブの向こうにはトンネル(善知鳥トンネル)の出口が見えていて、300~400ミリクラスの望遠レンズがあればトンネルから出て来たところを正面がちに狙えそう。でもあいにくこの日は長タマを持って来ておらず、ズームレンズの200ミリが精一杯。そこでトンネルをワンポイントとして背景にちょこっと置いて、列車を手前のカーブまで引き付けてみることにしました。
やがてトンネルの奥から二つの光が・・・
撮り鉄として、このライトが見えたときの緊張感は堪りません。
(*゚∀゚)ドキドキ
旧線の峠道を快走する、単行電車「ミニエコー」。
独特の重いモーター音が山あいに響き渡ります。
中央本線(辰野支線) 小野-塩尻
「あれ?「ミニエコー」はどっちが前パン(パンタを上げている方向)だっけ・・・??」 などと通過する直前になって妙な迷いが出るも、なんとか落ち着いて見極めてパンタを切らずに迫力あるカットが撮れました~ (^^)。何度か塩尻駅などで停車中の姿を見かけたことはあったけれど、沿線で走る「ミニエコー」を撮ったのはこれが初めて。ローカル線の単行電車というとのんびり走るイメージがありますが、「ミニエコー」は驚くほどの俊足ぶりで、通過後すぐに振り返るも、後追いを撮ることはできませんでした (;゚д゚)ハエー…。 それでも一発目がビシッと決められたので大満足。
今の列車が塩尻から折り返して来るのは約一時間半後。その時間を利用して、今度こそ最初に行こうと考えていたカーブの撮影地へと向かうことにします。これだけ時間に余裕があれば、のんびりと散策しながらでも間に合いそう。
このあたりの集落は広くて大きな家が多く、
道沿いに立派な蔵がいくつも見られます。
観光地ではないけれど、なかなか趣のあるいいところです。
辰野支線沿いには寺院や神社も多く目につきます。
そのうちのひとつである三嶽神社に寄って、
いい写真が撮れるよう、お参りしてゆきましょう (-人-)。
この神社は本殿の地下より湧き出ているという
手水が有名なのだそうな。
私は東京生まれの千葉育ちで、両親も共に東京生まれ。でも実は父方の祖母はこの辰野支線沿いにある小野(辰野町)出身で、今でも何人かの遠い親戚が住んでいるという。私が小野の親戚宅へ行ったのは、高校生の頃に一度だけ法事で父に連れられて来られた程度なのですが、このあたりは何となく懐かしいというか、居心地の良い空気を感じます。私と小野の繋がりは深くないけれど、ひょっとしたら私のなかに流れる先祖の「血」みたいなものがそう感じさせているのかもしれません。そんな事を思いながら塩尻方向へしばらく歩くと、やがてリンゴ畑の向こうにお目当ての撮影地が見えてきました。
山裾を迂回するように引かれた、辰野支線の大カーブ。
15連の列車でも余裕で入りそうなほどの雄大な撮影地ですが、
ここを通るのはたった一両の「ミニエコー」。
同じ場所から振り返ると、
現・本線を行く「スーパーあずさ」の姿が見えました。
手前にある木々はリンゴで、
花や実がついた時期に訪れてみるのも面白いかも。
中央本線 塩尻-みどり湖
この築堤上の大カーブこそが中央線(現・本線)の車窓から見えていた辰野支線の撮影地で、一度は訪れてみたいと思っていた場所。カーブの中間付近にはちょうど線路の高さに合った踏切があり、ここから撮るのが良さそうです。神社などに寄りつつのんびり歩いて来たこともあって、最初の撮影地からの所要時間はほぼ一時間。カメラをセットすると程なくして、塩尻を発車して来た「ミニエコー」(158M)が姿を現しました。
木々の合間を抜けて、築堤上に現れた「ミニエコー」。
中央本線(辰野支線) 塩尻-小野
いかにも旧線らしい大カーブを突き進んでゆきます。
こちらの上り方は、パンタを下げた「下げパン」側。
念願の大カーブで撮った「ミニエコー」。単行電車でこのカーブを表現しようとすると、どうしても後スカになってしまいますが、それは仕方のないところ。でも、思ったよりもいい画にならなかったような気がします。どうせならもっと引いて、後ろのカーブを端まで入れるべきだったかな・・・。それよりも、このポイントで最初に撮った上の写真の方がなんとなくまとまりがあるように感じて、個人的にはそっちが気に入りました。単行の「ミニエコー」は引きだと寂しい画になってしまうのではないかと思っていましたが、案外この方が単行ということが強調できて面白いのかも知れない。そこで今度はもう少しスッキリと引き画が撮れるポイントから狙ってみることにしました。次の列車は約30分後に通過する塩尻行き161M。運転間隔の広い辰野支線にあって、なぜかこの列車だけは折り返し時間が短く、すぐにやってきます。急いで目をつけておいた丘の上へ ε=┏(・Д・)┛イソゲッ! 。
雪で白くなった路盤をゆく「ミニエコー」。
雪が解けて温かくなる頃、この車両は引退を迎えます。
中央本線(辰野支線) 小野-塩尻
何とか間に合って、カーブから直線にさしかかったところをタテ位置で撮影・・・って、あれ? 引き画の写真を撮るんじゃなかったのかって? 実はこの場所、同じ立ち位置で180度カラダをまわすと、こんな写真も撮れちゃうのです。
右へ左へカーブを切り、
山裾を縫うように敷かれている辰野支線。
築堤上を単行車両が懸命に駆け抜けてゆきます。
中央本線(辰野支線) 小野-塩尻
追って、もう一枚。こちらは二つの山が入ります。
ズームアップしてさらにもう一枚。
集落の家々を見下ろすように走る「ミニエコー」。
はじめに手前の線路で撮った列車はしばらくすると、大きく迂回して反対側の景色に再び現れました。一粒で二度どころか、三度も四度もオイシイこのポイント。タテ位置で撮った写真もなかなかいい感じで撮れましたが、やはりここでの本命は俯瞰撮影。抜けの良い俯瞰ポイントだと、列車が見えなくなるまで何度も何度も追いかけたくなります。これで山々に雪化粧などの色気があればなぁ・・・などと、つい贅沢なことを思ってしまいますが、背景が白くなってしまうと「ミニエコー」が目立たなくなってしまうかもしれず、これはこれで良かったのかもしれません。
予定通り、一往復半、合計三本の「ミニエコー」を撮り終えて撤収。次の「ミニエコー」は一時間半後の辰野行き上り列車(160M)なので、それまでに塩尻駅へと歩いて行き、そこから今度は「乗り鉄」の方を楽しみたいと思います。
丘を下りて塩尻駅方向へ歩くと、本線のガード下をくぐります。
ちょうど115系の普通列車がやって来たので一枚撮ってみましたが、
背景に山が入って(高ボッチ高原かな?)
ここもなかなか信州らしい、いいポイントです (^^)。
この辺は本線と支線をウマく組み合わせて撮影計画を立てると、
一日いても飽きないかもしれませんね~。
中央本線 みどり湖-塩尻
丘の上の撮影地から歩くこと40分ほどで塩尻駅に到達。
クリスマス寒波に包まれているとのことでしたが、
思ったほどは寒くなく、いい運動ができました。
中央本線 塩尻
塩尻駅は中央本線の途中駅ながら、
東京方面へ向かう、通称・中央東線と
名古屋方面へ向かう、通称・中央西線との分岐駅。
左へカーブしているのが特急「あずさ」などが走る東線で、
右の西線には、名古屋からの特急「しなの」がやってきました。
中央本線 塩尻
改札を抜けてホームへ下りると、
先ほど撮影した「ミニエコー」が待機中。
タイミングよく長野色115系との並びが見られました。
来春の改正では、長野地区へ投入された
211系の運用開始も伝えられており、
この長野色115系にも変動がありそうです。
中央本線 塩尻
あらためて「ミニエコー」ことクモハ123系に目をやると、
内外の車端部にズラリと貼付けられた銘板に目がいきます。
いちばん上の「JR東日本」の所属銘板を除くと、
製造、改造銘板が全部で四枚。
その多さがこの車両の波瀾万丈な歴史を物語っています。
JR東日本に所属するクモハ123はこの1番のみ。
荷物電車からの改造から四半世紀あまり、
たった一台で支線の任務をこなしてきました
(「ミニエコー」は一台のみの存在であるため、
検査時などは115系が代走にあてられます)。
塩尻駅の辰野支線ホーム(3番線)で、発車を待つ「ミニエコー」。沿線の撮影地では一人の同業者も見かけませんでしたが、さすがに引退発表直後の祝日とあって、ホームには何人かの方が「ミニエコー」へカメラを向けていました。それでも数人程度で、まだおとなしい方。この先は引退を惜しむファンが徐々に増えてゆくことでしょう。車内はそんな鉄よりも純粋な地元客で結構な乗車率。「ミニエコー」名物とも言える、長いロングシートはほぼ満席です。塩尻から辰野は距離的にも時間的にもたいしたこと無いので、私は立って過ごそうかと思っていたところ、学生さんがちょっとずつ詰めてひと席空けてくれたため、ありがたく座らせてもらうことにしました (*´∀`)ノァリガトネー。多くの客を乗せて、辰野行きの「ミニエコー」は定時に塩尻を発車。
意外と・・・と言っては失礼ですが、
ほぼ満席となった「ミニエコー」の車内。
塩尻を発車すると、しばらくして現・本線と分岐します。
本線は複線ですが、辰野支線は単線です。
中央本線 塩尻付近(車窓から)
先ほど撮影した大カーブを経て徐々に勾配を上がり、
列車は善知鳥峠越えへと挑みます。
はじめに撮影した旧・東塩尻信号場付近では
ここまでの高さに上がってきました。
中央本線(辰野支線) 塩尻-小野(車窓から)
善知鳥峠を越えると、少しだけ雪が深くなっていました。
このあたりの沿線もいい感じで撮れそうですが、
ここで途中下車しちゃうと、次は二時間も列車が無い・・・(・ω・`)。
中央本線(辰野支線) 小野付近(車窓から)
祖母の生まれ故郷である小野。
そして次駅の信濃川島は一面一線の地味な駅ながら、
中央本線全線で唯一、交換設備を持たない駅だったりします。
塩尻と辰野を含めたこの全四駅が「ミニエコー」の活躍の場。
中央本線(辰野支線)小野/信濃川島(車窓から)
塩尻から20分、飯田線との接続駅である辰野に到着。
「ミニエコー」に乗った小さな旅が終わりました。
中央本線(辰野支線) 辰野
中央本線は何度も乗っているけれど、この辰野支線に乗るのはいつ以来だろう・・・。実は前述した小野の親戚宅へ行った際に、私はてっきりこの辰野支線は全線(岡谷~辰野~塩尻)乗ったものだとばかり思っていました。ところがあとから父とした話の中で、あの時は列車の接続が悪くて、辰野からタクシーで親戚宅へ向かったことが判明。帰りは小野から列車に乗って塩尻へと出ているものの、辰野から小野の間はずっと未乗のままだったのです。それに気付いたのは、国鉄・JR乗りつぶしのかなり後期。全線完乗まであと残り数線のローカル線を残すのみとなっていたところで、慌てて中央本線・辰野支線を乗りつぶしたのでした。今から16年前の96年のこと。辰野支線に乗るのはそれ以来か・・・。その後、仕事で塩尻や岡谷へは何度か出張で訪れ、そのたびに辰野支線へ乗ってみようかと思うも、時間的なタイミングと本数の少なさがネックとなって、結局、支線へは乗らずに本線経由で帰っていました(そういえば、そんな事を一度「ONE-shot」でも書いていますね)。今回は「ミニエコー」の引退がキッカケとなって久々に訪れた辰野支線でしたが、やはり長いトンネルでスパッと抜けてしまう現・本線よりも、勾配を上がって峠越えをする旧線の辰野支線は景色がよく、撮り鉄だけでなく乗り鉄的にも楽しむことができました。
辰野で飯田線からやって来た岡谷行きに乗り換え。
ここで「ミニエコー」とはお別れです。
来年3月の引退までにもう一度会う機会はあるのか?
それともこれがラストになってしまうのかな・・・。
中央本線(辰野支線) 辰野
朝に「スーパーあずさ」を降りた岡谷へと戻ってきました。
これで辰野支線を巡る撮り鉄・乗り鉄旅は終了です。
中央本線 岡谷
塩尻1419-(中央160M)-辰野1440~1446-(1425M)-岡谷1458
岡谷からスタートし、みどり湖から塩尻まで歩きながらの撮り鉄、そして塩尻から辰野まで「ミニエコー」の乗り鉄を楽しんで、最終的にスタート地点の岡谷へ。本数の少ない辰野支線ですが、撮り・乗りともに効率よくまわることができて、存分に満喫することができました。10月の青森旅行以来、しばらくは青梅線や江ノ電、都電・東武など近場での撮影が続いていましたが、やっぱりちょっとした遠征は気分的にもリフレッシュできていいですね~。おそらくこれが今年最後の鉄道旅になると思われますが、来年も時間とお金が許すかぎり、いろいろなところへ行ってみたいと思います (^^)。
行き(往路)は「スーパーあずさ」を使いましたが、
帰りは節約のため、いつもの鈍行旅です。
115系のボックスシートに揺られてのんびりと帰りませう。
中央本線 茅野
115系の車内で食べるのは、
塩尻駅で買っておいた「とりめし弁当(¥610)」。
野沢菜が入っているのが信州らしくていいですね。
☆☆・・・
そしてやはり塩尻と言えば、お供は地元のワイン(¥290)。
とりめし弁当に赤ワインとはミスマッチなように見えますが、
意外とこれが合うんです。(^^)
これで合計900円とは何ともリーズナブルな「飲み鉄」。
岡谷1623-(1536M)-小淵沢1704~1710-(346M)-甲府1748~1808-(564M)-高尾1938
☆オマケ☆
この旅の前日にあたる23日には、天皇杯サッカーの準々決勝、ジェフ千葉vs鹿島アントラーズの試合(東京・味スタ)を観戦してきました。結果は残念ながら0-1で敗れてしまいましたが、J2のジェフにとって、久々にJ1強豪チームとの公式戦は、選手・サポーターともに楽しめたのではないかと思っています。来年こそ悲願のJ1復帰を果して、再来年はリーグ戦でアントラーズと対戦したいところです。木山カントク、一年間の指揮お疲れさまでした。。。
ONE-shot 104 Xmas Express 2012 [PICK UP ONE-shot]
PICK UP ONE-shot 104 Xmas Express 2012
一見なんの繋がりも無いような組み合わせですが、
この時期に私が思い浮かべるのは、90年代に流れていた
JR東海「クリスマス エクスプレス」のテレビCM。
もうCMが流れなくなって久しいけれど、
今でもきっと、クリスマスを大切な人と過ごすため、
イブの夜に新幹線へ乗り込む人って、いるのでしょうね。
もしも、あのCMが今でもあったなら・・・
と、イメージして、毎年撮影している「Xmas EXPRESS」。
今年はピンクのイルミネーションと組み合わせてみました。
でも、ただ流すだけでは面白くないな・・・と思い、
レンズに「(*゚∀゚)=3 はあ~っ」と、息をひと吹き。
すると、冷たい夜風にさらされていたレンズはたちまち白く曇り、
ちょっぴり幻想的な世界に早変わり~ ♪
使い古した技法をやってみましたが、
はたして今でもこんな撮り方をしている人はいるのかいなと気になって、
『カメラレンズに息吹きかけるのは
コーティングにダメージを及ぼすので絶対にやっちゃダメ!』
との解説が・・・エッ?(;゚⊿゚)ノ マジ?
カメラやレンズを大事に使うよいコは
あまり真似をしない方がいいようです。。。(;^^)ゞ
みなさん、楽しい週末をお過ごし下さい ☆.。・:*:・゚。
都電・東武・・・ライトアップ・スカイツリー 撮影記 [鉄道写真撮影記]
先週のとある日、外勤でたまたま乗った東武の電車で一枚の中吊り広告に目が留まりました。そこにあったのは緑色に光る「スカイツリー」の写真。ご存知、今年5月にオープンして大きな話題となった「東京スカイツリー」。この新たな東京のシンボルは日暮れと共に毎日ライトアップされ、隅田川の水をイメージした淡いブルーの「粋」と江戸紫をテーマとした赤紫色の「雅」の二種類が一日ごと交互に点灯するのが通常パターンです。しかしこの中吊り広告によると、クリスマス時期の週末に限り「クリスマス・スペシャルライトアップ」として、もみの木をイメージした緑色(日や時間帯によってはキャンドルの炎をイメージした赤色)にライトアップされるらしい。クリスマスという華やかな一大イベント、そして何より「限定」という響きに弱いニッポン人。かく言う私もそのひとりで、フツーのライトアップでは見向きもしないのに、限定のクリスマスバージョンとあらば一度見てみたくなりました。そして私はやはり鉄なので、できることならこの「世界一高いクリスマスツリー(?)」と鉄道のコラボを撮影したいところ。しかしスカイツリーと鉄道を絡めた撮影地はいくつかありますが、当然ながらライトアップは夜景となるため、走行中の列車を止めるのは相当に厳しい。となると、駅などに停車中の列車とスカイツリーがウマく納まる場所がベストです。でも、そんな好都合な撮影地があるのだろうか・・・? 実は私には一箇所だけ心当たりがありました。そこはネット上で写真を見かけただけで、私自身は一度も行った事がない撮影地なのですが(まるで前回の七里ヶ浜俯瞰みたいだね ^^;)、まあ都内なら手軽にいけるし、列車とのコラボがムリならば限定色のスカイツリーだけでも撮れればいいかとの軽い気持ちで、ためしにその撮影ポイントを訪れてみることにしました。
12月14日(金)
あらためて東京スカイツリーのHPで詳細を確認すると、前述したようにスカイツリーのスペシャルライトアップは週末の金・土・日限定。しかも午後7時から9時までの二時間のみで、それ以外の時間帯は通常の「粋」か「雅」(の冬季バージョン)が点灯されているとのこと。たった二時間だけとはちょっとセコい気もするけれど、これならば慌てる必要は無く、金曜日の退勤後でもじゅうぶんに間に合います。勤務先の最寄り駅から地下鉄と山手線を乗り継いで向かったのは大塚。ここでその撮影地がある路線へと乗り換え。
大塚駅前の山手線ガード下に停車しているのは、
現在残っている唯一の都電、荒川線。
都電荒川線 大塚駅前
大塚の駅前から私が乗り込んだのは、都電唯一の生き残りである荒川線の電車。そう、今回の目的路線はこの都電荒川線です。かつては東京都区内を中心に多くの路線網が展開されていた東京の路面電車「都電」。しかし自動車の増加で主要道路を走る路面電車の運行が困難となり、さらに急速な地下鉄網の発達などでその役割を終え、60年代後半から70年代前半にかけてほとんどの路線が廃止。最盛期には41系統あった路線も今や三ノ輪橋(荒川区)と早稲田(新宿区)を結ぶ、荒川線のみとなってしまいました。そんな都電荒川線、最近では地元区民の足としてだけではなく、下町情緒を味わえる観光路線としても注目を浴び、テレビや雑誌等のメディアで取り上げられることも多くなっています。私はと言えば、勤務先の健康診断が雑司が谷のクリニックで行われるため、少し前までは路線西部の新宿区、豊島区界隈をちょくちょく利用していたのですが、数年前に地下鉄・副都心線が開業してからはそちらを使うことが多くなり、都電はしばらくご無沙汰。そして今回の目的地がある、東部の北区、荒川区方面ともなると、はたして乗ったのはいつ以来なのか記憶が定かではありません。なので路線図もあまり頭に入っておらず、大塚駅前から目的地の荒川区役所前まではせいぜい20分ぐらいだろうとテキトーに見積もっていたものの、実際は倍の40分もかかってしまいました。ようやく到着したのは7時を10分ほど過ぎたところで、すでにスペシャルライトアップは始まっているハズ・・・。
大塚駅前1830-(都電荒川線)-荒川区役所前1910
その名のとおり、荒川区役所近くにある荒川区役所駅前の電停。
この写真ではちょっと解りづらいですが、
線路の先(電車の上あたり)にはスカイツリーが見えています。
都電荒川線 荒川区役所前
荒川区役所前で都電を降り、前駅の荒川二丁目寄りへ少し戻ったところにある踏切が、スカイツリーと都電を一緒に写しこめることで有名な撮影ポイントで、ここでは開いた踏切から荒川区役所前電停に停車中の電車を後追いで狙います。ただし踏切が開いてからアングルを決めて長時間露光するのは容易なことではなく、かといってモタモタしていると電車はすぐに電停を発車してしまうので、ここではいかに迅速に行動できるかが成功へのカギ。電車が通過して踏切が開き、安全を確認したら、いざ撮影開始。ε=┏(・Д・)┛イソゲッ!!
電停に佇む都電の先に見えるのは、
美しくライトアップされたスカイツリーの姿。
都電が走る昔ながらの情景に、今年は新たな名所が加わりました。
都電荒川線 荒川区役所前(開いた踏切から望遠で撮影)
あちゃ、焦ってスカイツリーのてっぺんを切ってしもうた。しかもビミョーに斜めっているし・・・(ーдー;)。写真では明るいように見えますが、実際にファインダーで覗くとかなり暗くて、短時間で電車やスカイツリーの位置、さらにピントや水平を合わせるのは結構大変な作業です。ちなみにこの場所は後追い限定。向かってくる電車の場合は当然ながら踏切が閉じているので、ここでは正面を撮ることはできません。ところで、今回いちばんの目的であるスカイツリーですが・・・あれ?これがスペシャル? どう見ても緑色には見えず、電球色のようなフツーのライトアップと変わらない気がするけれど・・・(・・∂) アレ? なんて思いながら、よ~く目を凝らしてみると・・・(◎_◎) ンン!?
架線柱のスキマからわずかに緑色が・・・
あっ、たしかにちょろっとだけ緑が見えている ( ゚▽ ゚;)! あとから調べてみると、このライトアップはオレンジと緑で構成された「シャンパン・ツリー」といわれる色で、オレンジの部分はシャンパンをイメージしている色なのだそうな。な~んだ、タワー全体が緑色になるわけではないのね・・・。と、いうことは、クリスマスツリーをイメージした肝心な緑色の部分が見えにくいこの場所は、明らかに撮影地の選択ミスではないか・・・(´Д`;)トホホ。でも、せっかく来たのだし、一枚くらいはビシッと決めたのを撮っておきたい。中途ハンパなスペシャルライトアップですが、少しここで都電撮影を続けます。
赤いカラーの電車は最新型の8800形。
8800形は従来の都電カラーである黄緑色にとらわれず、
赤、黄、紫、橙の四色があります。
近代的なデザインの新型車はスカイツリーとのコラボも良く似合う?
でも、やっぱり私のなかで都電といえば、この7000形のイメージ。
吊り掛け駆動方式の懐かしいモーター音を響かせて、
東京の街を走り続けます。
しかし、電車がブレちゃったり、スカイツリーの位置が悪かったり、さらには反対方向の電車と重なって踏切が開かないとか、手前の道路に車が通過してライトの軌跡が横切るなど、なかなかウマく撮ることができず、結局40分も粘ってなんとか見られるようなカットは、この8800形と7000形の二枚だけ。もうこうなると、レトロタイプの9000形や7000形のリバイバルカラー車(7022)が撮りたいなどという贅沢なことは言えません。それでも新型の8800形と旧型の7000形が一枚ずつ残せたので、とりあえずは満足かな・・・。ここで時計に目をやると、時刻はちょうど8時になるところ。スペシャルライトアップの終了まではあと一時間あります。このまま緑色が解りづらい場所での写真だけじゃ面白くないので、予定には無かったけれど、急いで別の撮影ポイントへ移動することにしました。
まずは荒川区役所前から
早稲田行きの都電で三駅の町屋へ戻ります。
都電荒川線 町屋駅前
町屋からは京成の下り普通列車へ乗り込み・・・
京成本線 町屋
二駅目の関屋で下車。
正式な駅名は京成関屋ですが、駅名板は「せきや」のみ。
京成本線 京成関屋
京成関屋駅は東武伊勢崎線の牛田駅に隣接しています。
ここからは東武の上り普通列車に乗って・・・
東武伊勢崎線 牛田
やはり二駅目の鐘ヶ淵で下車。
目的地周辺です。ルート案内を終了します【・□・】。
東武伊勢崎線 鐘ヶ淵
荒川区役所前1955-(都電荒川線)-町屋駅前2000...町屋2005-(京成1917)-京成関屋2013...牛田2016-(東武伊勢崎線970)-鐘ヶ淵2020
都電に三駅、京成で二駅、そして東武を二駅と短区間で三路線を効率よく乗り継ぎ、荒川区から足立区を経て墨田区の鐘ヶ淵までやってきました。この駅から10分ほど歩くと横を流れる荒川の河川敷へ出ることができ、実はその土手の上が知る人ぞ知るスカイツリーのビュースポットなのです。さっそく土手へ上がってみるとそこにあったのは、まさしく緑色の「クリスマスカイツリー」(゚∀゚)!
鐘ヶ淵の土手上からは、
荒川区役所前で見えなかった緑色の部分もハッキリ。
これがクリスマススペシャル「シャンパン・ツリー」の全貌です。
うん、これならばスペシャルと言われて納得できます +.*.。(´∀`)゚+.*.キレィ。しかし問題はどうやって列車を写し入れるかということ。ここは鐘ヶ淵駅に程近く、土手上からもスカイツリーと絡めて東武伊勢崎線・・・もとい、東武スカイツリーラインの列車を撮ることができます。ただしホームでの停車位置は遠く、昼間ならば走ってくる列車を手前まで引き付けて撮るのが定番。でも今は夜で真っ暗・・・長時間露光で走っている列車を撮ると、流れて光の筋になってしまいます。
鐘ヶ淵のホームは10両分と長く取ってありますが、
ここに停車する普通列車の大半は短い6連で、
停止位置はちょっと遠め。
東武伊勢崎線 鐘ヶ淵付近
長時間露光で走っている列車を撮るとこうなります。
車体の帯色で何となく東急5000系だということは
解る気がしますが・・・。
これはこれで抽象的な鉄道写真として捉えれば決して悪くは無いのですが、どの列車、形式を撮ってもさほど変わり映えせず、クリスマスバージョンのスカイツリーがクリアに写っているのが一枚でもあれば、もうじゅうぶん。そこでここからは禁じ手ともいえる「超高感度」に設定して、走る列車を止めてみたいと思います。デジカメの感度を上げるとそのぶん粒子が荒れて画質が悪くなるので、私はあまり感度を上げるのを好まず、通常は日中の晴天でISO100か200。夜景でも400かせいぜい800程度。先ほどの荒川区役所前で撮った都電もISO800で、上の光の筋になった長時間露光はISO200で撮っています。でもここでは粒子が細かいクリアな写真で列車が流れちゃうより、たとえ荒れても高感度で列車を写し止めたほうが面白そう。私の持つカメラの最大感度はISO25600。にまんごせんろっぴゃくって、もう笑っちゃうくらいのインフレ感度です( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \。TTL(内蔵露出計)が示すシャッタースピードは1/125sec(f3.5)。果たしてどんな風に写るのか!?
ここは中央の通過線が狙いやすく、そこに照準を合わせていると、
現れたのは先ほどと同じ東急5000系。
同形式なので上とのいい比較対象になったかな?
なんと、夜なのに通過する走行列車を写しとめることができました~!オオ!ヽ(*゚O゚)ノ スゴイッ!! ザラッザラで、荒れっ荒れの画質ですが、ちゃんとスカイツリーの色も解るし、驚いたことに「花・寺社」と書かれたヘッドマークの文字や、車両ナンバーの「5105」もかろうじて読み取ることができます。フィルム時代では考えられなかったこんな撮影も可能になってしまうなんて、あらためてデジカメってすごいんだなぁ・・・。こうなると他の形式も撮ってみたくなり、できれば特急を・・・などと思っていると、ちょうど浅草を20時40分に出てきた200系の特急「りょうもう45号」の姿が見えてきました。しかし・・・
クリスマスバージョンのスカイツリーをバックに
カーブを走り抜ける200系の特急「りょうもう」。
引き付けて撮ろうとしたら、手前に6050系が・・・Σ(゚д゚;) ナニッ!
6050系の快速にカブられて撃沈・・・orz。この列車は私が撮り始めた8時半からクリスマスバージョンが終わる9時までの間で、唯一通過する下りの特急列車だったのに・・・残念 (´・ω・`) ショボーン。このあとは21時ちょうどに浅草を出る「スペーシア(けごん35号)」があるけれど、どうだろう。やっぱりクリスマスバージョンは9時キッカリに終わっちゃうものなのかなぁ・・・?
続いて通過線を走ってきたのは東急8500系。
通過線を通るのは東急田園都市線やメトロ半蔵門線からの直通車が多く、
あまり東武の沿線で撮っているという感覚がありません。
しかしこの8500系も、いつまで第一線(東急)で活躍できるのか解らず、
これはいい記録になりました。
下りの「りょうもう」はカブられたけれど、
上りの後追いは撮ることができました。
でもやっぱり下り列車の方が絵的に収まりがいいね・・・。
20時58分に上りの「りょうもう46号」が通過した直後、それまで美しい緑色に輝いていたスカイツリーは徐々にその輝きを失い、やがて真っ暗に・・・。時計の針は午後9時ちょうど。この日のスペシャルライトアップはここで終了です。ああ、やっぱり「スペーシア」までは待ってくれなかったか・・・時間にシビアね~(´∀`;)。
一旦消灯して真っ暗になったスカイツリー。
なんだか寂し・・・(;_;)。
やがて紫色の「雅(冬雅)」が点灯。
ちょうどその傍らを「雅カラー」の「スペーシア」が通過してゆきます。
図らずも「雅」同士のコラボになりました。
ライトアップの色は変わっちゃったけど、「スペーシア」まで撮影。まあ、紫色のライトアップを撮るのも今回が初めてだったので、一日で二色のスカイツリーが楽しめたと思えばいいかな・・・。これで撮影は終了です。
わずか30分程度だったとはいえ、寒風吹き荒ぶ荒川土手での撮影で体はすっかり冷えてしまい、このあとは浅草で熱燗でもひっかけてから帰ろうなどと考えながら電車に乗っていると、途中の曳舟で動かなくなってしまいました。どうやら下りの竹ノ塚付近で輸送障害(人身事故・・・)があり、伊勢崎線は全線で抑止。上り列車も行き止まり構造の浅草駅に入ることができず、曳舟でしばらく運転を見合わせるとのこと。仕方なく浅草での一杯は諦めて、かろうじて運転されていた半蔵門線への直通列車で、おとなしく帰ることにします。それにしても撮影中に抑止が掛からなくてヨカッタ・・・まさに間一髪と言ったところでした。
帰りは予定外の半蔵門線経由に・・・。
東京メトロ半蔵門線 錦糸町
鐘ヶ淵2120-(伊勢崎線980)-曳舟2123~2125-(半蔵門線2931K)-錦糸町2132~2144-(総武2051B)-御茶ノ水2153~2154-(中央2155T)-新宿2204
ライトアップされたスカイツリーと鉄道のコラボカット。都電の荒川区役所前では肝心の下半分が見えないという大失態をし、鐘ヶ淵では本命とも言える特急がカブられて、結果的にクリスマスバージョンで撮れたのは東急の車両ばかりだったという、なんともお粗末な撮影になってしまいましたが、スカイツリー開業初年のクリスマス・ライトアップを鉄道と絡ませて記録したいという第一の目標はとりあえず達成できたのではないかと思っています。東京のクリスマスシーンに新たに加わったスカイツリー・スペシャルライトアップ。来年はもうひとつの限定バージョンである「キャンドル・ツリー」の方を狙ってみようかな~(^^)。
江ノ電・・・七里ケ浜俯瞰 撮影記 [鉄道写真撮影記]
私は師と呼ばれるようなエライ人ではないけれど、師走ともなればそれなりに忙しくなるものらしい アワヽ(゚○゚ ;ヽ)三(ノ; ゚□゚)ノアワワ。そうなるとなかなか自分の都合だけではウマくまわらず、先週末はどちらかというと日曜の方が鉄ネタは豊富だったのですが(中央線の甲府まで24系寝台車を使用した団体列車が入線したり、西武では101系のさよなら運転があったり・・・)、日曜はどうしても外せない大切な用事ができてしまい、私に与えられた趣味の時間は土曜のみ。しかし日曜に対して土曜はあまり私的には食指が動くようなネタがなく、非鉄を決め込もうかとも思ったのですが、予報を見るかぎり風は強いものの天気はとても良さそう。ならば今回はネタに拘らず、前からちょっと気になっていたとある撮影地へと行ってみることにしました。その撮影地がある路線とは江ノ島電鉄、通称「江ノ電」です。
古都・鎌倉や江ノ島観光の足としてだけでなく、路地裏や海沿いを走るシーンは映画やドラマなどにたびたび登場し、今さら説明の必要がないほど有名な湘南を走る小さな電車、江ノ電。撮り鉄的にも、季節によって様々に変化する沿線風景と多種多様な車両の組み合わせが楽しめる、魅力的な路線です。しかし意外と私は撮影機会が少なく、一昨年の春に外勤ついでに藤沢から鎌倉まで乗り通したことがあるだけで、本格的な撮影となると、もうかれこれ10年以上も前のこと。毎年、梅雨時の紫陽花や併用軌道区間で行われる夏祭りなど、一度は撮影したいと思いつつもすっかり忘れてしまい、機を逃していました。遠くのローカル線もいいけれど、もっと足もとの魅力的な路線をしっかりと見直すべきなのかもしれません。そんなワケで今回はなんとなく江ノ電。でも今は紫陽花の時期ではないし、紅葉もほぼ終わりかけ。一体何を狙うのかというと・・・実はこの日の湘南には「ある注意報」が発令されていました。その気象条件こそが今回のキーポイントになります。
12月8日(土)
藤沢と鎌倉を結ぶ江ノ電。都内からのアクセスを大まかに分けると、横須賀線で鎌倉か、東海道線もしくは小田急江ノ島線で藤沢かの二通りになります。ルートは江ノ電沿線の目的地にもよるけれど、私が目指す場所はどちらを経由しても時間的、料金的に大差ありません。ならば週末の鎌倉は観光客で混んでいそうなイメージがあったので、藤沢側から江ノ電へと入ることにしました。
今回は久しぶりに東海道線でスタート。
普通列車で江ノ電の始発駅である藤沢へ向かいます。
東海道本線 大船
東京0853-(東海道765M)-藤沢0943
東海道線、小田急江ノ島線、そして江ノ電が乗り入れる藤沢。
江ノ電ののりばは小田急百貨店の二階にあります。
江ノ島電鉄 藤沢
江ノ電のターミナルは二面一線のみの頭端式ホーム。
向かって左が乗車、右が降車ホームです。
入線して来たのは1500形。
江ノ島電鉄 藤沢
一日乗車券を買って改札を抜けたと同時にホームへ入って来た鎌倉行きの電車は、折り返し先頭となる鎌倉方がレトロ調の10形、後方の藤沢方が一般形の1500形を連結した四連。現在の江ノ電は実に新旧6種もの車両が活躍しており、毎回どの車両に乗れるのかが楽しみでもあります。そんななかでも、やはりお目当てとなる車両はあるわけでして、鉄のいちばん人気は最古参で1960年製の300形。今回はネタに拘らず・・・とは言うものの、やはり300形を撮りたいのがホンネ (・ω<) テヘッ☆。現在は305F(305+355)一本のみが在籍している300形、果たして運用には就いているのでしょうか・・・? それはさておき、私が乗る列車の後方に連結されている1500形の1501Fは江ノ電らしからぬ白いボディにオレンジと赤の帯。これは何かの広告車かと思われがちですが、実は江ノ電初の新性能電車(カルダン駆動方式)である1500形がデビューした際、イメージアップのために塗られていたのがこの色で、当時は「サンライン号」の愛称で親しまれた、いわゆるリバイバルカラー。しかし私はこの形の電車と言えばグリーン塗装(旧塗装・後出)の1000形の方が印象深いため、リバイバルカラーと言われてもあまりピンと来ないと言うのが正直なところです・・・(^^;)。
江ノ電の車両はすべて連接式の二連ですが、
早朝・深夜を除き、二連×2の四連で運転されます。
併結は新旧・車種の隔たり無く行われ、
私が乗るこの列車は10形+1500形でした。
この統一感の無い編成も江ノ電の魅力のひとつ・・・かな?(^^;)
江ノ島電鉄 藤沢
私はそんな1500・・・ではなく、10形の方へ乗車。別に10形がスキとか、1500形がキライというわけではなく、ただ単に運転席後ろから前方の景色を眺めたかっただけ。しかしさすがは人気路線の江ノ電、前方かぶりつきにはすでにファミリーの先客がいました。前面展望は諦め、私はおとなしく席へと座ることにします・・・(´・ω・`)。
定刻に藤沢を出た列車はしばらく住宅街のなかを走り、10分ほどで江ノ島へ。すると、ここでファミリーの方々は下車していったので、変わって私が前方かぶりつきへとありつくことができましたヽ(・∀・)ノゎーぃ♪。これはグッドタイミング。江ノ電の前方展望はここ江ノ島から先が面白いのです。
江ノ島駅を発車した列車は程なくして
路線唯一の併用軌道(路面電車)区間へと入ります。
併用軌道を走る列車の展望はいつ見ても面白い (゚∀゚)!
江ノ島電鉄 江ノ島-腰越(車窓から)
腰越駅手前で併用軌道区間は終わり、
今度は住宅街の狭い路地裏へ。
江ノ電は塀や軒先をかすめるように走ります。
江ノ島電鉄 腰越-鎌倉高校前(車窓から)
その路地の先に見えて来たのは、湘南の青い海。
やぱり車窓に海が見えてくるとテンションが上がるものです。
(*゚∀゚)=3ハァハァ
江ノ島電鉄 腰越-鎌倉高校前(車窓から)
併用軌道から路地裏へ入り、やがて海へ・・・この江ノ島から鎌倉高校前までの二駅区間は変化に富んでいて、鉄じゃなくてもじゅうぶんに楽しめるのではないでしょうか。そして私はこの海岸近くにある駅、鎌倉高校前で下車。
藤沢1000-(江ノ電49列車)-鎌倉高校前1015
目の前に海が広がる駅として、有名な鎌倉高校前駅。
まさに湘南を連想させる象徴的なポイントです。
江ノ島電鉄 鎌倉高校前
駅横で撮影した江ノ島と江ノ電のコラボカット。
よく見るお決まりの定番構図ですが、
車道にクルマが一台もいない状態で撮るのは
意外と難しいのです。
車両は京都・嵐電との姉妹提携を記念した
嵐電カラーの「嵐電号」。
江ノ島電鉄 鎌倉高校前付近
江ノ電の撮影地として選んだのが鎌倉高校前とは、我ながらベタベタのベタコさんです (*^^)ゞ。でもこの日の湘南には強風注意報が発令されていて、ふだんは穏やかな湘南の海もこの日ばかりは大きな白波が立つ、いわゆる時化(しけ)の状態。実は冒頭で触れたキーポイントとなる気象条件とはこのことで、荒波の湘南海岸をバックにした江ノ電を撮りたいと考えていたのです。そこで最初の撮影地は駅近くの踏切。ここは海を背景に江ノ電が撮れる有名なポイントで、今の時間帯ならば列車をシルエット気味に落とした面白いカットが狙えるはず。そう、この場所こそが今年の9月にスイスの湖でトラムを撮った際に私が思い浮かべていた撮影地です。しかしこの撮影地にはそのスイスのときと同じ、大きな問題点が・・・それは交通量の多い車道が並行していること。
海をバックに江ノ電を・・・が、
並行する道路のトラックがモロにカブってしまいました。orz
シルエットで解りづらいですが、車両は500形。
江ノ島電鉄 七里ケ浜-鎌倉高校前
とりあえず一枚撮ってみましたが、やはりこんな感じでクルマとカブらずに列車を撮るのは至難のワザ。晴天の週末に海沿いの道ともなればドライブに出かける方も多く、最初に駅横で撮ったような、まったくクルマのない状態など奇跡に近いものがあります。それでも根気よく狙い続ければ一回くらいは撮れるか・・・?
奥の車道にはクルマが無いけれど、
今度は手前に踏切待ちの車列が・・・(´Д`;)。
これは1000か、1500形。
ギリギリクルマが抜けた!?
でも電車を引き付けすぎて、
海の面積が少なくなっちゃいました。
この一カット前だと電車の位置が良くても
右端に写っているクルマが大きく入っています。
う~ん、難しいものだなぁ・・・(´~`;)。
このシャープなシルエットは2000形。
クルマは抜けたけれど、バイクが一台・・・。
このくらいは目をつぶるべきか?
これも1000形系列。
何度か挑戦してみるも、なかなかスッキリとは抜けてくれません。ここに載せたのはそれでもまだマシな方の写真で、ほとんどが並走するクルマとのモロカブりだらけ。撃沈写真ばかりが続くと精神的に萎えてきます (;´д`)=3ハア…。それに荒波の表情もあまり出ていないような気がする・・・。ここでは思っていたほどの成果が得られず、早めに見切りをつけて撮影地を移動することにしました。
次に考えている撮影地は、鎌倉高校前のひとつ鎌倉寄りにある駅、七里ケ浜が近そう。江ノ電の一駅区間は短く、鎌倉高校前から七里ケ浜の間も0.9キロ程度。これならば12分間隔の江ノ電を待つよりも、歩いちゃった方が早そうです テクテク C= C= C=┌( ・∀・)┘。
ところで、さっきから列車の車種を確認し続けているのですが、まだお目当ての300形の姿を見ていない。今日は動いていないのかなぁ・・・などと考えながら七里ケ浜へ向かって歩いていると、途中の信号場で見かけた編成は・・・
鎌倉高校前~七里ケ浜のほぼ中間点にあるのは
上下の交換が可能な峰ヶ原信号場。
駅ではありませんが、大半の列車がここで交換します。
左が1000形で、右は1500形。
江ノ島電鉄 峰ヶ原信号場
先ほど藤沢から乗った1501Fでした。これでこの日動いている全編成を見たことになりますが、やはり300形はお休みのようです。う~ん残念・・・(´・ω・`)ショボーン。お目当てが動いていないと解ると、一気にテンションが下がります。それでもこの日の荒波は、コラボする車両に関係なく、ぜひとも次に目指す撮影地で撮っておきたい。再び気持ちを奮い立たせて先へ進みます。でも私、実はその撮影地へ行くのは今回が初めてで、詳しい行き方を知りません。そこはソネブロ仲間のFTドルフィンさんをはじめ、ネット上で何人かの方が撮影されている写真を見かけているのですが、解っているのは稲村ケ崎~七里ケ浜を臨む高台の俯瞰ポイントだと言うことだけ。ある程度は地図上で目星をつけて、あとは行ってみれば解るかと思ったのですが、実際は意外と苦労することに。
七里ケ浜海水浴場の最寄り駅、七里ケ浜。
駅の周囲にはオサレなカフェやレストランが軒を連ねます。
江ノ島電鉄 七里ケ浜
このあたりは道路と線路の境界が低く、
江ノ電らしい緩やかな雰囲気を味わうことができます。
走ってゆくのは現行塗装の1000形。
江ノ島電鉄 鎌倉高校前-七里ケ浜(後追い)
その江ノ電の線路脇には上の方へと伸びる階段が・・・
ここが撮影地へと続く入り口か・・・?
(o¬ω¬o)アヤシイ...
急斜面の階段を上ります。
徒歩鉄のクセに俯瞰好きなので、最近こんなんばっかし・・・。
ε~ε~ε~(;´Д`)ヒィィィィ...
階段を上り切ると視界が開けたところに出ました。
でも江ノ電はよく見えないなぁ・・・(A´・д・)=3
撮影ポイントはもっと上の方なのかな?
さらに歩き続け、だいぶ高いところまでやってきました。
家々の向こうには、高波の立つ荒々しい海原が見えます。
なんと、この先は行き止まり!?Σ(゚□゚(゚□゚*)ナ、ナニーッ!!
せっかくここまで上がって来たのに・・・orz。
高台へ続く階段や坂を登るも、視界はあまり開けません。しかも細い路地は複雑に入り組んでいて、行き止まりや、気がつけば同じ道をぐるぐると彷徨うことに・・・。いったいあの俯瞰写真はどこから撮られたものなのだろうか? 海に面した大邸宅の豪華なバルコニーからなら見晴らしが良さそうですが、まさかあそこから撮ったんじゃあるまいな・・・Σ(゚д゚;) ハッ!!、ひょっとしてこのお屋敷の坊ちゃんが鉄で、仲間内をみんな招き入れたのでは!? m9(゚∀゚)っ ソレダッ!! ・・・などと、アホなことを本気で考えてしまう始末。同じところを二周も三周もしている不審人物、この辺で空き巣騒ぎがあったら間違いなく私が疑われることでしょう。もう諦めて駅へ戻ろうかと思ったそのとき、海の見える丘の一角に足場は悪そうだけれどなんとか立てそうな場所が・・・。
七里ケ浜を一望する俯瞰ポイント。
湘南の海が目の前に大きく広がっています。
そしてその傍らをゆく、江ノ電の電車。
江ノ島電鉄 稲村ケ崎-七里ケ浜
やっと見つけた~\(≧∇≦)/! そう、こここそが探し続けていた俯瞰撮影地です! いったい江ノ電はどこにあるの・・・?と言われてしまいそうなほど、列車はちっちゃくしか写りませんが、江ノ電沿線にここまで大きく海を入れることができる雄大な撮影地が他にあるだろうか。そして狙い通り、この日の海は豪快に白波を立てています。う~ん、諦めずに探してヨカッタなぁ・・・マヂ*。.+゚(つД`。)゚+。.*ウレスィ。ちなみにこの場所はあまり撮影地として公表されていないみたいなので、先人に敬意を表してここでは詳しい場所は伏せておくことにします。ただ、道はそれほど難しくなく、駅から迷わずに歩けば15~20分程度の距離。私みたいに迷いまくると一時間ほどの時間を要します(笑)。
続いてやってきたのは、茶色いレトロカラーの20形。
茶色い電車はまったくと言っていいほど目立ちませんね・・・。
念願の撮影地は見つけることができました。でもまだちょっと時間帯が早く、列車の顔には日が当たっていません。これではあまり列車が目立たない。ただでさえ江ノ電はシックな色の車両が多いのに・・・。そこでここはいったん引き上げて、光線状態が良くなる午後の遅い時間に再度訪れることとしました。さらに狙いは、朝に乗って来た1501Fの「サンライン号」。白が基調のあの車両ならば、きっと遠景でも目立ってくれるハズです。
時間潰しのために丘の上の俯瞰ポイントを下りて七里ケ浜駅へ戻り、電車で江ノ島(駅)へ。
七里ケ浜1250-(76列車)-江ノ島1300
相模湾に突き出た江の島への入り口となる江ノ島駅
(島名・住所等は「の」、駅名は「ノ」が使われます)。
週末は多くの観光客でにぎわいます。
江ノ島電鉄 江ノ島
江ノ島の名物と言えば「しらす丼」。
本当は活きのいい「生しらす」が食べたかったのですが、
この日は時化で漁に出られなかったのだとか (´・д・`)。
まあ、あの荒波じゃ仕方ないか・・・。
「釜揚げしらす」でもじゅうぶんに美味しかったです。
江ノ島と腰越の間は、
先ほどの車窓からも眺めた、併用軌道区間。
せっかくなので、ここでも少し撮影をしてゆくことにします。
まずはカーブを横切る2000形を正面から。
江ノ島電鉄 腰越ー江ノ島
江ノ電の鉄道110周年、バス85周年を記念して、
1000形1101Fに施されているのは、
江ノ電のゆるキャラ「えのん」が描かれた「スキップえのん号」。
えのんのモチーフは漢字の「江」の字だそうで・・・。
この写真、右スカの何とも中途半端な構図ですが、
実は右の影にある「江ノ電もなか」のお店を入れたかったのです。
これがその「江ノ電もなか」を売る和菓子処「扇屋」さん。
店頭には600形の前頭部が保存されています。
(しかも運転台部分が和菓子の作業場!)
もなかを買うついでに「撮影してもいいですか?」と尋ねたら、
おかみさんに「コッチの方が動かないから撮りやすいでしょ」と
言われてしまいました・・・(^^;)
でもやっぱり私は動いている電車の方を撮るのがスキ。
現在の最新形式である500形をローアングルから撮影。
江ノ電の電車は新型でもどこか愛嬌があります。
白い「サンライン号」がやってきました。
この車両を狙うために、
そろそろ俯瞰ポイントへ戻ることとしましょうか。
俯瞰ポイントへ戻る途中で
朝の海バックポイントにさしかかったとき、
ちょうど踏切が鳴ったので急いで移動して一枚パチリ。
不思議とこういうときに限ってクルマとのカブリ無しが
成功しちゃうものなんですよね~(^^;)
車両は俯瞰ポイントで目立たなかったレトロ色の20形。
なんだか異国の鉄道みたい・・・。
江ノ島電鉄 七里ケ浜ー鎌倉高校前
昼食をとり、少し併用軌道区間で撮影、さらに電車には乗らずに海岸沿いを歩いて移動したことで適度に時間は潰れて、俯瞰ポイントへ戻った頃にはちょうど良い日の向きとなっていました。午後になって少しは風が弱まるかと思っていましたが、相変わらず強くて波は高いまま。時化で生しらすが食べられなかったぶん、この高波はしっかりと撮らなくちゃ。 (`・ω・´)-3フンス!!
はやくも傾きはじめた冬の陽に照らされる七里ケ浜の情景。
線路上に現れたのは大きな窓が特徴の2000形です。
江ノ島電鉄 稲村ケ崎-七里ケ浜
後追いの20形は、少しアングルを上げて撮ってみました。
海の向こうに見えるのは三浦半島の葉山あたりです。
この撮影地でネックとなるのは、線路沿いに林立する電柱や架線柱の処理。列車の顔にかからない箇所は大きく分けて三つで、今の20形を撮った上段、その前の2000形を撮った中段、そして先ほど来たときにレトロ色20形を撮った下段。列車の速度はゆっくりなので一本の列車でも、その三カ所すべてでの撮影が可能ですが、本命の「サンライン号」はこの写真を選んでみました。
白波がまるで生き物のように荒れ狂う湘南の海を背に、
西日を浴びた「サンライン号」が走り抜けてゆきます。
空や対岸の山を入れた上段アングルだと見切れてしまう手前の駐車場に、いつの間にか白いキャンピングカーが止まっているではありませんか。これがなんだかカッチョ良くって、ぜひとも入れたくなってしまいました。なので、ここでは中段で撮った写真をチョイス。高台で強風、いや、暴風にあおられながらの撮影でしたが、満足のいく写真を撮ることができました (^^)。いつかはここで300形を撮ってみたいものですが、晴天の休日でこんな迫力のある波が見られるような条件は、そうそう無いだろうなぁ・・・。
再び丘を下りて、七里ケ浜駅へ。
今度は下りの鎌倉行きへと乗り込みます。
強風で架線に付着物があった関係で、ダイヤが少々乱れ気味・・・。
江ノ島電鉄 七里ケ浜
七里ケ浜1455-(95列車?)-極楽寺1502
あとは鎌倉へ出て帰る予定ですが、
ちょっと極楽寺駅に寄り道。
こじんまりとしたいい駅舎です。(^^)
江ノ島電鉄 極楽寺
駅の北側にあるのが駅名にもなっている極楽寺。
創建は1259年で、建立したのは北条義時の三男・重時。
鎌倉で唯一の真言律宗の寺なのだそうです。
でも鉄で極楽寺と言えば思い浮かべるのは、
江ノ電の車庫である極楽寺検車区。
沿道から中をのぞくと、お休みしている300形305Fの姿が。
今度来るときは動いていてね・・・(´・ω・)人オネガィ。
江ノ島電鉄 極楽寺検車区
ちなみにこの極楽寺検車区、
構内を住民専用の踏切(遮断器の無い第四種踏切)が
跨いでいますが、この踏切での撮影などは御法度。
もちろん私も柵の手前から撮影しました。
極楽寺には鉄スポットがもうひとつ。
駅の東側にあるのは江ノ電唯一のトンネルである「極楽寺隧道」。
以前はもっとスッキリ撮れたような気がするけれど、
ちょっとケーブルなどが掛かる窮屈な写真となってしまいました。
トンネルから現れたのは
デビュー当時の旧塗装を纏った1000形の1001F。
やはり1000形系列にはこの色が似合いますね。
江ノ島電鉄 長谷-極楽寺
極楽寺から終点の鎌倉へ。
乗ったのは朝と同じ10形+1500形の編成。
編成の後部にはさっき撮った「サンライン号」が連結されています。
江ノ島電鉄 鎌倉
残念ながら撮りたかった300形は動いていなかったけれど、白波立つ湘南海岸で俯瞰撮影や海バック、さらに併用軌道を走る姿など、一日かけて江ノ電を満喫することができました。今回は湘南海岸を中心に巡ってきましたが、江ノ電にはまだまだ魅力的な撮影地がたくさんあります。次は紫陽花の時期に長谷のあたりで、今度こそ300形を狙ってみたいですね(まさか引退しちゃわないだろうな・・・^^;)。そして「生しらす」の方も次回にリベンジです(笑)。
極楽寺1526-(99列車?)-鎌倉1534
今回使用した江ノ電の一日乗車券「のりおりくん」。
料金は580円ですが、歩くことが多かったので、
あまりもオトクにならなかったかも・・・。
上にあるのは扇屋さんの「江ノ電もなか」。
10コ入り(¥1300)だといろんな車種と味が楽しめますが、
バラ売り(¥130)は2000形の抹茶餡のみとのこと。
鎌倉1607-(湘南新宿ライン1710E)-新宿1709
ONE-shot 103 「船橋線」の臨時列車。 [PICK UP ONE-shot]
子供の頃から鉄道好きだった私にとって、
憧れのひとつだったのが、定期券で通う「電車通学」。
小・中学校が家から徒歩で通える近さだったこともあり、
高校は絶対に電車で通学できるところを・・・と考えていました。
しかし県外の高校となれば、私立でお金がかかるし、
「通学定期が欲しいから県外の私立に行きたい」なんて志望動機は、
当然ながら親に認められるはずもありません。
そもそも出来の悪い私の頭では通学方法で学校を選ぶような余裕はなく、
結局、与えられた選択肢は近場にあるいくつかの公立高校でした。
それでも私は通学定期への夢が捨てきれず、
選択肢のなかで唯一電車通学が可能な学校を受験し、合格。
晴れて人生初となる定期券を手に入れることができたのです。
ただし、その通学区間は東武野田線のわずか数駅。
同じ東武でも特急や急行が走る伊勢崎線や東上線などとは異なり、
通勤形の普通列車ばかりで何も面白味が無い野田線。
しかも私が通っていたのは、そのなかでもさらに地味な
通称「船橋線*」と呼ばれる区間で、
いくら憧れの電車通学とはいえ、ひと月も通えば飽きてしまい、
当時の私は「日本でいちばんツマラナイ路線の定期」を持ってしまった・・・
と、嘆いたものでした (おーげさだね ^^;)。
あれからウン十年・・・
なんと、その地味な船橋線に臨時の特別列車が走るというではありませんか!
これは当日に伊勢崎線・南栗橋の車庫で行われる一般開放イベント
「東武ファンフェスタ」への団体輸送で、船橋から南栗橋までの運転。
使用されるのは旧塗装の復刻色で人気を集めている8000系の8111Fです。
船橋線の元・通学利用者としては、これを見逃すわけにはいきません。
ネットを検索してもあまり撮影地がヒットしない船橋線ですが、
私には一カ所、キレイに撮れそうな場所の心当たりがありました。
それは高校時代、毎日車窓から眺めていた抜けの良い築堤で、
いいポイントだけれど船橋線じゃ撮る気がおきないと、
当時はまったく見向きもしなかった場所。
しかし何十年も経った今でも、果たして撮影はできるのだろうか・・・?
期待半分、不安半分でその撮影地へと向かいます。
すると、そこにあったのは昔とまったく変わらない情景。
これには思わず、懐かしさよりも嬉しさが沸いてきます。
ここは編成撮りもじゅうぶんに可能な撮影地ですが、
私にとっては想い出深いこの場所の雰囲気を少しでも表現したくて、
あえて引き画で狙ってみることにしました。
周りには誰もいない、私だけのフェイバリット・ポイントを
軽やかに駆け抜けてゆく、復刻色の8111F。
まさか高校を卒業してからウン十年も経ったあとに、
ここで撮影することがあろうとは、思ってもみなかったなぁ・・・。
12.12.2 東武野田線 高柳-逆井
* 東武野田線は埼玉の大宮から千葉の船橋へと至る路線ですが、
途中駅の柏が頭端式のスイッチバック構造となっているため
大半の列車が大宮~柏と柏~船橋で運行区間が分けられ、
柏を境に大宮方面をそのまま「野田線」、
船橋方面は通称で「船橋線」と呼ばれることがあります
(ただし沿線民や利用者は船橋側でもフツーに野田線と呼ぶことが多く、
私も船橋線とはほとんど言いません。
この通称は業務用か、ファンが付けた呼び名なのかな?)。